心大血管リハ施設基準|Ⅰ・Ⅱの違いと届出確認

制度・実務
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心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準とは

心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準は、Ⅰ・Ⅱの点数差だけでなく、人員配置、緊急時対応体制、必要機器、様式41・様式44の2をセットで確認する必要があります。この記事では、届出前に見るべき項目をPT・リハ部門向けに整理します。5区分全体の位置づけから確認したい場合は、先に 疾患別リハビリテーション料とは?5区分・日数・単位 を確認してください。

心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱの違い

心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱは、点数だけでなく、対象患者、人員配置、緊急時対応体制、必要機器、届出書類の確認範囲が異なります。

心大血管リハ施設基準で届出前に見る5項目を整理した図版
図:心大血管リハ施設基準で届出前に見る5項目

実務では「Ⅰは205点、Ⅱは125点」と覚えるだけでは不十分です。どの患者を対象に、どの職種配置で、どの緊急時対応体制と機器をそろえて実施するかを説明できる状態にしておく必要があります。

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心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱの主な確認ポイント
区分 点数 対象患者の見方 人員・体制 届出で見るもの
205点 急性期・術後を含む心大血管リハの中心区分として確認します。 循環器内科又は心臓血管外科の医師、心大血管リハ経験を有する医師、看護師・理学療法士等の配置、緊急時対応体制を確認します。 様式41、様式44の2、専用機能訓練室の平面図、機器一覧、緊急時体制を確認します。
125点 一部疾患では、発症後又は手術後1月以上経過した患者が対象となる点に注意します。 Ⅰより簡略化された体制ですが、医師配置、経験を有する専従従事者、緊急時体制、必要機器の確認は必要です。 様式41、様式44の2、平面図、機器・記録管理を確認します。

届出前は、区分、対象患者、人員、緊急時体制、機器、記録を別々に見ず、1つの運用としてつながっているかを確認することが重要です。

人員配置で確認したい医師・看護師・療法士の要件

人員配置では、人数だけでなく、専任・専従、常勤・非常勤、経験、勤務時間帯を確認します。

様式41では、循環器内科又は心臓血管外科を担当する医師、心大血管疾患リハビリテーションの経験を有する医師、経験を有する専従従事者などを確認します。様式44の2では、従事者の氏名、勤務態様、専従・非専従、専任・非専任などを整理します。

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心大血管疾患リハの人員配置で確認したい項目
確認項目 届出で見るもの 院内で残したいもの
医師 循環器内科又は心臓血管外科を担当する医師、心大血管リハ経験を有する医師 勤務表、担当医一覧、標榜診療科、経験・研修歴
看護師 心大血管リハに従事する看護師の配置、専従・非常勤・常勤換算 勤務表、配置表、担当時間、常勤換算メモ
理学療法士 心大血管リハ経験を有する理学療法士の配置、専従・非常勤・常勤換算 勤務表、経験証明、担当患者一覧、研修修了一覧
勤務態様 様式44の2で常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任を確認 届出様式と実際の勤務表を突合できる管理表

臨床では、届出書類は医事課が作成し、勤務実態はリハ部門が把握していることがあります。様式上の配置と実際の勤務表がずれると説明しにくくなるため、届出前にリハ部門側でも突合しておくと安全です。

緊急時対応体制と必要機器

心大血管疾患リハでは、緊急時対応体制と必要機器の確認が施設基準の中心になります。

様式41では、緊急手術・血管造影検査が行える体制、連携保険医療機関名、酸素供給装置、心電図モニター装置、救急カート、除細動器、トレッドミル又はエルゴメータ、血圧計、運動負荷試験装置などを確認します。

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心大血管リハの緊急時対応体制と機器で確認したいこと
確認項目 見るポイント 院内で残したいもの
緊急手術体制 緊急時に手術室を使用できる体制があるか 院内体制表、連絡フロー、対応可能時間
血管造影検査 緊急時に血管造影室を使用できる体制があるか 対応部署、担当職員、連絡方法
連携医療機関 院外で緊急時体制を確保する場合の連携先 連携保険医療機関名、確認記録、連携フロー
救急対応機器 酸素供給装置、心電図モニター装置、救急カート、除細動器など 機器一覧、設置場所、点検記録
運動負荷試験装置 保険医療機関内に備えているか 設置場所、使用ルール、保守点検記録

機器は「ある」だけでなく、どこにあり、誰が使い、点検状況をどう残すかまで整理しておくと実務が安定します。心大血管リハでは、安全管理体制を説明できることが施設基準理解に直結します。

届出で確認したい様式41・様式44の2・平面図

届出では、様式41、様式44の2、専用機能訓練室の平面図を中心に確認します。

届出は提出して終わりではありません。職員の異動、勤務時間の変更、機器の更新、連携医療機関の変更があったときに、届出時の内容と現場運用がずれていないかを確認できる状態にしておく必要があります。

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心大血管疾患リハビリテーション料の届出前に確認したい書類と院内資料
確認項目 届出で見るもの 院内で残したいもの
届出区分 別添2、様式41 届出控え、受理状況、算定区分一覧
従事者 様式44の2 勤務表、職種別一覧、経験・研修歴
専用施設 専用機能訓練室の平面図 面積、室名、使用時間帯、他リハとの併用状況
機器 様式41の器械・器具欄 機器台帳、設置場所、点検記録
緊急時体制 様式41の緊急時体制欄 院内フロー、連携医療機関名、連絡手順
記録管理 医師指示、運動処方、実施時間、訓練内容 一元管理台帳、カンファレンス記録、記録様式

心リハでは、評価、運動処方、実施記録、リスク管理を別々に置くと後から説明しにくくなります。患者ごとに一元管理し、必要時に確認できる導線を作っておくことが大切です。

対象患者で迷いやすい場面

対象患者は、疾患名だけでなく、運動療法を行う医学的理由、リスク評価、医師指示、実施内容がつながっているかで確認します。

急性心筋梗塞、狭心症、開心術後、TAVI後、大血管疾患などは、急性発症・術後の流れで整理しやすい一方、慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患、肺高血圧症では、呼吸循環機能低下や日常生活能力低下の程度を確認する必要があります。心不全患者の評価を臨床に落とす場合は、心不全リハ評価ミニマムセット も参考になります。

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心大血管リハの対象患者で確認したい見方
対象の例 確認したいこと 記録で残したいこと
急性心筋梗塞・狭心症 発症時期、治療経過、運動療法の適応 発症日、治療内容、リスク評価、医師指示
開心術後・TAVI後 術後経過、循環動態、離床状況 手術日、合併症、離床進行、運動処方
慢性心不全 呼吸循環機能低下、ADL低下、再入院リスク LVEF、BNP、NT-proBNP、運動耐容能、ADL
末梢動脈閉塞性疾患 歩行能力、虚血症状、運動療法の適応 歩行距離、症状、ABI等の検査、医師指示
肺高血圧症 呼吸循環機能、運動耐容能、増悪リスク 症状、運動負荷、酸素化、リスク管理記録

現場の詰まりどころ

心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準は、人員、緊急時体制、機器、記録、カンファレンスがつながっていないと詰まりやすくなります。

よくある失敗は、Ⅰ・Ⅱを点数だけで判断してしまうことです。点数差よりも、その区分を支える安全管理体制を院内で説明できるかを確認しましょう。

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心大血管リハ施設基準でよくある失敗と回避策
場面 NG OK
区分選択 点数だけでⅠ・Ⅱを見る 対象患者、緊急時体制、人員、機器までセットで見る
緊急時体制 院内に何となく対応できる体制があると考える 院内又は連携医療機関の体制を明文化する
機器管理 機器があるかだけ確認する 設置場所、点検状況、使用ルールまで台帳化する
記録管理 医師指示、運動処方、実施記録が分散する 患者ごとに一元管理し、常時閲覧できる形にする
カンファレンス 開催実績だけで済ませる 関係職種の参加、検討内容、方針変更を記録に残す

届出前の5分チェック

届出前は、様式を埋める前に「対象患者、人員、緊急時体制、機器、記録」が説明できるかを5分で確認します。

心大血管リハ施設基準の届出前チェック
順番 確認すること 不足しているときの対応
1 Ⅰ・Ⅱのどちらで届け出るか 対象患者、人員、緊急時体制を再確認する
2 医師・看護師・療法士の配置が説明できるか 勤務表、経験、専従・専任の整理を行う
3 緊急時体制と連携先が明文化されているか 院内フロー、連携医療機関名、連絡手順を整える
4 必要機器の設置場所と点検記録が分かるか 機器台帳、点検表、使用ルールを確認する
5 患者ごとの記録を一元管理できるか 医師指示、運動処方、実施時間、訓練内容の記録導線を整える

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

心大血管疾患リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱは何が違いますか?

点数だけでなく、対象患者、人員配置、緊急時対応体制、必要機器、届出書類の確認が異なります。Ⅰはより手厚い体制を前提とした区分、Ⅱは対象患者や実施体制に応じて整理される区分として、届出前に様式41と様式44の2を確認します。

緊急時対応体制は院内で必ず確保する必要がありますか?

緊急時に備える体制を連携保険医療機関で確保している場合は、連携保険医療機関名を記載します。院内だけで考えるのではなく、緊急手術・血管造影検査が可能な体制をどこで確保しているかを説明できるようにしておくことが重要です。

運動負荷試験装置はリハ室に置く必要がありますか?

様式41の記載上の注意では、運動負荷試験装置は当該保険医療機関内に備えていればよいとされています。リハ室内かどうかだけでなく、設置場所、使用ルール、点検記録を確認できる状態にしておくと実務上わかりやすくなります。

遠隔心リハや心不全再入院予防継続管理料とは何が違いますか?

心大血管疾患リハビリテーション料は、H000本体の疾患別リハ料です。遠隔心リハは遠隔実施・保険収載の論点、心不全再入院予防継続管理料は継続管理の制度です。まずH000の施設基準を押さえたうえで、関連制度を確認すると混線しにくくなります。

次の一手

疾患別リハ全体の中でH000の位置づけを確認したい場合は、疾患別リハビリテーション料とは?5区分・日数・単位 を読むと、心大血管・脳血管・廃用・運動器・呼吸器の違いを整理しやすくなります。

心不全患者の評価・運動耐容能・ADLを臨床に落とす場合は、心不全リハ評価ミニマムセット が続きます。


参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について
  2. 関東信越厚生局.特掲診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定)
  3. 九州厚生局.様式41 心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)の施設基準に係る届出書添付書類
  4. PT-OT-ST.NET.H000 心大血管疾患リハビリテーション料|令和8年診療報酬改定情報
  5. PT-OT-ST.NET.心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)(Ⅱ)の施設基準に係る届出書添付書類

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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