認知症ケアチームの記録テンプレ|ラウンド/カンファの残し方

制度・実務
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認知症ケアチームの記録テンプレ|ラウンド/カンファを “ 1 枚で残す” 運用の型

認知症ケア加算の運用で弱くなりやすいのは、「やっているのに説明できない」状態です。ラウンドやカンファで助言しても、口頭で終わったり、議事録・看護記録・リハ記録が分散したりすると、継続性(次回に結果が追えること)が見えにくくなります。

本記事では、認知症ケアチームの出力を「提案→担当→期限→結果」で 1 枚に統合し、研修/せん妄対策/身体的拘束の最小化まで同じ運用枠で回せる “ 残る型 ” を提示します。

同ジャンルで回遊:施設基準と運用フローの “全体像” を先に押さえると、記録の設計がブレません。

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結論:記録は “ 1 枚で追える” だけで監査対応も現場運用もラクになる

おすすめは、ラウンド・カンファの出力を 1 枚( 1 ファイル)にまとめ、「提案→担当→期限→結果」で必ず次回に追える形にすることです。これだけで、「助言がケアに反映されたか」「継続評価できているか」が見え、説明が容易になります。

さらに、認知症ケア加算で求められやすいせん妄リスク因子の確認せん妄対策、および身体的拘束の最小化も、同じテンプレの中に “チェック欄” と “評価欄” を置くと、分断を防げます。

テンプレの最小セット|この 7 つが入れば “残る”

テンプレは項目を増やすほど回りません。最小セットは次の 7 つで十分です(スマホは左右にスクロールできます)。

認知症ケアチーム記録テンプレ:最小セット 7 項目( 1 枚運用)
項目 何のため 書くポイント よくある失敗
対象(患者 ID ) 追跡性 病棟/主病名/入院日も 1 行で 対象一覧が別管理で迷子
困りごと(現象) 論点の固定 転倒、夜間不穏、拒否、せん妄疑い等 抽象語だけで対策が立たない
仮説(要因) 介入の妥当化 疼痛、睡眠、排泄、刺激量、活動性など 「認知症だから」で止まる
提案(介入) 実装 非薬物を中心に “具体” で 口頭助言のみ
担当(誰が) 責任の所在 主担当+フォロー担当 担当不明で実施されない
期限(いつまで) 次回で追う 24–72 時間など短期で区切る 期限なしで “やりっぱなし”
結果(評価) 継続性 変化の有無+次の打ち手 結果欄が空欄のまま

回し方(おすすめ)|ラウンド→カンファ→次回評価を 1 本化

運用はシンプルが勝ちです。おすすめの回し方は、ラウンドで論点を絞るカンファで提案を確定次回に結果を回収の 3 ステップです。

  1. ラウンド:困りごと(現象)と仮説(要因)を 1 行で固定する。
  2. カンファ:提案(介入)を “担当+期限” まで決める。
  3. 次回:結果(評価)を回収し、次の打ち手を 1 行で更新する。

テンプレ例|そのまま院内共有できる “書き方” の型

以下は “書き方” の例です(文章は短く、同じ言い回しで揃えるほど運用が安定します)。

記録例(書き方の型):提案→担当→期限→結果が追える
困りごと(現象) 夜間不穏( 22–2 時 )+離床多い、転倒リスク高い
仮説(要因) 疼痛(体位変換時)+日中活動量低い+夕方以降の刺激量多い
提案(介入) 日中に 2 回の短時間歩行/夕方の刺激整理( TV ・面会時間)/就寝前の疼痛評価と体位調整
担当 看護: A / PT : B / MSW : C
期限 48 時間で再評価(次回ラウンドで回収)
結果(評価) 夜間離床が減少( 2 回→ 0 回)/疼痛 NRS 低下。次は “排泄タイミング” を調整して様子見る。

現場の詰まりどころ|読ませるゾーン(ボタン無し)

ここは “運用を崩す原因” を先に潰すゾーンです。ページ内アンカーで迷子を防ぎます。

よくある失敗|“口頭助言で終わる” を 0 にする

運用が崩れるパターンは、ほぼ次の 4 つです。テンプレに “欄” を作って防ぎます。

記録が残らない 4 パターン:原因と対策(テンプレで防ぐ)
失敗 起きる理由 対策(型) テンプレの欄
助言が口頭で終わる 担当と期限が決まっていない 提案は必ず “担当+期限” まで 担当/期限
次回に追えない 結果欄が無い/回収が習慣化していない 次回ラウンドで “結果回収” を固定 結果(評価)
項目が増えすぎる あれもこれも入れて回らない 最小セット 7 項目に戻す 最小セット
せん妄・拘束が分断 別シートで管理して散る 同じテンプレに “チェック欄” を統合 せん妄/拘束の欄

セルフチェック|テンプレが “監査に弱い” 状態を一瞬で見つける

次の表で、テンプレが “弱い” ところを先に直します。

認知症ケアチーム記録:セルフチェック(最小)
チェック OK の条件 NG のサイン 直し方
担当が決まっている 主担当+フォロー担当が書ける 「病棟で対応」など曖昧 担当欄を必須にする
期限が短い 24–72 時間で区切れている 期限なし/ 1 週間以上 期限は短期固定(次回回収)
結果が回収できている 結果欄が埋まる運用 結果欄が空欄のまま 次回ラウンドで回収を固定
論点が 1 行 困りごと+仮説が簡潔 文章が長く要点不明 “ 1 行ルール” を共有

院内共有のコツ|テンプレは “ 1 か所に置く” だけで回り始める

テンプレは、場所が分散すると更新が止まります。おすすめは、院内共有フォルダに最新版 1 つだけ置き、ファイル名に更新日を入れて版管理することです。

  • 例:dementia_care_team_round_conf_template_2026-01-27.pdf
  • 運用:更新担当を 1 名に固定し、更新は月 1 回までに制限(増殖を防ぐ)

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

テンプレは細かく作った方が “良い記録” になりますか?

多くの場合、逆です。項目が増えるほど運用が止まり、口頭助言に戻ります。まずは最小セット 7 項目で “回る” 形を作り、どうしても必要な項目だけを後から足す方が、継続性と説明力が上がります。

ラウンドとカンファ、両方の記録が必要ですか?

おすすめは “ 1 枚に統合” です。ラウンドで論点を絞り、カンファで提案を確定し、次回で結果を回収する。この流れが 1 枚で追えると、分断が減り、継続性が見えます。

PT はどこを書くと価値が出ますか?

PT は “非薬物介入” を具体化できるのが強みです。活動性、離床、環境調整、疼痛の影響などを仮説に落とし、提案を “担当+期限” で残すと、介入の効果が見えやすくなります。

次の一手|運用を整える → 共有の型を作る → 環境も点検する

教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。

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参考文献

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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