理学療法士1年目で辞めたい時の処方箋|48時間と3ヵ月プラン

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理学療法士 1 年目で「辞めたい」と感じたら:48 時間の応急対応と 1–3 ヵ月の再設計

1 年目は配属運・役割の変化・期待値のズレが重なりがちです。本稿は「今すぐやること」と「 1–3 ヵ月で立て直すこと」を地図化しました。結論は学習テーマと業務の期待値を再設計して、息継ぎのポイントをつくること。まずは “わからない” を “調べ方がわかる” へ。

続ける/環境を替えるの赤信号チェックを見る

新人が詰まりやすい 5 点(原因の型)

  1. 評価 → 仮説 → 介入 → 再評価の “つなぎ” が曖昧(目的・検証指標が未定義)
  2. 記録の「目的と読者」が不明瞭(医師・看護・ケア・明日の自分)
  3. 症例カンファで要点化できない(結論 → 根拠 → 依頼 の順序欠如)
  4. 多職種連携の依頼が遠慮がち(役割境界の誤解)
  5. 学習テーマが拡散して継続できない(担当症例との連動不足)

48 時間の応急対応(“明日を少し軽くする”)

  • 担当 1 症例を A4 で「評価 → 仮説 → 介入 → 再評価」の 1 枚メモ化(目的・指標・予定を明記)
  • 記録テンプレ導入:冒頭 3 行=目的/想定読者/要点(結論の先出し)
  • 明日のカンファ要約を先につくる:結論 → 根拠(検査所見・経過) → 依頼(期限付き)

「辞めたい」主因と打ち手の早見表

新人 PT の “辞めたい” 主因 → 一次対応/中期策/改善が無い時の選択
主因 一次対応(48 時間) 中期策(1–3 ヵ月) 改善が乏しい時
臨床が怖い/自信なし 1 枚メモで仮説と再評価指標を固定。先輩 1 名に事前レビュー依頼。 週 1 テーマ(12 週)で担当症例と連動学習。ミニ振り返り 5 分/日。 症例ミスマッチが続くなら配分調整を申請(午前重め・午後軽め)。
記録・書類が負担 3 行要約 → 本文の順に記載。所要時間を計測し “型” を固定。 定型文(評価結果の言い回し/再評価トリガ)を個人辞書化。 帳票運用が非合理なら上長へ改善提案。見込み薄なら部署変更も検討。
人間関係・指導体制 事実ログ(日時・言動・影響)を記録。相談窓口を 1 本化。 月 1 メンター面談で期待値を再調整(到達目標・支援・評価タイミング)。 心理的安全性が確保されない場合は執着せず環境変更。
業務量が過多 可視化(1 日のブロック化)。15 分単位で「やらないこと」を決める。 症例の重軽配分を再設計。週あたりバッファ枠(予備 1 コマ)を固定。 マンパワー不足が構造的なら配置転換・転職を含めて検討。
将来像が見えない 3 ヵ月・ 1 年の仮ゴールを 3 行で書く(症例スキル/資格/研究会)。 院内役割(褥瘡・栄養・呼吸など)へ “育成枠” を打診。 成長機会が無い施設はミスマッチ。環境変更で学習曲線を作り直す。

1–3 ヵ月の再設計プラン(学習 × 業務の同期)

  • 週 1 テーマ × 12 週:担当症例に直結する 1 テーマだけを掘る(評価指標・介入・再評価のセット)。
  • メンター面談:到達目標・支援内容・評価時期を合意(議事は 5 行で記録)。
  • ケース配分の再設計:午前=重め/午後=軽めの原則+予備枠 1 コマを固定。
  • 交渉の基本:事実・代案・期限の 3 点セット(例:〇週で××まで改善なければ配置転換)。

続ける?替える?の目安(赤/黄/緑)

意思決定の信号機:安全・学び・裁量の 3 観点
信号 状態 行動
ハラスメント/安全軽視/重大インシデントの隠蔽 記録 → 相談窓口 → 早期に環境変更を優先
指導体制が弱い/業務量過多だが交渉余地あり 期限付きの改善計画を合意(2–4 週)
学び・裁量・安全が概ね担保 12 週プランを回し、できたことログを蓄積

すぐ使える 3 行テンプレ

  • 記録冒頭:目的=〇〇の改善/読者=医師・看護/要点=本日◯◯達成、◯◯未達。次回は◯◯。
  • カンファ要約:結論=◯◯が必要。根拠=△△の所見。依頼=□□(期限:◯/◯)。
  • 交渉フレーズ:「◯週で××を目標。未達時は配置の再検討をお願いします。」

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ミニ FAQ

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

教育体制に不安があるとき、転職はいつ検討すべき?

原則は期限を切った改善計画です。まず 2–4 週で合意し、3 ヵ月で改善が乏しければ配置転換や転職も検討しましょう。赤信号チェックは こちら

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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