- 褥瘡ハイリスク患者ケア加算|令和8年度は「様式37の2の提出」ではなく、院内で必要な件数を継続管理します
- まず結論|令和8年度は4つの件数を院内で記録しておく
- Excel・PDF配布|令和8年度の月次管理シート
- 現行の様式37|院内で必要な記録ができているかを確認する
- 旧様式37の2との違い|③の実人数・9項目の複数回答は旧様式の集計ルール
- A236の位置づけ|加算は継続し、予防治療計画に基づく褥瘡対策を行う
- 数え方を院内で固定する|旧様式の「実人数」をそのまま当てはめない
- 月次運用|4つの数値を「抽出 → 照合 → 修正 → 保存」で残す
- 現場で数字が合わないとき|4つの工程のどこで途切れたかを見る
- よくある質問
- 次の一手|計画書と施設基準全体の流れをそろえる
- 参考文献
- 著者情報
褥瘡ハイリスク患者ケア加算|令和8年度は「様式37の2の提出」ではなく、院内で必要な件数を継続管理します
令和8年度の褥瘡ハイリスク患者ケア加算では、従来の「様式37の2」をそのまま定例報告する運用ではなく、現行の様式37で求められる院内記録を確実に残しておくことが重要です。
令和8年度の様式37では、褥瘡対策チームとの連携状況や院内研修に加えて、褥瘡リスクアセスメント実施件数、褥瘡ハイリスク患者特定数、褥瘡予防治療計画件数、褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数を記録していることが確認項目になっています。
この記事では、旧様式37の2で迷いやすかった数え方を整理しつつ、令和8年度は何を院内で管理すればよいか、月次集計をどう回すかに絞って解説します。すぐ使えるExcel・PDFの月次管理シートも用意しています。
2026年8月時点のポイント
- 令和8年度の病院向け定例報告一覧には、旧「様式37の2」は掲載されていません。
- 一方、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の施設基準と届出様式37は継続しています。
- 現行の様式37では、褥瘡対策に関する4つの件数を院内で記録していることが確認項目です。
まず結論|令和8年度は4つの件数を院内で記録しておく
令和8年度の様式37で明示されている実績管理項目は、次の4つです。旧様式37の2の①〜④をそのまま置き換えるのではなく、現行様式に記載されている項目名で管理するのが基本です。
| 管理項目 | 何を確認するか | 主な確認元の例 |
|---|---|---|
| 褥瘡リスクアセスメント実施件数 | リスクアセスメントを実施した件数 | リスクアセスメント票・電子カルテ |
| 褥瘡ハイリスク患者特定数 | 重点的な褥瘡ケアが必要と判断した患者の数 | リスクアセスメント結果・対象者一覧 |
| 褥瘡予防治療計画件数 | 予防治療計画を作成した件数 | 褥瘡予防治療計画書 |
| 褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数 | 重点的な褥瘡ケアを実施した件数 | 看護記録・褥瘡管理記録・計画評価 |

重要なのは、旧様式37の2の「①〜④」「9項目」の数字を、そのまま令和8年度の提出欄へ転用しないことです。現行の様式37は、施設基準を満たすための院内記録として上記4項目を確認する構造になっています。
Excel・PDF配布|令和8年度の月次管理シート
令和8年度の院内管理に使いやすいよう、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の月次管理シートをExcelとPDFで作成しました。
Excelは月ごとの数値を入力・保存したい場合、PDFはA4で印刷して病棟や褥瘡対策チームで確認したい場合に使えます。
注意:このExcel・PDFは厚生局へ提出する公式様式ではなく、令和8年度の施設基準で必要となる院内記録を月次で整理しやすくするための独自の管理シートです。実際の届出・定例報告では、管轄する地方厚生(支)局が公開している最新様式を確認してください。
現行の様式37|院内で必要な記録ができているかを確認する
令和8年度の様式37では、旧様式37の2のように①〜④の人数を直接記入する表ではなく、必要な体制と記録が整っているかを確認します。
現行様式37では、褥瘡リスクアセスメント票・褥瘡予防治療計画書の作成、重点的な褥瘡ケアの実施状況と評価結果の記録に加えて、次の実績を記録していることが確認項目になっています。
- 褥瘡リスクアセスメント実施件数
- 褥瘡ハイリスク患者特定数
- 褥瘡予防治療計画件数
- 褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数
そのため、実務では提出時期になって患者一覧をさかのぼるのではなく、毎月同じ条件で4つの数値を残しておく運用にすると確認しやすくなります。
旧様式37の2との違い|③の実人数・9項目の複数回答は旧様式の集計ルール
旧様式37の2を扱うときに重要だったのが、「③は患者の実人数」「ハイリスク項目は複数回答」という区別です。過去の報告内容や旧様式を確認するときには、現在でもこの違いを理解しておく必要があります。
| 論点 | 旧様式37の2 | 令和8年度 |
|---|---|---|
| 定例報告 | 様式37の2を使用して実績を報告 | 令和8年度の病院向け定例報告一覧に旧様式37の2は掲載されていない |
| ③ | ハイリスク項目に該当する患者の実人数 | 旧③をそのまま提出する構造ではない |
| ハイリスク項目 | 項目別は複数回答で集計 | 旧様式の項目別集計を、そのまま現行提出欄として扱わない |
| ④ | 本加算を算定した人数 | 現行様式37では4つの実績を院内で記録する |
つまり、旧様式37の2を検索してこの記事に来た場合でも、「以前どう数えていたか」と「令和8年度に何を管理するか」を分けて理解することが重要です。
A236の位置づけ|加算は継続し、予防治療計画に基づく褥瘡対策を行う
A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算そのものがなくなったわけではありません。令和8年度も、重点的な褥瘡ケアが必要な患者に対し、適切な褥瘡予防・治療のための予防治療計画に基づいて総合的な褥瘡対策を継続して実施する加算として位置づけられています。
また、現行の様式37では、重点的な褥瘡ケアが必要な患者に対して、予防治療計画の作成、継続的なケアと評価、褥瘡の早期発見・重症化防止を行う体制が整備されていることを確認します。
令和8年度の実務では、単に人数を集めるだけではなく、リスクアセスメント → ハイリスク患者の特定 → 予防治療計画 → ケア実施・評価がつながっているかを確認できる管理方法が重要です。
数え方を院内で固定する|旧様式の「実人数」をそのまま当てはめない
現行様式37には、旧様式37の2と同じ形で「1患者=1」と記入する①〜④欄はありません。そのため、旧様式の数え方を無条件に新しい4項目へ当てはめるのではなく、院内で集計条件を明文化しておくことが重要です。
最低限、次の6点を固定しておくと担当者が変わっても数字がぶれにくくなります。
| 決めること | 院内で確認する内容 |
|---|---|
| 集計期間 | 何月何日から何月何日までを対象とするか |
| 集計単位 | 患者数として数えるのか、実施件数として数えるのか |
| 重複の扱い | 同一患者で同月に複数回実施した場合をどう扱うか |
| 抽出元 | 電子カルテ、計画書、一覧表など、どの記録を正とするか |
| 確認担当 | 誰が集計し、誰が最終確認するか |
| 修正方法 | 後から対象漏れが見つかった場合、どこを修正するか |
特に「実施件数」と「患者特定数」が同じ数字になるとは限りません。項目名に合わせて抽出条件を決め、その定義を毎月変えないことが院内管理では重要です。
月次運用|4つの数値を「抽出 → 照合 → 修正 → 保存」で残す
おすすめは、月末または月初に同じ手順で集計することです。まとめて確認するより、月次で数値と記録を照合した方が、抜けが見つかったときに患者記録へ戻りやすくなります。
| 手順 | やること | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1. 抽出 | 4つの管理項目を対象期間から抽出する | 集計期間と抽出元を統一する |
| 2. 照合 | ハイリスク患者、計画、ケア実施記録を照合する | 途中で途切れている患者がいないかを見る |
| 3. 修正 | 入力漏れ・記録漏れ・集計条件の違いを確認する | 数字だけ合わせず、原因を確認する |
| 4. 保存 | Excelまたは院内の管理表へ確定値を残す | 後から集計条件まで確認できるようにする |
今回配布しているExcel・PDFは、この月次確認を同じ型で続けるための補助資料として使えます。
現場で数字が合わないとき|4つの工程のどこで途切れたかを見る
数値に差が出たときは、単純な入力ミスと決めつけず、リスクアセスメントからケア実施までのどこで患者が抜けたかを確認します。
| 起きていること | 確認する場所 | 対応 |
|---|---|---|
| リスクアセスメント件数が少ない | 入院時・再評価時の評価記録 | 実施漏れか、抽出条件の違いかを分ける |
| ハイリスク患者特定数が合わない | リスクアセスメント結果と対象者一覧 | 判定条件と対象期間を確認する |
| 計画件数が少ない | 褥瘡予防治療計画書 | 対象者抽出後に計画作成へつながったかを見る |
| ケア実施件数が少ない | ケア記録・評価記録 | 計画後の実施と評価まで記録されているかを見る |
4項目を横並びで確認すると、単なる件数集計ではなく、院内の褥瘡管理プロセスのどこに改善余地があるかを確認しやすくなります。
よくある質問
Q1. 令和8年度も様式37の2を提出しますか?
令和8年度の関東信越厚生局「病院に係る定例報告等について」の報告様式一覧には、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の旧様式37の2は掲載されていません。実際の提出物は、施設所在地を管轄する地方厚生(支)局の最新案内を確認してください。
Q2. 褥瘡ハイリスク患者ケア加算自体が廃止されたということですか?
いいえ。A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算と施設基準は令和8年度も継続しています。令和8年度対応の届出様式として様式37も公開されています。
Q3. 旧様式37の2の③はどう数えていましたか?
旧様式37の2では、③はハイリスク項目に該当する患者の実人数として整理し、同じ患者が複数項目に該当しても③では重複させません。一方、項目別の内訳は複数回答で扱います。これは旧様式を確認するときの数え方であり、令和8年度の新しい4管理項目へそのまま転用するものではありません。
Q4. 令和8年度は何を記録しておけばよいですか?
現行様式37では、褥瘡リスクアセスメント実施件数、褥瘡ハイリスク患者特定数、褥瘡予防治療計画件数、褥瘡ハイリスク患者ケア実施件数を記録していることが確認項目になっています。
Q5. 配布しているExcel・PDFは厚生局へ提出できますか?
このExcel・PDFは院内管理用の独自シートであり、公式の提出様式ではありません。施設基準の届出や定例報告では、必ず管轄する地方厚生(支)局が公開している最新の公式様式を使用してください。
Q6. 毎月集計することが公式に決められていますか?
この記事で紹介している月次管理は、必要な実績を後から確認しやすくするための院内運用例です。月次管理シートそのものが厚生局指定の公式様式という意味ではありません。施設内の運用方法に合わせて使用してください。
次の一手|計画書と施設基準全体の流れをそろえる
月次の件数管理だけでなく、患者ごとの計画・記録を見直す場合は、褥瘡診療計画書の書き方もあわせて確認してください。
施設基準全体の関連記事を探す場合は、施設基準ハブから確認できます。
参考文献
- 関東信越厚生局. 褥瘡ハイリスク患者ケア加算の施設基準に係る届出書添付書類(様式37)[令和8年度診療報酬改定対応]. PDF
- 関東信越厚生局. 病院に係る定例報告等について[令和8年度]. 公式ページ
- 関東信越厚生局. 基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定). 公式ページ
- 厚生労働省保険局医療課. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について[令和8年度診療報酬改定関連]. PDF
- 関東信越厚生局. 褥瘡ハイリスク患者ケア加算に係る報告書(旧様式37の2). PDF
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

