医療 DX 時代のリハ業務は「チェックリスト運用」にすると定着しやすいです
このページは、医療 DX の概念説明ではなく、リハ現場で実装できる業務フローをチェックリストで整えるための実務ガイドです。結論としては、①記録項目の標準化 ②役割分担 ③週次レビューの 3 点を先に固定すると、属人化を抑えながら質とスピードを両立しやすくなります。
似たテーマの記事と差別化するため、本記事は「導入 90 日の進め方」と「よくある失敗の回避」を中心に構成しています。ツール比較や個別テンプレ詳細は子記事で深掘りし、本記事は全体設計の親記事として機能させます。
この記事の守備範囲(やること・やらないこと)
本記事で扱うのは、リハ部門における業務フロー整備の「親設計」です。具体的には、導入順序、チェック項目、運用会議の見方、失敗回避を整理します。反対に、ツールの個別比較や、特定病棟に限定した細かな設定値は本記事では扱いません。
この切り分けにより、サイト内での役割重複を避け、読者が「全体像→各論」の順で迷わず学べる構造にします。
最短 5 分でつかむ導入フロー
最初に決めるべきは「何を記録し、誰が確認し、いつ改善するか」です。ここが曖昧だと、どれだけ良いツールを導入しても運用は止まりやすくなります。
まずは次の 5 ステップで進めてください。チェックリストに落として、毎週 1 回の見直しを固定すると定着が早まります。
- 現行フローの可視化(初期評価〜記録〜申し送り)
- 必須記録項目の統一(最小セット)
- 担当者と期限の明確化(RACI の簡易版)
- 週次レビュー(未達の原因を 1 つに絞る)
- 月次でテンプレ更新(増やすより削る)
導入フェーズ別チェック( 90 日)
| フェーズ | 期間目安 | 到達目標 | 確認ポイント |
|---|---|---|---|
| 設計 | 1〜2 週 | 現行フローの見える化 | 業務の起点・終点が統一されている |
| 試行 | 3〜6 週 | 記録最小セットの固定 | 担当者ごとの記載差が減っている |
| 定着 | 7〜12 週 | 週次レビューの習慣化 | 未達項目の改善が翌週に反映される |
現場の詰まりどころ
導入が止まる原因は、ツール性能より「運用ルールの曖昧さ」にあることが多いです。特に、記録項目を増やしすぎると入力負荷が上がり、結局は未記載が増えます。
以下の 3 点だけ先に確認すると、失敗を減らしやすくなります。
- よくある失敗を先に把握する
- 回避のチェック項目で運用を固定する
- 記録の主観情報を揃える型を合わせて使う
よくある失敗と回避策( OK / NG )
| 場面 | NG | OK | 記録ポイント |
|---|---|---|---|
| 記録設計 | 項目を一度に増やす | 最小セットで開始し月次で更新 | 未入力率・再記載率を追う |
| 役割分担 | 担当が曖昧 | 担当・期限・確認者を固定 | 未達理由を 1 行で残す |
| 振り返り | 会議で課題列挙のみ | 次週の修正点を 1 つに絞る | 翌週反映の有無を確認 |
実装チェックリスト(最小版)
以下を満たせば、まずは「運用が回る状態」を作れます。完璧を目指すより、定着を優先してください。
- 必須記録項目が 1 枚で確認できる
- 申し送り時の確認項目が統一されている
- 週次レビューの担当者と時間が固定されている
- 未達項目に対する次週の修正アクションが 1 つ決まる
- テンプレ更新の判断基準(削除条件)がある
よくある質問( FAQ )
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
まず何から着手すればよいですか?
最初は「記録最小セットの統一」からです。入力項目を絞って未記載を減らし、次に役割分担を固定すると定着しやすくなります。
ツール選定と運用設計はどちらが先ですか?
運用設計が先です。目的・担当・確認頻度を決めてからツールを合わせる方が、導入後の手戻りを減らせます。
週次レビューでは何を見ればよいですか?
未達項目の件数より、未達の理由を重視します。理由を 1 つに絞り、翌週の修正アクションを決める運用が有効です。
次の一手
- 運用を整える:評価・実務の全体像を整理する(全体像)
- 共有の型を作る:SOAP( P )の実装テンプレを使う(すぐ実装)
教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。
チェック後に『続ける/変える』の選択肢も整理したい方は、PT キャリアナビで進め方を確認しておくと迷いが減ります。
参考文献
- 厚生労働省. 医療 DX 推進に関する関連資料.
- 総務省・デジタル庁. 医療情報連携・標準化に関する公開資料.
- 各種学会・団体の業務標準化・安全管理に関する公開文書.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


