入退院支援加算と介護支援等連携指導料の違い|2026 年の使い分け
結論からいうと、入退院支援加算は病棟全体の退院支援体制を評価し、介護支援等連携指導料は患者ごとの共同説明・連携実績を評価します。似た場面で登場しますが、「何を評価する点数か」を分けると整理しやすくなります。
2026 年改定では、介護支援等連携指導料 2( 500 点 )の新設や、入院後 7 日以内・退院見込み 7 日前ルールの整理など、早期連携を重視する流れが強まりました。本記事では、違い・使い分け・記録ポイントだけに絞って整理します。
この記事で答えること:入退院支援加算と介護支援等連携指導料の違い、2026 年改定後の変更点、病棟での使い分け、監査で止まりやすい記録ポイント。
この記事で答えないこと:届出書式の細部、他の退院支援関連点数との総当たり比較、病棟個別の算定可否判断の最終確認。最終判断は告示・留意事項通知・疑義解釈で確認してください。
まず結論|違いは「評価対象・時点・証跡」で決まる
最短で整理するなら、入退院支援加算=病棟運用、介護支援等連携指導料=患者ごとの個別連携です。比較軸を固定すると、病棟運用や監査対応でも迷いにくくなります。
まずは比較図版で全体像を固定し、そのあとに改定ポイント・時系列・記録の順で確認すると理解しやすくなります。

| 比較軸 | 入退院支援加算 | 介護支援等連携指導料 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 病棟の入退院支援体制を評価 | 患者ごとの共同説明・指導を評価 |
| 評価単位 | 体制・プロセス | 個別実施 |
| 判断の時点 | 入院早期から運用する | 共同説明・指導の実施時点 |
| 重要記録 | 会議・支援経過 | 説明内容・提供実績 |
| よくある失点 | 対象抽出が遅い | 証跡不足で実施が追えない |
2026 年改定で押さえる変更点
今回の改定では、「退院直前に連携する」よりも、入院早期から動く運用へ重心が移っています。特に、介護支援等連携指導料 2 の新設は、平時から連携している相手との共同支援を評価する流れとして理解すると整理しやすくなります。
比較記事では、点数だけでなく「実務で何が変わるか」をセットで整理すると、病棟運用へ落とし込みやすくなります。
| 項目 | 変更点 | 実務ポイント |
|---|---|---|
| 介護支援等連携指導料 2 | 500 点を新設 | 平時連携と共同説明を整理する |
| 7 日以内ルール | 入院後早期の情報提供を整理 | 病棟と地域連携室の役割を固定する |
| 退院困難要因 | 抽出項目を追加 | スクリーニング様式を更新する |
| 入退院支援加算 1 | 病棟区分ごとに評価整理 | 自病棟区分を先に確認する |
時系列で見る| 7 日以内・ 7 日前ルール
今回の制度整理では、退院支援を「退院直前のイベント」ではなく、入院直後から始まる流れとして組み込むことが重要です。
特に、入院後 7 日以内と退院見込み 7 日前の 2 点を固定すると、病棟と地域連携部門の役割分担が整理しやすくなります。
| 時点 | やること | 残す記録 |
|---|---|---|
| 入院後 7 日以内 | 担当介護支援専門員等へ情報提供 | 連絡日、相手先、内容 |
| 退院見込み 7 日前 | 退院後ケアへ必要情報を共有 | 共有内容、担当者 |
| 退院前 | 共同説明・指導を実施 | 説明日、同意、提供手段 |
使い分けフロー|入院時から退院時まで
実務では、入退院支援加算で病棟運用を回し、介護支援等連携指導料で個別実施を残すと考えると混乱しにくくなります。
「誰が・いつ・どこまで動くか」を時系列で固定すると、退院前の集中や連携漏れを減らしやすくなります。
| フェーズ | 入退院支援加算 | 介護支援等連携指導料 |
|---|---|---|
| 入院初期 | 退院支援対象を抽出 | 連携が必要な相手を確認 |
| 中間期 | カンファと支援計画を更新 | 共同説明の段取りを整理 |
| 退院前 | 支援計画を最終確認 | 共同説明・指導を実施 |
| 退院後 | 引継ぎ漏れ確認 | 必要時の追跡連絡 |
監査で止まりやすい記録ポイント
実務では「連携したつもり」で終わり、証跡不足で止まるケースが多くみられます。まずは、誰に・いつ・何を・どう提供したかを 1 セットで残せる形を固定することが重要です。
議題のズレを減らしたい場合は、関連:退院前カンファの議題固定スクリプト のように、会議と記録の言葉をそろえる導線を 1 本持たせると運用しやすくなります。
コピペ用(記録 6 点セット):
対象判定:__/カンファ:__/連携先:__/提供内容:__/説明同意:__/連携実績:__
| 項目 | 最低限残す内容 | 実務ポイント |
|---|---|---|
| 対象判定 | 退院支援必要性、判定日、担当者 | 根拠を短く残す |
| カンファ | 開催日、参加職種、合意事項 | 議題を固定する |
| 連携実績 | 提供日、提供内容、提供先 | 「予定」ではなく「実施」で残す |
| 説明・同意 | 説明日、説明者、患者・家族同意 | 実施日時を必ず残す |
比較記録シート
病棟内で運用を統一したい場合は、比較表だけでなく、同じ軸で記録できる紙面を持っておくと運用が安定します。今回の PDF は、「病棟運用」「個別連携」「判定メモ」を 1 枚で整理できる比較記録シートです。
比較記事で整理した「評価対象・時点・証跡」の軸を、そのまま病棟記録へ落とし込みやすい構成にしています。
現場の詰まりどころ|よくある失敗
| 失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 2 つを同じものとして扱う | 評価対象の違いが曖昧 | 「病棟運用」か「個別連携」かで分ける |
| 退院前に業務が集中する | 入院初期抽出が遅い | 7 日以内ルールを固定する |
| 連携したが算定で止まる | 証跡不足 | 提供内容・日時・相手先をセットで残す |
| 職種ごとに記録が違う | 共通語彙がない | 記録テンプレを統一する |
評価や記録で迷いやすい背景には、教育体制や標準化不足が影響していることもあります。
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 2 つの点数は何が違いますか?
A. 入退院支援加算は病棟全体の支援体制を評価し、介護支援等連携指導料は患者ごとの共同説明・連携実績を評価します。
Q2. 介護支援等連携指導料 2 のポイントは?
A. 平時から連携している相手との共同説明・指導を評価する点です。500 点、入院中 2 回までです。
Q3. 算定で止まりやすい理由は?
A. 証跡不足です。相手先、提供内容、日時、担当者をセットで残してください。
Q4. 最初に整えるべき運用は?
A. 入院早期スクリーニングです。退院支援対象の抽出基準と確認タイミングを固定すると、退院前集中を減らしやすくなります。
次の一手
- 全体像を確認する:診療報酬改定 2026 リハビリハブ
- 実装を整理する:リハ実装テンプレ集
参考文献
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について.掲載ページ
- 厚生労働省.包括期・慢性期入院医療.2026 年.PDF
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.2026 年.PDF
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


