ベースアップ評価料なのに給料が上がらないと感じる理由
ベースアップ評価料があるのに給料が上がらないと感じる主な理由は、基本給ではなく手当や一時金で反映される場合があるためです。PT・OT・STなど医療従事者は、給与明細の基本給欄だけで判断せず、手当名、支給時期、対象職員、施設の届出・配分方法を確認することが大切です。この記事では、給料が上がらないように見える理由と確認手順を整理します。
給料が上がらないように見える主な理由
給料が上がらないように見える理由は、賃金改善の反映方法が施設ごとに異なるためです。基本給に反映される施設もあれば、毎月の手当、一時金、賞与に近い形で反映される施設もあります。
特に職員側は「基本給が上がったか」を見やすい一方で、施設側は「対象職員全体の賃金改善」として説明していることがあります。そのため、基本給だけを見て「上がっていない」と判断すると、実際の反映状況を見落とすことがあります。
| 理由 | 起きやすい見え方 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 基本給ではなく手当で支給 | 基本給欄は変わらないが、手当欄が増えている | 処遇改善手当、ベースアップ手当などの名目を見る |
| 一時金で反映 | 月給は変わらず、別時期に支給される | 賞与、臨時支給、調整支給の有無を見る |
| 配分方法に差がある | 職種・雇用形態・勤務時間で金額差を感じる | 対象職員と配分基準を確認する |
| 算定開始が遅れている | 制度は始まっているのに給与へ反映されていない | 施設の届出時期と反映開始月を見る |
| 既存手当と整理されている | 総額は増えているが、何が増えたか分かりにくい | 前年同月の給与明細と比較する |
給料への反映パターンは3つに分かれやすい
ベースアップ評価料の反映は、基本給、毎月の手当、一時金の3パターンに分かれやすいです。どの形で支給されるかによって、職員側の「上がった実感」は大きく変わります。
基本給に反映される場合は分かりやすいですが、手当や一時金の場合は、給与明細を細かく見ないと気づきにくくなります。

| 反映方法 | 特徴 | 職員側の見え方 | 確認したい点 |
|---|---|---|---|
| 基本給に反映 | 基本給そのものが上がる | 昇給に近く分かりやすい | 基本給欄、賞与計算への影響 |
| 毎月の手当で反映 | 手当として毎月支給される | 月給は増えるが基本給は変わらない | 手当名、固定支給か変動支給か |
| 一時金で反映 | 賞与や臨時支給に近い形で反映される | 毎月の給与明細では分かりにくい | 支給時期、支給根拠、継続性 |
病院・施設ごとに差が出る理由
病院・施設ごとに差が出るのは、届出状況、算定見込み、対象職員数、既存の給与制度が異なるためです。同じPT・OT・STでも、勤務先が変われば支給方法や金額の見え方は変わります。
たとえば、入院・外来・在宅の構成、病床機能、非常勤職員の割合、既存手当の有無、賞与計算のルールによって、職員1人あたりの見え方は変わります。制度名だけで「全員が同額上がる」と考えないことが重要です。
PT・OT・STで差が出ることはある?
PT・OT・STで差が出る可能性はありますが、職種名だけで単純に決まるとは限りません。実際には、雇用形態、勤務時間、配置、給与規程、施設内の配分ルールが関係します。
臨床では、同じリハビリ職でも常勤と非常勤、フルタイムと短時間勤務、病棟専従と外来・訪問兼務、管理職と一般職で給与の扱いが異なることがあります。不公平に感じる場合は、まず「誰が対象か」「どの基準で配分されたか」を確認しましょう。
給料が上がらないと感じたときの5分確認フロー
給料が上がらないと感じたら、給与明細、前年同月、院内説明、支給時期、対象範囲の順に確認します。感情的に判断する前に、どこへ反映されているかを分けて見ることが大切です。
5分確認フロー
- 今月の給与明細で、基本給欄が変わったか確認する
- 処遇改善手当、ベースアップ手当、調整手当などが増えていないか確認する
- 前年同月の給与明細と総支給額を比較する
- 院内掲示や説明資料で、対象職員と支給方法を確認する
- 一時金や賞与で反映される予定がないか確認する
この順番で見ると、「本当に反映されていない」のか、「基本給以外に反映されている」のかを整理しやすくなります。
給与明細で確認したいポイント
給与明細では、基本給だけでなく手当欄と一時金の予定まで確認します。基本給が変わっていなくても、別名目で賃金改善が反映されている場合があります。
| 確認項目 | 見る場所 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 基本給 | 給与明細の基本給欄 | 改定前や前年同月と比較する |
| 手当 | 資格手当、処遇改善手当、ベースアップ手当など | 新設・増額された手当がないか見る |
| 一時金 | 賞与、臨時支給、調整支給 | 月給ではなく別時期に反映されないか見る |
| 対象範囲 | 院内説明、就業規則、賃金規程 | 常勤・非常勤・職種別の扱いを確認する |
| 算定時期 | 施設の届出・算定開始月 | 反映開始が翌月以降になっていないか見る |
よくある誤解
よくある誤解は、「ベースアップ評価料=全員の基本給が同じ金額上がる制度」と考えてしまうことです。制度の目的は賃金改善ですが、施設ごとの運用や給与規程によって反映方法は変わります。
特に、基本給だけを見て判断すること、一時金を賃金改善ではないと考えること、同じ職種なら同じ金額になると思い込むことには注意が必要です。大切なのは、自分の施設で、いつ、誰に、どの名目で、どのように反映されるのかを確認することです。
現場の詰まりどころ
実際の現場では、「制度説明」と「給与明細の見え方」がつながっていないと不満が出やすくなります。職員は基本給の変化を見ますが、施設側は手当・一時金・対象職員全体の賃金改善で説明していることがあります。
まずは、給与への反映パターンと確認ポイントを照らし合わせ、自分の施設ではどの形で反映されているのかを整理しましょう。
説明が不十分で、教育体制や相談環境への不信感も強い場合は、働き方や職場環境を見直すきっかけになります。関連:理学療法士のキャリア設計ガイド
よくある質問
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ベースアップ評価料は必ず給料に反映されますか?
制度の目的は対象職員の賃金改善ですが、反映方法は施設の届出、賃金改善計画、給与規程によって異なります。基本給、手当、一時金など、どの形で反映されるかを確認する必要があります。
基本給ではなく手当でも給料が上がったことになりますか?
手当として毎月支給される場合も、賃金改善として扱われることがあります。ただし、基本給に含まれるか、賞与計算に含まれるか、固定支給か変動支給かで意味合いが変わるため、手当名と支給条件を確認しましょう。
PT・OT・STで支給額に差が出ることはありますか?
職種だけで単純に決まるとは限りませんが、雇用形態、勤務時間、配置、給与規程、施設内の配分ルールによって差が出る可能性はあります。まずは対象職員と配分基準の説明を確認することが重要です。
月給が変わらず一時金だけで支給されることはありますか?
施設の運用によっては、月給ではなく一時金や賞与に近い形で反映される場合があります。その場合、毎月の給与明細では変化が分かりにくく、支給時期になって初めて確認できることがあります。
給料が本当に上がっていないと感じたら何を確認すればよいですか?
まず前年同月の給与明細と比較し、基本給、手当、一時金、賞与の変化を確認します。次に、院内説明、賃金規程、対象職員の範囲、算定開始時期を確認すると、自施設での反映状況を整理しやすくなります。
次の一手
ベースアップ評価料で給料が上がらないと感じたら、制度全体、医療と介護の違い、賃上げ支援の申請状況を順番に確認すると整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
- 厚生労働省. ベースアップ評価料届出のための説明動画・支援ツール. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_53382.html
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001669200.pdf
- 厚生労働省. ベースアップ評価料の届出様式と賃金改善計画書の記載例. 令和7年4月版. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001689549.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

