みなし単位【2026改定】20分=1単位の実務整理

制度・実務
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令和 8 年改定「みなし単位( 20 分= 1 単位 )」は、単位より先に “運用の型” を決めると崩れません

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みなし単位( 20 分= 1 単位 )は、請求単位をそのまま増やす仕組みとして理解すると運用が崩れます。今回の改定で整理されたのは、疾患別リハの専従療法士が、疾患別リハや集団コミュニケーション療法以外の業務に従事した時間を、実施単位数の管理上どう扱うかです。

現場で詰まりやすいのは、①対象業務の線引き、②重複計上を防ぐ排他ルール、③記録の残し方の 3 点です。本ページは制度反映後の骨格を押さえつつ、院内で先に決めるべき最小セット(対象整理/排他/記録テンプレ)を “実装順” で整理します。

最終更新:2026 年 3 月 6 日(厚労省 3 月版資料反映)

「みなし単位」とは?20 分= 1 単位を “実施単位数管理” に加える考え方

今回の見直しでは、疾患別リハの専従療法士が、疾患別リハビリテーション料及び集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料に係る業務へ従事した場合、その従事時間をすべて合算し、 20 分につき 1 単位とみなして、当該従事者の実施単位数に含める方向が示されました。

つまり、焦点は「何点請求できるか」ではなく、専従者の 1 日当たりの標準的な実施単位数を、実態に合わせて管理することです。ここを請求単位の増加と混同すると、現場ルールが崩れやすくなります。

みなし単位の要点(結論):先に決める最小セットは 3 つです

みなし単位の実務は、制度の暗記より “運用の型” が先です。とくに監査や院内調整で揉めやすいのは、①対象(患者との紐づけ)、②排他(同じ時間を重ねない)、③記録(開始・終了と成果)の 3 点です。

細則が今後補足されても、この 3 点が揃っていれば「対象行を足す」「文言を修正する」だけで運用を維持しやすくなります。以下の表を、部門会議やカンファでの合意形成に使ってください。

院内で先に決める最小セット(結論:対象 → 排他 → 記録)
決めること 決め方(目安) 残す証跡(最小) 落とし穴
対象(何を含める?) 患者に紐づく目的を必須化し、対象業務を表にする 対象患者/目的/実施者 患者と無関係な会議や庶務を混ぜる
排他(重複をどう止める?) 同一時間帯の二重計上を禁止し、時間を排他的に区切る 開始・終了時刻/区分 “だいたい” の時間で後から整合が崩れる
記録(何を書けば説明できる?) やったことより「決まったこと」「変えたこと」を 1 行で残す 議題/決定事項/次アクション 成果が書けず、根拠が弱くなる
みなし単位の全体像(対象整理→排他→記録テンプレの流れ)
図 1|みなし単位は「対象整理 → 排他(重複回避) → 記録テンプレ」の順で整えると崩れにくい

規定の単位数に含める業務・含めない業務

今回の整理で重要なのは、「何が対象か」を先に固定することです。対象業務は広く見えますが、患者に紐づくこと成果を短く説明できることが前提になります。

一方で、 H003-2 リハビリテーション総合計画評価料に係る計画書の作成及び説明時間は除くとされており、何でも含めてよいわけではありません。

みなし単位の業務区分(制度反映後の実務整理)
区分 業務例 考え方 必要記録(最小)
規定の単位数に含める業務 医学管理等、在宅医療、リハビリテーション、精神科専門療法、その他リハビリ、家族等の指導、介護施設等への助言、リハビリテーションの記録時間、個別療法のために移動する時間 など 患者に紐づき、時間と成果を説明できる業務 対象患者、開始/終了、目的、成果
含めない業務 H003-2 リハビリテーション総合計画評価料に係る計画書の作成及び説明時間 制度上、除外が明示されている 別の運用で管理する
対象外として扱うのが安全な業務 休憩、患者非関連の庶務、目的や成果が患者単位で説明しにくい定例業務 算入対象にしない 勤務記録としては残す

上限の考え方: 1 日 18 単位を標準、週 108 単位、日 24 単位まで

みなし単位は無制限に積み上げる考え方ではありません。実施単位数は、 1 日当たり 18 単位を標準とし、週当たり 108 単位まで 1 日当たり 24 単位までが上限です。

このため、対象業務を増やすことより、「今日どの時間をどの区分で使ったか」を見える化する方が先です。上限を先に共有しておくと、訓練時間との配分も話しやすくなります。

実施単位数管理の上限(先に共有する数字)
項目 基準 実務での使い方
標準 1 日 18 単位 日次配分の基準にする
週上限 週 108 単位まで 週次レビューで確認する
日上限 1 日 24 単位まで 日ごとの過密配置を防ぐ

専従・兼任ルールも同時に押さえる

みなし単位の運用は、専従者が何に従事できるかと切り離せません。今回の整理では、疾患別リハの専従者は、一定の業務へ従事できることが明確化され、他の専従者との兼任ルールも整理されました。

ここを曖昧にすると、「できる業務」と「みなし単位に含める業務」が混線しやすくなるため、部門資料で 1 枚化しておくと安全です。

専従者の業務範囲と兼任ルール(実務早見)
論点 整理 実務で決めること
専従者が従事できる業務 医学管理等、在宅医療、リハビリ、精神科専門療法、その他リハ、家族指導、介護施設等への助言など 対象業務表を作る
兼任可能 第 7 部リハビリテーション第 1 節各区分の専従者との兼任 心大血管リハは実施日・時間が異なる場合のみ可、と明記する
兼任不可能 入院料等の専従の療法士等との兼任は不可(専任は可) 入院料側の専従要件と混線しないようにする

現場の詰まりどころとよくある失敗:迷う場面は “アンカー” から解消できます

みなし単位運用で最も詰まるのは「同じ時間を別業務として重ねてしまう」点です。訓練時間と間接業務時間、複数患者にまたがる会議時間の扱いを曖昧にすると、あとで整合が取れなくなります。先に “時間の切り方” と “記録の粒度” を固定することが重要です。

この節は、迷う場面にすぐ戻れるように、ページ内アンカー 2 本と、同ジャンルの内部リンク 1 本を置いています。まずはここだけ押さえると、現場の揉め事が減ります。

みなし単位の重複計上を防ぐ判定フロー(訓練時間と重なるか→患者に紐づくか→成果が書けるか)
図|重複計上の判定フロー(迷う場面は「重なる?」「患者に紐づく?」「成果が書ける?」で切り分ける)

NG / OK 早見:重複を止めると “説明可能性” が一気に上がります

重複計上の回避は、監査対応の難易度を左右します。とくに「同一時間帯を訓練と会議で二重に扱う」「患者紐づけなしで一括処理」は、根拠が弱くなりやすい典型です。開始・終了時刻の必須化だけでも、現場は回りやすくなります。

記録は “やったことの列挙” ではなく、「誰が/どの患者に/何を目的に/何分かけて/何が決まったか」を 1 行で残すと、説明力が揃います。

みなし単位運用での NG / OK 比較(実務の詰まりどころ)
NG 例 問題点 OK 修正 記録ポイント
同一時間を訓練と会議で二重に扱う 重複計上で整合が崩れる 時間帯を排他的に区切る 開始・終了時刻を必ず記載する
患者紐づけなしで会議時間を一括処理する 算定根拠が弱い 患者別に対象性を記録する 議題・対象患者・決定事項を残す
担当者名なし・成果記載なし 説明可能性が低い 実施者とアウトカムを明記する 誰が何を変えたかを残す

病棟で回す最小運用フロー:朝・昼・夕の 3 区分で “漏れ” と “重複” を止めます

おすすめは、朝・昼・夕の 3 区分で記録責任を明確にする方法です。朝は対象患者の確認、昼は実施ログ入力、夕は重複チェックと翌日調整の 3 ステップに分けると、記録漏れと二重処理を減らせます。

週 1 回の短時間レビューで「記録文の粒度」を揃えると、担当者差も抑えられます。運用は個人技より、チームで再現できる型を作ることがポイントです。

病棟で回す最小運用フロー(朝・昼・夕)
時間帯 やること 確認すること
対象患者と対象業務を確認する 患者紐づけ、目的、担当者
実施ログをその場で入力する 開始・終了、成果、次アクション
重複チェックと翌日調整を行う 訓練時間との重なり、上限、未記録の有無
病棟で回す最小運用フロー(朝・昼・夕の 3 区分)
図 2|朝・昼・夕の 3 区分で「対象確認 → 実施ログ → 重複チェック」を固定すると回りやすい

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. みなし単位は、すべての会議時間を含められますか?

A. いいえ。患者関連性と要件適合が前提です。会議であっても、患者に紐づく目的・内容・成果を説明できない場合は、対象として扱わない運用が安全です。

Q2. 訓練時間と同じ時間帯の業務を同時に扱ってよいですか?

A. 同時処理は避けてください。時間は排他的に区切り、重複を防ぐ必要があります。開始・終了時刻を残すだけで、監査対応の難易度が大きく下がります。具体的な OK / NG は 排他ルール(判定フロー) を参照してください。

Q3. まず院内で決めるべきことは何ですか?

A. ①対象業務の定義、②記録テンプレ、③重複チェック担当の 3 点です。細則が更新されても、この 3 点が整っていれば修正コストを最小化できます。記録の型は 記録テンプレ を土台にすると揃えやすいです。

Q4. 1 日 18 単位・週 108 単位・日 24 単位は、何の数字ですか?

A. これは専従療法士の実施単位数管理の基準です。みなし単位の時間も、この実施単位数に含めて管理する考え方です。

Q5. 関連して確認すべき改定項目はありますか?

A. あります。書類簡素化や院外リハ上限、発症早期リハ評価の見直しは、日次の業務配分に影響します。改定ハブで “全体像 → 実装” の順に読むと、院内の配分設計を一本化しやすくなります。

次の一手

同ジャンルの導線として、A → B の順で読むと実装しやすくなります。A で全体像を確認し、B で “みなし単位” の運用を揃えてください。

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう

体制づくりを進めるほど、教育・記録・人員配置の課題が見えやすくなります。早めに点検しておくと、実装の手戻りを減らせます。

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参考文献

  • 厚生労働省.重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション).資料 PDF
  • 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について(関係法令・通知等).掲載ページ
  • 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について【全体概要版】.資料 PDF

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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