みなし単位とは?2026改定で含める業務・含めない業務

制度・実務
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みなし単位とは?2026改定で押さえる結論

2026年度診療報酬改定で整理された「みなし単位」は、疾患別リハビリテーション料の専従療法士が、疾患別リハ・集団コミュニケーション療法以外の対象となる特掲診療料業務へ従事した時間を合算し、20分につき1単位として実施単位数の管理へ加える考え方です。

ここで最も重要なのは、「専従療法士が従事できる業務」と「みなし単位として実施単位数へ含める業務」は同じではないことです。家族等への指導、介護施設等への助言、リハビリテーションの記録時間、個別療法のための移動時間などは、専従者が関わることのできる業務であっても、みなし単位には含めません。

この記事では、PT・OT・STが迷いやすい「何を含めるか/含めないか」を中心に、20分換算と1日18単位・週108単位・1日24単位との関係まで整理します。

最終更新:2026年9月25日(厚生労働省の令和8年度診療報酬改定資料、疑義解釈その12までの公開状況を確認)

みなし単位は「追加で請求できる1単位」ではありません

みなし単位は、患者に対して新たに疾患別リハビリテーション料を1単位追加請求できる仕組みではありません。専従療法士1人あたりの実施単位数を管理するときに、対象となる業務への従事時間を20分につき1単位へ換算して加える仕組みです。

みなし単位で最初に分ける3つ

  • 疾患別リハ・集団コミュニケーション療法:実際に実施した単位として数える
  • それ以外の対象となる特掲診療料業務:従事時間を合算し、20分につき1単位として数える
  • 家族指導・施設助言・記録・移動など:従事できても、みなし単位には含めない

したがって、「専従者がこの業務をしてよいか」と「その時間を18・108・24単位の管理へ算入するか」は、別の問いとして確認する必要があります。

2026年度診療報酬改定のみなし単位で専従者が従事できる業務と実施単位数に含める業務を比較した図
図1|「専従者が従事できる業務」と「実施単位数に含める業務」は同じではありません。疾患別リハ・集団コミュニケーション療法以外の対象となる特掲診療料業務は、従事時間を20分につき1単位として換算します。

みなし単位に含める業務・含めない業務

厚生労働省の改定説明資料では、疾患別リハビリテーション料の専従者が、疾患別リハビリテーション料および集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料に係る業務へ従事した場合、その時間を合算し、20分につき1単位として実施単位数へ含めることが示されています。

一方、同じ資料では「規定の単位数に含めない業務」も明示されています。院内運用では、この境界を最初に共有しておくことが重要です。

みなし単位に含める業務・含めない業務の早見表
業務 実施単位数への扱い 確認ポイント
疾患別リハビリテーション料 実施した単位として含む みなし換算ではなく、通常の実施単位
集団コミュニケーション療法 実施した単位として含む みなし換算ではなく、通常の実施単位
医学管理等に係る対象業務 みなし換算の対象 対象となる特掲診療料業務の従事時間を合算する
在宅医療に係る対象業務 みなし換算の対象 対象となる特掲診療料業務の従事時間を合算する
第7部リハビリテーションに係る対象業務 みなし換算の対象 H003-2の計画書作成・説明時間は除外する
第8部精神科専門療法に係る対象業務 みなし換算の対象 対象となる特掲診療料業務であることを確認する
その他リハビリテーション 含めない 従事可能な業務と単位数への算入を分ける
家族等への指導に関する業務 含めない 専従者が関われても、みなし単位にはしない
介護施設等への助言に係る業務 含めない 専従者が関われても、みなし単位にはしない
リハビリテーションの記録時間 含めない 記録に要した時間だけで単位換算しない
個別療法のために移動する時間等 含めない 移動時間だけで単位換算しない
H003-2 計画書の作成・説明時間 含めない リハビリテーション総合計画評価料に係る計画書作成・説明時間は除外

「患者に関係する業務だから含める」「専従者が実施できるから含める」という判断ではありません。みなし単位として扱うかどうかは、対象となる特掲診療料業務か、厚労省資料で単位数から除外されている業務かを分けて確認します。

「従事できる」と「みなし単位に含める」を混同しない

2026年度改定では、疾患別リハビリテーション料に規定する専従のPT・OT・STについて、疾患別リハ以外に従事できる業務の範囲が明確化されました。

対象には、医学管理等、在宅医療、第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法のほか、その他リハビリテーション、患者・家族等への指導、介護施設等への助言業務などが示されています。

しかし、この「従事できる業務」の一覧を、そのまま「みなし単位として数えられる業務」の一覧として使うことはできません。

判断するときの順番

  1. 疾患別リハの専従者が従事可能な業務かを確認する
  2. そのうち、みなし単位の対象となる特掲診療料業務かを確認する
  3. 「規定の単位数に含めない業務」に該当しないか確認する
  4. 対象となる時間だけを合算し、20分ごとに1単位へ換算する

この順番で見ると、「家族指導は行えるが、みなし単位には含めない」「記録は必要な業務だが、記録時間そのものをみなし単位にはしない」といった境界が整理しやすくなります。

対象業務の従事時間を合算し、20分につき1単位で換算します

みなし単位は、対象となる業務ごとに毎回20分連続して実施しなければならない、という整理ではありません。専従者1人の実施単位数を算出する際に、対象となる特掲診療料業務へ従事した時間を合算し、20分につき1単位として換算します。

20分換算の考え方
対象業務の合計時間 みなし単位 考え方
20分 1単位 20分に到達したため1単位
30分 1単位 20分につき1単位として扱う
40分 2単位 20分×2として扱う
家族指導20分+記録20分 0単位 どちらも規定の単位数に含めない業務

※表は「20分につき1単位」という換算方法を理解するための例です。個々の業務が特掲診療料の対象となるか、実際に算定要件を満たすかは別に確認してください。

たとえば、対象となる特掲診療料業務へ10分、別の対象業務へ10分従事した場合、合計20分となるため1単位として実施単位数へ含めます。一方、対象外とされた記録時間や移動時間を足して20分にすることはできません。

1日18単位が標準、週108単位・1日24単位が上限です

みなし単位は、疾患別リハの実施単位数とは別枠で無制限に加えられるものではありません。通常の疾患別リハ等の実施単位と、みなし単位を合わせて、専従療法士1人あたりの規定の実施単位数を管理します。

専従療法士1人あたりの実施単位数管理
区分 単位数 意味
1日当たりの標準 18単位 1日当たりの実施単位数の標準
週当たり 108単位まで 週当たりの実施単位数の上限
1日当たり 24単位まで 1日当たりの実施単位数の上限

たとえば、疾患別リハ等を16単位実施し、みなし単位の対象となる業務へ40分従事した場合、実施単位数管理上は「16単位+みなし2単位=18単位」として扱います。

ここで重要なのは、18単位は「標準」、24単位は「1日当たりの上限」という違いです。18単位と24単位を同じ意味の上限として扱わないようにしてください。

H003-2の計画書作成・説明時間はみなし単位に含めません

第7部リハビリテーションに係る業務のすべてが、みなし単位へ換算されるわけではありません。

厚生労働省の改定説明資料では、H003-2 リハビリテーション総合計画評価料に係る計画書の作成および説明時間は除くと明記されています。

そのため、「第7部リハビリテーションに属するから20分で1単位」と一括して処理するのではなく、H003-2の計画書作成・説明時間を切り分けて確認する必要があります。

記録・移動・家族指導は「必要な業務」でも単位数には含めません

みなし単位で特に誤解しやすいのが、記録、移動、家族指導、介護施設等への助言です。

これらはリハビリテーション提供上必要になる業務であり、2026年度改定では専従療法士が関わることのできる業務の範囲も明確化されています。しかし、厚生労働省の資料では、以下は規定の単位数に含めない業務として示されています。

  • その他リハビリテーション
  • 家族等への指導に関する業務
  • 介護施設等への助言に係る業務
  • リハビリテーションの記録時間
  • 個別療法のために移動する時間等

つまり、「その業務を実施する必要があるか」と「その時間をみなし単位へ換算するか」は別問題です。

院内マニュアルや勤務実績表を作成するときも、「専従者が従事できる業務一覧」と「実施単位数へ算入する業務一覧」を1つの表に混在させず、別の列で管理すると誤解を防ぎやすくなります。

院内で確認するときは4項目に分けます

みなし単位の運用では、個々の業務名だけで判断するより、次の4項目に分けて確認すると整理しやすくなります。

みなし単位を確認する4項目
確認項目 確認する内容
1. 対象者 疾患別リハビリテーション料に規定する専従のPT・OT・STか
2. 業務区分 疾患別リハ・集団コミュニケーション療法以外の対象となる特掲診療料業務か
3. 除外業務 家族指導、施設助言、記録、移動、H003-2計画書作成・説明などに該当しないか
4. 単位数 対象時間を20分ごとに換算し、通常の実施単位と合わせて18・108・24単位の管理と整合するか

なお、専従者と他の専従者との兼任可否は別の施設基準上の論点です。みなし単位の対象業務だけを見て、兼任可能と判断しないようにしてください。

みなし単位でよくある質問

Q1. リハビリテーションの記録を20分行えば、みなし1単位になりますか?

A. なりません。厚生労働省の改定説明資料では、リハビリテーションの記録時間は「規定の単位数に含めない業務」として示されています。

Q2. 家族指導を20分行った場合は、みなし1単位になりますか?

A. なりません。家族等への指導に関する業務は専従療法士が従事できる業務ですが、規定の単位数には含めない業務として整理されています。

Q3. 対象業務は1回で20分以上続けて行う必要がありますか?

A. 厚生労働省資料では、対象となる業務へ従事した時間を全て合算し、20分以上であれば20分につき1単位として実施単位数へ含める考え方が示されています。

Q4. みなし単位を患者へ疾患別リハ1単位として追加請求できますか?

A. みなし単位への換算自体が、新たな疾患別リハビリテーション料の請求単位を生むわけではありません。専従療法士1人あたりの実施単位数を管理するための換算です。個々の診療行為を算定できるかは、それぞれの算定要件を別に確認します。

まとめ|「従事可能」と「単位数へ算入」を分けて確認する

2026年度改定のみなし単位で最も重要なのは、専従療法士が従事できる業務の範囲と、20分につき1単位として実施単位数へ含める業務の範囲を混同しないことです。

  • 疾患別リハ・集団コミュニケーション療法は、通常の実施単位として数える
  • それ以外の対象となる特掲診療料業務は、従事時間を合算し20分につき1単位として数える
  • 家族指導、介護施設等への助言、記録時間、移動時間等は含めない
  • H003-2の計画書作成・説明時間も除外する
  • 通常の実施単位とみなし単位を合わせ、1日18単位標準・週108単位・1日24単位上限との整合を確認する

制度全体の変更点を確認したい場合は、令和8年度診療報酬改定のリハビリ関連ハブから各論へ進んでください。


参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 I-2-5 診療報酬上求める基準の柔軟化-⑤ 疾患別リハビリテーション料の療法士による指導等の更なる推進.厚生労働省資料.
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.厚生労働省.2026.

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、PT・OT・STの実務に役立つ情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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