みなし単位【2026改定】対象業務・上限・記録の型を整理
みなし単位は、疾患別リハの専従療法士が対象業務へ従事した時間を、実施単位数の管理上どう扱うかを整理する論点です。単純な “単位追加” として読むと、対象業務・時間管理・記録の整合が崩れやすくなります。
この記事では、①何を対象業務として扱うか、②どこで重複を止めるか、③院内でどの記録の型をそろえるかを整理します。細かな文例は兄弟記事へ分け、本ページでは “総論+実装の入口” に絞って解説します。
最終更新:2026 年 3 月 21 日(厚労省掲載の説明資料を確認)
みなし単位は「20 分=1 単位」で実施単位数管理に加える考え方です
今回の見直しでは、疾患別リハの専従療法士が対象業務へ従事した時間を合算し、20 分につき 1 単位とみなして実施単位数へ含める考え方が示されています。
焦点は「何点請求できるか」ではなく、専従者の実施単位数を、実態に合わせてどう管理するかです。制度文言より先に、対象・排他・記録の 3 点をそろえると運用が崩れにくくなります。
最初に決めることは対象・排他・記録の 3 つです
みなし単位の実務は、制度暗記より “運用の型” が重要です。現場で詰まりやすいのは、対象業務の範囲、同一時間帯の重複、記録の粒度です。
この 3 点がそろっていれば、疑義解釈や通知追加があっても、対象行や記録文を修正するだけで対応しやすくなります。

| 決めること | 決め方の目安 | 残す証跡 | 落とし穴 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 患者に紐づく目的を必須化し、対象業務を一覧化する | 対象患者、目的、実施者 | 患者と無関係な会議や庶務を混ぜる |
| 排他 | 同一時間帯の二重計上を禁止し、時間を排他的に区切る | 開始時刻、終了時刻、業務区分 | おおよその時間で後から整合が崩れる |
| 記録 | 実施内容だけでなく、決定事項と次アクションを残す | 議題、決定事項、次回対応 | 成果が書けず説明力が弱くなる |
対象業務と除外業務を先に分けます
対象業務は広く見えても、患者に紐づくこと、目的を説明できること、時間を記録できることが前提です。部署内では「含める例」と「安全側で外す例」を並べておくと、判断のばらつきを減らせます。
一方で、H003-2 リハビリテーション総合計画評価料に係る計画書の作成・説明時間は除外として扱います。
| 区分 | 業務例 | 考え方 | 必要記録 |
|---|---|---|---|
| 含める業務 | 医学管理等、在宅医療、リハビリ、家族指導、介護施設等への助言、記録時間、移動時間など | 患者に紐づき、時間と成果を説明できる業務 | 対象患者、開始・終了、目的、成果 |
| 除外する業務 | H003-2 計画書の作成・説明時間 | 制度上、除外として扱う | 別管理にする |
| 対象外が安全な業務 | 休憩、患者非関連の庶務など | みなし単位へ含めない | 勤務記録として残す |
上限は 1 日 18 単位を標準、週 108 単位・日 24 単位までです
みなし単位は無制限に積み上げる考え方ではありません。実施単位数は、1 日 18 単位を標準とし、週 108 単位まで、1 日 24 単位までを上限として管理します。
対象業務を増やすより、「どの時間をどの区分で使ったか」を見える化する方が先です。
| 項目 | 基準 | 実務での使い方 |
|---|---|---|
| 標準 | 1 日 18 単位 | 日次配分の目安にする |
| 週上限 | 週 108 単位まで | 週次レビューで確認する |
| 日上限 | 1 日 24 単位まで | 過密配置を防ぐ |
専従・兼任ルールと混線させないことが重要です
みなし単位の運用は、疾患別リハの専従者がどの業務へ従事できるかという整理と切り離せません。対象業務として扱えるかと、実施単位数管理にどう含めるかは、分けて確認する必要があります。
ここを曖昧にすると、「できる業務」と「みなし単位に含める業務」が混線します。部門資料では、対象業務表と兼任可否を 1 枚にまとめておくと説明しやすくなります。
| 論点 | 整理 | 実務で決めること |
|---|---|---|
| 専従者が従事できる業務 | 医学管理等、在宅医療、リハビリ、家族指導、介護施設等への助言など | 対象業務表を作る |
| 兼任可能な範囲 | リハビリテーション各区分の専従者との兼任など | 実施日・時間の条件を院内資料へ明記する |
| 注意が必要な範囲 | 入院料等の専従療法士との兼任など | 入院料側の専従要件と混線しないよう確認する |
現場の詰まりどころとよくある失敗
最も詰まりやすいのは、同じ時間を訓練と間接業務へ重ねてしまうことです。まずは “時間を重ねない” を固定してください。
時間の切り方と記録の粒度を先にそろえると、監査対応や担当者差を減らしやすくなります。
制度理解や記録運用でつまずく背景には、教育体制や相談環境の差が関係することもあります。
NG / OK 早見
| NG 例 | 問題点 | OK 修正 |
|---|---|---|
| 同一時間を二重扱いする | 重複計上で整合が崩れる | 時間帯を排他的に区切る |
| 患者紐づけなしで一括処理する | 説明可能性が弱い | 患者別に整理する |
| 成果記録がない | 何を変えたか説明しにくい | 決定事項と次アクションを残す |
病棟では朝・昼・夕の 3 区分で回すと続けやすくなります
おすすめは、朝に対象患者と対象業務を確認し、昼に実施ログを入力し、夕方に重複チェックと翌日調整を行う方法です。記録責任を時間帯で分けると、漏れと二重処理を減らしやすくなります。
週 1 回の短時間レビューで記録文の粒度をそろえると、担当者差も抑えられます。運用は個人技ではなく、チームで再現できる型にすることが重要です。
| 時間帯 | やること | 確認すること |
|---|---|---|
| 朝 | 対象患者と対象業務を確認する | 患者紐づけ、目的、担当者 |
| 昼 | 実施ログをその場で入力する | 開始・終了、成果、次アクション |
| 夕 | 重複チェックと翌日調整を行う | 訓練時間との重なり、上限、未記録の有無 |
みなし単位 運用 5 分フロー記録シート(PDF)
院内共有や部門会議で使いやすいように、A4 1 枚の記録シートを用意しました。
中身をプレビューする
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. すべての会議時間を含められますか?
A. いいえ。患者関連性と要件適合が前提です。
Q2. 記録時間や移動時間も対象になりますか?
A. 対象業務の例として示されていますが、患者との関係や所要時間を説明できる形で残す必要があります。
Q3. 計画書の作成・説明時間も含めますか?
A. そこは除外として扱います。
Q4. 同じ時間帯の業務を同時に扱ってよいですか?
A. 避けてください。時間は排他的に区切ります。
次の一手
A → B の順で確認すると実装しやすくなります。
参考文献
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


