NST専門療法士の勉強法|公式教材と過去問で学習順を決める
NST専門療法士の勉強は、JSPEN公式テキストで基礎を理解し、公式過去問題集で確認して、間違えた範囲へ戻る方法がおすすめです。2025年刊の公式過去問題集は73問・4章構成で、2026年にはJSPENテキストブック改訂第2版が発刊されています。
この記事では、NST専門療法士試験を目指す理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・管理栄養士などに向けて、教材の選び方、4週間の勉強順、問題演習後の復習方法を整理します。公式教材の章立てに対応させ、何から始め、どこへ戻ればよいかを判断できるようにしています。
最初に押さえる流れは、①教材を決める → ②4週間に配分する → ③過去問題を解く → ④誤答に対応するテキストの章へ戻る、の4段階です。
なお、4週間は当サイトが提案する学習期間の一例です。JSPENが指定する勉強期間や、合格に必要な学習時間を示すものではありません。
NST専門療法士の4週間ロードマップ|過去問73問を4章に分けて学ぶ
4週間の計画を立てるときは、公式過去問題集の4章を目印にすると、学習範囲を整理しやすくなります。各章の問題を確認し、対応するJSPENテキストブックの章で知識を補強します。

| 期間 | 公式過去問題集 | 主に確認するテキストの章 | 学習目標 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 第1章:栄養治療にかかわる基礎知識(問1〜27) | 第1章:解剖と生理・生化 第4章:飢餓と侵襲に対する代謝反応 |
解剖・代謝・水分電解質などの基礎を説明できる |
| 2週目 | 第2章:栄養治療の基礎(問28〜37) | 第2章:栄養療法の基礎 第3章:必要量・経路選択に関する部分 |
栄養評価と必要量の考え方を整理できる |
| 3週目 | 第3章:経腸栄養法と静脈栄養法(問38〜46) | 第3章:経腸栄養法と静脈栄養法 第6章:在宅栄養療法 |
投与経路・管理・合併症を区別できる |
| 4週目 | 第4章:各種病態下の栄養治療(問47〜73) | 第5章:病態下の静脈・経腸栄養法 | 病態別の違いを説明し、全体の誤答を復習できる |
公式過去問題集の問題番号と章構成は南江堂の公開目次に基づきます。一方、週ごとの配分やテキストとの対応づけは当サイトによる学習計画です。過去問題集の章別問題数は、本試験の出題割合を意味しません。
特に第1章と第4章は各27問あり、基礎知識と病態別栄養治療を確認する時間が必要です。4週目に病態別の内容を初めて学ぶと負担が大きい場合は、1〜3週目から少しずつ並行して読み進めてください。
NST専門療法士の勉強に使う公式教材2冊
教材選びでは、体系的な理解に使うテキストと、理解度を確認する過去問題集を分けて考えます。どちらも日本栄養治療学会が編集に関わる書籍で、発行情報と収録内容を確認できます。
① JSPENテキストブック改訂第2版|基礎から病態別栄養治療まで学ぶ
『日本栄養治療学会 JSPENテキストブック改訂第2版』は、2026年3月に南江堂から発行された744ページの書籍です。NST専門療法士認定試験のテキストとして、解剖・生理・生化学から経腸・静脈栄養、病態別の栄養治療まで体系的に学べます。
| 編集 | 一般社団法人日本栄養治療学会 |
|---|---|
| 出版社 | 南江堂 |
| 発行 | 2026年3月 |
| ページ数 | 744ページ |
| ISBN | 978-4-524-27279-2 |
主要な章は、解剖と生理・生化、栄養療法の基礎、経腸・静脈栄養法、飢餓と侵襲に対する代謝反応、病態下の静脈・経腸栄養法、在宅栄養療法の6章です。
改訂第2版では、GLIM基準、ロコモ・フレイル・サルコペニア、簡易懸濁法、外科周術期の栄養療法とリハビリテーションなども扱われています。旧版を持っている方は、これらの改訂・増補領域も確認するとよいでしょう。
南江堂公式サイトでJSPENテキストブックの目次・書誌情報を確認する
② NST専門療法士認定試験過去問題集|73問で弱点を確認する
『日本栄養治療学会JSPEN NST専門療法士認定試験過去問題集』は、2025年9月に南江堂から発行された224ページの書籍です。近年の過去問題から精選された73問と解説、関連する重要事項が収録されています。
| 編集 | 日本栄養治療学会 認定・資格制度委員会 |
|---|---|
| 出版社 | 南江堂 |
| 発行 | 2025年9月 |
| ページ数 | 224ページ |
| 収録問題 | 73問・4章 |
| ISBN | 978-4-524-21872-1 |
この問題集の役割は、正答率を確認することだけではありません。解説を読んで理解できなかった部分を見つけ、JSPENテキストブックの対応する章へ戻ることが重要です。
教材を使う前の確認:両書籍とも出版社公式ページで正誤表が公開されています。問題演習やテキストの復習を始める前に、使用している刷の訂正情報を確認してください。
1〜4週目の勉強内容と進め方
各週では、最初に該当するテキストの内容を確認し、その後に対応する過去問題を解きます。知識が不足している場合は問題演習から始めても構いませんが、正答だけを覚える学習にならないよう注意してください。
1週目|解剖・生理・代謝の基礎を確認する
1週目は公式過去問題集の第1章を目安に、栄養治療を理解する土台を固めます。JSPENテキストブックの第1章を中心に、消化器の解剖、消化・吸収、たんぱく質・糖質・脂質代謝、水分・電解質、酸塩基平衡などを確認します。
加えて、第4章の飢餓や侵襲時の代謝反応も確認すると、病態に応じて栄養管理が変わる理由を理解しやすくなります。
この週の到達目標:栄養治療に関わる生理学的・代謝学的な基礎を説明し、間違えた問題の背景知識を確認できることです。
2週目|栄養評価と必要量の考え方を整理する
2週目は公式過去問題集の第2章を中心に、栄養不良の病態生理、栄養スクリーニング、栄養アセスメント、身体計測、必要量の考え方を学びます。
GLIM基準を確認する場合は、低栄養のスクリーニングと診断を分けて理解します。GLIM基準では、表現型基準と病因基準の双方を組み合わせて低栄養を判定するため、血清アルブミン値など単一の検査値だけで判断しないことが重要です。
また、栄養評価は数値を確認するだけでは終わりません。摂取量、体重変化、筋肉量、炎症、疾患負荷などから、何が不足しているかを説明できるようにします。
この週の到達目標:評価指標の意味を理解し、追加で何を確認すべきかを説明できることです。
3週目|経腸栄養法と静脈栄養法を整理する
3週目は公式過去問題集の第3章を中心に、栄養投与経路の選択、投与方法、栄養剤、合併症への対応を確認します。
経口摂取の可否、消化管の機能、循環動態、栄養必要量、投与に伴うリスクを踏まえて、経腸栄養法と静脈栄養法の考え方を整理します。
経腸栄養では投与方法や消化器症状、誤嚥リスクなどを、静脈栄養では投与経路、カテーテル管理、感染症、代謝性合併症などを確認します。再栄養症候群などの安全上重要な内容も関連づけて復習してください。
この週の到達目標:投与経路を選ぶ前提条件と、開始後に注意すべき合併症を区別して説明できることです。
4週目|病態別栄養治療と過去問題の解き直し
4週目は公式過去問題集の第4章を中心に、各種病態下の栄養治療を確認します。JSPENテキストブック第5章には、心疾患、肝疾患、腎疾患、糖尿病、COPD、脳血管障害、摂食嚥下障害、褥瘡、小児など幅広い病態が収録されています。
病態別の学習では、同じ栄養治療でも何が変わるのかを整理します。疾患に応じた必要量、栄養投与方法、管理上の注意点を確認し、基礎知識とのつながりを意識します。
最後に、4章全体の過去問題を振り返ります。誤答に加え、正答していても根拠を説明できなかった問題を優先的に見直しましょう。
この週の到達目標:病態別の特徴を説明し、残っている弱点をテキストの該当章へ戻って確認できることです。
過去問で間違えたらどこへ戻る?弱点別の復習方法
問題演習で重要なのは、間違えた問題の正解を覚えることではなく、なぜ判断できなかったのかを明確にし、必要な知識へ戻ることです。
公式過去問題集の4章とテキストの6章は完全に一対一対応しているわけではありません。問題の内容に応じて、複数の章を確認することがあります。
| つまずいた内容 | 主な復習先 | 確認すること |
|---|---|---|
| 代謝・電解質が分からない | 第1章、第4章 | 生理学的な仕組みと病態に伴う変化 |
| 低栄養の評価に迷う | 第2章 | 評価指標、栄養スクリーニング、GLIM基準 |
| 投与経路の選択に迷う | 第3章 | 投与経路の前提条件、適応、管理上の注意 |
| 合併症への対応が曖昧 | 第3章 | 経腸・静脈栄養の管理と合併症 |
| 疾患ごとの違いが分からない | 第5章 | 病態別の栄養管理と注意点 |
| 在宅での栄養管理が曖昧 | 第6章 | 在宅経腸栄養・在宅中心静脈栄養の管理 |
この表は、出版社の公開目次をもとにした当サイト独自の復習先整理です。公式の出題分類や配点を示したものではありません。
復習メモは「誤答の原因」と「戻る章」を残す
例えば、栄養経路の選択について迷ったときは、問題番号だけでなく、判断に必要だった条件を記録します。
復習メモの例(当サイトの独自例)
迷った内容:経腸栄養と静脈栄養の選択
誤答の原因:消化管機能だけを確認し、循環動態や投与への耐容性を十分に考慮できなかった
戻る章:テキスト第3章「栄養療法の選択基準」「経腸栄養法」
再確認:経路選択の前提条件と注意点を説明できるか
この記録方法なら、問題を解き直す際に、前回不足していた知識を確認できます。なお、上記は学習方法を説明する架空の例であり、公式過去問題の転載ではありません。
勉強時間が足りない場合の優先順位
試験までの時間が限られる場合は、4週間の予定をそのまま短縮するのではなく、既習範囲と弱点に応じて学習の比重を調整します。
| 残り期間 | 優先する学習 |
|---|---|
| 4週間以上 | テキストと過去問題集を4章に分けて進め、誤答分野を補強する |
| 2週間程度 | 公式過去問題集の4章を確認し、不足している領域へ時間を多く配分する |
| 数日 | 既習範囲の誤答、根拠が曖昧な問題、正誤表を優先して見直す |
平日15〜20分、休日30〜60分などの短時間学習を組み合わせる方法もあります。ただし、必要な勉強時間は、基礎知識やNST業務経験によって異なります。この時間だけで合格水準に到達できるという意味ではありません。
特に普段扱う機会が少ない解剖・代謝、輸液管理、病態別栄養治療については、必要に応じて学習期間を延長してください。
受験必須セミナーも学習範囲の確認に活用する
JSPENのNST専門療法士受験必須セミナーは、新規取得に必要なカリキュラムです。消化器の解剖・生理、栄養素代謝、水分・電解質、栄養評価、小児、経腸・静脈栄養、在宅栄養療法などが扱われます。
セミナーは試験勉強の参考になりますが、受講修了と認定試験の合格は別です。受講条件や必要単位は申請年度の公式情報を確認し、学習内容の復習に活用してください。
また、公式過去問題集に収録されていない領域が、本試験で出題されないとは限りません。テキストの目次とセミナーのプログラムを確認し、学習範囲が極端に偏らないようにします。
NST専門療法士の勉強法でよくある質問
旧版のJSPENテキストブックを持っています。改訂第2版への買い替えは必要ですか?
旧版でも基礎知識の復習には活用できます。ただし、2026年版ではGLIM基準、ロコモ・フレイル・サルコペニア、経腸栄養における薬剤投与などが改訂・増補されています。旧版を使用する場合は、出版社の目次や改訂情報で差分を確認してください。改訂版の購入が受験の必須条件という意味ではありません。
理学療法士はリハビリテーション栄養を中心に勉強すればよいですか?
リハビリテーション栄養は理解しやすい入口になりますが、それだけでは十分とは限りません。NST専門療法士は多職種で栄養治療に関わる資格です。解剖・生化学、電解質、経腸・静脈栄養、病態別栄養治療など、自職種で触れる機会が少ない領域も学習してください。
公式過去問題集73問だけで出題範囲を網羅できますか?
73問は2025年刊行の公式過去問題集に収録された問題数です。本試験の全出題範囲を網羅していることや、同じ割合で出題されることを保証するものではありません。問題演習に加えて、公式テキストや受験必須セミナーの学習内容も確認してください。
次の一手|受験要件の確認と問題演習へ進む
NST専門療法士の勉強では、教材を増やすより、公式テキストと過去問題集を繰り返し使い、理解が不足している領域を補強することが重要です。
学習計画を決めたら、次の目的に応じて関連記事を確認してください。
- NST専門療法士の取り方2026:受験資格・日程・申請・更新の条件を確認する
- NST専門療法士の過去問・問題演習:公式過去問題集とオリジナル問題の使い分けを確認する
まずは公式過去問題集の目次を開き、どの章に自信がないかを確認するところから始めましょう。
参考文献・公式情報
- 日本栄養治療学会. NST専門療法士認定資格制度 [Internet]. Available from: https://www.jspen.or.jp/certification/nst [cited 2026 Oct 8].
- 日本栄養治療学会. NST専門療法士受験必須セミナー [Internet]. Available from: JSPEN公式ページ [cited 2026 Oct 8].
- 日本栄養治療学会. NST専門療法士2026年度認定試験に関する公告(第3報) [Internet]. 2026. Available from: JSPEN公式公告 [cited 2026 Oct 8].
- 日本栄養治療学会, 編. 日本栄養治療学会 JSPENテキストブック改訂第2版. 東京: 南江堂; 2026.
- 日本栄養治療学会認定・資格制度委員会, 編. 日本栄養治療学会JSPEN NST専門療法士認定試験過去問題集. 東京: 南江堂; 2025.
- Cederholm T, Jensen GL, Correia MITD, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition – A consensus report from the global clinical nutrition community. Clin Nutr. 2019;38(1):1-9. doi:10.1016/j.clnu.2018.08.002.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

