- 患者サポート体制充実加算とは?2026年度の算定要件・施設基準
- 患者サポート体制充実加算は70点|算定対象と算定時期
- 施設基準の全体像|相談窓口・部門連携・記録・周知
- 相談窓口の人員配置|専任職員と常時1名以上の考え方
- 医療対話推進者の研修は必須?望ましい事項と届出の違い
- 週1回程度のカンファレンス|議題と記録例
- 相談対応マニュアル|各部門の対応・報告体制を整える
- 相談記録は何を残す?必須事項と推奨項目を区別する
- 医療安全対策加算との関係|窓口の兼用と委員会連携
- 院内掲示と入院時説明|相談窓口をどう周知する?
- 届出方法|様式36の記載事項と添付書類
- 届出後の運用|施設基準を維持するための管理例
- PT・OT・STの役割|リハビリ部門で相談を受けた場合
- よくある不備|施設基準と院内運用を点検する
- よくある質問
- 次の一手|相談窓口・カンファレンス・届出書類を確認する
- 参考文献
- 著者情報
患者サポート体制充実加算とは?2026年度の算定要件・施設基準
患者サポート体制充実加算は、患者や家族からの相談に対応し、医療従事者との対話を促進するための支援体制を評価する診療報酬です。診療報酬コードはA234-3で、2026年度の点数は70点です。施設基準を満たして届け出た医療機関が、対象患者について入院初日に算定します。
施設基準では、相談窓口の設置だけでなく、標榜時間内の専任職員の配置、各部門との連携、週1回程度のカンファレンス、相談実績の記録、院内掲示、入院時の説明などが求められます。
この記事では、2026年度の診療報酬点数表と施設基準通知をもとに、算定対象、人員配置、研修、相談記録、カンファレンス、届出様式36の添付書類を整理します。医事課、患者相談窓口、医療安全管理部門、病院管理職、PT・OT・STが院内運用を確認する際に活用してください。
結論:患者サポート体制充実加算では、相談窓口を設置するだけでは不十分です。標榜時間内の専任職員の配置、部門間の連携、週1回程度のカンファレンス、相談実績の記録、患者への周知を一体として整備する必要があります。
最初に確認したい3項目
- 相談窓口に、標榜時間内を通じて専任職員を常時1名以上配置できているか
- 各部門の患者支援担当者と、相談・報告の連携方法が決まっているか
- カンファレンスと相談実績を継続的に記録できているか
患者サポート体制充実加算は70点|算定対象と算定時期
患者サポート体制充実加算は、対象となる入院患者について、入院初日に70点を算定します。算定は入院期間中1回に限られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 診療報酬コード | A234-3 |
| 名称 | 患者サポート体制充実加算 |
| 点数 | 70点 |
| 算定時期 | 入院初日 |
| 算定回数 | 入院期間中1回 |
| 算定対象 | 本加算を算定できる入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料を現に算定している患者 |
| 施設基準 | 患者相談窓口と院内の患者支援体制を整備 |
| 届出様式 | 別添7の様式36 |
算定できる患者は入院料によって異なる
施設基準を満たして届け出ていても、すべての入院患者に無条件で算定できるわけではありません。
対象は、第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く)、第3節の特定入院料、第4節の短期滞在手術等基本料のうち、患者サポート体制充実加算を算定できるものを現に算定している患者です。
そのため、算定時には「医療機関が施設基準を満たしているか」と「患者が算定している入院料で本加算を算定できるか」を分けて確認する必要があります。
特定入院料を算定している場合は、当該入院料の規定や、算定可能な入院基本料等加算の一覧も確認してください。
がん拠点病院加算との併算定に注意
A234-3の留意事項通知では、A232「がん拠点病院加算」を算定している場合、患者サポート体制充実加算は算定できないとされています。
これは、患者サポート体制充実加算の届出そのものができないという意味ではなく、個々の患者についての算定可否を確認する際の注意点です。
医事課では、対象入院料と併算定できない加算の両方を確認する運用が重要です。
施設基準の全体像|相談窓口・部門連携・記録・周知
患者サポート体制充実加算の施設基準は、患者や家族からの相談を受け止め、適切な職種や部門につなぎ、組織として対応する仕組みを求めています。
次の表では、施設基準として求められる事項と、院内で確認するときの資料例を区別して整理します。
| 施設基準の項目 | 求められる内容 | 院内確認資料の例 |
|---|---|---|
| 相談窓口 | 医学的な質問、生活上・入院上の不安などに対応する窓口を設置 | 窓口の設置場所、組織図 |
| 専任職員の配置 | 標榜時間内に医療有資格者等を常時1名以上配置 | 勤務表、配置体制 |
| 適切な職種による対応 | 相談内容に応じて適切な職種が対応できる体制 | 連絡先一覧、相談対応手順 |
| 部門間連携 | 相談窓口と各部門が十分に連携 | 連携フロー、担当者一覧 |
| 各部門の担当者 | 各部門に患者支援体制の担当者を配置 | 部門別担当者一覧 |
| カンファレンス | 患者支援の取組を評価する会議を週1回程度開催 | 開催記録、議事録 |
| マニュアル | 各部門の相談対応・報告体制を整備し、職員に遵守させる | 相談対応マニュアル |
| 相談実績 | 相談件数、相談内容、相談後の取扱い等を記録 | 相談記録、実績集計 |
| 医療安全との連携 | 医療安全対策加算を算定する場合、医療安全管理対策委員会と連携し、その状況を記録 | 連携記録、委員会議事録 |
| 定期的な見直し | 患者支援体制の取組を定期的に見直す | 改善記録、改訂履歴 |
| 院内掲示 | 相談窓口の設置と患者支援の取組を見やすい場所に掲示 | 掲示物、掲示場所 |
| 入院時説明 | 入院患者に文書等を用いて相談窓口を説明 | 入院案内、説明資料 |

図の流れは、施設基準を理解するための模式図です。実際の相談対応では、相談窓口を経由せず各部門が直接相談を受ける場合もあります。各部門で対応した相談についても、施設基準に沿った記録と報告体制が必要です。
表の「院内確認資料の例」は、施設基準への適合状況を確認しやすくするためのものです。すべての資料について、全国一律の書式が指定されているという意味ではありません。
なお、公益財団法人日本医療機能評価機構等による第三者評価を受けていることは「望ましい」とされています。必須要件と推奨事項を混同しないようにしてください。
相談窓口の人員配置|専任職員と常時1名以上の考え方
施設基準通知では、相談窓口に専任の医師、看護師、薬剤師、社会福祉士またはその他医療有資格者等を、医療機関の標榜時間内に常時1名以上配置することが求められます。
また、相談内容に応じて適切な職種が対応できる体制を整える必要があります。相談窓口の担当者が、すべての医学的・社会的相談に単独で回答するという意味ではありません。
標榜時間内の配置を確認する
人員配置で重要なのは、単に担当者を任命することではなく、標榜時間内を通じて必要な配置を確保することです。
休憩、会議、研修、休暇などで担当者が不在になる時間帯がある場合は、施設基準に適合する配置を維持できるか確認します。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 通常勤務 | 標榜時間内に専任職員が配置されているか |
| 休憩・会議 | 担当者が窓口を離れる際も配置要件を満たせるか |
| 休暇・欠勤 | 必要な職員配置を維持できる体制があるか |
| 複雑な相談 | 相談内容に応じた職種へ連携できるか |
| 職員異動 | 担当者の変更後も施設基準を満たしているか |
この表は院内管理の例です。代替配置表という名称の書類を作成することや、常に複数名を同時配置することが独立した必須要件とされているわけではありません。
「専任」は「専従」と同義ではありませんが、実際の業務分担が施設基準に適合しているかは個別に確認する必要があります。職種や勤務形態だけで適合を断定しないようにしてください。
PT・OT・STは相談窓口を担当できる?
施設基準通知には「その他医療有資格者等」という記載があります。ただし、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の資格を有していることだけで、すべての配置要件を満たすと判断することはできません。
配置を検討する際は、専任としての勤務体制、標榜時間内の配置、相談内容に応じた対応体制を確認してください。判断が難しい場合は、届出前に管轄の地方厚生局へ確認することが適切です。
医療安全対策加算の相談窓口と兼用できる?
施設基準通知では、患者サポート体制充実加算の相談窓口を、A234「医療安全対策加算」に規定する窓口と兼用しても差し支えないとされています。
ただし、窓口を兼用する場合でも、それぞれの加算に必要な職員配置、相談対応、連携、記録などの要件を満たす必要があります。
医療対話推進者の研修は必須?望ましい事項と届出の違い
施設基準通知では、相談窓口に配置される職員について、医療関係団体等が実施する医療対話推進者の養成を目的とした研修を修了していることが「望ましい」とされています。
また、様式36の記載上の注意には、研修は必ずしも必要ではなく、修了していない場合でも届出できることが明記されています。
したがって、「研修修了が望ましい」という施設基準上の記載と、「研修未修了でも届出できる」という様式上の取扱いを区別することが重要です。
| 確認事項 | 取扱い |
|---|---|
| 研修修了 | 修了していることが望ましい |
| 研修未修了での届出 | 様式36の記載上の注意では届出可能とされている |
| 研修修了者がいる場合 | 研修名を記載し、修了を確認できる文書を添付する |
| 院内での確認 | 研修修了状況と、実際の相談対応体制をそれぞれ確認する |
研修修了を確認できる文書は、研修の名称、実施主体、修了日、修了者の氏名などを記載した一覧でも差し支えないとされています。
研修未修了でも届出できることと、十分な相談対応能力や適切な支援体制が不要であることは同じではありません。患者との対話を支えるため、継続的な教育や部門間連携を検討することが重要です。
週1回程度のカンファレンス|議題と記録例
施設基準では、患者支援に係る取組の評価等を行うカンファレンスを週1回程度開催し、必要に応じて各部門の患者支援担当者等が参加することが求められます。
会議の開催だけでなく、相談対応の課題を共有し、必要な改善につなげることが重要です。
カンファレンスで確認する内容
| 議題 | 確認内容の例 |
|---|---|
| 相談件数 | 相談窓口・各部門の相談件数と傾向 |
| 対応が難しい相談 | 複数部門の連携が必要な事例 |
| 患者・家族への説明 | 説明不足や認識の違いが生じた場面 |
| 医療安全との連携 | 医療安全上の課題と必要な情報共有 |
| 前回の対応結果 | 未完了事項と改善状況 |
| 運用の見直し | マニュアル、周知方法、連絡経路の改善 |
上記は院内運用の例です。すべての項目を毎回議題にすることが、個別の必須要件として定められているわけではありません。
カンファレンスの記録例
患者支援カンファレンス記録(架空の例)
開催日:20XX年X月X日
参加者:患者相談窓口担当者、看護部門担当者、医事課担当者、リハビリテーション部門担当者
議題:患者・家族からの相談状況と部門間の連携方法
確認内容:退院後の生活に関する相談が複数あり、相談窓口とリハビリテーション部門の情報共有に時間を要する事例があった。
対応方針:相談受付時に確認する項目と、担当部門への連絡方法を整理する。
次回確認:連絡方法の変更後、対応状況を確認する。
開催日、参加者、検討内容、決定事項、次回確認事項などを残すと、患者支援体制の継続的な見直しに活用できます。
この記録例は実務上の参考であり、全国共通の議事録様式を示すものではありません。
相談対応マニュアル|各部門の対応・報告体制を整える
施設基準では、各部門で患者や家族から相談を受けた場合の対応体制と報告体制をマニュアルとして整備し、職員に遵守させる必要があります。
相談窓口だけで対応するのではなく、病棟、医事課、薬剤部門、リハビリテーション部門などが相談を受けた際の流れを整理することが重要です。
相談を受けたときの基本的な流れ
- 相談を受ける:患者・家族の訴えと希望を確認する。
- 緊急性を判断する:急変や医療安全上の問題が疑われる場合は、通常の相談対応より優先して必要な対応を行う。
- 担当部門につなぐ:相談内容に応じて医師、看護師、社会福祉士などへ連携する。
- 対応内容を記録する:相談内容、対応、相談後の取扱いを残す。
- 必要に応じて共有する:相談窓口やカンファレンスで継続対応の必要性を確認する。
- 対応後の状況を確認する:未解決事項や改善すべき運用がないか確認する。
この流れは実務上の整理例です。実際には院内の相談対応マニュアル、医療安全管理規程、個人情報保護に関する規程に従って運用してください。
相談記録は何を残す?必須事項と推奨項目を区別する
施設基準通知では、相談窓口と各部門で対応した相談について、相談件数、相談内容、相談後の取扱い、その他の患者支援に関する実績を記録することが求められます。
相談窓口で受けた相談だけでなく、各部門で対応した相談も把握する必要がある点に注意してください。
一方、相談者区分、対応者、今後の対応予定などは、実務上の管理に役立つ項目です。これらすべてが、施設基準通知で独立した必須記録項目として列挙されているわけではありません。
相談記録の項目例
| 項目 | 位置付け | 記録内容の例 |
|---|---|---|
| 相談件数 | 施設基準で記録が求められる事項 | 相談件数を把握できる記録・集計 |
| 相談内容 | 施設基準で記録が求められる事項 | 医学的説明、入院生活、退院後の生活など |
| 相談後の取扱い | 施設基準で記録が求められる事項 | 対応完了、継続対応、他部門への引継ぎなど |
| その他の患者支援実績 | 施設基準で記録が求められる事項 | 院内で実施した患者支援の状況 |
| 相談日 | 院内管理上の推奨項目 | 相談を受けた日付 |
| 受付部門 | 院内管理上の推奨項目 | 相談窓口、病棟、リハビリテーション部門など |
| 相談者区分 | 院内管理上の推奨項目 | 患者本人、家族など |
| 対応者 | 院内管理上の推奨項目 | 対応した職種・担当者 |
| 今後の対応 | 院内管理上の推奨項目 | 再説明、面談調整、継続確認など |
記録様式は、院内の電子カルテや相談記録システムなどの運用に合わせて整備します。相談件数の集計方法と、個々の相談内容・対応結果を確認できる方法を整理しておくことが重要です。
患者相談記録の記載例
患者相談記録(架空の例)
相談日:20XX年X月X日
受付部門:リハビリテーション部門
相談者:患者家族
相談内容:退院後の移動方法や自宅生活について不安があるとの相談。
対応内容:現在の移動状況について説明し、退院支援担当者への相談を案内した。家族の希望を確認し、担当者へ情報共有した。
相談後の取扱い:退院支援担当者へ引継ぎ。継続対応。
今後の対応:退院支援担当者と面談日程を調整し、必要に応じて多職種で支援内容を検討する。
この記録例は説明用の架空事例です。実際の記録は、相談を受けた事実と実施した対応に基づいて作成してください。
医療安全対策加算との関係|窓口の兼用と委員会連携
患者サポート体制充実加算と医療安全対策加算は、関連する部分があるものの、異なる診療報酬です。
患者サポート体制充実加算は患者・家族への相談支援体制を、医療安全対策加算は組織的な医療安全管理体制を評価します。
| 項目 | 患者サポート体制充実加算 | 医療安全対策加算 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 患者・家族への相談支援と対話の促進 | 組織的な医療安全管理 |
| 中心となる体制 | 患者相談窓口と各部門の患者支援体制 | 医療安全管理部門、医療安全管理者等 |
| 相談窓口 | 所定の条件で兼用可能 | 所定の条件で兼用可能 |
| 記録・連携 | 相談実績の記録、必要な医療安全管理対策委員会との連携 | 医療安全管理活動の実施・記録 |
医療安全対策加算を算定している医療機関では、医療安全管理対策委員会と十分に連携し、その状況を記録する必要があります。
例えば、患者からの相談を通じて医療安全上の課題が明らかになった場合は、院内の定められた報告経路に従い、必要な情報を医療安全管理部門へ共有します。
院内掲示と入院時説明|相談窓口をどう周知する?
施設基準では、院内の見やすい場所に相談窓口が設置されていることと、患者支援のために実施している取組を掲示する必要があります。
また、入院患者には、入院時に文書等を用いて相談窓口について説明する必要があります。
| 場面 | 周知内容の例 |
|---|---|
| 院内掲示 | 相談窓口の場所、相談できる内容、受付方法、患者支援の取組 |
| 入院案内 | 相談窓口の役割、利用方法、連絡先 |
| 入院時説明 | 患者・家族が相談できることを文書等で説明 |
| 職員への周知 | 相談を受けた場合の連絡・報告方法 |
患者が相談窓口の存在を知らなければ、支援体制を整備していても利用につながりません。掲示場所や入院案内の内容を定期的に確認することが重要です。
届出方法|様式36の記載事項と添付書類
患者サポート体制充実加算の施設基準に係る届出には、別添7の様式36「患者サポート体制充実加算に係る届出書添付書類」を使用します。
様式36では、相談窓口に配置される職員、患者支援カンファレンス、患者に対する情報提供方法を記載します。
また、記載上の注意では、相談窓口の組織上の位置付けを示す文書や、相談対応マニュアルなどの添付が求められています。
様式36に記載する内容
| 記載欄 | 確認内容 |
|---|---|
| 相談窓口の職員 | 氏名、勤務時間、職種、研修修了状況、研修名 |
| 患者支援カンファレンス | 週当たりの開催頻度、構成メンバーの氏名・職種 |
| 患者に対する情報提供 | 相談窓口等について、どのような方法で情報提供しているかを簡潔に記載 |
様式36で求められる添付書類
| 添付書類 | 取扱い | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 相談窓口の設置・組織上の位置付けを示す文書 | 添付が必要 | 窓口の設置と院内組織上の位置付けが分かること |
| 相談対応マニュアル | 添付が必要 | 患者等からの相談に対応するために整備していること |
| 研修修了を確認できる文書 | 研修修了者がいる場合に添付 | 研修名、実施主体、修了日、修了者氏名等 |
注意:研修修了を確認できる文書は、研修を修了した職員がいる場合に添付します。様式36には、研修未修了でも届出可能であることが明記されています。
一方、相談窓口の設置・組織上の位置付けを確認できる文書と、相談対応マニュアルは、様式36の記載上の注意で添付が求められています。
届出に使用する最新の様式36は、関東信越厚生局の令和8年度基本診療料届出一覧など、医療機関の所在地を管轄する地方厚生局の公式ページから取得してください。
届出書本体(別添7)や提出方法についても、管轄地方厚生局の案内を確認する必要があります。
届出前チェックリスト
| 確認 | チェック項目 |
|---|---|
| □ | 患者・家族からの相談に対応する窓口を設置している |
| □ | 標榜時間内に専任職員を常時1名以上配置している |
| □ | 相談内容に応じて適切な職種が対応できる |
| □ | 相談窓口と各部門が十分に連携している |
| □ | 各部門に患者支援の担当者を配置している |
| □ | 週1回程度のカンファレンスを開催している |
| □ | 各部門の相談対応・報告体制のマニュアルを整備している |
| □ | 相談窓口と各部門の相談実績を記録している |
| □ | 医療安全対策加算を算定している場合、委員会との連携状況を記録している |
| □ | 患者支援体制の取組を定期的に見直している |
| □ | 相談窓口と患者支援の取組を院内に掲示している |
| □ | 入院時に文書等を用いて相談窓口を説明している |
| □ | 様式36の記載事項を確認している |
| □ | 相談窓口の設置・組織上の位置付けを示す文書を準備している |
| □ | 相談対応マニュアルを添付できる |
| □ | 研修修了者がいる場合、修了確認資料を準備している |
| □ | 届出書本体(別添7)を準備している |
| □ | 対象入院料と併算定できない加算を確認している |
このチェック表は院内確認用です。実際の届出では、最新の告示、通知、様式36、管轄地方厚生局の案内を優先してください。
届出後の運用|施設基準を維持するための管理例
患者サポート体制充実加算は、届出後も継続して施設基準を満たす必要があります。
特に、職員配置、カンファレンス、相談実績、患者への周知は、日常業務の中で確認できるようにしておくことが重要です。
| 頻度の例 | 確認事項 | 記録の例 |
|---|---|---|
| 日常 | 相談窓口の配置、相談受付・対応 | 勤務表、相談記録 |
| 週1回程度 | 患者支援カンファレンス | 開催記録、議事録 |
| 月次 | 相談件数・相談内容・対応状況の集計 | 相談実績一覧 |
| 定期的 | 相談対応マニュアルと患者支援体制の見直し | 改善記録、改訂履歴 |
| 職員異動時 | 相談窓口の配置と各部門担当者の確認 | 担当者一覧、勤務体制 |
月次集計などは、管理しやすくするための運用例です。集計を必ず毎月実施することが、独立した施設基準として定められているわけではありません。
PT・OT・STの役割|リハビリ部門で相談を受けた場合
患者サポート体制充実加算は、PT・OT・STの配置人数やリハビリテーション実施単位数を直接評価する加算ではありません。
一方、各部門の患者支援体制が施設基準に含まれるため、リハビリテーション部門でも相談を受けた場合の対応と報告方法を整理する必要があります。
| 相談内容 | 対応・連携の例 |
|---|---|
| 退院後の歩行・移動 | 現在の移動状況を説明し、退院支援担当者と連携 |
| 自宅での介助方法 | 介助方法を確認し、必要に応じて家族指導を調整 |
| リハビリの進行に対する不安 | 実施状況を説明し、治療方針に関する質問は担当医等へ連携 |
| 福祉用具・住環境 | 必要な評価を行い、関係職種と情報共有 |
| 医療行為への疑問や苦情 | 事実を確認し、院内の相談・報告経路に沿って対応 |
重要なのは、リハビリテーション職種だけで相談を抱え込まないことです。専門領域を超える内容や医療安全上の問題が疑われる内容は、適切な部門へ連携します。
日常の評価や患者説明を整理したい場合は、評価ライブラリも参考にしてください。
よくある不備|施設基準と院内運用を点検する
患者サポート体制充実加算では、相談窓口を設置していても、職員配置や記録・連携体制が不十分な場合があります。
| 不備の例 | 確認・改善の方向性 |
|---|---|
| 窓口担当者が不在となる時間帯がある | 標榜時間内の配置要件を満たせるか確認する |
| 各部門の担当者が不明確 | 担当者と連絡経路を明確にする |
| カンファレンスの開催頻度が不足 | 週1回程度の開催体制を確認する |
| 相談窓口の件数しか記録していない | 各部門で受けた相談も把握する |
| 相談後の取扱いが不明 | 対応完了、継続対応、引継ぎなどを記録する |
| 医療安全管理対策委員会との連携記録がない | 医療安全対策加算を算定している場合は連携状況を確認する |
| 院内掲示・入院時説明が不十分 | 掲示物、入院案内、説明方法を確認する |
| 相談対応マニュアルが現状に合っていない | 担当者、報告先、運用手順を見直す |
| 届出の添付書類が不足 | 様式36の記載上の注意に沿って確認する |
| 対象外の入院料で算定している | 対象入院料と算定可能な加算を確認する |
施設基準への適合状況は、実際の運用と記録を照らし合わせて確認することが重要です。
よくある質問
Q1.患者サポート体制充実加算は何点ですか?
70点です。所定の施設基準を満たして届け出た医療機関で、対象となる入院患者について入院初日に、入院期間中1回算定します。
Q2.すべての入院患者に算定できますか?
いいえ。患者が算定している入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料が、本加算を算定できるものに該当する必要があります。
Q3.相談窓口には何人配置する必要がありますか?
標榜時間内に、専任の医師、看護師、薬剤師、社会福祉士またはその他医療有資格者等を常時1名以上配置する必要があります。
Q4.医療安全対策加算の相談窓口と兼用できますか?
はい。施設基準通知では兼用しても差し支えないとされています。ただし、それぞれの加算に必要な施設基準を満たす必要があります。
Q5.医療対話推進者の研修は必須ですか?
施設基準通知では、研修を修了していることが望ましいとされています。様式36では、研修未修了でも届出可能と明記されています。
Q6.カンファレンスは毎週必要ですか?
患者支援の取組を評価するカンファレンスを週1回程度開催する必要があります。必要に応じて各部門の患者支援担当者等が参加します。
Q7.相談窓口以外で受けた相談も記録が必要ですか?
はい。相談窓口と各部門で対応した相談について、相談件数、相談内容、相談後の取扱いなどを記録する必要があります。
Q8.患者への周知は院内掲示だけでよいですか?
いいえ。院内の見やすい場所への掲示に加え、入院患者には入院時に文書等を用いて相談窓口について説明する必要があります。
Q9.届出には何を添付しますか?
様式36に加え、相談窓口の設置・組織上の位置付けを確認できる文書と、相談対応マニュアルが必要です。研修修了者がいる場合は、修了を確認できる文書も添付します。届出書本体(別添7)についても確認してください。
Q10.がん拠点病院加算と併算定できますか?
いいえ。A232「がん拠点病院加算」を算定している場合、患者サポート体制充実加算は算定できません。
次の一手|相談窓口・カンファレンス・届出書類を確認する
患者サポート体制充実加算の届出を検討する場合は、まず相談窓口の配置体制を確認してください。特に、標榜時間内を通じて専任職員を常時1名以上配置できているかが重要です。
次に、各部門の患者支援担当者、週1回程度のカンファレンス、相談対応マニュアル、相談実績の記録、院内掲示、入院時説明を確認します。
届出時には、様式36の記載事項だけでなく、相談窓口の設置・組織上の位置付けを示す文書、相談対応マニュアル、必要に応じた研修修了確認資料を準備します。
すでに届出を行っている医療機関でも、担当者の異動や業務変更によって施設基準への適合状況が変わる可能性があります。届出後も実際の運用と記録を定期的に照合してください。
最後に、管轄する地方厚生局の最新資料を確認し、医事課・患者相談窓口・医療安全管理部門・各部門の担当者で情報を共有しましょう。
参考文献
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法:A234-3 患者サポート体制充実加算.
- 厚生労働省.基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて.令和8年3月5日保医発0305第7号.第21の2「患者サポート体制充実加算」.令和8年度診療報酬改定資料.
- 関東信越厚生局.基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定).患者サポート体制充実加算、別添7、様式36.
- 近畿厚生局.基本診療料の届出様式(令和8年度診療報酬改定).

