2026年6月臨時介護報酬改定|リハ職の給料は上がる?見分け方3条件

制度・実務
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リハ職の給料は上がる? 2026 年 6 月臨時介護報酬改定の見分け方

最終更新:2026 年 4 月 11 日(令和 8 年度改定概要・ 3 月 13 日通知・ Q&A を反映)

2026 年 6 月の臨時介護報酬改定で、PT・OT・ST の給料が自動で一律に上がるわけではありません。先に結論を言うと、差が出るのは事業所が加算を算定するか配分ルールを説明できるか職場環境要件を仕組みで回しているかの 3 点です。

このページで答えるのは、リハ職として「自分の職場は恩恵が出やすいか」を見分ける方法です。逆に、制度全体の総論や訪問リハの月次運用までは抱え込みません。読後に「どこを見て、何を聞けばいいか」が決まる形に絞って整理します。

同ジャンルで迷子にならない:まず “ 全体像 → 判断ポイント → 各論 ” の順で回る 2026 年 6 月改定の全体像を見る

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まず結論|“ 給料が落ちやすい職場 ” と “ 反映されやすい職場 ” は 3 条件で分かれます

ニュースで見かける「月 1.9 万円」は、制度全体の説明としては重要ですが、リハ職の判断ではその数字だけでは足りません。現場で差が出るのは、①事業所が加算を取れる状態か②配分ルールが見えるか③面談・研修・記録の運用が勤務内で回っているかです。

この 3 点が揃う職場は、改定の恩恵が「個人の給料」と「働きやすさ」に落ちやすくなります。逆に、ルールが曖昧で兼務だけ増える職場は、原資があっても体感が出にくいです。

早見表:リハ職が先に見る 3 条件( 2026 年 6 月臨時改定 )
条件 見えないと起きやすいこと 見分ける質問 先に整っていると強いもの
加算を算定できる状態 「対象だと思っていたのに反映されない」 今のサービスで処遇改善加算を算定していますか? 届出・要件確認・担当者が決まっている
配分ルールが見える 不公平感が強く、給料の説明が曖昧になる 対象・基準・時期は文章で共有されていますか? 配分ルールの明文化と説明の場
職場環境要件を仕組みで回す 研修・面談・記録だけ増えて疲弊する 面談と研修は勤務内ですか?記録テンプレはありますか? 面談設計、研修計画、記録の最小セット
給料が反映されやすい職場の見分け方 3 条件をまとめた図版
図:給料が反映されやすい職場は「算定の有無」「配分ルール」「仕組み化」の 3 条件で見分けます。

まず確認|今回の改定で “ 確定したこと ” だけ押さえれば判断を外しません

このページで大事なのは、制度の枝葉より現場判断に直結する確定事項です。リハ職目線では「対象が広がった」「訪問リハにも加算ができた」「加算を取れば賃金改善が必要」「上位区分は生産性向上や協働化が鍵」の 4 点で十分です。

ここを押さえると、単なるニュース理解ではなく、「自分の職場で何を確認するか」に変換しやすくなります。

確定した変更点と、リハ職が受け取る意味
確定したこと 制度上の意味 リハ職が見るポイント
対象範囲の拡大 処遇改善加算の対象が介護職員のみから介護従事者へ広がる 「リハ職は対象外かも」ではなく、まず事業所の算定有無を確認する
訪問リハに新設 訪問リハビリテーションでも処遇改善加算を算定できる 訪問リハでは “ そもそも対象か ” より “ どう配分するか ” が論点になる
賃金改善の実施 加算額に相当する賃金改善が必要になる 給与明細だけでなく、配分ルールと説明の有無まで確認する
上位区分の考え方 生産性向上や協働化に取り組む事業者に上乗せ区分がある ICT、記録簡素化、兼務整理まで見ておくと判断しやすい

施設別に見る|老健・特養・通所・訪問で “ 影響の出方 ” が違います

同じ臨時改定でも、現場で体感しやすい変化は施設タイプで異なります。ここでは、給料そのものよりも「働き方にどう出るか」に絞って整理します。

施設タイプ別:影響の出方と、先に見るべき詰まりどころ
施設タイプ 影響が出やすい論点 現場の詰まりどころ 面談で聞くとよいこと
老健 配置と役割分担 兼務が増えて、残業だけが増える 担当表は誰が更新し、引継ぎはどう残しますか?
特養 配分の納得感 配分の説明が曖昧で、不公平感が残る 配分の基準・時期・説明の場はありますか?
通所リハ 稼働変動と記録負担 利用者増で、記録と調整が詰まる 二重記載はどこを減らしていますか?
訪問リハ 要件を満たす運用 個人の頑張りで要件を埋めて疲弊する 面談・研修・記録テンプレは勤務内で回りますか?

老健:配置と役割分担が “ 給料の体感 ” に直結します

老健で見落としやすいのは、賃上げ原資があっても担当の持ち方が曖昧だと働きやすさが悪化する点です。リハ職目線では、在宅復帰支援・多職種連携・会議体が絡むため、給料だけでなく誰が何を持つかが整理されているかを先に見た方が失敗しにくいです。

特養:配分の説明ができる職場ほど納得感が残ります

特養では、直接的なリハ提供の見せ方が施設差になりやすく、個人評価だけでなく仕組みの説明が重要です。配分ルールが文章で共有されているか、面談で説明されるか、この 2 点で体感差が出やすくなります。

通所リハ:利用者増より先に “ 記録の型 ” を見ます

通所リハは稼働の波が大きく、スタッフ体感では給料より先に記録負担が増えることがあります。キャンセル対応、担当の持ち方、二重記載の有無まで整っている職場は、改定後のしわ寄せが出にくいです。

訪問リハ:要件を “ 個人依存 ” で埋めない職場が強いです

訪問リハは、今回の改定で見え方が大きく変わった領域です。ただし、現場で楽になるかどうかは、加算新設そのものより面談・研修・記録を仕組み化しているかで決まります。個人の頑張りで要件を埋める職場は、後から疲弊しやすくなります。

現場の詰まりどころ|“ 上がるはずなのに体感がない ” のはなぜか

臨時改定でいちばん多い詰まりは、「対象拡大と聞いたのに、自分の給料や働き方が変わらない」ことです。多くの場合、原因は制度よりも運用にあります。先に “ どこで止まるか ” を押さえると、確認すべき順番がはっきりします。

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、制度理解だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。

評価・記録・報告の “ 型 ” をまとめて整理したい方へ

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よくある失敗|配分が “ 個人 ” に落ちない 4 パターン

同じ改定でも、現場の体感差はここで分かれます。リハ職が巻き込まれやすい失敗を 4 つに絞ると、次の表になります。

よくある失敗:処遇改善が現場に届きにくい原因
失敗パターン 起きること 見分ける質問 回避の方向性
算定していない 対象拡大の話だけが先行し、実際は反映されない 現在のサービスで処遇改善加算を算定していますか? 届出と要件の確認担当を明確にする
配分ルールが不明 「自分はどう反映されるのか」が見えない 対象・基準・時期は共有されていますか? ルールを文章化して、面談で説明する
職場環境要件が形だけ 研修や面談が負担増になり、残業だけ増える 勤務内で実施していますか?記録様式は固定ですか? 担当者・頻度・テンプレを先に決める
兼務の線引きが曖昧 結局、押し付けと残業に変わる 担当表と引継ぎの型はありますか? 役割分担を 1 枚化して更新ルールを決める

回避の手順|“ 最小チェック 6 項目 ” だけ先に確認します

細かな通知を追い続けるより、まずは現場の 6 項目を確認する方が、残る/動く判断に直結します。転職検討中でも、面談前にこの 6 つを聞けるとブレが減ります。

  1. 算定の有無:今のサービスで処遇改善加算を算定している
  2. 配分の説明:対象・基準・時期の共有がある
  3. 面談の設計:目標・評価・フィードバックが年 1 回以上で回る
  4. 研修の実装:勤務内で参加でき、参加記録の型がある
  5. 担当の線引き:兼務範囲と担当表の更新者が明確
  6. 記録の最小化:同じ内容の二重記載を減らしている

面談でそのまま使える “ 確認フレーズ ”

制度名を細かく聞くより、運用が回るかを短く確認した方が実態が見えます。

  • 「今のサービスで処遇改善加算は算定していますか?」
  • 「配分の対象・基準・時期は、文章で共有されていますか?」
  • 「面談は年に何回で、フィードバックは記録に残りますか?」
  • 「研修は勤務内ですか?参加記録のテンプレはありますか?」
  • 「兼務の範囲と、担当表の更新ルールを教えてください」

配布物|面談や職場確認で使えるチェックシート

記事の要点を A4 1 枚にまとめた「リハ職の職場見分けチェックシート」を用意しました。面談前の準備、見学時の確認、上司とのすり合わせに使いやすい構成です。

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よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

2026 年 6 月の臨時改定で、PT・OT・ST の給料は必ず上がりますか?

必ず一律に上がるとは言えません。大事なのは、事業所が加算を算定しているか、配分ルールを説明できるか、職場環境要件を仕組みで回しているかの 3 点です。

訪問リハの職場は、今回どこがいちばん変わりますか?

「対象かどうか」だけを気にする段階から、「どう運用し、どう配分するか」を確認する段階に移る点です。面談・研修・記録テンプレが個人依存でないかを先に見た方が安全です。

老健や通所リハでは、何を優先して確認すべきですか?

給料の話だけでなく、担当の持ち方と記録負担です。兼務の線引き、担当表、二重記載の有無まで確認すると、改定後の実際の働きやすさが見えやすくなります。

転職面談では、制度の細かい話まで聞くべきですか?

細かな制度名より、「算定しているか」「配分をどう説明するか」「面談と研修は勤務内か」「兼務の範囲はどこまでか」を聞く方が、働き方の差をつかみやすいです。

通知や Q&A が更新されるまで待った方がよいですか?

通知の確認は大切ですが、担当表・引継ぎ・面談設計・記録の最小セットづくりは先に整えても無駄になりにくいです。現場で差が出るのは “ 仕組み ” の部分です。

次の一手|全体像を押さえる → 訪問リハの運用を見る → 環境要因も点検する

最後に、次の行動を 3 つに絞ります。制度の情報収集だけで止まらず、現場での判断まで進めます。

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう

無料チェックシートを確認する

教育体制、人員配置、記録文化まで含めて見直すと、「続ける/変える」の判断がしやすくなります。


参考文献

  • 厚生労働省. 令和 8 年度介護報酬改定について. 厚生労働省
  • 厚生労働省老健局. 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和 8 年度分). 令和 8 年 3 月 13 日. PDF
  • 厚生労働省老健局老人保健課. 「介護職員等処遇改善加算に関する Q&A(第 1 版)」の送付について. 令和 8 年 3 月 13 日. PDF
  • 厚生労働省. 令和 8 年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案. PDF

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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