リハ職の専従・専任・兼務は「届出・勤務表・実態」で判断する
リハ職の施設基準で迷いやすい専従・専任・兼務は、言葉の定義だけで判断すると危険です。PT・OT・STが同じ時間帯にどの役割で配置され、届出様式・勤務表・実際の業務記録が一致しているかを確認する必要があります。この記事では、リハ部門で監査や適時調査に備えるための確認順を、現場で使いやすい形で整理します。
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専従・専任・兼務の違い
専従は特定業務に専ら従事する配置、専任は特定業務を担当する配置、兼務は同一職員が複数の役割を担う状態として整理します。
ただし、リハ職の施設基準では「専任だから自由に兼務できる」「専従だから一切例外がない」と単純化できません。疾患別リハ、病棟配置、各種加算ごとに扱いが異なるため、該当する通知・疑義解釈・届出様式を確認します。

| 用語 | 基本の考え方 | 確認点 |
|---|---|---|
| 専従 | 特定の業務に専ら従事する配置です。 | 他業務・他加算・病棟配置との兼務可否を確認します。 |
| 専任 | 特定の業務を担当する者として配置されます。 | 兼任可能な範囲と勤務時間の整合性を確認します。 |
| 兼務・兼任 | 同一職員が複数の役割を担う状態です。 | 同じ時間帯で矛盾しないか、根拠を残せるかを確認します。 |
リハ職で迷いやすいのは病棟配置と疾患別リハの重なり
リハ職で特に迷いやすいのは、疾患別リハビリテーション料、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算などが同じ職員に関わる場面です。
臨床では「常勤PTがいるから大丈夫」と判断しがちですが、施設基準では人数だけでなく、どの時間に、どの施設基準上の職員として、どの業務をしていたかまで説明できる必要があります。
| 場面 | よくある迷い | 確認するもの |
|---|---|---|
| 疾患別リハ | 複数の疾患別リハや病棟業務と兼務できるか | 特掲診療料の施設基準、届出様式、勤務表 |
| 回復期リハ病棟 | 病棟専従者が外来・訪問・他病棟業務に関われるか | 入院料の施設基準、勤務実績、業務記録 |
| 地域包括ケア病棟 | 病棟配置のPT・OT・STと疾患別リハの関係 | 病棟配置基準、リハ実施記録、勤務表 |
| リハ・栄養・口腔連携 | 病棟配置と疾患別リハ算定時間の整理 | 加算要件、単位数、カンファレンス記録 |
よくある失敗は「人がいる」だけで判断すること
専従・専任・兼務で最も多い失敗は、必要人数を満たしているだけで施設基準を満たしたと考えてしまうことです。
実際の現場では、届出様式では疾患別リハの専従者になっているのに、勤務表では病棟業務や別加算の担当に入っていることがあります。このズレは監査や適時調査で説明しにくくなるため、月単位で突合しておくことが重要です。
| NG例 | 問題点 | 修正の方向性 |
|---|---|---|
| 届出様式と勤務表の役割が違う | 配置要件を説明しにくくなります。 | 届出者一覧と勤務表を月単位で確認します。 |
| 専従者が別業務に恒常的に入っている | 専従要件との整合性が問題になります。 | 例外的に認められる範囲か、施設基準ごとに確認します。 |
| 退職・異動後に届出を見直していない | 実態と届出がずれます。 | 異動・退職・長期休業時に届出要否を確認します。 |
| 兼務できる根拠を残していない | 後から説明できません。 | 通知、疑義解釈、院内整理メモを保存します。 |

5分で確認する専従・専任・兼務チェック
日常業務では、届出様式、勤務表、実際の業務記録の3点を順番に確認すると整理しやすくなります。
この3点が一致していれば、監査や適時調査でも説明しやすくなります。反対に、どれか1つでもズレている場合は、医事課、リハ管理者、病棟責任者で早めに確認します。
| 順番 | 確認すること | 見る資料 |
|---|---|---|
| 1 | どの施設基準の職員として届け出ているか | 届出様式、職員一覧 |
| 2 | 専従・専任・常勤・非常勤の区分 | 施設基準通知、勤務契約、勤務表 |
| 3 | 他業務と兼務しているか | 勤務表、病棟配置表、外来・訪問予定表 |
| 4 | 兼務できる根拠があるか | 通知、疑義解釈、院内メモ |
| 5 | 実績と記録が説明できるか | リハ実施記録、単位数、カンファレンス記録 |
よくある質問
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専従と専任はどちらが厳しいですか?
一般には、専従のほうが他業務との関係を厳格に確認する必要があります。専任は兼任が可能な場面もありますが、施設基準ごとに扱いが異なるため、該当する通知や疑義解釈を確認します。
リハ職は複数の疾患別リハを兼務できますか?
兼務できる場面はありますが、一律ではありません。脳血管疾患等、運動器、呼吸器、廃用症候群など、どの施設基準における専従者・常勤者として扱うかを個別に確認します。
勤務表だけ整っていれば大丈夫ですか?
勤務表だけでは不十分です。届出様式、勤務表、実際のリハ実施記録、病棟業務記録、カンファレンス記録が矛盾しないことを確認します。
退職や異動があった場合は何を確認しますか?
まず施設基準上の必要人数を下回っていないかを確認します。次に、届出変更が必要か、代替職員の常勤性や専従・専任の扱いに問題がないかを確認します。
専従者が一時的に別業務を手伝うのは不可ですか?
一律に判断せず、該当する施設基準で認められる範囲かを確認します。恒常的な兼務と、例外的・一時的な対応では扱いが異なる可能性があります。判断に迷う場合は、医事課や地方厚生局への確認が必要です。
次の一手
専従・専任・兼務は、単独で見るよりも施設基準全体と疾患別リハの人員配置をあわせて確認すると整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. チーム医療等の推進等の勤務環境の改善. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000566783.pdf
- 厚生労働省. 令和6年度診療報酬改定の概要 医科全体版. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001252076.pdf
- 社会保険診療報酬支払基金. 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/kankeitsuuchi/kankeitsuuchi_r06.files/kaiteikankei_r060731_1.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下

