リハ・栄養・口腔連携加算の ADL 低下患者割合は「除外患者」を先に固定すると迷いません
2026 年 3 月 23 日の疑義解釈その 1 で、リハ・栄養・口腔連携加算の ADL 低下患者割合について、計算対象から除外できる患者が具体化されました。先に押さえたいのは、死亡退院、終末期のがん患者、そして医学的に終末期と判断される末期呼吸器疾患・末期心不全・末期腎不全で、一定の要件を満たす患者です。
この記事は、除外患者の考え方だけに限定して整理します。加算全体の対象病棟、48 時間評価、14 日運用、加算 1 / 2 の違いは、リハ・栄養・口腔連携加算【2026】48 時間・14 日を整理で確認してください。
結論|除外できる患者は 5 つに分けて見ます
この論点は、細かい例外を覚えるよりも、まず「誰を分母から外せるか」を固定する方が実務で使いやすくなります。急いで確認したい場面では、次の表だけ見れば十分です。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 区分 | 除外の考え方 | 実務メモ |
|---|---|---|
| 死亡退院 | 計算対象から除外します。 | 退院区分を台帳で確認します。 |
| 終末期のがん患者 | 計算対象から除外します。 | 終末期判断の根拠を残します。 |
| 末期呼吸器疾患 | 医学的に終末期と判断され、所定要件を満たす場合に除外します。 | 体重減少要件はそのまま当てはめません。 |
| 末期心不全 | 医学的に終末期と判断され、所定要件を満たす場合に除外します。 | 緩和ケア診療加算の対象患者要件の確認が必要です。 |
| 末期腎不全 | 医学的に終末期と判断され、所定要件を満たす場合に除外します。 | 緩和ケア診療加算の対象患者要件の確認が必要です。 |
どこまでが除外対象か|問 20 を実務に置き換える
ここで大切なのは、「重い疾患だから自動で除外」ではない点です。末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全は、医学的に終末期と判断されることに加え、緩和ケア診療加算の対象患者要件を満たすことが前提です。したがって、病名だけで処理するより、終末期判断と要件確認をセットで見る方が安全です。
実務では、病棟の集計担当だけでなく、主治医、看護師、リハ職が同じ理解を持つことが重要です。退院時 ADL だけを見て後から集計する運用だと、除外の判断根拠が残りにくくなります。先に「誰が」「何を見て」「どこに残すか」を決めておくと、後から説明しやすくなります。
見落としやすい点|末期呼吸器疾患の体重減少要件はそのまま当てはめません
今回いちばん見落としやすいのは、末期呼吸器疾患の扱いです。疑義解釈では、末期呼吸器疾患の患者について、「過去半年以内に 10 % 以上の体重減少」要件は満たさなくても差し支えないと整理されています。ここを一般的な緩和ケア診療加算の読み方だけで処理すると、除外対象を狭く見積もってしまう可能性があります。
一方で、「体重減少がなくてもよい」だけを切り出して使うのも危険です。終末期判断そのものや、他の対象患者要件まで不要になるわけではありません。したがって、実務では「呼吸器だけ特例が 1 つある」と覚えるより、末期呼吸器疾患は体重減少要件を外して確認すると整理した方が誤解が少なくなります。
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| 場面 | 読み違えやすい点 | 実務上の見方 |
|---|---|---|
| 末期呼吸器疾患 | 体重減少がないと除外できないと考える | 体重減少要件は満たさなくても差し支えありません。 |
| 末期心不全・末期腎不全 | 病名だけで自動的に除外すると考える | 終末期判断と対象患者要件の確認が必要です。 |
| 終末期判断 | 集計時に後づけで決めればよいと考える | 診療録やカンファで根拠を先に残す方が安全です。 |
現場ではどう残すか|「除外した理由」を 1 行で説明できる形にします
このテーマで実務価値が出るのは、除外対象を知ることより、除外した理由を短く説明できることです。病棟の集計表に名前だけ載っていても、後から根拠が追えなければ運用が止まりやすくなります。
おすすめは、診療録や集計メモに「疾患名」「医学的に終末期と判断したこと」「対象患者要件を確認したこと」「ADL 低下患者割合の計算対象から除外したこと」を短く残す形です。長文よりも、毎回同じ順番で残せる書き方のほうが現場で回りやすくなります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 項目 | 残し方の例 |
|---|---|
| 疾患名 | 末期呼吸器疾患 / 末期心不全 / 末期腎不全 など |
| 終末期判断 | 医学的に終末期と判断 |
| 要件確認 | 緩和ケア診療加算の対象患者要件を確認 |
| 集計処理 | ADL 低下患者割合の計算対象から除外 |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
終末期のがん患者以外では、どの患者が除外対象ですか?
医学的に終末期と判断される末期呼吸器疾患、末期心不全、末期腎不全の患者で、所定の対象患者要件を満たす場合が該当します。病名だけでなく、終末期判断と要件確認をセットで見ることが大切です。
末期呼吸器疾患では、体重減少がなくても除外できますか?
はい。疑義解釈では、末期呼吸器疾患の患者については、「過去半年以内に 10 % 以上の体重減少」を満たさなくても差し支えないと整理されています。
実務では何を記録しておけばよいですか?
疾患名、医学的に終末期と判断したこと、対象患者要件を確認したこと、ADL 低下患者割合の計算対象から除外したこと、の 4 点を短く残すと説明しやすくなります。
次の一手
このページで除外患者の考え方を押さえたら、次は親記事に戻って全体の運用を整理すると理解しやすくなります。総論と例外処理を分けて読むと、院内の認識ズレを減らしやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その 1).令和 8 年 3 月 23 日.https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001678310.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


