リハ計画書の説明日・説明者は「写しに残すか、診療録に補うか」で考えると迷いません
署名欄が廃止されたあとに現場で止まりやすいのは、「説明した事実をどこに残すか」です。結論からいうと、計画書の写しに説明日・説明者が入っていれば、そのまま運用しやすく、入っていなければ診療録に補うと整理すると迷いにくくなります。
本記事では、説明日・説明者・説明内容・患者意見の記録だけに絞って、疑義解釈その 1 の Q43 を実務向けに整理します。関連:書類簡素化と総合計画評価料の全体像は 令和 8 年改定|リハ書類簡素化と総合計画評価料の要点 で先に確認できます。
Q43 の要点:説明日・説明者はどこに残す? 説明内容は全部書く?
図のように、最初に確認するのは「計画書の写しに説明日・説明者があるか」です。ここがそろっていれば、そのまま確認しやすく、足りなければ診療録へ補う形で整理できます。
疑義解釈その 1 の Q43 では、計画書の写しに説明日と説明者の記載がない場合は、診療録に記載すると整理されています。つまり、まず確認すべきなのは「写し側に残っているかどうか」であって、最初から長文の診療録を書くことではありません。
あわせて、説明内容そのものの記載は原則不要とされました。ただし、患者の意見や希望、説明時に共有しておくべき特記事項がある場合は、診療録へ残しておく方が実務上も安全です。
どこに書く? まずは「写しに残すか、診療録に補うか」で決めます
現場では、説明日・説明者を毎回ゼロから考えるより、写しに残す運用を基本にし、不足時だけ診療録へ補う方が回りやすいです。これなら、担当者が変わっても確認場所がぶれにくくなります。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 場面 | 主な記録場所 | 最低限そろえる項目 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 写しに説明日・説明者が入っている | 計画書の写し | 説明日、説明者 | 追加の診療録記載は原則不要で回しやすいです。 |
| 写しに説明日・説明者がない | 診療録 | 説明日、説明者 | Q43 の整理に沿って、診療録へ補います。 |
| 患者の意見や希望が出た | 診療録 | 意見、希望、共有事項 | 説明内容の逐語記録ではなく、特記事項だけ残せば十分です。 |
| 家族へ説明した | 写しまたは診療録 | 説明日、説明者、説明相手 | 本人だけか、家族同席かを一言添えると共有しやすいです。 |
誰が説明できる? 先に確認するのは「病棟の扱い」です
改定後は、一般病棟等では医師だけでなく、看護師、 PT 、 OT 、 ST も計画書の説明が可能です。したがって、実務では「誰が説明するか」を毎回あいまいにせず、病棟やチームで説明担当の基本線を決めておくと運用が安定します。
一方で、回復期リハビリテーション病棟では、引き続き医師による説明が必要です。ここを他病棟と同じ感覚で運用するとぶれやすいため、病棟ごとにルールを分けておく方が安全です。
現場の詰まりどころ:説明内容まで全部書こうとして長文化する
今回の Q43 で大きいのは、説明内容そのものの記載は原則不要と整理された点です。つまり、説明日・説明者の確認と、必要時の特記事項の記録が主であり、毎回長文の要約を残すことまでは求められていません。
止まりやすいのは、「署名欄がなくなったぶん、全部を診療録に詳しく書かないと不安」と考えてしまう場面です。実務では、説明した事実を短く固定し、患者意見など例外だけを追加する形の方が、共有もしやすく、記録負担も増えにくいです。
1 行でそろえる診療録メモ例
長文よりも、短く同じ型で残せる方が現場では回ります。説明日・説明者・必要時の特記事項を 1 行でそろえておくと、監査対応だけでなく、チーム内の共有にも使いやすいです。
スマホでは表を横スクロールできます。
| 場面 | メモ例 |
|---|---|
| 写しに説明日・説明者がない | 総合実施計画書を本人へ説明。説明日 2026/3/26、説明者 PT ○○。 |
| 家族同席で説明 | 総合実施計画書を本人・家族へ説明。説明日 2026/3/26、説明者 OT ○○。 |
| 患者意見あり | 計画書説明済み。説明者 ST ○○。自宅退院を希望との意向あり。 |
| 質問・要望あり | 計画書説明済み。説明者 看護師 ○○。歩行練習量について家族へ追加説明を実施。 |
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1.写しに説明日・説明者があれば、診療録には書かなくていいですか?
Q43 の整理では、写しに説明日・説明者の記載がない場合に診療録へ記載するとされています。したがって、写し側で必要項目が確認できるなら、実務上は追加記載を増やしすぎない運用がしやすいです。
Q2.説明内容も毎回詳しく診療録に書く必要がありますか?
原則として不要です。今回の整理では、説明内容そのものの記載は原則不要とされています。患者の意見や特記事項があるときだけ、そこを短く追加する形で十分です。
Q3.PT・OT・ST が説明してもいいですか?
一般病棟等では可能です。改定後は、医師だけでなく、看護師、 PT 、 OT 、 ST も説明者になれます。ただし、回復期リハビリテーション病棟では引き続き医師による説明が必要です。
Q4.患者の意見はどこまで残せばいいですか?
逐語的な全文記録ではなく、共有しておくべき希望や反応、追加説明が必要な点を短く残せば十分です。退院希望先や家族の不安など、次の支援につながる内容を優先すると整理しやすいです。
次の一手
このテーマは、単独で読むよりも「全体像 → 点数判定 → 説明記録」の順で確認した方が整理しやすいです。次は次の 3 本をつなげておくと、院内ルールをそろえやすくなります。
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その 1 ). 2026 年 3 月 23 日.資料を見る
- 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定 – 13. 重点的な対応が求められる分野(リハビリテーション).資料を見る
- 厚生労働省保険局医療課.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発 0305 第 6 号). 2026 年 3 月 5 日.資料を見る
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


