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BPSD(行動心理症状)とは

BPSD(行動心理症状)とは、記憶障害や見当識障害といった認知症の中核症状に随伴して見られる行動や心理症状を指しており、強い不安・混乱・自尊心の低下をもたらします。
中核症状とは、脳の神経細胞が障害を起こすことによって発症する認知機能障害で、具体的には「新しいことが覚えられない」「日付や場所が理解できない」などの症状が出てきます。認知症の初期段階から、ほぼ全ての人に認められる点が特徴です。
周辺症状は、環境要因・身体要因・心理要因などの様々や要因が絡み合った結果として生じる精神症状や行動障害のことであり、本人に悪気はなく「その場の環境に適応しよう」と模索した結果、様々な症状が発生します。
認知症の行動・心理症状(BPSD)は国際老年精神医学会によって、「認知症患者に頻繁にみられる知覚、思考内容、気分または行動の障害による症状」と定義されています。
NPI と NPI-NH とは
NPI(Neuropsychiatric Inventory)は BPSD 評価尺度のゴールドスタンダードとされています。1994 年にCommingsらによって開発されました。
NPIには主に医療機関で専門家が家族や介護者などに面接して評価するNPIと、主に介護施設で専門家がケアスタッフにインタビューするNPI-NH(NPI-Nursing Home version)があります。どちらも面接式となっております。
日本語版は、1997 年に博野らによって作成されており、高い信頼性と妥当性が確認されています。
評価項目
NPIの評価項目は合計 10 項目から構成されています。各項目の症状の出現頻度と重症度を判定することで、BPSDの症状をスコア化することができます。10項目版がもともとの形ではありますが、最近では睡眠と夜間行動障害、食欲あるいは食異常行動の2項目が追加された12 項目版が良く使われています。
- 妄想
- 幻覚
- 興奮
- うつ・不快
- 不安
- 多幸
- 無為・無関心
- 脱抑制
- 易刺激性・不安定症
- 異常な運動行為
- 睡眠と夜間行動障害
- 食欲あるいは食異常行動
評価方法
NPI には、項目ごとに主質問と下位質問があります。主質問で BPSD の存在が疑われる場合は下位質問に進み、症状の頻度と重症度を確認します。
下位質問では、評価の目安となる具体的な認知症の人の行動例が記載されていることから評価がしやすいという特徴をもちます。
具体的な評価方法についてですが、始めに各項目の症状の出現の有無について把握します(0:なし、1:あり)。症状がみられる場合には、その 頻度を 1〜4 の 4 段階(1:週に 1 度未満、2:ほとんど週 に 1 度、3:週に数回だが毎日ではない、4:1 日 1 度以上)、併せて重症度を 1〜3 の 3 段階(1:軽度、2:中等度、3:重度)で評価します。
採点方法
得点は、各項目で頻度と重症度を掛け算したものを合計して算出します。得点範囲は 0〜120 点で得点が高いほど BPSD が重症であることを示します。
前述したように、NPIには通常の10項目に認知症の人によくみられる食異常、睡眠障害の2項目を加えた12項目で評価する指標もあります。
10項目版、12項目版のどちらにしても、総得点は設問 1〜10 の計 10 項目の合計点で算出します。12項目版を使用しても睡眠と食行動の項目は総得点に含めないため注意が必要になります。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
この記事では「BPSDの評価方法であるNPIおよびNPI-NH」をキーワードに考えを述べさせていただきました。
こちらの記事が認知症のアセスメントの質の向上、症状の進行を防止させるための取り組みに少しでもお力添えになれば幸いです。
参考文献
- 丸尾智実,認知症の行動・心理症状,日本地域看護学会誌 Vol.17 No.3, 2015,
- 月井直哉.中村考一.藤生大我.山口晴保,BPSD 評価尺度の特徴と本邦における使用状況,認知症ケア研究誌5:30-40,2021 総説.