摂食嚥下の5期モデル【クイック表+観察チェック+家族向けポイント】
摂食嚥下を先行期→準備期→口腔期→咽頭期→食道期の5期で整理し、ベッドサイドでの観察→解釈→次アクションを一貫化します。冒頭にA4配布物(クイック表/観察チェックリスト/家族向けポイント)を用意しました。
5期モデル クイックリファレンス(A4) ベッドサイド観察チェック(A4) 家族・介護者向けポイント(A4)
5期の要点(要約)
| 期 | 主な役割 | よくあるサイン | 対応の方向性 |
|---|---|---|---|
| 先行期 | 気づき・認知・意欲 | 無関心・注意散漫 | 環境調整・声かけ・導入手順の簡略化 |
| 準備期 | 取り込み・咀嚼・食塊形成 | ポケット・咀嚼遅延 | 食形態・一口量・片側咀嚼誘導・口腔支持 |
| 口腔期 | 後方送球・移送 | 口腔残留・反復嚥下 | 粘度・一口量調整、舌機能促通 |
| 咽頭期 | 嚥下反射・気道閉鎖 | むせ・湿性嗄声 | 頸部前屈・ペース調整・代償手技 |
| 食道期 | 蠕動・胃搬送 | 胸部つかえ感・逆流 | 食後座位保持・量/タイミング調整・必要時医師評価 |
ベッドサイドでの観察→次アクション
- 姿勢・環境:90–90–90座位、頭頸部は軽度前屈、トレー高さ調整
- 一口量と粘度:最小量から開始し、嚥下確認ごとに調整
- 休憩・中止基準:むせが連続/湿性嗄声持続/息切れ→中止して評価見直し
- 多職種連携:看護・栄養・リハ・医師へ観察所見を即共有
ご家族・介護者に伝えるポイント
- 食前・食後の口腔ケア、食後は30分座位
- 焦らせない・会話は少なめに・飲み込みの確認を
- むせが続く/発熱など変化があれば速やかにスタッフへ
よくある質問(FAQ)
5期はすべて同時に評価する?
最初は簡潔に全体像を把握し、問題期にフォーカスして深掘りします。
粘度や一口量の決め方は?
既往・嚥下所見・安全性で段階的に調整します。少量から開始し、反応を見て増減します。


