体圧分散マットレス選定プロトコル【PT実務】

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臨床手技・プロトコル
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この記事のゴール

本記事は、臨床で “実際に選べる・回せる” ことに特化した 選定プロトコル を提示します。フォーム( reactive )を基準に、交互圧( active )・自動体位変換へ段階的に移行する考え方と、導入後の モニタリング指標 を 1 ページに集約しました。

スクリーニング( Braden /厚労省危険因子)、活動性・自力体位変換、夜間のマンパワー、皮膚観察・体圧測定の所見を組み合わせ、“過不足のない” 支持面を選びます。フォームで十分なケースも多く、より高機能な機器は必要性を満たす場合に限って採用します。

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選定フロー(評価 → 決定)

  1. リスク評価:Braden厚労省票 でスクリーニング。
  2. 活動性・自力体位変換:できる → フォーム中心/できない → 交互圧や自動体位変換を検討。
  3. マンパワー:夜間 2–4 時間ごとの体位変換が困難なら 自動体位変換 を前向きに。
  4. 禁忌・注意:循環不安定、疼痛・不穏、ポンプ作動音への許容など。
  5. トライアル:沈み込み・ズレ・端座位安定性・離床への影響をチェック。

導入チェックリスト

  • 沈み込み:仙骨・踵の “点当たり” がないか
  • ズレ:頭側すべり、骨盤後傾の助長がないか
  • 端座位:端座位安定性(滑走・沈下)
  • ポンプ:アラーム作動・ホース屈曲の有無
  • 転倒:端部の沈下で転落リスク増になっていないか

モニタリング指標(導入後)

① 皮膚所見(発赤の持続・硬結・滲出)/ ② 体圧測定(定点と再測)/ ③ 体位変換間隔と睡眠の質/ ④ 離床・端座位の安定/ ⑤ トラブルログ(アラーム・破損・交換)。

再評価の所見で、フォーム ⇄ 交互圧 ⇄ 自動体位変換を “可逆的” に調整します。体圧測定姿勢管理 を併用。

ケース別の使い分け

■ 早期離床が進む回復期

フォーム中心。夜間変換 OK/自発的体位変換あり → 交互圧は “必要時のみ”。

■ 夜間マンパワーが限られる長期療養

交互圧や自動体位変換で持続圧を回避。睡眠・覚醒リズムも観察する。

参考文献

  1. EPUAP/NPIAP/PPPIA. Prevention and Treatment of Pressure Ulcers/Injuries – International Guideline( 2019 )Support Surfaces 章.
    PDF
  2. Guideline Governance Group. Support Surfaces — International Guideline(更新: 2025-02-25 )SS3「圧再分配フォーム推奨(Strong)」.
    Link
  3. 日本皮膚科学会. 褥瘡診療ガイドライン 第 3 版( 2023 ).
    J-STAGE


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