【厚生労働省危険因子評価票:褥瘡リスク評価】評価表の無料DL可能

褥瘡対策
記事内に広告が含まれています。
リハビリくん
リハビリくん

こんにちは!リハビリくんです!

   

今回は厚生労働省危険因子評価票についての記事を書いていこうと思います!

   

こちらの評価は入院基本料の算定にも関わるものとなっております。そのため、リハビリテーション専門職よりも看護師の方がよく使用しているかもしれません。実際に筆者の勤務する医療機関でも、こちらの評価を実施しているのは看護師になります。重要な評価にはなるのですが、これがどういうものなのかについて良くわかってない方も多いと思います。

  

  • 厚生労働省危険因子評価票って何?
  • 評価方法がよくわからない
  • 入院患者全員評価しないといけないの?

  

こちらの記事を読むことで、上記の疑問が解決できるようにしたいと思います!是非最後までご覧になってください!

リハビリくん
リハビリくん

【簡単に自己紹介】

埼玉県の医療機関で働いている理学療法士です

現在、院内にて入院患者様へのリハビリテーションと、介護保険サービスの方で利用者様への訪問リハビリテーションを行わせて頂いています!

  

主な取得資格は以下の通りになります

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級


「医療や介護に関わる人の力になるため」「患者様や利用者様に根拠のある適切なリハビリテーションを実施するため」をモットーに働く1児の父です!

  

ここ近年はコロナ禍の影響もあり、外部の研修会などにも気軽に参加できなくなりましたよね。私の勤務先では、職場内での勉強会も規模が縮小していまいました。あらゆる方面で、以前と比較して自己研鑽する機会が減少してしまったように感じております。

そのような状況ではありますが、医療職として知識のアップデートは必要不可欠になります!

そこで、私自身も活用しており、大変役立っているのが下記の「リハノメ」です!

      ↓↓↓

厚生労働省危険因子評価票とは

こちらの評価表は入院基本料の算定にも関わるものとなっております。そのため、医師も看護師もリハビリテーション専門職と共通して理解しておく評価法となります。

入院基本料を算定するには、入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策および栄養管理体制の整備が必要となっています。

褥瘡対策については平成24年度の診療報酬改訂から入院基本料の算定要件に組み込まれています。褥瘡対策においては危険因子の評価をすることが求められています。

また、平成30年度の診療報酬改訂によって「皮膚の脆弱性(スキン-テアの保有、既往)という項目が新たに追加されています。

なお、入院基本料の算定において、日常生活自立度がJ1〜A2である患者については、当該評価票の作成をしなくても良いとされています。つまり、危険因子の評価まではしなくても良いということになります。

エビデンスレベル(推奨度)

日本褥瘡学会の褥瘡予防・管理ガイドラインでは、高齢者のリスクアセスメント・スケールとして「推奨度C1」となっています。

評価表はこちらから

厚生労働省危険因子評価票をダウンロードできるようにしておきました!

評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺

評価項目について

項目は「基本的動作能力」「病的骨突出」「関節拘縮」「栄養状態低下」「皮膚湿潤(多汗、尿失禁、便失禁)」「皮膚の脆弱性(浮腫)」「皮膚の脆弱性(スキン-テアの保有、既往)」の7項目です。

基本的動作能力

基本的動作能力における「ベッド上:自力体位変換」については、対象者本人の力で、身体に加わった圧力とずれ力に対して有効に体位を変え、軟部組織の血流を改善できるかどうかが判定基準になります。

「イス上:座位姿勢の保持・除圧」については、端座位をとっている時や車椅子に座っている際に、ご自身の力で安定した姿勢を保持することができるのか(座位保持能力)というところが1つの評価ポイントになります。

また、姿勢が崩れたときやお尻が痛くなった時に自力で座り直しを行うことで、良肢位へと戻ったり、痛くなった部分を除圧することで、痛みの解放を行うことができるのかというところが2つめの評価ポイントになります。

これら2つのポイントを踏まえて「できる」「できない」を判定していきます。

病的骨突出

どこの部位で判定するのかについては特に記載がないため、基本的には仙骨部で評価すると良いと考えます。

健康な状態では、仙骨の中央部は左右の臀筋や皮下脂肪などが骨の突出部よりも飛び出しており、外力が仙骨部に集中しないようになっています。

しかし、栄養状態の低下や虚弱などによって、仙骨を守る臀筋や皮下脂肪が失われ、凹みがなくなってしまう(お尻の高低差がなくほぼ平らな状態)ことがあります。この状態を病的骨突出と捉え、「あり」と判定します。

関節拘縮

関節可動域制限(関節の屈曲拘縮、伸展拘縮、変形など)が1カ所でもあれば「ある」と判定します。

基本的動作能力、病的骨突出、関節拘縮についてはOHスケールでも同様の評価項目を採用しています。厚生労働省危険因子評価票とOHスケールの評価項目は類似してますので、互いの評価法の理解を深めておくべきでしょう。OHスケールについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【OHスケールを解説についての記事はこちらから

栄養状態低下

何を基準に「低下」とするのかについての詳細な説明がありません。そのため、血清アルブミン3.5g/dL以下を判定基準にするなど何かしら基準を統一させるべきです。

血清アルブミンの値以外では、体重減少率やBMIも栄養状態の低下を判断するうえで有効だと考えられます。

皮膚湿潤(多汗、尿失禁、便失禁)

多汗は多量の汗をかくことを指します。尿失禁は、臀部皮膚が尿でぬれていることを指します。便失禁は便が臀部皮膚についている時間があることを指します。いずれか1つでもあれば、皮膚湿潤は「あり」と判定します。

皮膚の脆弱性(浮腫)

「浮腫」については、褥瘡の部分が浮腫というわけではなく、腕や脚、腹部の浮腫を示します。指で押して圧痕が残れば「あり」と判定します。

皮膚の脆弱性(スキン-テアの保有、既往)

気をつけてケアをしていたにもかかわらず、高齢者などの脆弱な皮膚が裂けて創傷ができることがあると思います。

高齢者の脆弱な皮膚を守るために、近年重要視されている言葉が、スキン-テア(皮膚裂傷)になります。

皮膚の脆弱性を認める場合や、過去にスキン-テアの既往がある方は「あり」と判定します。

褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版 [ 一般社団法人 日本褥瘡学会 ]

価格:1,980円
(2023/2/6 23:05時点)
感想(1件)

カットオフ値

カットオフ値はありませんが、1つでも「あり」あるいは「できない」項目があれば、専任の医師および看護職員で協力のもと、褥瘡に関する診療計画を立案することになります。

褥瘡発生リスクを有している方については、しっかりと計画を立てて褥瘡発生予防に努めていきましょうというものになりますので、わかりやすいと思います。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では厚生労働省危険因子評価票について解説させていただきました!

こちらの評価表は入院基本料の算定にも関わるものとなっております。そのため、職種に関わらず評価方法を正確に理解しておくべきかと考えられます。

評価方法自体は2択の選択式になるため、慣れていれば、時間もかからず簡単にチェックすることができます。しかし、その2択の決定基準に関しては曖昧なところがあります。

厚生労働省危険因子評価票以外の褥瘡のリスクアセスメントスケールにおいても、似た評価項目がありますので、他のリスクアセスメントスケールと同様の視点で考えながら評価していくと根拠を持って判定することができると思います!

厚生労働省危険因子評価票のようなリスクアセスメントツールも重要ですが、褥瘡については重症度評価も網羅しておく必要があります。重症度評価については、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【DESIGN-R®2020:褥瘡についての記事はこちらから

参考文献

  1. 岡田克之.褥瘡のリスクアセスメントと予防対策.日本老年医学会雑誌,50巻,5号,2013:9,p583-591.
タイトルとURLをコピーしました