FIM 早見表| 18 項目 × 7 段階と判定のコツ

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この記事でわかること(結論)

FIM は「している ADL(普段の介助量)」で採点すると、測定者間のブレを減らしやすい尺度です。本記事は、18 項目 × 7 段階の全体像、5 点(監視)と 6 点(修正自立)の線引き、そして現場ですぐ使える記録シート(PDF)まで、総論として一気に確認できる構成にしています。

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FIM 採点の早見表(成人・医療リハ場面・ 2026 年)
定義(要点) 判断のコツ
7 完全自立:安全・迅速・正確。補助具も監視も不要。 著しい時間超過や安全上の配慮が必要なら 7 は不可。
6 修正自立:補助具の使用や時間延長はあるが、他者の関与なし。 人的介助がゼロなら 6 。
5 監視・準備:見守り、声かけ、段取り、環境調整が必要。 物理介助ゼロでも他者関与があれば 5
4 最小介助:患者が 75 % 以上実施。 介助割合は 25 % 刻みで根拠化。
3 中等度介助:患者が 50 〜 74 % 実施。 工程・回数・時間で割合を明示。
2 最大介助:患者が 25 〜 49 % 実施。 安全配慮で介助が増えた場合も割合で判断。
1 全介助:患者が 0 〜 24 % 実施( 2 名介助等を含む)。 「できる」ではなく「している」で採点。

結論・早見(目的/構成/運用)

FIM 運用の要点(成人・医療リハ場面・ 2026 年版)
項目 要点
目的 介助量を共通言語で可視化し、経時変化と退院支援に直結させる。
構成 18 項目:運動 13(セルフケア 6/排泄 2/移乗 3/移動 2)、認知 5(コミュニケーション 2/社会的認知 3)。
採点 各 1 〜 7 点、合計 18 〜 126 点。 5 / 6 の境界は人的関与の有無で判断。
原則 「している ADL 」で採点し、最大能力は参考情報として分けて記録する。
活用 合計点だけでなく下位項目のボトルネックを抽出し、介入計画へ接続する。

FIM の構造( 18 項目 × 7 点)

FIM は、日常生活に必要な介助量を把握するための尺度です。運動 13 項目と認知 5 項目を 1 〜 7 点で採点し、チームで共通言語化することで、情報共有の質を高められます。

FIM の 18 項目(領域別一覧)
領域 項目
セルフケア( 6 )食事、整容、清拭、更衣(上半身)、更衣(下半身)、トイレ動作
排泄管理( 2 )排尿管理、排便管理
移乗( 3 )ベッド・椅子・車椅子、トイレ、浴槽・シャワー
移動( 2 )歩行/車椅子、階段
コミュニケーション( 2 )理解、表出
社会的認知( 3 )社会的交流、問題解決、記憶

採点基準( 7 段階 )

FIM 早見表 18 項目と 7 段階スコアの全体像

採点時の最重要ポイントは、人的介助の有無です。補助具の使用や時間延長があっても、他者の関与がなければ 6 点。見守り・声かけ・段取りなどが恒常的に必要なら 5 点になります。

採点原則(ブレを減らす実務ポイント)
原則 要点 実務での言い換え
典型性最良場面ではなく、普段の介助量で採点。「できる」より「している」
人的関与見守り・声かけ・準備が必要なら 5 点。手を出さなくても関与あり
補助具補助具のみで完遂なら 6 点。他者関与ゼロを確認
介助割合 4 / 3 / 2 / 1 は 25 % 刻みで判断。工程・回数・時間で根拠化
安全性転倒や誤嚥などのリスク対応を記録。点数と理由をセットで残す

FIM 記録シート(PDF)

採点条件(観察場面・時間帯・補助具など)を先に固定し、スコアと根拠メモを同時に残せる、A4 印刷用の記録シートです。カンファレンス前の情報整理や、再評価時の比較に活用できます。

FIM 記録シート(PDF)を開く

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現場の詰まりどころ

FIM の運用が難しくなるのは、採点そのものより「何を根拠に点数を決めたか」が共有されない場面です。まずは次の 3 点を押さえると、再評価や申し送りの質が安定します。

よくある失敗と回避策

FIM 採点で起こりやすい失敗(成人・病棟運用)
失敗 起こる理由 回避策
5 点と 6 点の混同 人的関与の定義がチームで不統一。 「声かけ・見守り・準備が恒常的に必要なら 5 」を合議で固定。
4 〜 1 点が感覚評価 割合の根拠(工程・回数・時間)が未記録。 介助が入った工程を 1 行で記録し、 25 % 刻みで判定。
合計点だけで判断 下位項目のボトルネックを見落とす。 移乗・階段・認知項目を別枠で確認し、介入優先度を設定。

FAQ(よくある質問)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q. 5 点(監視)と 6 点(修正自立)の違いは?

A. 判定軸は人的関与の有無です。見守り・声かけ・準備が必要なら 5 点、補助具のみで他者関与がなければ 6 点です。

Q. 4 〜 1 点はどうやって割合を決めますか?

A. 介助が入った工程、回数、時間を根拠に 25 % 刻みで判定します。曖昧な場合は低い方で仮採点し、再観察で修正します。

Q. 階段だけ機会が少ない場合はどうしますか?

A. 階段は運用上の特則があるため、施設の評価ルールに沿って「実施機会」「安全条件」「判断根拠」を必ず併記します。

Q. 認知 5 項目の点数が揃いません。

A. 「成立割合」だけでなく、成立させるために必要だった介助者の労力(促し・再説明・代替手段)を記録すると整合しやすくなります。

次の一手

教育体制・人員・記録文化など“環境要因”を一度見える化すると、次の打ち手が決めやすくなります。

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参考文献

  • Keith RA, Granger CV, Hamilton BB, Sherwin FS. The Functional Independence Measure: a new tool for rehabilitation. Adv Clin Rehabil. 1987;1:6–18. PubMed
  • Ottenbacher KJ, Hsu Y, Granger CV, Fiedler RC. The reliability of the Functional Independence Measure: a quantitative review. Arch Phys Med Rehabil. 1996;77(12):1226–1232. DOI:10.1016/S0003-9993(96)90184-7 PubMed
  • Glenny C, Stolee P. Comparing the Functional Independence Measure and the interRAI/MDS for use in the functional assessment of older adults. Clin Rehabil. 2009;23(11):1010–1018. PMC

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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