TMIG-ICチェック表と自動計算を記録・共有に使う
TMIG-ICの結果を記録・共有するときは、公式質問票への「はい/いいえ」を正式得点として残し、評価時点・回答方法・家族補足・生活環境は別欄に記録します。このページでは、PT・OTなど医療・介護職向けに、13項目の回答を転記できるチェック表PDFと自動計算ツール、申し送りの最小セットをまとめました。採点方法や領域別の解釈は親記事に分け、ここでは「結果をどう残し、次回と比較できる形にするか」に絞ります。合計点だけでなく、3領域の小計と得点の背景を同じ流れで整理できることが、このページの実務上の価値です。
TMIG-ICチェック表PDF
13項目の回答、3領域の小計、合計点、生活上の背景を1枚にまとめたい場合は、TMIG-ICチェック表PDFを使用できます。設問文そのものを掲載する用紙ではなく、公式質問票で得られた回答を転記し、評価した生活時点や回答方法、補足情報を正式得点と分けて残すための記録用シートです。
PDFでは、手段的自立・知的能動性・社会的役割の領域別得点と合計点を記録できます。家族による補足、実施機会、生活環境なども別欄へ残しておくと、再評価や多職種への申し送りで前回との違いを確認しやすくなります。
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TMIG-IC自動計算ツール
13項目の集計だけをすばやく行いたい場合は、自動計算ツールを使用できます。各項目の「はい=1点」「いいえ=0点」を入力すると、合計点と手段的自立・知的能動性・社会的役割の3領域を自動で集計します。
このツールは採点結果を集計するための補助です。得点の原因を判定したり、生活機能や必要な支援を自動で判断したりするものではありません。評価時点、回答方法、家族からの補足、生活環境などは別に記録してください。
自動計算ツールをこのページで使う
TMIG-ICチェック表|13項目の回答を転記する
正式な回答は公式質問票に沿って付け、この表には結果を転記します。TMIG-ICは13項目で構成され、手段的自立5項目、知的能動性4項目、社会的役割4項目に分かれます。「はい」は1点、「いいえ」は0点として集計します。
設問全文や独自の判定文をこの表へ置き換えるのではなく、公式質問票で得られた回答と、その背景を分けて残すために使用してください。
| 領域 | 項目 | はい | いいえ | 補足メモ |
|---|---|---|---|---|
| 手段的自立 | 項目1 | □ | □ | |
| 手段的自立 | 項目2 | □ | □ | |
| 手段的自立 | 項目3 | □ | □ | |
| 手段的自立 | 項目4 | □ | □ | |
| 手段的自立 | 項目5 | □ | □ | |
| 知的能動性 | 項目6 | □ | □ | |
| 知的能動性 | 項目7 | □ | □ | |
| 知的能動性 | 項目8 | □ | □ | |
| 知的能動性 | 項目9 | □ | □ | |
| 社会的役割 | 項目10 | □ | □ | |
| 社会的役割 | 項目11 | □ | □ | |
| 社会的役割 | 項目12 | □ | □ | |
| 社会的役割 | 項目13 | □ | □ |
| 集計 | 配点 | 得点 |
|---|---|---|
| 手段的自立 | 0〜5点 | /5 |
| 知的能動性 | 0〜4点 | /4 |
| 社会的役割 | 0〜4点 | /4 |
| 合計 | 0〜13点 | /13 |
正式得点と補足情報を分けて記録する
TMIG-ICを記録するときに重要なのは、公式質問票への回答と、その背景情報を混ぜないことです。家族による代行や実施機会の有無、身体・認知機能、生活環境は支援を考えるうえで重要ですが、それだけを理由に公式設問への回答を評価者が独自に変更しません。
正式得点には各設問への回答と3領域の小計・合計点を残し、評価した生活時点、回答方法、本人・家族から得た情報、生活環境などは補足情報として分けて記録します。得点と背景の両方を残しておくことで、申し送りや再評価でも「何点だったか」だけでなく「どの条件で得られた結果か」を確認しやすくなります。

| 区分 | 残す内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 正式得点 | 公式設問への「はい/いいえ」、3領域の小計、合計点 | 設問の意味や採点方法を独自に置き換えない |
| 評価時点 | 現在、入院前、発症前など、どの生活について回答したか | 異なる時点の得点を同じ条件として比較しない |
| 回答方法 | 本人自記、読み上げ、家族からの補足など | 再評価時に前回との方法の違いを確認する |
| 生活背景 | 家族代行、実施機会、環境、身体・認知機能など | 正式得点とは別の補足情報として残す |
本人と家族の情報が違うとき
本人の回答と家族から得た情報が異なる場合は、両者を混ぜて1つの回答に作り替えるのではなく、誰が回答した結果なのかを明記し、家族情報は補足として別に残します。
たとえば「本人回答では『はい』だが、家族による代行がある」「本人は可能と回答しているが、現在は実施機会がない」と分けておけば、正式得点を保ちながら生活上の背景も共有できます。
「いいえ」の背景を補足するとき
以下の分類はTMIG-ICの正式な採点基準ではありません。得点の背景を整理し、追加評価や支援を考えるための補足メモとして使用します。
| 補助ラベル | 確認する内容 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 実施機会 | 本人が行う機会そのものがあるか | 生活歴、家族との役割分担、活動機会 |
| 生活環境 | 入院、転居、交通手段など環境の影響があるか | 自宅環境、地域資源、代替手段 |
| 身体・感覚機能 | 移動、上肢機能、耐久性、視力・聴力などが影響しているか | 必要な身体機能評価と生活場面の観察 |
| 認知・判断 | 記憶、注意、手順理解、危険認識などが影響しているか | 観察、家族情報、必要な認知機能評価 |
| 家族・サービス | 家族やサービスによる代行・支援があるか | 本人が担っている部分と支援内容 |
TMIG-ICを申し送るときの最小セット
合計点だけでは、次の担当者が「何が変わったのか」「なぜその得点なのか」を判断しにくいため、評価条件と背景を一緒に渡します。特に再評価や退院支援では、前回と比較できるよう、どの生活時点を評価したのか、どのような方法で回答したのかを残しておくことが重要です。
| 残す項目 | 記録例 | 目的 |
|---|---|---|
| 合計・領域別得点 | 9/13点、手段的自立3/5、知的能動性4/4、社会的役割2/4 | 全体と領域別の状態を共有する |
| 評価時点 | 入院前の通常生活について回答 | 何について採点した結果かを明確にする |
| 回答方法 | 本人面接、配偶者から補足あり | 再評価時の条件差を確認する |
| 変化した項目 | 社会的役割の1項目が「はい」から「いいえ」へ変化 | 合計点だけでは分からない変化を残す |
| 生活上の背景 | 入院後に交流機会が減少。退院後の生活で再確認予定 | 追加評価や支援へつなげる |
記録例
TMIG-IC 9/13点。入院前の通常生活について本人面接で回答し、配偶者から生活状況の補足あり。手段的自立3/5点、知的能動性4/4点、社会的役割2/4点。家族による代行と入院による活動機会の変化は正式得点とは分けて記録。退院後の生活状況を確認して再評価する。
よくある質問(TMIG-IC記録・計算)
TMIG-ICを記録・再評価するときに迷いやすい点を、正式得点と補足情報の区別を中心に整理します。
本人と家族で回答が違う場合はどうしますか?
本人回答と家族情報を混ぜて独自の正式回答を作らず、誰が回答した結果かを明記します。家族から得た代行状況や生活実態は、得点を解釈するための補足情報として別に残してください。
入院中はどの時点の生活で回答しますか?
現在の病棟生活について回答したのか、入院前・発症前など過去の生活を振り返ったのかを明記します。退院後の予測は支援計画には使えますが、実際の回答と混ぜて正式得点として扱いません。
「できる」と「実際にしている」はどちらで判定しますか?
全13項目を一律に「できる」または「実際にしている」のどちらかへ置き換えません。公式質問票の各設問の表現に従って回答し、能力や実施状況、家族代行などの情報は必要に応じて補足欄へ記録します。
自動計算ツールだけで記録してもよいですか?
自動計算ツールは合計点と3領域の集計には使えますが、評価時点、回答方法、生活背景までは残りません。継続して比較する場合や多職種へ共有する場合は、PDFや記録欄と組み合わせてください。
次に確認する記事
TMIG-ICそのものの採点や解釈を確認したい場合と、IADLを退院支援へ広げたい場合で、次に読む記事を分けています。
参考文献
- Koyano W, Shibata H, Nakazato K, Haga H, Suyama Y. Measurement of competence: reliability and validity of the TMIG Index of Competence. Arch Gerontol Geriatr. 1991;13(2):103–116. PubMed / DOI
- Fujiwara Y, Shinkai S, Amano H, et al. Test-retest variation in the Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competence in community-dwelling older people independent in daily living. Jpn J Public Health. 2003;50(4):360–367. doi:10.11236/jph.50.4_360.
- Suzuki N, Makigami K, Goto A, Yokokawa H, Yasumura S. Evaluation of instrumental activities of daily living in community-dwelling elderly according to performance and capability. Jpn J Geriatr. 2007;44(5):619–626. doi:10.3143/geriatrics.44.619.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

