2026 年 6 月の介護報酬改定|訪問リハ処遇改善の要点

制度・実務
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2026 年 6 月の介護報酬改定|訪問リハの処遇改善で最初に決めること( PT 向け )

2026 年 6 月の介護報酬改定では、訪問リハビリテーション(介護予防含む)に介護職員等処遇改善加算が新設されます。PT が先に押さえるべきなのは、制度の全体像を広く追うことよりも、自事業所で算定できる形に落とせるかです。つまり、対象・要件・配分・証拠保管を 1 本の流れにできるかが、このページの主題です。

このページで答えるのは、訪問リハの処遇改善で何が変わり、最初に何を決めればよいかです。逆に、月次の配分運用 2026 年 3 月 13 日通知の差分確認までは深掘りしません。そこは別記事に役割を分け、このページは “ 親記事 ” として総論と 4 ステップに絞ります。一次情報は、厚生労働省の改定概要・通知・ Q&A を起点に整理しています。

同ジャンルで回遊(最短 3 段):改定は “ 点数暗記 ” より、全体像 → 実務 → 各論 の順で読むと迷いが減ります。

2026 年改定まとめで全体像を確認

まず結論:今回 “ 動くところ ” だけ先に押さえる

今回の改定で、訪問リハは「対象になるかどうかを確認する段階」ではなく、算定の準備を始める段階に入りました。現場で先に決めるべきことは、①要件を 1 枚にする → ②配分ルールを文章化する → ③職場環境改善を 1 つ実行する → ④証拠を 1 箇所に保管する、この 4 つです。

逆に、ここを曖昧にしたまま「とりあえず取る」方向へ進むと、職員説明・届出・監査対応のどこかで詰まりやすくなります。先に “ 回る順番 ” を固定すると、 6 月以降の運用が崩れにくくなります。

訪問リハの処遇改善で 6 月までに進める 4 ステップの図解
図 1.訪問リハの処遇改善を進める 4 ステップ(対象確認 → 要件整理 → 配分ルール作成 → 証拠保管・固定)

更新履歴

更新履歴(根拠資料の差分ログ)
更新日 更新内容(要点) 根拠(一次情報)
2026-04-09 親記事としての役割を明確化し、「このページで答えること / 答えないこと」を導入に追加。図版と算定準備チェックシート PDF も反映 自作配布物・記事本文更新
2026-04-08 厚生労働省の改定概要・通知・ Q&A 公開後の内容に合わせて、訪問リハの加算率、要件、配分対象、実務の最小手順を更新 厚生労働省 改定ページ/概要/通知/ Q&A
2026-01-29 初版:臨時改定の要点、訪問リハの実務(要件・配分・証拠)と 4 ステップを整理 厚生労働省資料(審議報告/介護給付費分科会資料等)
2026 年 6 月改定で、訪問リハが先に押さえる要点
論点 何が変わる? 現場で起きがち 最小の準備
対象 訪問リハ(介護予防含む)に処遇改善加算が新設 「うちは対象外かも」で止まる 対象サービスと算定主体を 1 枚で確認
加算率 訪問リハの加算率は 1.5 % 数字だけ拾って運用が決まらない 率より先に算定条件を固定する
要件 加算Ⅳに準ずる要件、または令和 8 年度特例要件で算定可能 届出直前に要件解釈で詰まる 要件表(最新版)を 1 枚作る
配分 配分は事業所内で柔軟だが、説明と記録が必要 口頭説明だけで不信感が出る 対象・時期・方法・窓口を文章化
証拠 周知文書、改善ログ、届出関連資料を出せる状態が必要 資料が散逸して探せない 保管場所と命名ルールを固定

臨時改定とは? 2026 年 6 月に何が変わる

今回の介護報酬改定は、通常の 3 年改定を待たずに行われる期中改定です。訪問リハに関しては、総論を広く覚えるよりも、訪問リハが新たに処遇改善加算の対象になったことを軸に読むと、実務が整理しやすくなります。

このテーマで PT が読むべきポイントは 3 つだけです。対象になったこと要件があること配分と証拠保管まで含めて説明できる状態が必要なことです。

処遇改善加算|変更点は 3 つ(対象・要件・配分)

訪問リハで大きい変更は、①処遇改善加算の新設 ②要件の明確化 ③配分の説明責任です。特に実務では、「 1.5 % 」という数字だけ先に見ても進みません。重要なのは、その原資を誰に・どう配り・どう残すかまで言える状態にすることです。

また、配分は “ 介護職だけ ” と雑に理解するとズレやすい論点です。現場では、職種名だけで判断せず、事業所内の対象範囲・時期・方法・窓口を文章で揃えておく方が揉めにくくなります。

訪問リハの実務|まず整えるのは「要件・配分・証拠」

新規に対象となる訪問リハでは、最初から完璧な制度理解を目指すより、算定できる最小セットを先に作る方が現場向きです。詰まりどころは「制度が難しい」ことより、誰が整備するかが曖昧なまま時間だけ過ぎることにあります。

まずは、要件表・配分文書・改善ログ・保管場所の 4 点を固めてください。これで届出・職員説明・確認対応の土台ができます。

訪問リハで処遇改善を “ 算定できる形 ” にする最小セット
領域 やること(最小) 担当の置き場 証拠(残すもの)
要件 加算要件を 1 枚に整理し、最新版を固定する 管理者+事務 要件表、届出控え
配分 対象・時期・方法・窓口を文章化する 管理者+人事(給与) 周知文書、説明記録
改善 教育(同行)か業務改善(記録)のどちらかを 1 件実行する 主任+現場 議事録、運用ルール
保管 資料一式の保管場所を固定する 事務(管理) フォルダ構成、命名ルール

このページは、訪問リハの処遇改善で最初に決めることを整理する親記事です。そのため、毎月の配分・周知・証跡の回し方や、通知の差分確認までは抱え込みません。ここを分けておくと、検索意図も運用導線もぶれにくくなります。

実務を一歩進めたい方は、訪問リハの処遇改善|配分・周知・証跡の月次運用で運用面を確認してください。通知で確定した変更点だけを追いたい場合は、2026 年 3 月 13 日通知の差分整理に分けてあります。

現場の詰まりどころ|よくある 3 パターンと潰し方

制度の暗記より、説明と運用と記録が揃っているかどうかで現場の負担は大きく変わります。迷ったら、下の 3 本から先に潰してください。

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や制度理解だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。

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よくある失敗:制度は合っているのに、現場が回らない

つまずくのは、要件そのものより「説明」「運用」「記録」がバラバラなケースです。訪問リハは少人数・兼務が多く、属人化しやすいので、先に失敗パターンを潰す方が 6 月以降の混乱を減らせます。

臨時改定で起きがちな失敗と対策( OK / NG 早見 )
テーマ NG(起きがち) OK(こう直す) 最短の打ち手
対象確認 「たぶん対象」で動く サービス区分と算定主体を先に確定する 対象確認 1 枚を作る
配分の説明 口頭だけで周知する 対象・時期・方法・窓口を文書化する 周知文書+ Q&A を 1 枚にする
要件整備 担当が曖昧で期限直前に焦る 管理者・事務・現場の役割を固定する 担当表( 1 行 )を作る
証拠保管 資料が散逸して探せない フォルダと命名ルールを統一する 保管場所を 1 箇所に固定する

1 枚フロー:要件 → 配分 → 職場環境 → 証拠保管

臨時改定は “ 完璧に理解してから動く ” より、回る順番を固定した方が進みます。迷ったときはこの順番で十分です。

最短フロー(訪問リハ向け):迷ったときの順番と成果物
ステップ やること(最小) 成果物( 1 つだけ ) 詰まりやすい点 回避のコツ
1. 要件 要件を “ 1 枚 ” に整理する 要件シート 解釈が人で違う 最新版を 1 つに固定
2. 配分 対象・時期・方法・窓口を文章化する 周知文書+ Q&A 口頭でブレる 文書を “ 最新版 1 枚 ” に統一
3. 職場環境 教育か業務改善を 1 件だけ実行する 改善ログ やった感で終わる 前後の変化を 1 行メモする
4. 証拠保管 届出・周知・議事録を 1 箇所に集約する 保管フォルダ 探せず止まる 置き場所と名前を固定する

チェックリスト|6 月までに最低限やる 4 ステップ

準備は、一度で完璧を目指すより小さく回す方が現場向きです。訪問リハは兼務が多いため、作業を細かく切った方が止まりにくくなります。

おすすめは、要件 1 枚化 → 配分の文章化 → 改善 1 件 → 保管固定の順です。

2026 年 6 月までにやること(訪問リハ向け)
時期 やること 完了の目安 担当
今すぐ 対象サービスと要件を 1 枚に整理する “ 何を満たすか ” が見える 管理者+事務
次に 配分ルール(対象・時期・方法)を文章化する 職員へ同じ説明ができる 管理者+人事
並行 職場環境改善を 1 件実行する “ やった証拠 ” が残る 主任+現場
最後 資料一式の保管場所を固定する 探さず出せる 事務

配布物ダウンロード|訪問リハ 処遇改善 算定準備チェックシート

記事の内容をそのまま現場で使いやすくするために、要件・配分・改善・証拠保管を 1 枚で確認できる A4 のチェックシートを用意しました。担当決め、周知、保管場所の確認までを短時間で揃えたいときに使えます。

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よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 訪問リハ(介護予防含む)は今回の処遇改善の対象になりますか?

はい。訪問リハ(介護予防含む)は、今回の改定で処遇改善加算の新規対象です。まずは「自事業所のサービス区分」と「算定主体」を確定し、次に要件・配分・証拠保管を 4 ステップで整えるのが実務的です。

Q2. PT / OT / ST は配分対象になりますか?

配分は事業所内で柔軟ですが、実務では “ 誰が対象か ” を曖昧にしないことが重要です。職種名だけで雑に決めず、対象・時期・方法・窓口を文章で揃えると、説明のブレを減らせます。

Q3. 訪問リハで必要な要件は何ですか?

訪問リハの新規加算は、加算Ⅳに準ずる要件、または令和 8 年度特例要件で算定可能です。現場では条文暗記よりも、要件表を 1 枚にして “ 今の事業所が何を満たし、何が未整備か ” を見える化する方が進みます。

Q4. 6 月までに先に整えるべきことは何ですか?

優先順位は、要件 1 枚化 → 配分の文章化 → 改善 1 件 → 保管固定です。経過措置や誓約対応を確認する前に、担当者と保管場所を決めると、届出・説明・確認が止まりにくくなります。

Q5. 監査・確認に備えて最低限残す “ 証拠 ” は何ですか?

最低限は、要件シート配分ルールの周知文書改善 1 件のログ保管場所の固定です。資料が分散すると運用が崩れやすいため、フォルダ構成と命名ルールを先に決めておくと安心です。

次の一手


参考文献

  • 厚生労働省. 令和 8 年度介護報酬改定について. 厚生労働省
  • 厚生労働省 老健局. 令和 8 年度介護報酬改定の概要. PDF
  • 厚生労働省 老健局長. 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和 8 年度分). 令和 8 年 3 月 13 日. PDF
  • 厚生労働省 老健局老人保健課. 「介護職員等処遇改善加算に関する Q&A(第 1 版)」の送付について. 令和 8 年 3 月 13 日. PDF

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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