回復期リハ実績指数2026|計算式・基準値・除外対象・経過措置

制度・実務
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この記事でわかること|2026年の実績指数をどう計算するか

令和8年度診療報酬改定では、回復期リハビリテーション病棟の実績指数について、基準値だけでなく計算方法・除外対象・対象となる入院料まで見直されました。

令和8年度改定の全体像を見る

2026年改定後の実績指数は、回復期リハビリテーション病棟入院料1が42以上、2が32以上、3が37以上、4が32以上です。さらに、FIM運動項目利得だけでなく、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の改善を各1点加える計算方法へ見直されました。

この記事では、基準値→正式な計算式→2項目加点→除外対象→2026年9月30日までの経過措置の順に整理します。月次集計の細かな台帳設計ではなく、「誰を計算に入れるか」「何点を分子に入れるか」「どの基準値を満たす必要があるか」を判断できることを目的にしています。

最終更新:2026年9月11日

結論|実績指数の基準値は42・32・37・32

最初に確認したいのは、入院料1〜4それぞれの基準値です。2026年改定では、入院料1・3の基準値が引き上げられ、入院料2・4にも新たに実績指数の要件が導入されました。

回復期リハビリテーション病棟入院料1〜4の実績指数基準
区分 改定前 2026年改定後 変更点
入院料1 40以上 42以上 基準値を引き上げ
入院料2 実績指数要件なし 32以上 新たに要件化
入院料3 35以上 37以上 基準値を引き上げ
入院料4 実績指数要件なし 32以上 新たに要件化

まず覚えるなら「42・32・37・32」です。ただし、2026年改定では分子に加点が追加され、除外対象も変更されています。基準値だけを以前の計算方法に当てはめないことが重要です。

回復期リハ実績指数2026改定の基準値、計算式、2項目加点、除外対象と経過措置を整理した図
図1.回復期リハ実績指数2026改定の要点。基準値だけでなく、計算式・加点・除外対象をセットで確認します。

実績指数の計算式|FIM利得と2項目加点を分子にする

実績指数は、対象患者ごとのFIM運動項目利得と加点の合計を、対象患者ごとの在棟日数を状態別の算定上限日数で割った値の合計で除して算出します。

実績指数 = 分子の合計 ÷ 分母の合計

分子:患者ごとの「FIM運動項目の退棟時-入棟時」+歩行・車椅子加点+トイレ動作加点

分母:患者ごとの「入棟から退棟までの在棟日数 ÷ 状態別の回復期リハ病棟入院料の算定上限日数」の合計

ポイントは、単純に「FIM利得÷在棟日数」を計算するものではないことです。分母では、それぞれの患者について在棟日数を状態別の算定上限日数で補正してから合計します。

計算例

たとえば、対象となる3人について次のように整理したとします。

実績指数の計算例
患者 FIM運動利得 2項目加点 分子 在棟日数÷上限日数
A 25 +1 26 0.6
B 18 +2 20 0.5
C 22 0 22 0.8
合計 ― ― 68 1.9

この例では、68 ÷ 1.9 = 約35.8です。実際の算出では、前月までの6か月間に退棟した算出対象患者について、同じ考え方で分子・分母を集計します。

2項目加点|歩行・車椅子とトイレ動作は別々に判定する

2026年改定で特に間違えやすいのが、FIM運動項目の「歩行・車椅子」と「トイレ動作」の加点です。それぞれ独立して判定し、条件を満たした項目ごとに1点を分子へ加えます。

2026年改定後の2項目加点
項目 入棟時・入室時 退棟時・退室時 加点
歩行・車椅子 5点以下 6点以上 +1点
トイレ動作 5点以下 6点以上 +1点

2項目の両方を満たす必要はありません。歩行・車椅子だけが条件を満たせば+1点、トイレ動作だけなら+1点、両方なら+2点です。

また、疑義解釈では、2026年7月以降に実績指数を算出する場合、この新しい加点方法については算出対象期間の全患者に適用して差し支えないと整理されています。

除外対象|上限は30%から20%へ、80歳以上は削除

実績指数から除外できる患者の基準も大きく変わりました。2026年改定後は、除外できる割合が30%以下から20%以下へ縮小し、「80歳以上」という年齢だけの除外要件は削除されています。

2026年改定後の実績指数の除外対象
除外対象 2026年改定後の扱い 確認ポイント
FIM運動項目20点以下 除外対象 ただし退棟・退室までの疾患別リハが1日平均6単位を超えた場合は算出対象に含める
FIM運動項目76点以上 除外対象 入棟時・入室時の得点で確認する
FIM認知項目14点以下 除外対象 旧基準の24点以下から範囲が縮小
80歳以上 年齢のみの除外要件は削除 80歳以上という理由だけでは除外しない
一定の心大血管疾患等 除外対象 別表第九に規定する対象状態を確認する
除外できる割合 20%以下 旧基準は30%以下

特に注意したいのが、入棟時FIM運動項目20点以下=必ず除外できる、ではないことです。退棟・退室までの疾患別リハビリテーション料の1日当たり平均実施単位数が6単位を超えた場合は、改定後の取扱いでは実績指数の算出対象へ戻ります。

なお、在棟中・在室中に一度も回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定しなかった患者や、在棟中・在室中に死亡した患者は算出対象から除外されます。また、高次脳機能障害患者の割合など一定条件を満たす医療機関には別の除外規定があるため、該当する施設では施設基準通知本文を確認してください。

「実績が認められない場合」の基準も27未満から30未満へ変更

関連する見直しとして、「効果に係る相当程度の実績が認められない場合」の実績指数基準は、2回連続して27を下回る場合から、30を下回る場合へ変更されています。

この基準に該当すると、一定の場合に1日6単位を超える疾患別リハビリテーション料の取扱いへ影響するため、施設基準のための「42・32・37・32」と混同しないようにします。

経過措置|2026年9月30日で終了する2つの要件

2026年9月11日時点で、実務上もっとも期限が近いのが9月30日までの経過措置です。対象はすべての要件ではなく、主に次の2点です。

2026年9月30日までの回復期リハ病棟に関する主な経過措置
対象 経過措置 10月1日以降に確認すること
入院料2・4 2026年3月31日時点で届出済みの病棟は、9月30日まで実績指数要件を満たすものとみなす 入院料2は32以上、入院料4は32以上の実績要件
入院料3・4 2026年3月31日時点で届出済みの病棟は、9月30日まで週7日提供体制の施設基準を満たすものとみなす 休日を含む週7日リハ提供体制

2026年9月時点の確認ポイント:経過措置を「まだ猶予がある」と捉える段階ではありません。10月1日以降の算定継続に向けて、実績指数、週7日提供体制、必要な届出の有無を施設内と所管の地方厚生(支)局で最終確認する時期です。

重症患者基準|FIMは21〜55点へ見直し

実績指数とは別の施設基準ですが、2026年改定では重症患者の範囲と新規受入割合も変更されています。実績指数と同時に確認されやすいため、混同しないように整理しておきます。

回復期リハ病棟の重症患者基準(2026年改定後)
論点 改定後
重症患者の基本範囲 日常生活機能評価10点以上、またはFIM21点以上55点以下
追加された対象 一定の高次脳機能障害と診断された患者、一定の脊髄損傷と診断された患者
入院料1・2の新規受入割合 3割5分以上
入院料3・4の新規受入割合 2割5分以上

高次脳機能障害については、基本診療料の施設基準等別表第九第一号に規定する患者が対象です。疑義解釈では、高次脳機能障害を伴う重症脳血管障害だけでなく、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、急性脳症も対象に含まれることが示されています。

実績指数以外の見直し|休日3単位・FIM研修・ウェブ掲載

2026年改定では、実績指数の数字以外にも回復期リハ病棟の運用へ影響する要件が追加・変更されています。実績指数を満たしていても、他の施設基準を別に確認する必要があります。

実績指数と一緒に確認したい2026年改定項目
項目 2026年改定後のポイント
土曜・休日リハ 入院料1〜4で、土曜日・休日を含む全ての日にリハを提供できる体制を求める
提供単位数 土曜日・休日の1日当たりリハ提供単位数も平均3単位以上とするなど、曜日間で著しい差がない体制とする
FIM研修 FIM測定に関する研修の要件を入院料2・4にも拡大
実績指数等の公開 院内掲示に加えてウェブサイト掲載を要件化。自ら管理するホームページ等を有しない場合は例外あり

とくに休日体制は、「週7日リハを実施している」だけでなく、土曜・休日も平均3単位以上など曜日による著しい提供量の差がない体制まで確認します。

強化体制加算|実績指数48以上は別の上位要件

2026年に新設された回復期リハビリテーション強化体制加算は80点で、回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出ている病棟が対象です。

ここで必要となる実績指数48以上は、入院料1の基準である42以上とは別の上位要件です。指数だけ満たせばよいわけではありません。

回復期リハビリテーション強化体制加算の主な要件
項目 要件
対象 回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出
実績指数 48以上
排尿自立支援 排尿自立支援加算の届出
退院前訪問指導 直近6か月間に自宅へ退院した患者のうち1割以上に実施
摂食嚥下 摂食嚥下機能回復体制加算1の届出が望ましい

「実績指数42以上=強化体制加算を算定できる」ではありません。入院料1の施設基準としての42以上と、強化体制加算の48以上を分けて確認してください。

実務で確認する順番|まず5項目をそろえる

2026年改定後の実績指数を確認するときは、複雑な台帳から始めるより、次の順番で元データを確認すると整理しやすくなります。

  1. 入院料区分と基準値:1=42、2=32、3=37、4=32を確認する
  2. FIM運動項目利得:入棟時と退棟時の評価条件と得点を確認する
  3. 2項目加点:歩行・車椅子、トイレ動作を別々に判定する
  4. 除外対象:20%上限とFIM運動20点以下の6単位超ルールを確認する
  5. 経過措置と周辺要件:9月30日の期限、休日体制、FIM研修、公開要件を確認する

実績指数の制度要件を確認したあと、除外理由や評価日、元データ、監査時の証跡をどこに残すかまで整える場合は、回復期リハの監査・証跡ワークフローで分けて確認すると整理しやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 回復期リハ実績指数の2026年の基準値はいくつですか?

A. 回復期リハビリテーション病棟入院料1は42以上、2は32以上、3は37以上、4は32以上です。入院料2・4には2026年改定で新たに実績指数要件が導入されました。

Q2. 歩行・車椅子とトイレ動作は両方改善しないと加点されませんか?

A. いいえ。それぞれ別に判定します。入棟時・入室時5点以下から退棟時・退室時6点以上へ改善した項目ごとに1点を加えます。1項目だけなら+1点、両方なら+2点です。

Q3. 80歳以上の患者は実績指数から除外できますか?

A. 2026年改定では「80歳以上」という年齢だけの除外要件は削除されました。ほかの除外条件に該当するかを確認します。

Q4. FIM運動項目20点以下なら必ず除外できますか?

A. 必ずではありません。改定後は、FIM運動項目20点以下でも、退棟・退室までの疾患別リハビリテーション料の1日当たり平均実施単位数が6単位を超えた場合、実績指数の算出対象に含める必要があります。

Q5. 2026年5月31日までに入棟した患者の除外基準はどう扱いますか?

A. 除外対象と除外割合は入棟時・入室時の基準を用いるため、2026年5月31日までに入棟・入室した患者については、入棟・入室月では改定前の基準を用いてよいと疑義解釈で示されています。一方、2項目加点は2026年7月以降の算出では算出対象期間の全患者へ適用して差し支えありません。

Q6. 2026年9月30日に何の経過措置が終わりますか?

A. 2026年3月31日時点で届出済みの病棟について、入院料2・4の実績指数要件と、入院料3・4の週7日リハ提供体制に関する経過措置が9月30日で終了します。

Q7. 強化体制加算の実績指数も42以上ですか?

A. いいえ。回復期リハビリテーション強化体制加算では実績指数48以上が要件です。入院料1そのものの42以上とは別に確認します。

まとめ|基準値だけでなく計算方法と除外対象をセットで確認する

2026年改定後の回復期リハ実績指数は、入院料1=42以上、2=32以上、3=37以上、4=32以上です。しかし、今回の改定は基準値だけの変更ではありません。

分子にはFIM運動項目利得に加えて、歩行・車椅子とトイレ動作の改善を各1点加えます。除外割合は20%以下となり、80歳以上という除外要件は削除されました。また、FIM運動項目20点以下でも1日平均6単位を超える場合は算出対象に含める点に注意が必要です。

さらに、2026年9月30日には入院料2・4の実績指数要件と、入院料3・4の週7日提供体制に関する経過措置が終了します。「基準値」「計算式」「除外対象」「経過措置」を別々に覚えるのではなく、一連の算出ルールとして確認することが、2026年改定後の実務では重要です。


参考文献・一次資料

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定説明資料等について.2026.厚生労働省公式ページ
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:回復期リハビリテーション病棟入院料、リハビリテーション実績指数等の見直し.2026.公式資料
  3. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その2).2026.公式資料
  4. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 経過措置について.2026.公式資料
  5. 厚生労働省.基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて.2026.公式通知

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハの現場経験をもとに、理学療法士をはじめとする医療従事者が臨床で判断・実行しやすい評価、制度、リハビリテーション関連情報を整理しています。

脳卒中、褥瘡・創傷ケア、呼吸療法などの知識と臨床経験をもとに、一次資料やガイドラインを確認しながら記事を作成・更新しています。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、栄養、シーティング、摂食・嚥下、臨床評価

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