リハ書類簡素化と総合実施計画評価料【2026改定】

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令和 8 年 改定(確定)|リハ書類の簡素化と「総合実施計画評価料」見直し

令和 8 年度の改定では、リハビリテーションに係る書類の簡素化と、総合実施計画評価料の見直しがセットで示されました。本記事では、告示・説明資料で確認できる確定点を軸に、院内で今すぐ進められる準備まで落とし込みます。

最終更新:2026-03-05(告示・説明資料 反映)

結論:中核は「様式統一」+「評価料の再設計」+「関連項目の整理」です

確定点の中心は、①リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書の統合、②患者等の署名欄の廃止、③計画書の説明者の拡大、④総合実施計画評価料の初回/2 回目以降の新設、⑤目標設定等支援・管理料( H003-4 )の廃止です。

実務のポイントは、点数だけ覚えることではありません。「初回」をどう定義するか誰が説明するかいつ更新するかどこに保存するかを院内でそろえるほど、算定判断と監査対応が安定します。

令和 8 年 改定における書類簡素化の 3 論点(様式統一・総合実施計画評価料の見直し・ H003-4 廃止と運用整理)と、現場で先に決める 3 点(初回定義・更新トリガー・記録の保存場所)を示した図
図:令和 8 年 改定における書類簡素化の全体像

何が変わったか:確定した 5 点を先に整理

総合実施計画評価料と関連項目の見直し(確定点)
論点 改定後(確定) 現行との違い 現場で影響が出やすい所
計画書様式 リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書を統合し、記載内容を簡素化 複数様式にまたがる重複記載を減らす方向 共通欄の設計、保存場所、更新トリガーの統一
署名欄 計画書における患者等の署名欄を廃止 署名・押印前提の運用から変更 説明実施の残し方、交付記録の置き場所
説明者 計画書の説明は、医師だけでなく看護師、 PT 、 OT 、 ST でも可能 説明担当の幅が広がる 誰が説明したかの記録、役割分担の固定
総合実施計画評価料 評価料 1:初回 300 点 / 2 回目以降 240 点
評価料 2:初回 240 点 / 2 回目以降 196 点
「 2 回目以降」の点数が新設 初回定義、再評価タイミング、算定根拠の記録
関連: H003-4 目標設定等支援・管理料( H003-4 )は廃止 別建て管理料がなくなる 介護保険サービス利用が必要な患者への説明・連携

なお、回復期リハビリテーション病棟では引き続き医師による説明が必要です。一般病棟等と同じつもりで運用するとズレやすいため、院内ルールで明記しておくと安全です。

なぜ「書類の簡素化」が論点になるのか

計画書は、患者・家族への説明、チーム共有、退院支援に直結する中核文書です。問題は「書く量」そのものより、同じ情報の重複記載更新時点のズレ説明記録の散在にあります。

今回の方向性は、単なる“省略”ではなく、目標 → 介入 → 再評価の流れをぶらさずに記録の型を一本化することです。実際の記載粒度は 総合実施計画書の書き方 とあわせると、運用が安定しやすくなります。

H003-4 廃止後に現場で起きやすいこと:介護支援専門員との連携を “ 書類の外 ” にしない

H003-4 の廃止にあわせて、脳血管疾患等リハ、廃用症候群リハ、運動器リハでは、介護保険によるサービス利用が必要と思われる患者への介護支援専門員との連携が要件化されました。つまり、別建て管理料はなくなっても、連携そのものの重要性は下がっていません。

ここで止まりやすいのは、「誰が」「いつ」「どの文書または記録で」説明・紹介・見学提案を残すかが曖昧なケースです。計画書の簡素化と同時に、介護連携の記録欄をどこに置くかを先に決めてください。

H003-4 廃止後に先に決める 4 点
論点 先に決めること 最小の記録
対象 介護保険サービス利用が必要と思われる患者の判断基準 必要性の根拠 1 行
説明 誰が患者・家族へ説明するか 説明者名、説明日
連携 介護支援専門員へどう繋ぐか 紹介・見学・体験提案の有無
保存 どの文書・どの欄に残すか 保存先 1 つに固定

現場の詰まりどころ:解決の三段で整理する

各項目の詰まりは「人の問題」より「運用ルール不足」で起きやすいです。先に失敗パターンを固定し、回避手順を短く共有すると改善が速くなります。

よくある失敗(監査・連携で止まりやすい)

詰まりどころ( NG )と最小の直し方( OK )
場面 NG(止まりやすい) OK(回りやすい) 最小で直すコツ
目的 「埋めること」が目的化する 生活目標を 1 行で固定し、介入と評価を寄せる 退院後に何ができるかを最初に 1 行で定義
説明 説明内容と担当が人で違う 要点 3 つ+次回確認で統一 定型文を 2〜3 本だけ作る
更新 更新日がズレる/理由が残らない 節目・状態変化・転帰変更をトリガー化 「変化 1 つ+対応 1 つ」で記録
重複 複数文書へ同内容をコピペする 共通欄を先に決め、他文書は参照化する 必須/任意を線引きして任意を増やさない
介護連携 必要性は共有されるが、説明と紹介の記録が残らない 説明者・説明日・紹介提案の有無を同じ欄に残す 計画書外でも保存先を 1 つに固定する

回避手順(最短フロー)

  1. 共通欄(目標・介入・再評価)を先に決める
  2. 説明担当と交付時点を 1 つに固定する
  3. 更新トリガーを明文化し、保存場所を一本化する
  4. 介護連携が必要な患者の記録欄を 1 つ追加する

今からできる準備チェックリスト

点数確定後も、運用準備は先行できます。改定後の混乱を減らすには、棚卸しと標準化を同時に進めるのが有効です。

  • 計画書・サマリ・退院指導の重複項目を洗い出し、必須/任意を線引きした
  • 説明・交付の担当、時点、記録場所が 1 つに決まっている
  • 回復期リハ病棟では「医師説明」を院内ルールに明記した
  • 更新トリガー(節目/状態変化/転帰変更)が明文化されている
  • 介護支援専門員との連携記録をどこへ残すか決まっている

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. いつから変わりますか?

A. 今回の見直しは令和 8 年度改定として公表され、2026-06-01 からの適用を前提に整理されています。現時点では、署名欄廃止や説明者拡大、評価料の初回/2 回目以降の運用準備を先に進めるのが実務的です。

Q2. 総合実施計画評価料は何が変わりましたか?

A. 評価料 1 は初回 300 点、2 回目以降 240 点、評価料 2 は初回 240 点、2 回目以降 196 点になりました。つまり「 2 回目以降」をどう定義するかが、院内で先に揃えるべき論点です。

Q3. 計画書の説明は誰でもできますか?

A. 回復期リハ病棟を除き、医師だけでなく看護師、 PT 、 OT 、 ST でも可能です。回復期リハ病棟では、引き続き医師による説明が必要です。

Q4. H003-4 廃止で現場が一番困りやすいのは何ですか?

A. 介護サービス利用が必要な患者への説明・連携の置き換えです。誰が、いつ、どこへ記録するかを決めないと、引継ぎと監査で止まりやすくなります。

次の一手(やる順番)

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう

共有の型づくりに加えて、人員・教育体制・記録文化の詰まりを点検すると、実装スピードが上がります。

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チェック後の進め方を見る(PT キャリアガイド)


参考資料(一次情報)

  • 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定について(関係法令・通知等).掲載ページ
  • 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定の概要 13. 重点的な対応が求められる分野(医学管理・リハビリテーション).PDF
  • 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定の概要【全体概要版】.PDF

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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