2026年リハ計画書改定|署名廃止・説明者・総合計画評価料

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2026年改定でリハ計画書は何が変わった?

令和8年度診療報酬改定では、リハビリテーション計画書の様式と運用が見直されました。結論から言うと、押さえるべき変更は、リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書の様式統合、患者等の署名不要、説明できる職種の拡大、リハビリテーション総合計画評価料の初回/2回目以降への区分、目標設定等支援・管理料(H003-4)の廃止です。

現場で特に迷いやすいのは、「署名がなくなったら説明記録も不要なのか」「PT・OT・STが説明してよいのか」「計画書を作成した月と多職種評価を行った月が違う場合はいつ算定するのか」「転院・再発では初回か2回目以降か」といった判断です。

この記事では、2026年9月12日時点で確認できる厚生労働省の告示・通知・医科様式・疑義解釈その12までをもとに、2026年改定でリハ計画書がどう変わり、院内で何を変更すればよいかに絞って整理します。

令和8年度改定の全体像から確認する

令和8年度診療報酬改定|リハまとめを見る

2026年9月更新で反映した内容

7月30日訂正後の医科「実施上の留意事項」、6月19日訂正後の医科様式、9月2日公表の疑義解釈その12まで確認しました。特に、医師以外が説明した場合の記録場所、計画書作成月と多職種評価月が異なる場合の算定月、一連のがん治療中に再算定する場合の「2回目以降」扱いを追加・更新しています。

最終更新:2026-09-12(疑義解釈その12まで反映)

結論:2026年の変更点は5つです

令和8年度改定のリハ計画書関連は、まず次の5点を押さえると全体像を整理できます。特に重要なのは、「患者等の署名が不要になった」ことと「説明や記録が不要になった」ことを混同しないことです。

2026年改定で押さえるリハ計画書の5つの変更点
変更点 2026年改定後 院内で確認すること
計画書様式 リハビリテーション実施計画書と総合実施計画書を統合 別紙様式21またはこれに準じた様式への対応
患者等の署名 署名欄を廃止 署名を前提としている旧院内様式・運用を見直す
説明者 一般病棟等では、医師の指示を受けた看護師・PT・OT・STも説明可能 病棟区分、説明担当、医師指示の運用を決める
総合計画評価料 評価料1・2それぞれに「初回」「2回目以降」を設定 初回判定、再算定、算定月を確認する
H003-4 目標設定等支援・管理料を廃止 必要な患者に対する介護支援専門員との連携を確認する
2026年リハ計画書改定で押さえる様式統合、署名不要、説明者拡大、総合計画評価料、H003-4廃止の5つの変更点
図:2026年リハ計画書改定で最初に押さえる5つの変更点

図版の補足:一般病棟等で看護師・PT・OT・STが説明できるのは、医師の指示を受けた場合です。また、初回/2回目以降には転院、起算日再設定、がん患者リハなど個別の判断があります。図版だけで算定可否を判断せず、本文と最新の疑義解釈をあわせて確認してください。

実施計画書と総合実施計画書は別紙様式21へ統合

2026年改定では、リハビリテーション実施計画書とリハビリテーション総合実施計画書の共通する内容が整理され、別紙様式21「リハビリテーション実施計画書(総合実施計画書)」として一体化されました。

別紙様式21の実施計画書面には、患者情報、心身機能・構造、基本動作、ADL、目標、治療方針、作成に関わった職種、説明日・説明者などの欄があります。総合実施計画書として使用する場合は、さらに「リハビリテーション総合実施計画書」の面も記載します。

別紙様式21の使い分け
使用場面 記載する範囲 確認したい点
実施計画書として使用 リハビリテーション実施計画書の面を使用 必要な評価、目標、治療方針、説明日・説明者等を確認する
総合実施計画書として使用 実施計画書面に加え、総合実施計画書の面も記載 計画評価実施日、多職種による目標・具体的アプローチ等を確認する

つまり、「実施計画書と総合実施計画書が完全に同じ1枚になった」というより、共通する様式を一体化し、総合実施計画書として使用するときは必要な追加面まで作成すると理解すると実務に落とし込みやすくなります。

患者等の署名は不要。一般病棟等ではPT・OT・STも説明できる

2026年改定では、リハビリテーション実施計画書・総合実施計画書の患者等の署名欄が廃止されました。ただし、計画内容を患者等へ説明し、交付する運用そのものがなくなったわけではありません。

一般病棟等では、医師だけでなく、医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も説明できます。一方、回復期リハビリテーション病棟入院料または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定している患者では、引き続き医師による説明が必要です。

2026年改定後のリハ計画書の説明者
場面 説明者 注意点
一般病棟等 医師、または医師の指示を受けた看護師・PT・OT・ST 医師以外が説明する場合は医師の指示が必要
回復期リハビリテーション病棟入院料 医師 医師による説明・交付が必要
特定機能病院リハビリテーション病棟入院料 医師 一般病棟等と説明運用を分ける

情報通信機器等を用いた説明も可能

疑義解釈その2では、医師の指示を受けた理学療法士等が説明する場合についても、情報通信機器等を用いて説明して差し支えないと整理されています。

また、リハビリテーション実施計画書(総合実施計画書)を作成した医師が、医師以外による説明が可能と判断した症例については、医師の指示を文書または口頭で行うことができます。この指示については、必ずしも診療録への記載を要しないとされています。

実務ポイント:制度上は口頭指示でも可能ですが、説明担当が複数職種にまたがる施設では、「誰が説明対象を決めるか」「指示の有無をどこで確認するか」を院内で統一しておくと運用が安定します。

署名廃止後も「説明日・説明者」は確認する

患者等の署名欄が廃止されても、説明日・説明者まで記録不要になったわけではありません。実施上の留意事項では、リハビリテーション実施計画書の写しに説明日・説明者の記載がない場合は、診療録に記載することとされています。

さらに疑義解釈その8では、医師以外の職種が説明した場合は、診療記録のうち診療録以外の部分に記載して差し支えないことが示されました。

説明後に確認したい記録
状況 確認すること 実務上の整理
計画書の写しに説明日・説明者がある 記載内容と保存を確認する 別紙様式21には説明日・説明者欄がある
写しに説明日・説明者がない 必要な診療記録へ残す 記録場所を院内で統一する
医師以外が説明した 説明日・説明者を確認する 疑義解釈その8により、診療録以外の診療記録への記載でも可

また、計画書を説明した後に、計画書へ記載している説明内容そのものを診療録へ重ねて詳記する必要はありません。ただし、患者等から計画に対する意見があった場合など、特に記録すべき事項があれば診療録へ残します。

説明日・説明者の記録場所や院内運用を詳しく確認したい場合は、2026年リハ計画書の説明日・説明者の記録方法で整理しています。

総合計画評価料は「初回」と「2回目以降」に分かれた

リハビリテーション総合計画評価料では、2026年改定で「初回の場合」と「2回目以降の場合」の点数が設定されました。

2026年リハビリテーション総合計画評価料の点数
区分 初回 2回目以降
リハビリテーション総合計画評価料1 300点 240点
リハビリテーション総合計画評価料2 240点 196点

転院・再発では初回か2回目以降か

疑義解釈その1では、初回/2回目以降について実務で迷いやすいケースが示されています。

初回/2回目以降の代表的な判定
場面 判定 ポイント
他院で算定後に転院し、自院では同一疾患について初めて算定 初回 他院の算定歴ではなく、自院で同一疾患に対して初めて算定するかを確認する
新たな発症・再発・急性増悪等で起算日が再設定され、改めて計画書を作成・評価 初回 起算日の再設定と、改めて総合実施計画書を作成・評価したことを確認する
2026年5月31日以前に評価料1または2を算定し、6月1日以降に同区分を再算定 2回目以降 改定前の算定歴も含めて判定する

がん患者リハは「起算日再設定=初回」と機械的に判断しない

疑義解釈その12では、がん患者リハビリテーション料について、一連のがん治療を行っている期間中に、同一医療機関で再入院時または手術後等にリハビリテーション総合計画評価料1を再度算定する場合は「2回目以降」とされています。また、一連のがん治療に係るがん患者リハビリテーション料では、同一医療機関で総合計画評価料1を一度算定していれば、再入院時・手術後等に要件を満たすためだけに再度算定する必要はないとされています。

総合計画評価料1・2の対象、標準的算定日数の3分の1、初回/2回目以降、転院・再発などを詳しく確認する場合は、リハビリテーション総合計画評価料1・2の算定方法で確認してください。

算定月は「計画書作成月」ではなく「多職種で評価した月」

総合計画評価料で日付を整理するときは、計画書作成日、多職種による計画評価実施日、患者等への説明日を分けて考えることが重要です。

疑義解釈その2では、総合実施計画書を作成した月と、計画書に基づいて行ったリハビリテーションの効果・実施方法等について多職種が共同して評価した月が異なる場合は、多職種による評価を行った月に算定すると示されています。

計画書関連の日付を分けて管理する理由
日付 意味 実務上の確認
計画書作成日 多職種で計画書を作成した時点 書類作成の時点を確認する
計画評価実施日 リハの効果・実施方法等を多職種で共同評価した日 総合計画評価料の算定月を判断する
説明日 患者等へ計画内容を説明した日 説明実施の確認に使う

別紙様式21の総合実施計画書面には、「計画評価実施日(評価実施後に記載すること。)」の欄があります。作成日と評価日を同じ意味で扱わないことが、算定月の誤認を防ぐポイントです。

H003-4廃止後も介護支援専門員との連携を確認する

2026年改定では、H003-4 目標設定等支援・管理料と、これを算定しない場合の減算規定が廃止されました。

ただし、「管理料が廃止されたため介護保険との連携も不要になった」という意味ではありません。脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料では、介護保険によるリハビリテーション等のサービス利用が必要と思われる患者について、介護支援専門員との連携を確認することが重要です。

H003-4廃止後に確認したい介護保険との連携
確認項目 実務で見るポイント
対象患者 介護保険によるリハビリテーション等のサービス利用が必要と思われるか
介護支援専門員 必要な患者について介護支援専門員と連携できているか
サービス紹介 訪問リハ・通所リハ等を提供する事業所への紹介が必要か
計画書への反映 介護保険サービス等との連携や紹介の必要性を確認できるか

別紙様式21の総合実施計画書面にも、「介護保険サービス又は障害福祉サービスとの連携」や、介護保険のリハビリテーションサービス等の紹介の必要性を確認する欄があります。管理料がなくなった後こそ、必要な患者をどのように介護保険サービスへつなぐかを院内で整理しておくことが大切です。

Excel・PDF配布|2026年リハ計画書改定 判定・記録チェックシート

2026年改定後の院内確認に使えるよう、「2026年リハ計画書改定 判定・記録チェックシート」を作成しました。

総合計画評価料の初回/2回目以降、作成日・評価日・説明日の整理、説明者、記録・保存、介護支援専門員との連携まで、実務で迷いやすいポイントを1枚で確認できる構成です。

2026年リハ計画書改定 判定・記録チェックシート

Excel版は院内ルールに合わせた追記・編集用、PDF版はA4印刷・閲覧用として使えます。

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PDF版を開く・ダウンロード

※本シートは厚生労働省の公式様式そのものではなく、院内確認を補助するために当サイトが作成した資料です。最終的な算定可否・記録方法は、最新の告示・通知・疑義解釈および施設内の運用をご確認ください。

院内では「判定→日付→説明→記録・連携」の順にそろえる

2026年改定後の運用で重要なのは、制度の変更点を知るだけではなく、誰が確認しても同じ判断になる順番を決めることです。最低限、次の4段階をそろえておくと、リハスタッフ・病棟・医師・医事担当の認識を合わせやすくなります。

リハ計画書改定後の院内確認4ステップ
ステップ 確認すること 迷いやすい境界
1.判定 総合計画評価料1・2、初回/2回目以降を確認 転院、再発・急性増悪、がん治療中の再入院
2.日付 作成日、計画評価実施日、説明日を分ける 作成月と評価月が異なるケース
3.説明 誰が説明できる患者かを確認 一般病棟等と回復期リハ病棟等の違い
4.記録・連携 説明日・説明者、計画書写し、必要な介護連携を確認 署名不要と説明記録不要を混同しない

よくある誤解|2026年改定後はここを間違えやすい

今回の改定では「簡素化」という言葉だけを見ると、必要な説明や確認までなくなったように受け取りやすいため注意が必要です。

2026年リハ計画書改定で起こりやすい誤解
誤解 正しい整理
署名が不要なら患者説明も不要 誤り。患者等の署名欄は廃止されたが、必要な説明・交付は引き続き行う
PT・OT・STは計画書を説明できない 誤り。一般病棟等では、医師の指示を受けたPT・OT・ST等も説明できる
回復期リハ病棟でもPTが説明すればよい 誤り。回復期リハ病棟入院料等では医師による説明が必要
総合計画評価料は計画書を作った月に算定する 必ずしもそうではない。作成月と評価月が異なる場合は、多職種評価を行った月に算定する
起算日が再設定されれば、どのケースでも初回 機械的には判断しない。がん患者リハでは、一連のがん治療中の再算定について例外が示されている
H003-4が廃止されたので介護支援専門員との連携も不要 誤り。必要な患者では介護保険サービスへの移行・連携を引き続き確認する

よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年改定後、リハ計画書に患者の署名は必要ですか?

A. 患者等の署名欄は廃止されています。ただし、署名が不要になったことと、患者等への説明・交付が不要になったことは同じではありません。説明日・説明者など、必要な記録を確認してください。

Q2. PT・OT・STがリハ計画書を説明してもよいですか?

A. 一般病棟等では、医師の指示を受けた看護師、PT、OT、STが説明できます。医師の指示は文書でも口頭でもよく、その指示自体について必ずしも診療録への記載は必要ありません。

Q3. 回復期リハビリテーション病棟でもPT・OT・STが説明できますか?

A. 回復期リハビリテーション病棟入院料または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定している患者では、医師による説明が必要です。一般病棟等と同じ運用にしないよう注意してください。

Q4. 計画書を作成した月と多職種評価を行った月が違う場合、いつ総合計画評価料を算定しますか?

A. 多職種による評価を行った月に算定します。計画書作成日と計画評価実施日、患者等への説明日は別の意味を持つため、院内では分けて管理すると判断しやすくなります。

Q5. 他院で総合計画評価料を算定した患者が転院してきた場合、自院では初回ですか?

A. 自院で同一疾患に対して初めてリハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、他院での算定歴にかかわらず「初回」として算定します。

Q6. 再発や急性増悪でリハの起算日が再設定された場合は初回ですか?

A. 同一の疾患別リハビリテーション料であっても、新たな疾患の発症、再発、急性増悪等によって起算日が再設定され、改めて総合実施計画書を作成・評価した場合は「初回」とすることが示されています。ただし、がん患者リハでは一連のがん治療中の再入院時・手術後等について別の取扱いが示されているため、個別に確認してください。

Q7. 医師以外が説明した場合、説明日・説明者は必ず診療録へ記載しますか?

A. 疑義解釈その8では、医師以外の職種が説明した場合、説明日・説明者については診療記録のうち診療録以外の部分へ記載しても差し支えないとされています。実際の記録場所は院内で統一しておくと確認しやすくなります。

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参考資料(一次情報)

  • 厚生労働省保険局医療課.令和8年度診療報酬改定について.2026.掲載ページ
  • 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科診療報酬点数表.2026.PDF
  • 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)医科診療報酬点数表に関する事項(0730訂正後).2026.PDF
  • 厚生労働省.様式(医科)(0619訂正後).2026.PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その1)(令和8年3月23日 保険局医療課事務連絡).2026.PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その2)(令和8年4月1日 保険局医療課事務連絡).2026.PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その8)(令和8年6月17日 保険局医療課事務連絡).2026.PDF
  • 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その12)(令和8年9月2日 保険局医療課事務連絡).2026.PDF
  • 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 Ⅲ-4 質の高いリハビリテーションの推進.2026.PDF

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハの現場経験に基づき、理学療法士を中心とした医療従事者が臨床で使いやすい評価・手順・制度情報を発信しています。

脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下などを中心に、一次資料やガイドラインを確認しながら記事を作成・更新しています。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験があります。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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