リンパ浮腫複合的治療料2026|点数・要件と記録シート

制度・実務
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令和 8 年改定|リンパ浮腫複合的治療料は「点数・時間・必須実施」をセットで確認します

まずは改定全体の位置づけを確認してから、このページで H007-4 の確定点を押さえましょう

令和 8 年改定の全体像を見る

関連:書類・運用を先に整える
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リンパ浮腫複合的治療料( H007-4 )は、令和 8 年改定で重症が 2 区分に分かれ、 60 分以上 500 点 / 40 分以上 60 分未満 350 点 / 1 以外 150 点として整理されました。この記事では、公開・更新日時点の厚生労働省資料に基づき、PT・OT・看護師などが確認しやすいように、点数、時間要件、対象、必須実施、記録の型をまとめます。

このページで答えるのは、「どの区分で何分必要か」「重症の根拠をどう残すか」「スキンケア・セルフケア指導・圧迫をどう記録するか」です。施設基準の届出細則や弾性着衣の個別選定までは深掘りせず、院内で今日からそろえやすい記録と確認手順に絞ります。

最終確認:2026-05-05(厚生労働省の 0501 訂正後資料を確認)

結論|500 / 350 / 150 点の差は「時間要件」と「必須実施の証跡」で決まります

令和 8 年改定後のリンパ浮腫複合的治療料は、重症:イ 500 点( 60 分以上 )重症:ロ 350 点( 40 分以上 60 分未満 ) 1 以外 150 点( 20 分以上 )で確認します。重症は ISL 病期 II 期以降が対象です。

実務では、点数だけでなく、①開始・終了・中断の記録、②ISL 病期の根拠、③スキンケアとセルフケア指導、④重症における圧迫実施、⑤次回確認点をセットで残すことが重要です。長文の経過記録よりも、チェック+ 1 行で抜けを防ぐ型にすると運用しやすくなります。

このページで答えること・答えないこと
区分 扱う内容 扱い方
答えること 点数、時間要件、対象、重症判定、必須実施、記録テンプレ 表と A4 記録シートで実装しやすく整理
深掘りしないこと 施設基準の届出細則、弾性着衣の個別選定、治療技術の詳細手技 最終判断は公式資料、院内の請求担当、専門職の運用に確認
リンパ浮腫複合的治療料の算定前チェック3ステップを示す図版
図:リンパ浮腫複合的治療料の算定前チェック。対象確認、区分確認、記録確認の流れを整理しています。

A4 記録シート PDF|時間証跡と必須実施を 1 枚でそろえる

記録の型を院内でそろえたい場合は、下の A4 記録シートをそのまま使えます。時間証跡、対象 / 重症判定、必須実施、共有事項まで 1 枚で確認できる構成です。

まずは 1 週間だけ回し、書きにくい欄だけ微調整する運用にすると定着しやすくなります。最初から全項目を細かく作り込むより、時間・必須実施・次回確認点が抜けないことを優先してください。

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下の折りたたみ内でプレビューもできます。

記録シート PDF をプレビューする

点数・時間要件|重症は 60 分以上と 40 分以上 60 分未満で分けて確認します

最初に確認するのは、区分と最低実施時間です。重症は 1 区分ではなく、 60 分以上 40 分以上 60 分未満で評価が分かれます。境界日では、開始時刻・終了時刻・中断有無・総実施分を残しておくと説明しやすくなります。

現場では、点数だけを覚えるより、「この患者はどの区分で、何分を超える必要があるか」を先に固定してください。時間要件が曖昧なままだと、記録・請求・担当者間の説明がずれやすくなります。

リンパ浮腫複合的治療料( H007-4 ):点数と時間要件
区分 点数 最低実施時間 算定頻度 先にそろえること
重症:イ 500 点 60 分以上 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) 60 分到達の証跡(開始・終了・中断)
重症:ロ 350 点 40 分以上 60 分未満 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) 40 分以上の証跡と 60 分未満の区分整理
1 以外 150 点 20 分以上 6 月に 1 回 20 分の証跡+セルフケア課題 1 つ

対象と重症判定|ISL 病期 II 期以降を重症として扱います

対象は、リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術後または原発性リンパ浮腫で、ISL 病期 I 期以降の患者です。そのうち、ISL 病期 II 期以降が「重症」に当たります。

現場で迷いやすいのは、診断名だけで “重症” を扱ってしまうことです。診療録では、病期 / 確認日 / 確認者 / 算定区分を 1 行で残すだけでも、担当交代時のズレが減ります。

重症判定を残す 1 行テンプレ
書く内容 短い記載例
病期 ISL 病期( I / II / III ) ISL II(確認:〇〇医師 / 2026-05-05)
重症区分 重症:イ / 重症:ロ / 1 以外 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満 )
頻度 月 1 回 / 6 月に 1 回 重症:月 1 回(開始月から 2 月以内は計 11 回)

必須実施|スキンケアとセルフケア指導は毎回の一連の治療で確認します

複合的治療では、圧迫(弾性着衣または弾性包帯)圧迫下の運動用手的リンパドレナージ患肢のスキンケア体重管理等のセルフケア指導を適切に組み合わせます。

このうち、スキンケアセルフケア指導は必須です。さらに重症では、毎回の治療で圧迫を行うことが原則です。圧迫を行わない医学的理由がある場合は、理由を短く残せる欄を先に作っておくと記録が止まりにくくなります。

必須実施チェックの最小セット
要素 チェック 記録の最小セット
圧迫(着衣 / 包帯) □ 実施 / □ 実施不可 不可なら医学的理由を 1 行
圧迫下の運動 □ 実施 運動種目 1 つ+反応 1 つ
用手的リンパドレナージ □ 実施 部位 1 つ+反応 1 つ
スキンケア □ 実施(必須) 皮膚所見 1 つ+対応 1 つ
セルフケア指導 □ 実施(必須) 課題 1 つ+次回確認 1 つ

算定前に確認すること|対象・実施者・連携条件を短く点検します

点数と時間要件が合っていても、対象患者、実施者、連携条件の確認が抜けると説明が止まりやすくなります。この記事では届出細則までは深掘りしませんが、算定前の点検項目として最低限の確認欄を作っておくと安心です。

特に、直近 1 年間のリンパ浮腫指導管理料の算定状況や連携先の扱いは、医療機関ごとの確認が必要です。最終判断は、公式資料、院内の医事課・請求担当、地方厚生局等の案内と照合してください。

算定前の確認ポイント
確認項目 見ること 記録・運用の型
対象 リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術後、または原発性リンパ浮腫 対象理由を 1 行で残す
病期 ISL 病期 I 期以降。重症は II 期以降 病期 / 確認日 / 確認者
実施者 専任医師、または医師の指導監督下の専任看護師・理学療法士・作業療法士等 担当職種と指示・報告の流れを院内で統一
連携条件 リンパ浮腫指導管理料の算定状況や連携先条件 医事課・請求担当と確認欄を作る

現場の詰まりどころ|40 / 60 分境界と必須実施の書き忘れで止まりやすいです

詰まりやすいのは、 40 分 / 60 分の境界と、スキンケア+セルフケア指導の書き忘れです。先に 記録テンプレ15 分チェック を見ておくと整えやすく、改定全体の実装順は 書類・運用を先に整える記事 で横断的に確認できます。

点数の丸暗記よりも、「どの項目が抜けると説明が止まるか」を先に潰すほうが、院内運用では効果的です。

リンパ浮腫複合的治療料:失敗パターンと最小の直し方
失敗 何が起きる 回避策 最小記録
40 分 / 60 分の根拠が曖昧 算定区分の説明が弱くなる 開始・終了・中断有無を固定欄にする 開始 / 終了 / 中断有無 / 総実施分
スキンケア・指導を書き忘れる 必須実施の証跡が残らない 必須 2 項目をチェック式で固定 皮膚所見 1 つ+課題 1 つ
重症で圧迫が抜ける 重症要件の説明が止まる 不可時の理由欄を先に作る 圧迫:実施 / 不可(理由)
重症判断が担当でズレる 区分と頻度が属人化する ISL 病期と確認者を 1 行化する ISL 病期 / 日付 / 確認者

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の型をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

PT キャリアガイドを見る

記録テンプレ|時間証跡・必須実施・次回確認を 1 セットで残します

おすすめは、①時間証跡②区分③必須実施④反応⑤次回確認点だけを固定する形です。項目を増やしすぎると、かえってどこかが抜けやすくなります。

「このテンプレで書けば最低限そろう」という基準を院内で共有しておくと、担当者が変わっても記録の粒度をそろえやすくなります。

テンプレ(最小セット):時間証跡 → 必須実施 → 反応 → 次回
ブロック 書く内容 短い記載例
時間証跡 開始・終了・中断有無 10:00–10:52(中断なし)
区分 重症:イ / ロ、または 1 以外 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満 )
必須実施 圧迫 / 運動 / MLD / スキンケア / 指導 スキン:乾燥あり → 保湿。指導:包帯の自己調整を確認
反応 腫脹・疼痛・皮膚・機能から 1 つ 疼痛 NRS 3 → 2
次回 確認点を 1 つに絞る 包帯ずれの原因を確認

中断があった日の扱い|境界日は「理由+総実施分」を残します

開始・終了だけでは、40 分 / 60 分の境界日を説明しにくいことがあります。中断があった日には、中断理由最終的な総実施分まで残しておくと、算定区分の説明がしやすくなります。

ここは「長い定型文」を作るより、境界日を短く説明できる欄を先にそろえることが重要です。記録シートでは、中断有無と総実施分を別欄にしておくと確認しやすくなります。

中断があった日の最小記録
残す内容 短い記載例
開始 / 終了 実施開始と終了の時刻 10:00–10:55
中断有無 中断したかどうか 中断あり
中断理由 短く 1 行 更衣対応のため 3 分中断
総実施分 最終的に算定判断へ使う時間 総実施 52 分

今からできる準備|15 分で記録欄と確認順をそろえます

準備段階で決めることは多くありません。むしろ、誰が見ても同じ欄に同じ情報が入る状態を作るほうが重要です。

下の表は、導入時にまずそろえたい最小セットです。全部を一気に細かく作り込むより、まずは 1 週間回る形を優先してください。

リンパ浮腫複合的治療料:導入前の 15 分チェック
項目 やること 最小の決め方
時間管理 開始・終了・中断の記録方法を統一する タイマー運用+固定欄
重症判定 ISL 病期と確認者を 1 行で残す 病期 / 日付 / 確認者
必須実施 スキンケアと指導を必須欄にする チェック式にする
圧迫 重症で毎回確認する 実施 / 不可(理由)
請求確認 対象・実施者・連携条件を医事課と確認する 算定前チェック欄を 1 つ作る

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 点数はどう変わりましたか?

A. 重症は 60 分以上 500 点、40 分以上 60 分未満 350 点に分かれました。1 以外は 150 点です。重症は月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回)、1 以外は 6 月に 1 回です。

Q2. 重症の根拠は何を残せばいいですか?

A. ISL 病期 II 期以降が重症です。診療録では、ISL 病期、確認日、確認者、算定区分を 1 行で固定するとズレにくくなります。

Q3. 必須で確認する要素は何ですか?

A. 圧迫、圧迫下の運動、用手的リンパドレナージ、スキンケア、セルフケア指導等を適切に組み合わせます。特にスキンケアとセルフケア指導は必須で、重症では毎回の圧迫が原則です。

Q4. 重症で圧迫できない日はどう書けばいいですか?

A. 圧迫を行わない医学的理由がある場合は、圧迫不可の理由を短く残します。例として「皮膚発赤が強く圧迫は見送り。スキンケアとセルフケア指導を実施。次回皮膚状態を再確認」のように、理由と次回確認点をセットにします。

Q5. 中断があった日はどう残せばいいですか?

A. 開始・終了だけでなく、中断の有無、中断理由、最終的な総実施分まで残しておくと、40 分 / 60 分境界日の説明がしやすくなります。

Q6. 記録シートはどう使えばいいですか?

A. まずは 1 週間だけ使い、書きにくい欄だけ院内で微調整してください。最初から完璧を目指すより、時間証跡と必須実施が抜けない形を優先するほうが定着しやすくなります。

更新履歴

  • 2026-05-05:冒頭の旧図版を削除し、本文内図版を「算定前チェック 3 ステップ」に一本化しました。
  • 2026-05-05:A4 記録シート PDF を v3 に差し替えました。
  • 2026-05-05:厚生労働省の 0501 訂正後資料を確認し、参考資料リンクと「算定前に確認すること」を更新しました。
  • 2026-03-24:告示・留意事項ベースで点数、時間要件、必須実施、記録シートを整理しました。

次の一手|この順で院内運用に落とし込みます

  1. 改定全体像の中で、この項目の位置づけを確認する
  2. 院内で時間証跡と必須実施の欄を統一する
  3. 1 週間回して、境界日と圧迫不可日の記録だけ微修正する

参考資料(一次情報・文献)

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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