- 訪問リハの移行支援加算は「終了」ではなく「次の場で続くか」をみる加算です
- 結論|移行支援加算は終了前から移行先・共有内容・確認日を決めると回しやすいです
- まず押さえる要点は単位数・移行先・終了後確認の3つです
- 移行支援加算は「生活接続」を評価する加算です
- 算定要件は移行実績・終了後確認・計画書提供の3本柱で見ます
- 移行先は通所介護・通所リハ・小多機などを目的に合わせて整理します
- 現場では終了後確認と中断・再開の扱いで止まりやすいです
- 訪問リハの移行支援は5段階で管理すると抜けにくいです
- 記録例は「確認日・確認先・継続状況・次の対応」を残すと使いやすいです
- 短期集中加算の次に考えると訪問リハの出口支援が整理しやすいです
- よくある質問
- 次の一手
- 参考文献
- 著者情報
訪問リハの移行支援加算は「終了」ではなく「次の場で続くか」をみる加算です
訪問リハの移行支援加算は、訪問リハを終了したこと自体ではなく、通所介護等へ移行し、生活の場で支援が継続しているかを評価する加算です。この記事では、訪問リハの移行支援加算について、単位数、算定要件、移行先、終了後確認、記録の残し方を現場で使いやすい形に整理します。
特に迷いやすいのは、「どこまでが移行先になるのか」「終了後14〜44日の確認で何を残すのか」「中断や再開をどう整理するのか」です。前段の制度として 訪問リハの短期集中加算 を押さえておくと、開始直後の支援から終了後の接続まで流れで理解しやすくなります。
結論|移行支援加算は終了前から移行先・共有内容・確認日を決めると回しやすいです
結論として、移行支援加算は「終了できたか」よりも「終了後に通所介護等へつながり、支援が継続しているか」を見る加算です。そのため、終了前の時点で、移行先、共有する内容、終了後の確認日、記録方法まで決めておくと実務で抜けにくくなります。
現場では、終了時の説明、ケアマネとの調整、移行先への計画書提供、14〜44日の確認が別々に動くと漏れやすいです。療養病棟や訪問リハの実務では、「終了支援」と「加算要件」を分けず、ひとつの流れで管理する方が安全です。
まず押さえる要点は単位数・移行先・終了後確認の3つです
移行支援加算は、最初に「1日17単位」「通所介護等への移行」「終了後14日以降44日以内の確認」の3点で整理すると理解しやすいです。単位数だけを覚えるより、終了前から終了後確認までの流れを設計することが大切です。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 項目 | 内容 | 実務で見ること |
|---|---|---|
| 単位数 | 1日につき17単位 | 単位数よりも、移行支援の流れを作れているかを確認する |
| 移行先 | 通所介護等への移行が前提 | 終了前から接続先と支援目的を整理する |
| 終了後確認 | 終了日から14日以降44日以内に実施状況を確認し記録 | 確認日、確認方法、記録先を先に決める |
| 情報共有 | 移行先へリハビリテーション計画書を提供 | 次の場で継続してほしい支援内容を明確にする |
移行支援加算は「生活接続」を評価する加算です
移行支援加算は、訪問リハを終えることだけを評価する制度ではありません。訪問リハで整理した課題、介助方法、活動量、生活上の注意点が、通所介護等の次の場で継続されることに意味があります。
そのため、単に「通所へ紹介した」「ケアマネに伝えた」だけでは不十分になりやすいです。移行先で何を続けたいのか、誰に何を共有するのか、終了後に何を確認するのかまで決めておくと、制度の趣旨と実務が一致しやすくなります。
算定要件は移行実績・終了後確認・計画書提供の3本柱で見ます
移行支援加算は、個別利用者への支援だけでなく、事業所としての移行支援体制も関わります。実務上は、移行先への接続、終了後の実施状況確認、リハビリテーション計画書の提供をセットで確認すると整理しやすいです。
特に個別ケースでは、終了日、移行先、計画書の提供日、終了後確認日、確認結果を残しておくことが重要です。事業所全体では、評価対象期間における終了者と移行実績を整理しておく必要があります。
移行先は通所介護・通所リハ・小多機などを目的に合わせて整理します
移行先は、通所介護だけに限定して考えるより、通所系サービスや多機能系サービスを含めて整理すると実務に合いやすいです。大切なのはサービス名を暗記することではなく、その利用者にとって次の生活支援の場として機能するかを判断することです。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 移行先 | 主なつながり方 | 訪問リハから渡したい視点 |
|---|---|---|
| 通所介護 | 活動量、生活リズム、見守りの継続 | 移動、トイレ、疲労、介助量の変化 |
| 通所リハ | 機能維持と生活課題の継続支援 | 優先課題、再評価時点、家庭内での困りごと |
| 地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護 | 小集団や認知面への配慮を含む支援 | 生活行動、見守りのポイント、環境変化への反応 |
| 小規模多機能・看護小規模多機能 | 通い・訪問・宿泊を組み合わせた支援 | 医療的配慮、生活全体の優先順位、家族負担 |
現場では終了後確認と中断・再開の扱いで止まりやすいです
移行支援加算で最も抜けやすいのは、終了後14日以降44日以内の確認です。終了時点で確認日を決めていないと、後から確認漏れが起きやすくなります。
また、中断や再開も迷いやすい点です。終了、再開、再開理由を記録しておかないと、あとから制度上の整理が難しくなります。現場では、終了時に「再開の可能性」「移行先の利用開始予定」「確認予定日」をまとめて残しておくと安全です。
よくある失敗1|移行先へつないで終わりにする
移行支援加算は、紹介だけで完結する制度ではありません。移行先で支援が始まっているかを確認し、記録に残す必要があります。
よくある失敗2|確認日を先に決めていない
終了後確認は、終了時点で予定に入れておくと抜けにくくなります。誰が、いつ、何を確認するかを決めておくことが重要です。
よくある失敗3|計画書を渡しても要点が伝わっていない
計画書を送るだけでは、移行先で活かされないことがあります。継続したい課題、介助のコツ、再評価の視点を短く添えると引継ぎの質が上がります。
訪問リハの移行支援は5段階で管理すると抜けにくいです

実務では、終了前整理 → 移行先調整 → 計画書共有 → 終了後確認 → 記録化 の5段階で管理すると抜け漏れを減らせます。図版の流れをチェックリストのように使うと、終了支援と加算要件を同時に確認しやすくなります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 段階 | やること | 残したいこと |
|---|---|---|
| ① 終了前整理 | 課題、目標、継続したい支援内容をまとめる | 移行先で引き継ぎたい要点 |
| ② 移行先調整 | ケアマネ、移行先事業所と接続方法を調整する | 移行先、開始予定、役割分担 |
| ③ 計画書共有 | リハビリテーション計画書を移行先へ提供する | 共有日、共有先、共有内容 |
| ④ 終了後確認 | 14〜44日の範囲で実施状況を確認する | 確認日、確認方法、実施の有無 |
| ⑤ 記録化 | 確認結果と今後の支援判断を記録する | 継続状況、ずれ、追加共有の有無 |
記録例は「確認日・確認先・継続状況・次の対応」を残すと使いやすいです
記録は長く書くより、後から確認できる項目をそろえることが大切です。特に、終了後確認では「利用開始の有無」だけでなく、移行先で支援が継続しているか、追加共有が必要かまで残すと実務に活かしやすくなります。
記録例:訪問リハ終了後、通所介護の利用開始状況をケアマネへ電話確認。週2回利用開始済み。屋内歩行は見守り、浴室動作は一部介助で継続。訪問リハ計画書で共有した転倒リスクと疲労時の休息方法について、通所介護側へ再共有予定。
短期集中加算の次に考えると訪問リハの出口支援が整理しやすいです
短期集中加算が「退院直後や開始初期に何を変えるか」を見る制度なら、移行支援加算は「その後をどこへつなぐか」を見る制度です。開始直後の支援と終了後の接続を分けずに考えると、訪問リハの制度運用が流れで理解しやすくなります。
訪問リハの開始初期から出口までを整理したい場合は、まず 訪問リハの短期集中加算 を確認し、その後に本記事で移行支援加算を確認すると、制度のつながりが見えやすくなります。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
訪問リハの移行支援加算は何単位ですか?
訪問リハの移行支援加算は、1日につき17単位です。ただし、単位数だけでなく、通所介護等への移行、終了後確認、計画書提供を含めて運用することが重要です。
移行先は通所介護だけですか?
通所介護だけでなく、通所リハ、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護なども整理対象になります。実務では、サービス名だけでなく、利用者に合う次の支援の場かを確認します。
終了後14〜44日の確認では何を残せばよいですか?
確認日、確認方法、確認先、移行先サービスの利用開始状況、継続の有無、追加共有の必要性を残すと実務で使いやすいです。
終了後の確認は電話でもよいですか?
重要なのは、終了後の実施状況を確認し、記録に残すことです。確認方法は事業所の運用により異なりますが、誰が、いつ、誰に、何を確認したかが分かる形で残します。
一度終了して再開した場合はどう整理しますか?
終了日、再開日、再開理由を記録しておくことが大切です。中断や再開を現場感覚だけで処理すると、あとから制度上の整理が難しくなります。
次の一手
訪問リハの移行支援加算は、終了前から移行先、共有内容、終了後確認を決めておくと運用しやすくなります。次に読むなら、開始初期の制度と、病期をまたぐ引継ぎを確認しておくと理解がつながります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和6年度介護報酬改定について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
- 厚生労働省. 訪問リハビリテーション. 2023. https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123920.pdf
- 厚生労働省. 平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1). 2018. https://www.mhlw.go.jp/content/000763822.pdf
- 厚生労働省. リハビリテーション・個別機能訓練、口腔、栄養に係る介護報酬改定の主な事項に関するQ&A. 2021. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000759529.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下、訪問リハ

