早期リハ加算の起算日は「入院日」を軸に整理します
早期リハビリテーション加算は、令和 8 年度診療報酬改定で起算日の考え方が実務上かなり重要になりました。特に迷いやすいのは、同じ入院中に疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わった場合、転院した場合、退院後に再入院した場合、外来リハ中の患者が急性増悪で入院した場合です。
本記事では、厚生労働省の「疑義解釈資料の送付について(その 6)」で示された問 16・問 17 をもとに、PT・OT・ST が現場で確認しやすいように、起算日の考え方をケース別に整理します。制度全体の解説ではなく、「結局どの日から数えるのか」を判断するための記事です。
点数・対象疾患・休日加算・6 月またぎまで含めて整理したい場合は、先に全体像を確認しておくと起算日の位置づけがつかみやすくなります。
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起算日確認シート PDF
早期リハ加算の起算日は、文章だけで確認すると「疾患別リハの起算日」と混ざりやすくなります。そこで、転院・再入院・疾患変更・外来リハ中の急性増悪を 1 枚で確認できる PDF を作成しました。
医事課、リハ科内、病棟スタッフとの認識合わせに使う場合は、まずこのシートで「同一入院継続か」「転院・再入院か」「外来から入院か」を分けて確認してください。
起算日は「入院の連続性」で判断します
早期リハ加算の起算日で最も混同しやすいのは、「疾患別リハビリテーションの起算日変更」と「早期リハ加算の起算日リセット」を同じものとして扱ってしまうことです。
実際には、同一医療機関で入院を継続している場合、疾患別リハの起算日が変わっても、早期リハ加算の起算日は当初入院日から変更されません。まずは「同じ入院が続いているのか」を確認することが重要です。

まず結論|同一入院中なら原則「当初の入院日」です
疑義解釈その 6 で重要なのは、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、同一医療機関に入院を継続している場合は、早期リハビリテーション加算の起算日が自動的にリセットされるわけではない点です。早期リハ加算は「入院日」を軸に考えます。
一方で、新たな疾患の発症などを契機に転院した場合や、退院していた患者が再入院した場合は、転院日または再入院日が起算日になります。外来で疾患別リハを行っていた患者が急性増悪などで入院し、対象疾患の要件を満たす場合は、入院日を起算日として算定できるとされています。
| ケース | 起算日の考え方 | 現場での確認ポイント |
|---|---|---|
| 同一医療機関に入院継続中 | 当初の入院日から変更しない | 疾患別リハの起算日変更と混同しない |
| 入院中の患者が転院 | 転院日を起算日とする | 転棟ではなく、医療機関を移る転院か確認する |
| 退院後に再入院 | 再入院日を起算日とする | 一連の入院継続ではなく、退院後の再入院か確認する |
| 外来リハ中に急性増悪で入院 | 要件を満たせば入院日を起算日として算定可 | 入院契機となった疾患と対象疾患要件を確認する |
疑義解釈その 6 で明確化されたこと
令和 8 年 5 月 22 日付の「疑義解釈資料の送付について(その 6)」では、早期リハビリテーション加算について、問 16 と問 17 で起算日の扱いが示されています。特に、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わる場面で、早期リハ加算まで同じように切り替えてよいのかが整理されました。
結論は、同一医療機関に入院を継続している場合、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、早期リハ加算の起算日は当初の入院日から変更されない、という整理です。現場では「脳血管から廃用に変わった」「急性増悪で疾患別リハの起算日が変わった」という事実だけで、早期リハ加算の起算日もリセットしないよう注意が必要です。
ケース別|転院・再入院・疾患変更の考え方
早期リハ加算の起算日で迷うときは、先に「同じ医療機関で入院が続いているか」を確認します。疾患名や算定する疾患別リハの種類から考え始めると、起算日の判断がぶれやすくなります。
同一医療機関に入院を継続している場合
同じ医療機関に入院を継続している場合は、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、早期リハ加算の起算日は当初の入院日から変更されません。例えば、入院中に別疾患の発症や急性増悪があり、疾患別リハの起算日を整理し直す場面でも、早期リハ加算まで自動的に新しい日付へ切り替えるわけではありません。
転院した場合
入院中の患者が、新たな疾患の発症などを契機として他の医療機関へ転院した場合は、転院日を早期リハ加算の起算日とします。ここで重要なのは、転棟と転院を分けることです。同じ病院内で病棟が変わるだけなら、原則として「同一医療機関に入院継続中」として考えます。
退院後に再入院した場合
退院していた患者が再入院した場合は、再入院日を早期リハ加算の起算日とします。退院を挟んでいるかどうかは、現場判断で非常に重要です。リハ部門だけで判断せず、医事課と入退院情報を確認し、カルテ上の入院日・再入院日と算定上の起算日を一致させておく必要があります。
外来リハ中に急性増悪で入院した場合
外来で疾患別リハビリテーションを実施していた患者が、急性増悪などにより入院し、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わる場合があります。この場合、早期リハ加算の対象疾患の要件を満たせば、入院日を起算日として早期リハ加算を算定できると整理されています。
現場の詰まりどころ|疾患別リハの起算日と混同しやすい
現場で最も起こりやすいミスは、「疾患別リハビリテーションの起算日が変わったから、早期リハ加算の起算日も変わる」と考えてしまうことです。疑義解釈その 6 の整理では、同一医療機関に入院継続中であれば、早期リハ加算の起算日は当初の入院日から変更されません。
もう 1 つの詰まりどころは、転棟・転院・再入院の言葉が混ざることです。病棟が変わっただけなのか、医療機関を移ったのか、退院を挟んでいるのかで起算日の扱いは変わります。リハスタッフだけで判断せず、医事課と同じ表現で共有できるようにしておくと、算定ミスや記録のずれを防ぎやすくなります。
| よくある誤解 | 整理のポイント | 確認すべき情報 |
|---|---|---|
| 疾患別リハの起算日変更=早期リハ加算もリセット | 同一入院継続中なら、早期リハ加算は当初の入院日を軸にする | 当初入院日、疾患別リハの起算日、入院継続の有無 |
| 転棟したから新しい起算日になる | 同一医療機関内の転棟と、他院への転院を分ける | 医療機関の変更有無、病棟移動日 |
| 外来リハ中だから早期リハ加算は関係ない | 急性増悪等で入院し、要件を満たす場合は入院日起算で算定可 | 入院契機、対象疾患要件、入院日 |
起算日・記録・監査対応は、職場の確認体制や教育体制でも差が出やすい領域です。臨床経験を整理しながら働き方を見直したい方は、PT 向けのキャリア整理ページも参考にしてください。
記録・共有では「何が切り替わったのか」を分けて残します
早期リハ加算の起算日を院内で共有するときは、「疾患別リハの起算日」と「早期リハ加算の起算日」を同じ欄にまとめない方が安全です。どちらも起算日という言葉を使うため、記録欄や申し送りで混同しやすくなります。
実務上は、当初入院日、疾患別リハの起算日、転院日、再入院日、外来から入院した日を分けて確認します。監査や問い合わせに備える意味でも、「同一入院継続中のため早期リハ加算は当初入院日起算」「退院後再入院のため再入院日起算」など、判断理由が追える表現にしておくと安心です。
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
疾患別リハの起算日が変わったら、早期リハ加算の起算日も変わりますか?
同一医療機関に入院を継続している場合は、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、早期リハビリテーション加算の起算日は当初の入院日から変更されません。
転棟した場合も、転院日として扱いますか?
同一医療機関内の病棟移動は、通常「転院」とは分けて考えます。起算日の判断では、同じ医療機関に入院を継続しているのか、他の医療機関へ転院したのかを確認します。
退院後に再入院した場合は、どの日が起算日ですか?
退院していた患者が再入院した場合は、再入院日が早期リハビリテーション加算の起算日になります。入退院情報は医事課と確認しておくと安全です。
外来リハ中の患者が急性増悪で入院した場合は算定できますか?
外来で疾患別リハビリテーションを実施していた患者でも、入院の契機となった疾患により疾患別リハビリテーション料の起算日が切り替わり、早期リハビリテーション加算の対象疾患の要件を満たす場合は、入院日を起算日として算定できるとされています。
院内で共有するときは何を確認すればよいですか?
当初入院日、疾患別リハの起算日、転院日、再入院日、外来から入院した日を分けて確認します。特に「疾患別リハの起算日」と「早期リハ加算の起算日」を同じ意味で扱わないことが重要です。
次の一手
早期リハ加算の起算日は、単独で覚えるよりも、令和 8 年度改定後のリハ加算全体の中で整理すると理解しやすくなります。点数・対象疾患・休日加算・6 月またぎまで確認する場合は、早期リハ加算 2026 の全体整理を先に確認してください。
また、算定や記録の説明が院内でばらつく場合は、リハ実施計画書の監査対策 2026 年版もあわせて確認すると、記録・説明・監査対応の流れを整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その 6). 令和 8 年 5 月 22 日. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001703573.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


