早期リハ加算の起算日は「入院の連続性」で判断します
早期リハビリテーション加算の起算日は、原則として入院日を軸に判断します。同一医療機関への入院が続いている場合は、疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、早期リハ加算は当初の入院日から変更しません。一方、転院は転院日、退院後の再入院は再入院日が起算日です。本記事では、疑義解釈その 6 の問 16・問 17 をもとに、PT・OT・ST が迷いやすい 4 ケースと院内での確認方法を整理します。
本記事は起算日のケース判断に絞っています。早期リハ加算の点数、対象疾患、14 日上限、休日加算まで確認する場合は、総論記事から確認してください。
結論|同一入院なら当初入院日、転院・再入院なら新しい入院日です
早期リハ加算の起算日は、疾患名の変更ではなく、同一医療機関への入院が継続しているかを先に確認します。同一入院中に疾患別リハの起算日だけが変わっても、早期リハ加算の起算日はリセットしません。

| ケース | 早期リハ加算の起算日 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 同一医療機関に入院継続中 | 当初の入院日 | 疾患別リハの起算日が変わっても変更しない |
| 他の医療機関へ転院 | 転院日 | 同一病院内の転棟と区別する |
| 退院後に再入院 | 再入院日 | 退院を挟んでいるか確認する |
| 外来リハ中に急性増悪等で入院 | 要件を満たせば入院日 | 入院契機となった疾患と対象疾患要件を確認する |
迷った場合は、次の順番で確認します。
- 同じ医療機関への入院が続いているか
- 退院または他院への転院を挟んでいるか
- 外来からの入院では対象疾患の要件を満たしているか
起算日はフローチャートで確認できます
最初に「同一入院継続か」「転院・再入院か」「外来からの入院か」を分けると、疾患別リハの起算日と混同しにくくなります。

早期リハ加算の起算日確認シート PDF
転院・再入院・疾患変更・外来リハ中の急性増悪を 1 枚で確認できる A4 PDF です。医事課、リハ科、病棟スタッフで認識をそろえる際は、患者ごとの日付を確認しながら使用してください。
ケース別|転院・再入院・疾患変更の起算日
ケース別判断では、疾患別リハの種類より先に、患者の入退院経過を確認することが重要です。
同一医療機関への入院を継続している場合
同一医療機関への入院が続いている場合は、早期リハ加算の起算日は当初の入院日から変更しません。入院中に異なる疾患を発症した場合や、急性増悪により疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わった場合も同様です。
例えば、入院中に新たな疾患を発症し、算定する疾患別リハやその起算日を変更しても、それだけを理由に早期リハ加算を新しい日付から再度数えることはできません。
他の医療機関へ転院した場合
新たな疾患の発症などを契機に他の医療機関へ転院した場合は、転院日を早期リハ加算の起算日とします。
ここでいう転院は、他の医療機関へ移る場合です。同じ医療機関内で病棟が変わる転棟は、原則として同一医療機関への入院継続として整理します。
退院後に再入院した場合
一度退院した患者が再入院した場合は、再入院日を早期リハ加算の起算日とします。
実際の現場では、一時的な病棟移動、転院、退院後の再入院が申し送り上で混ざることがあります。リハ部門だけで判断せず、医事課が管理する入退院情報と照合してください。
外来リハ中の患者が急性増悪等で入院した場合
外来で疾患別リハを実施していた患者でも、急性増悪等を契機に入院し、所定の要件を満たす場合は、入院日を起算日として早期リハ加算を算定できます。
ただし、外来から入院したという事実だけで算定できるわけではありません。入院契機となった疾患によって疾患別リハビリテーション料の起算日が切り替わることと、早期リハ加算の対象疾患要件を満たすことを確認します。
よくある失敗|疾患別リハの起算日と混同しないことが重要です
最も起こりやすい失敗は、疾患別リハの起算日が変更されたため、早期リハ加算も新しい日付から数え直せると判断してしまうことです。
| よくある判断 | 正しい整理 | 確認する情報 |
|---|---|---|
| 疾患別リハの起算日が変わったため、早期リハ加算もリセットする | 同一入院中なら当初入院日を維持する | 当初入院日、入院継続の有無 |
| 病棟を移ったため、移動日を起算日にする | 同一医療機関内の転棟は、他院への転院と分ける | 医療機関の変更有無 |
| 退院後も以前の入院日を引き継ぐ | 退院後の再入院は再入院日を起算日とする | 退院日、再入院日 |
| 外来リハ中の患者は算定できない | 入院契機と対象疾患要件を満たせば入院日起算で算定できる | 入院契機、疾患別リハの起算日、対象疾患要件 |
記録・共有では2つの起算日を分けて残します
院内記録では、「疾患別リハの起算日」と「早期リハ加算の起算日」を別項目として扱うと、算定判断の経過を追いやすくなります。
療養病棟や複数病棟をまたぐ運用では、病棟移動日を転院日と誤認したり、新たな疾患の発症日を早期リハ加算の起算日として登録したりする可能性があります。少なくとも、当初入院日、退院・転院の有無、疾患別リハの起算日、早期リハ加算の起算日を分けて確認してください。
| ケース | 共有・確認メモ例 |
|---|---|
| 同一入院中に疾患別リハの起算日変更 | 同一医療機関への入院継続中。疾患別リハ起算日は変更したが、早期リハ加算は当初入院日を起算日とする。 |
| 他院から転院 | 他医療機関からの転院のため、当院転院日を早期リハ加算の起算日として確認。 |
| 退院後の再入院 | 前回入院から退院を挟んでいるため、今回の再入院日を早期リハ加算の起算日として確認。 |
| 外来から急性増悪等で入院 | 外来リハ実施中であったが、入院契機となった疾患による起算日変更および対象疾患要件を確認し、入院日起算で判断。 |
記録例は院内の正式様式や医事課の運用を置き換えるものではありません。最終的な算定可否は、最新の告示・通知・疑義解釈および地方厚生局等への確認を踏まえて判断してください。
よくある質問
各項目名をタップすると回答が開きます。
疾患別リハの起算日が変わったら、早期リハ加算も数え直せますか?
同一医療機関への入院が継続している場合は数え直しません。疾患別リハビリテーションの起算日が切り替わっても、早期リハ加算は当初の入院日を起算日とします。
同じ病院内で転棟した場合は、転棟日が起算日ですか?
同一医療機関内の転棟は、他の医療機関へ移る転院とは分けて考えます。入院が継続している場合は、原則として当初の入院日を維持します。
他院から転院してきた場合は、どの日が起算日ですか?
新たな疾患の発症等を契機に転院した場合は、転院日を早期リハ加算の起算日とします。
退院後に再入院した場合は、前回の入院日を引き継ぎますか?
引き継ぎません。退院していた患者が再入院した場合は、再入院日を早期リハ加算の起算日とします。
外来リハ中の患者が入院した場合も算定できますか?
入院契機となった疾患によって疾患別リハビリテーション料の起算日が切り替わり、早期リハ加算の対象疾患要件を満たす場合は、入院日を起算日として算定できます。
次の一手
早期リハ加算の点数、対象疾患、14 日上限、休日リハビリテーション加算まで確認する場合は、早期リハ加算 2026 の全体整理へ進んでください。
令和 8 年 6 月 1 日時点で算定を開始していたかどうかによる扱いを確認する場合は、早期リハ加算の6月1日またぎで 3 つのパターンを確認できます。
参考文献
- 厚生労働省保険局医療課. 疑義解釈資料の送付について(その 6). 2026 May 22. 厚生労働省資料.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

