リハビリ1単位はどこから?移動時間・19分・中断の判断基準

制度・実務
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リハビリ1単位はどこから?移動時間・19分の結論

疾患別リハビリテーション料の1単位は、患者に対して20分以上の個別療法として訓練した場合に成立します。患者と会った時刻や病室へ迎えに行った時刻ではなく、評価・歩行練習・移乗練習などの直接的な個別療法を開始した時点から数えるのが基本です。単純搬送、準備、記録、待機を足して20分にすることはできず、直接訓練が19分なら1単位としては算定しません。本記事では、移動・中断・21分の扱いまで現場で迷わない形に整理します。

先に結論
  • 1単位は、患者に対する個別療法を20分以上行った場合に成立する
  • 直接訓練が19分なら、搬送や記録を加えて1単位にはできない
  • 直接訓練が21分なら1単位であり、2単位ではない
  • 移動そのものが歩行・移乗練習なら、訓練内容として扱える場合がある

1単位は「20分以上の個別療法」で判断する

1単位の判断基準は、患者に対して20分以上、個別療法として訓練を行ったかどうかです。

厚生労働省の実施上の留意事項では、疾患別リハビリテーション料について、患者に対して20分以上個別療法として訓練を行った場合を1単位とし、訓練時間が1単位に満たない場合は基本診療料に含まれると示されています。

そのため、「療法士が患者に関わっていた時間」と「個別療法として訓練していた時間」は分けて考えます。搬送、器具の準備、電子カルテへの記録、スタッフ単独の移動は必要な業務ですが、それだけでは個別療法の訓練時間にはなりません。

1単位の20分に含めるかを判断する基本軸
確認すること 含める方向 含めない方向
患者への介入 評価、訓練、動作練習を実施している 患者を待たせているだけ
移動 歩行・移乗・車椅子操作の練習として実施 目的地まで単純に搬送
安全確認 運動負荷を調整しながら評価・訓練を継続 訓練を止めて回復を待っているだけ
準備・記録 患者参加型の装具操作・自己管理練習 スタッフだけで器具準備・記録を実施

どこから開始する?5ステップで判断する

開始時刻は「患者に会った時刻」ではなく、個別療法として説明できる評価・訓練を始めた時刻として整理します。

  1. 患者への直接介入か
    スタッフ単独の準備や移動ではなく、患者へ直接関わっている内容かを確認します。
  2. 評価・訓練として目的があるか
    筋力、動作能力、歩行、耐久性、ADLなどを評価・練習しているかを確認します。
  3. 移動が訓練として成立しているか
    単純搬送ではなく、歩行・移乗・車椅子操作の練習として実施しているかを確認します。
  4. 待機・記録・準備を除いたか
    患者への直接訓練に当たらない時間を合計時間から切り分けます。
  5. 直接訓練が20分以上あるか
    除外時間を差し引いた個別療法の合計時間で単位数を判断します。
リハビリ1単位の時間カウントを直接介入・移動・除外時間・20分基準で判断するフロー
患者への直接介入、訓練目的、移動内容、除外時間、合計時間の順で確認します。

病室で起き上がり、端座位、移乗を評価・練習してからリハ室へ向かった場合は、病室で訓練を開始した時点から説明できます。一方、患者を車椅子へ乗せてリハ室まで運び、到着後に初めて評価・訓練を始めた場合は、リハ室での訓練開始時点から数える整理が基本です。

リハビリ時間に含む・含めない時間を図で確認する

移動や待機は、行為の名称だけで決めず、患者に対する個別療法として成立しているかで判断します。

リハビリ1単位の時間に含む時間と含めない時間の判断図
歩行訓練や移乗練習などの直接介入は含める方向で考え、単純搬送、機器準備、記録は切り分けます。

移動時間は目的によって扱いが変わる

移動時間は、単純搬送なら訓練時間から除き、移動そのものが歩行・移乗などの個別療法なら訓練内容として判断します。

「病室からリハ室まで患者と一緒に移動した」という事実だけでは、訓練時間に含める根拠にはなりません。歩行速度、介助量、方向転換、耐久性、車椅子操作などを目的として介入し、実施内容と結果を記録できるかが判断の分かれ目です。

スマートフォンでは表を横スクロールできます。

移動時間を1単位に含めるか迷いやすいケース
ケース 扱いの目安 判断理由 記録する内容
患者を車椅子でリハ室へ搬送 原則として含めない 目的地までの単純搬送であり、個別療法としての訓練ではない 搬送後に開始した訓練の時刻と内容
歩行訓練として病棟内を移動 含める方向 移動そのものが歩行能力・耐久性の評価や練習になる 距離、介助量、歩行補助具、休憩、症状
車椅子自走でリハ室へ移動 内容によって判断 駆動練習として介入しているか、単なる移動かで異なる 駆動距離、操作課題、介助・指示、結果
スタッフが1人でリハ室へ移動 含めない 患者不在であり、患者への個別療法ではない 単位時間には入れない
スタッフが機器を取りに行く 含めない スタッフ側の準備時間である 準備時間と訓練時間を分ける
病室で移乗練習後に車椅子で移動 練習部分のみ含める 移乗練習と、その後の単純搬送を分ける必要がある 移乗方法、介助量、開始・終了時刻

直接訓練が19分なら1単位として算定しない

患者への個別療法が19分で終了した場合は、1単位としては算定しません。

疾患別リハビリテーション料の1単位は20分以上の個別療法であり、19分を四捨五入したり、搬送・準備・記録を加えて20分にしたりする考え方ではありません。療法士が患者に関わった総時間が20分を超えていても、個別療法としての訓練が19分なら1単位未満です。

血圧低下、疼痛、意識状態の変化などにより19分で中止した場合は、単位を成立させるために訓練を延長せず、安全を優先します。実施した内容、患者の反応、中止理由、対応を診療録へ残します。

19分の判断

直接訓練19分+車椅子搬送3分+記録5分=27分であっても、個別療法は19分のため1単位としては算定しません。

直接訓練が21分なら1単位として扱う

直接的な個別療法を21分行った場合は1単位であり、2単位にはなりません。

1単位は20分以上を基準とするため、21分、25分、30分の直接訓練は基本的に1単位です。2単位として扱うには、2単位分となる40分以上の個別療法が必要です。単位数を増やすために、端数時間を切り上げることはできません。

直接訓練時間と単位数の基本的な対応
個別療法の訓練時間 単位数の基本 注意点
19分 0単位 搬送や記録を足して20分にしない
20分 1単位 20分が個別療法として成立している必要がある
21〜39分 1単位 端数を切り上げて2単位にしない
40〜59分 2単位 除外時間を差し引いた直接訓練時間で判断する
60分以上 3単位以上を検討 患者ごとの上限、対象、加算・減算要件も別途確認する

途中中断・待機は実際の訓練時間から除く

訓練を中断して患者の回復を待っている時間は、個別療法を実施していなければ訓練時間から除きます。

血圧低下、疼痛、トイレ、処置、検査、医師・看護師の対応などが入ると、開始から終了までの経過時間と実際の訓練時間が一致しません。たとえば、14時に開始して14時25分に終了しても、途中に10分の待機があれば直接訓練は15分です。

一方、休憩中も呼吸状態や自覚症状を評価し、運動負荷調整のための介入を継続している場合は、一律に除外と決めつけず、実施内容に基づいて判断します。ただし、単に座って回復を待っているだけの時間まで訓練時間へ含めないようにします。

バイタル確認は目的と実施状況で分ける

バイタル測定は、リハビリテーション評価として実施しているのか、訓練開始前の一般的な確認なのかで整理します。

運動前後の血圧・脈拍・SpO2を比較し、運動耐容能の評価や負荷量の調整に用いる場合は、評価の一部として説明しやすくなります。一方、測定後に長時間待機した時間や、機器を探している時間まで含めることはできません。

施設内で差が出やすい部分なので、「何分まで含める」と時間だけで決めるのではなく、目的、患者への介入、評価結果、訓練への反映を記録できる運用にします。

開始・終了・中断が分かる記録例

記録では、時刻だけでなく、実施内容と除外時間が分かるようにします。

記録例

14:00、病室にて起き上がり・端座位保持練習を開始。端座位は見守り、立ち上がりは軽介助。14:08から歩行器歩行を実施し、病棟廊下30mを軽介助。14:15、血圧低下とふらつきを認めたため訓練を中断。臥床後に看護師へ報告し、14:19に症状改善を確認。直接訓練15分のため疾患別リハ料は算定せず。

療養病棟では、患者の覚醒状態や循環動態により予定より早く中止することがあります。こうした場合に時間を20分へ合わせるのではなく、患者状態、中止基準、実施できた内容を明確に残す方が、安全管理と監査対応の両面で説明しやすくなります。

よくある失敗は「滞在時間」を訓練時間にすること

最も避けたいのは、患者と一緒にいた経過時間を、そのまま個別療法の時間として記録することです。

1単位の時間管理で起こりやすい失敗と修正方法
よくある失敗 問題点 修正方法
迎えに行った時刻を開始時刻にする 単純搬送が訓練時間に混ざる 評価・訓練を実際に始めた時刻を記録する
19分を1単位として入力する 20分以上という要件を満たさない 算定せず、中止理由と実施内容を残す
21分を2単位に切り上げる 2単位分の訓練時間がない 21分は1単位として扱う
待機を含めて20分にする 実際の個別療法時間が不明確になる 中断・待機時間を差し引く
移動はすべて含めない 歩行・移乗練習まで除外する可能性がある 移動の目的と訓練内容で判断する
時刻だけを記録する 個別療法として成立した根拠が分からない 目的、内容、介助量、結果も記録する

リハビリ1単位カウント早見表PDF

移動、待機、中断、19分問題を「含める・含めない・内容によって判断」に分けたA4早見表です。部門内の申し合わせ、新人教育、監査前の自己点検に使用できます。

PDF:リハビリ1単位カウント早見表

移動・待機・中断・19分問題をA4 1枚で確認できるチェックシートです。

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施設内ルールは公式要件を変えるものではない

施設内の申し合わせは、公式の20分要件を緩和するものではなく、開始・終了・中断を同じ方法で記録するために整備します。

「19分でも状況によって1単位とする」「移動は一律5分まで含める」といった独自ルールを作るのではなく、次の項目を統一する方が安全です。

  • 直接訓練を開始・終了した時刻の記録方法
  • 中断時間を除外する方法
  • 歩行・移乗練習として移動を扱う条件
  • 19分以下で中止した場合の入力方法
  • 中止理由、患者反応、報告先の記録方法

記録、説明、準備などの除外時間を詳しく整理したい場合は、訓練時間に含めない時間【2026改定】を確認してください。

よくある質問

直接訓練が19分でも、記録時間を足せば1単位になりますか?

なりません。1単位は患者に対する20分以上の個別療法としての訓練です。記録、準備、単純搬送を足して20分にすることはできません。

患者を迎えに行った時刻から開始してよいですか?

迎えに行っただけでは開始とはしにくく、患者への評価・訓練を実際に始めた時点から整理します。病室で起居・移乗練習を始めた場合は、その開始時点から説明できます。

歩いてリハ室まで移動した時間は含められますか?

歩行能力、介助量、耐久性などを評価・練習している場合は、歩行訓練として扱える可能性があります。単に目的地へ移動しただけの場合は切り分けます。

21分実施した場合は2単位になりますか?

なりません。21分の個別療法は1単位です。2単位として扱うには、原則として40分以上の個別療法が必要です。

途中で10分休憩した場合は休憩も含めますか?

単に回復を待っている時間は訓練時間から除きます。休憩中も状態評価や運動負荷調整のための介入を継続した場合は、実施内容に基づいて判断し、記録へ残します。

次の一手

まずは、開始時刻を「患者に会った時刻」ではなく「個別療法として評価・訓練を始めた時刻」に統一します。そのうえで、搬送・準備・記録・待機を除き、直接訓練が20分以上あるかを確認してください。


参考資料

  1. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について:第7部 リハビリテーション.厚生労働省資料
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定 個別改定項目について.厚生労働省PDF.2026.
  3. 厚生労働省保険局医療課.令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈資料の送付について.厚生労働省PDF.2026.
  4. 厚生労働省保険局医療課.令和8年度診療報酬改定関連通知及び官報掲載事項の一部訂正について.厚生労働省PDF.2026.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリテーションの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、リハビリテーション栄養、シーティング、摂食・嚥下

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