脊髄レベル一覧|C5・C6・C7・胸髄・腰髄の機能を図で整理

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脊髄レベルとは

脊髄レベルとは、脊髄や神経根のどの高さが障害されているかを示す考え方です。

臨床では、筋力、感覚、深部腱反射、ADL、呼吸機能などを確認しながら、障害レベルを推定します。

特に脊髄損傷では、C5、C6、C7、Tレベル、Lレベル、Sレベルによって、残存しやすい機能やADLの目安が変わります。

この記事では、脊髄レベルの基本、代表筋、感覚、反射、ADLの見方、ミオトーム・デルマトームとの関係を整理します。

脊髄レベル一覧

まずは、代表的な脊髄レベルと確認しやすい機能を一覧で整理します。

脊髄レベルのかんたん整理。頸髄、胸髄、腰仙髄の機能と確認項目を整理した図
脊髄レベルは、頸髄・胸髄・腰仙髄に分けて、筋力・感覚・反射・ADLを合わせて確認します。
脊髄レベルの代表的な目安
レベル 確認しやすい運動 臨床での見方
C4 横隔膜機能 呼吸機能の確認が重要
C5 肘屈曲、肩外転 上腕二頭筋、三角筋を確認
C6 手関節背屈 手首を反らす力を確認
C7 肘伸展 上腕三頭筋を確認
C8 手指屈曲 握る力を確認
T1 手指外転 手内在筋を確認
Tレベル 体幹機能 座位バランス、体幹制御を確認
L2 股関節屈曲 腸腰筋を確認
L3 膝伸展 大腿四頭筋を確認
L4 足関節背屈 前脛骨筋を確認
L5 母趾伸展 長母趾伸筋を確認
S1 足関節底屈 下腿三頭筋を確認

脊髄レベルは、1つの動作だけで決めるものではありません。筋力、感覚、反射、疼痛、画像所見、ADLを合わせて総合的に判断します。

頸髄レベルの目安

頸髄レベルでは、上肢機能と呼吸機能が重要です。

頸髄レベルの目安
レベル 代表的な機能 確認ポイント
C4 横隔膜機能 呼吸状態、咳嗽力
C5 肘屈曲、肩外転 上腕二頭筋、三角筋
C6 手関節背屈 手関節伸筋群
C7 肘伸展 上腕三頭筋
C8 手指屈曲 手指屈筋群
T1 手指外転 骨間筋など

C5〜T1は上肢のミオトームと関係が深く、筋力検査と合わせて確認することが多いです。

ミオトームについては、以下の記事でも整理しています。

ミオトームまとめ|神経根ごとの筋力検査・覚え方を図で整理

C5レベルの目安

C5レベルでは、肩外転や肘屈曲が確認しやすい機能です。

C5レベルの確認ポイント
項目 内容
代表筋 三角筋、上腕二頭筋
確認しやすい動作 肩外転、肘屈曲
反射 上腕二頭筋反射
ADLの視点 肘を曲げる動作、上肢の位置調整

C5レベルでは、肘屈曲が保たれるかが上肢機能を考えるうえで重要です。

C6レベルの目安

C6レベルでは、手関節背屈が確認しやすい機能です。

C6レベルの確認ポイント
項目 内容
代表筋 手関節伸筋群
確認しやすい動作 手関節背屈
反射 腕橈骨筋反射
ADLの視点 手関節固定を利用した把持動作

C6レベルでは、手関節背屈を利用した把持動作が重要になります。残存機能をどのようにADLへつなげるかがポイントです。

C7レベルの目安

C7レベルでは、肘伸展が確認しやすい機能です。

C7レベルの確認ポイント
項目 内容
代表筋 上腕三頭筋
確認しやすい動作 肘伸展
反射 上腕三頭筋反射
ADLの視点 プッシュアップ、移乗動作

C7レベルでは、肘伸展が使えることで、移乗や除圧動作の可能性が広がります。

C8・T1レベルの目安

C8とT1は、手指機能を確認するときに重要です。

C8・T1レベルの確認ポイント
レベル 代表的な動作 確認ポイント
C8 手指屈曲 握る力
T1 手指外転 指を開く力

手指機能は、食事、更衣、整容、書字、スマートフォン操作など、細かなADLに関わります。

胸髄レベルの目安

胸髄レベルでは、上肢機能は比較的保たれますが、体幹機能や座位バランスが重要になります。

胸髄レベルの目安
レベル 主な見方 ADLの視点
上位胸髄 体幹上部の制御 座位保持、車椅子操作
中位胸髄 体幹安定性 リーチ動作、座位バランス
下位胸髄 腹筋群の一部 起き上がり、移乗動作

胸髄レベルでは、どの程度体幹を使えるかによって、座位姿勢や移乗動作の安定性が変わります。

腰髄・仙髄レベルの目安

腰髄・仙髄レベルでは、下肢機能や骨盤底機能が重要になります。

腰髄・仙髄レベルの目安
レベル 代表的な機能 確認ポイント
L2 股関節屈曲 腸腰筋
L3 膝伸展 大腿四頭筋
L4 足関節背屈 前脛骨筋
L5 母趾伸展 長母趾伸筋
S1 足関節底屈 下腿三頭筋
S2〜S4 骨盤底機能 排尿・排便機能、会陰部感覚

腰仙骨神経叢については、以下の記事でも整理しています。

腰仙骨神経叢まとめ|L1〜S4・主要神経・支配領域を図で整理

脊髄損傷レベルとADLの見方

脊髄損傷では、障害レベルによって残存しやすい機能やADLの目安が変わります。

脊髄損傷レベルとADLの見方
レベル 残存しやすい機能 ADLでみるポイント
C5 肩外転、肘屈曲 食事動作、上肢補助具の活用
C6 手関節背屈 把持動作、車椅子操作
C7 肘伸展 移乗、除圧動作
Tレベル 上肢機能、体幹機能の一部 座位バランス、車椅子ADL
Lレベル 下肢筋力の一部 立位、歩行補助具の検討

ADLの到達目標は、完全損傷か不全損傷か、年齢、合併症、筋力、痙縮、疼痛、環境、補装具の使用状況によって大きく変わります。

ミオトーム・デルマトームとの関係

脊髄レベルを理解するには、ミオトームとデルマトームの整理が役立ちます。

脊髄レベル評価に関係する考え方
用語 みるもの 確認内容
ミオトーム 運動 神経根ごとの筋力
デルマトーム 感覚 神経根ごとの感覚領域
深部腱反射 反射 神経経路の反応

デルマトームについては、以下の記事でも整理しています。

デルマトームと末梢神経領域の違い|感覚障害の見方をわかりやすく整理

深部腱反射については、以下の記事も参考になります。

深部腱反射とは?見方・評価方法・亢進と低下をわかりやすく解説

臨床で確認するポイント

脊髄レベルを確認するときは、筋力だけでなく複数の情報を合わせて見ます。

  • 筋力低下の分布
  • 感覚障害の範囲
  • 深部腱反射
  • 病的反射の有無
  • 疼痛やしびれの範囲
  • ADLで困っている動作
  • 呼吸機能
  • 排尿・排便機能

病的反射については、以下の記事でも整理しています。

病的反射のやり方と記録【Babinski・Hoffmann】

脊髄レベルを覚えるときの注意点

脊髄レベルは、一覧表だけを丸暗記しても臨床では使いにくいです。

まずは、代表的な筋・感覚・反射をセットで覚えると整理しやすくなります。

  • C5:肘屈曲
  • C6:手関節背屈
  • C7:肘伸展
  • C8:手指屈曲
  • T1:手指外転
  • L3:膝伸展
  • L4:足関節背屈
  • L5:母趾伸展
  • S1:足関節底屈

ただし、実際には複数の神経根が重なって支配するため、単一の筋力低下だけで障害レベルを決めつけないことが大切です。

まとめ

脊髄レベルは、脊髄や神経根のどの高さが障害されているかを理解するための考え方です。

臨床では、筋力、感覚、深部腱反射、ADL、呼吸機能、排尿・排便機能などを合わせて確認します。

  • C5:肩外転、肘屈曲
  • C6:手関節背屈
  • C7:肘伸展
  • C8:手指屈曲
  • T1:手指外転
  • L3:膝伸展
  • L4:足関節背屈
  • L5:母趾伸展
  • S1:足関節底屈

ミオトーム、デルマトーム、深部腱反射を組み合わせて、障害レベルを総合的に整理していきましょう。

FAQ

脊髄レベルとは何ですか?

脊髄レベルとは、脊髄や神経根のどの高さが障害されているかを示す考え方です。筋力、感覚、反射、ADLなどを合わせて確認します。

C5レベルでは何を確認しますか?

C5レベルでは、肩外転や肘屈曲を確認します。代表筋として三角筋や上腕二頭筋をみます。

C6レベルでは何が重要ですか?

C6レベルでは、手関節背屈が重要です。手関節背屈を利用した把持動作やADLへの活用も確認します。

C7レベルでは何を確認しますか?

C7レベルでは、肘伸展を確認します。上腕三頭筋の機能が移乗や除圧動作に関係します。

脊髄レベルは筋力だけで判断できますか?

筋力だけで判断するのは避けます。感覚、反射、ADL、画像所見、疼痛、排尿・排便機能などを合わせて総合的に確認します。

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