- GNRIとは|低栄養の診断ではなく栄養関連リスクを捉える指標
- GNRIの計算式|Albと使用体重・理想体重を代入する
- GNRI自動計算ツールv3
- GNRIの理想体重|GNRI-LFとGNRI-BMI22を区別する
- GNRIの計算手順|5段階で条件と結果を記録する
- GNRIのカットオフ|原著の4段階分類
- GNRIの計算例
- GNRIを解釈するときはAlb・体液・測定条件を分けて確認する
- 透析・心不全でGNRIを使用するときの注意
- GNRIが低値だったときの追加評価
- GNRIの記録方法|点数と計算条件を一緒に残す
- GNRIの再評価|短期的な介入効果とは分けて考える
- GNRI計算・解釈・再評価記録シートPDF
- GNRIで起こりやすい間違い
- GNRIに関するよくある質問
- まとめ|GNRIは計算条件と追加評価を一緒に記録する
- 次に確認する記事
- rehabilikun推奨図書|GNRIの次に学びたい2冊
- 参考文献
- 著者情報
GNRIとは|低栄養の診断ではなく栄養関連リスクを捉える指標
GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index/高齢者栄養リスク指数)は、血清アルブミン値と、使用体重を理想体重で除した比から、高齢者の栄養関連リスクを数値化する指標です。高齢入院患者の予後・合併症リスクを評価する目的で開発され、透析や心不全などでも研究・臨床報告に使用されています。[1]
ただし、GNRIは低栄養を診断する尺度ではありません。アルブミンは炎症や疾病活動性、肝機能、体液変動などの影響を受けるため、GNRI低値を認めても、体重減少、食事摂取量、筋量・筋力、炎症、嚥下・口腔機能、身体機能を追加評価します。[2]
計算時は、①アルブミン・身長・使用体重を確認する、②理想体重の方式を選びGNRIを計算する、③計算条件と低値後の追加評価を記録する、の3段階で進めます。
GNRIを解釈する3つの要点
- GNRIの点数だけで低栄養と診断しない
- アルブミン採血時の炎症・疾病活動性と体液状態を確認する
- 使用体重、身長取得方法、理想体重の方式を記録する
GNRI低値=低栄養ではありません
GNRIはアルブミンと体重情報を組み合わせた栄養関連リスク・予後リスクの指標です。体蛋白量や筋量を直接測定する方法ではなく、栄養介入の内容を自動的に決定するものでもありません。
低栄養評価と栄養スクリーニングの全体像を確認する
GNRIの計算式|Albと使用体重・理想体重を代入する
GNRIは、血清アルブミン値と「使用体重÷理想体重」を用いて計算します。
GNRI = 14.89 × Alb(g/dL)+ 41.7 ×(使用体重÷理想体重)
使用体重÷理想体重が1.00を超える場合は、1.00として代入します。
原著ではアルブミンをg/Lで扱うため、次の式で表記されています。[1]
GNRI = 1.489 × Alb(g/L)+ 41.7 ×(使用体重÷理想体重)
| 項目 | 単位 | 確認すること |
|---|---|---|
| 血清アルブミン | g/dLまたはg/L | 採血日、単位、CRP、感染・急性増悪、浮腫・脱水を確認する |
| 使用体重 | kg | 実測体重、ドライウェイト、透析前後、衣類などの条件を記録する |
| 身長 | cmまたはm | 実測・推定・過去の記録値のどれを使用したか記録する |
| 理想体重 | kg | Lorentz式、BMI 22法、直接入力の方式を明記する |
GNRI自動計算ツールv3
アルブミン、性別、身長、使用体重、理想体重の方式を入力すると、GNRIを自動計算できます。
自動計算ツールv3では、原著Lorentz式によるGNRI-LFと、BMI 22相当体重を使用するGNRI-BMI22を区別して表示します。補正前の体重比と、1.00の上限処理後に式へ代入した値も確認できます。
自動計算ツールで記録できる内容
- アルブミンのg/dL・g/L
- 採血日、CRP、炎症・疾病活動性
- 性別、身長、身長の取得方法
- 実測体重・ドライウェイト・その他の使用体重
- 浮腫、腹水、脱水、透析前後、利尿後などの条件
- GNRI-LF・GNRI-BMI22・IBW直接入力
- 補正前と補正後の体重÷IBW
- GNRI、原著4段階分類、記録用文章
ツールが表示されない場合は、GNRI自動計算ツールv3を別画面で開くから使用してください。
入力情報は外部へ送信・保存されません
計算は使用中のブラウザ内で行われます。ツールの結果をカルテへ転記する場合は、施設の正式様式を優先し、数値と計算条件を確認してください。
GNRIの理想体重|GNRI-LFとGNRI-BMI22を区別する
GNRI原著では、理想体重の算出にLorentz式が使用されています。一方、日本の臨床研究や実務では、BMI 22相当体重を用いる方法も報告されています。[1][3]
両者は同じ患者でも理想体重とGNRIが異なる可能性があるため、本記事では次のように名称を分けます。
- GNRI-LF:原著Lorentz式でIBWを算出したGNRI
- GNRI-BMI22:BMI 22相当体重でIBWを算出したGNRI
| 方式 | 計算式 | 位置づけ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Lorentz式・男性 | 身長−100−(身長−150)÷4 |
原著GNRI-LF | 身長はcmで入力する |
| Lorentz式・女性 | 身長−100−(身長−150)÷2.5 |
原著GNRI-LF | 女性は「÷2」ではなく「÷2.5」 |
| BMI 22法 | 身長(m)×身長(m)×22 |
GNRI-BMI22 | 原著Lorentz式をBMI 22相当体重へ置き換えた方法 |
| IBW直接入力 | 施設・研究で定めたIBW | 独自または施設方式 | 算出方法と参照元を記録する |
日本人高齢入院患者を対象にLorentz式とBMI 22法を比較した研究では、IBW方式によってGNRIの分布やリスク分類が異なりました。研究で得られたカットオフを別の計算方式や対象集団へそのまま当てはめないことが重要です。[3]
経時比較ではIBW方式を変更しない
「GNRI 88」とだけ記録せず、「GNRI-LF 88」または「GNRI-BMI22 88」のように方式名を残します。方式を変更した場合は、前回値との単純比較を避けてください。
GNRIのIBWをLorentz式とBMI 22法から選ぶ考え方を確認する
GNRIの計算手順|5段階で条件と結果を記録する
GNRIは、入力条件を確認してから理想体重と体重比を計算し、最後に原著分類へ当てはめます。
| 手順 | 実施内容 | 記録すること |
|---|---|---|
| 1 | Alb、身長、使用体重を確認する | 採血日、単位、身長取得方法、体重測定条件 |
| 2 | IBW方式を選択して理想体重を計算する | GNRI-LF、GNRI-BMI22、IBW直接入力の別 |
| 3 | 使用体重÷IBWを計算する | 補正前の比と、1.00上限処理の有無 |
| 4 | GNRIの式へ代入する | Alb、体重比、中間値、最終値 |
| 5 | リスク分類と追加評価を決める | 分類、炎症・体液条件、追加評価、共有先、再評価条件 |
小数点以下の処理によって境界付近の分類が変わる可能性があります。計算途中では十分な桁数を保持し、最終表示の段階で施設のルールに従って丸めます。
GNRIのカットオフ|原著の4段階分類
GNRI原著では、栄養関連リスクを4段階に分類しています。[1]
| GNRI | 栄養関連リスク | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 98より高い | リスクなし | 摂取量、体重、活動量の変化を継続して確認する |
| 92以上98以下 | 低リスク | 体重推移、摂取量、疾病活動性を確認する |
| 82以上92未満 | 中等度リスク | 体重減少、摂取量、筋量・筋力、炎症を追加評価する |
| 82未満 | 高度リスク | 多職種で包括的栄養評価と介入の必要性を検討する |
98の扱いは資料によって異なります
本記事と自動計算ツールでは原著に合わせ、98は低リスク、98を超えた場合をリスクなしとしています。一方、日本心不全学会のステートメントなどでは「98以上=リスクなし」と示す資料もあります。使用する分類と境界値を施設内で統一してください。[6]

疾患別の研究では、原著分類とは異なるカットオフが設定されることがあります。研究の対象、IBW方式、測定条件、予測したアウトカムを確認し、別の患者集団へ一律に適用しないでください。
GNRIの計算例
計算例1|GNRI 82.2で中等度リスク
- Alb:3.0g/dL
- 使用体重÷IBW:0.90
GNRI = 14.89×3.0+41.7×0.90
=44.67+37.53=82.20
GNRIは82.2で、本記事の原著4段階分類では中等度リスクです。GNRIだけで低栄養と診断せず、体重減少、食事摂取量、筋量・筋力、炎症・疾病負荷などを追加評価します。
計算例2|体重比を1.00へ補正する
- Alb:3.8g/dL
- 使用体重:70kg
- IBW:55kg
補正前の使用体重÷IBWは、70÷55=1.273です。1.00を超えるため、GNRIの式には1.00を代入します。
GNRI = 14.89×3.8+41.7×1.00
=56.582+41.7=98.282
GNRIは約98.3で、本記事の原著分類ではリスクなしです。ただし、体重減少や摂取量低下が疑われる場合は、GNRIが保たれていても追加評価します。
計算例3|女性155cmのLorentz式
女性・身長155cmの場合、Lorentz式によるIBWは次のように計算します。
155−100−(155−150)÷2.5
=55−2=53.0kg
女性のLorentz式は「÷2.5」です。「÷2」で計算すると異なるIBWとなり、GNRIも変化するため注意してください。
GNRIを解釈するときはAlb・体液・測定条件を分けて確認する
GNRIが変化した場合は、アルブミンと体重比のどちらが変化したのかを分けて確認します。
アルブミンは体蛋白量や筋量を直接表さない
アルブミンは、炎症に伴う肝蛋白合成の変化、毛細血管透過性、感染、急性・慢性疾患、肝機能、体液量などの影響を受けます。ASPENのポジションペーパーでは、アルブミンを体蛋白量や筋量の代用指標、または低栄養そのものの指標として使用すべきではないとされています。[2]
アルブミン低値は無視するのではなく、炎症を含む栄養関連リスクや不良転帰との関連を示す情報として扱います。
浮腫・腹水・脱水で体重とAlbが変化する
浮腫や腹水があると、組織量が減少していても体重が維持または増加することがあります。また、血液希釈によってアルブミンが低く見える可能性があります。
脱水や利尿後は、体重減少や血液濃縮によってGNRIが変化することがあります。経時比較では、測定時刻、透析前後、利尿薬、輸液、衣類、測定機器などの条件を可能な範囲でそろえます。
身長推定の誤差はIBWとGNRIへ影響する
円背、拘縮、立位困難などで身長を推定した場合は、その方法を記録します。身長が変わるとLorentz式・BMI 22法のどちらでもIBWが変わり、体重比とGNRIへ影響します。
| 変化 | 考えられる要因 | 追加確認 |
|---|---|---|
| Albが低下した | 炎症、感染、急性増悪、肝機能、血液希釈 | CRP、病態、浮腫、輸液、採血条件 |
| 体重比が低下した | 組織量減少、脱水、利尿、透析条件差 | 摂取量、体重推移、入出量、測定時刻 |
| GNRIが改善した | 病態改善、炎症軽減、体重増加、体液変化 | 摂取実績、筋量・筋力、身体機能、体液状態 |
| 前回と区分が変わった | 境界値、小数点処理、IBW方式、測定条件差 | 計算過程、IBW方式、採血日、体重条件 |
透析・心不全でGNRIを使用するときの注意
透析患者ではドライウェイトと91.2の出典を確認する
維持血液透析患者では、GNRI 91.2未満を栄養関連リスクの目安とした日本の研究があります。[4]
この研究では、MISを参照基準としてGNRIの判別能を検討し、91.2未満が最も正確なカットオフとして示されました。実務では約92として扱われることがありますが、すべての透析患者に共通する低栄養の診断基準ではありません。
| 確認事項 | 結果への影響 | 記録すること |
|---|---|---|
| 透析前後の体重 | 除水量によって体重比が変化する | 透析前・透析後・ドライウェイトの別 |
| 炎症・感染 | Albが栄養状態以外の要因で低下する | CRP、感染症、アクセス感染、病態 |
| 食事摂取量 | GNRIだけでは摂取不足を把握できない | 食事記録、食欲、透析日の摂取状況 |
| 筋量・身体機能 | GNRIだけではサルコペニアを診断できない | 筋量、握力、歩行、活動量 |
経時比較では、同じIBW方式と体重条件を使用します。ドライウェイトが変更された場合は、GNRIの変化が栄養状態だけによるものかを確認してください。
心不全ではうっ血と利尿の影響を確認する
心不全患者では、GNRI低値と死亡や再入院などの不良転帰との関連が報告されています。一方、心不全ではうっ血、浮腫、利尿、急性増悪によって体重とアルブミンが変動しやすいため、GNRIの点数だけで栄養状態を判断できません。[6]
- うっ血・浮腫の有無
- 利尿薬の変更と利尿後の体重
- 入院時体重・退院時体重・安定期体重の違い
- CRP、感染症、急性増悪
- 食事摂取量、塩分・水分管理
- 筋力、歩行、耐久性、活動量
GNRIが低いことだけを理由に離床や運動を中止しません。循環動態、呼吸状態、摂取状況、筋力・身体機能を確認し、栄養療法と運動療法を多職種で調整します。
GNRIが低値だったときの追加評価
GNRI低値は、包括的な栄養評価へ進むきっかけです。
- 体重減少:通常体重、減少量、減少率、期間、現在の変化方向を確認する
- 食事摂取量:摂取割合、期間、食べられない理由、必要量との差を確認する
- 筋量・筋力:身体所見、下腿周囲長、握力、画像情報など利用可能な方法で確認する
- 炎症・疾病負荷:CRP、感染症、急性増悪、悪性疾患、褥瘡などを確認する
- 嚥下・口腔機能:咀嚼、義歯、むせ、食形態、食事時間、口腔状態を確認する
- 身体機能:ADL、歩行、耐久性、離床時間、活動量の変化を確認する
GLIMを使用する場合もGNRIだけで診断しない
GLIMでは、栄養リスクの確認後に、体重減少・低BMI・筋量低下の表現型基準と、摂取低下・吸収障害・炎症・疾病負荷の病因基準を評価します。少なくとも表現型基準と病因基準を各1項目満たすことが低栄養診断に必要です。[5]
GNRIの記録方法|点数と計算条件を一緒に残す
再評価で比較できるように、GNRIの点数だけでなく、Alb、使用体重、IBW、IBW方式、体液条件を記録します。
| 区分 | 記録内容 | 記録例 |
|---|---|---|
| Alb | 値、単位、採血日、炎症 | Alb 3.1g/dL、8月6日採血、CRP上昇あり |
| 身長 | 値、実測・推定の別 | 155cm、実測困難のため過去記録値 |
| 使用体重 | 値、種類、測定条件 | 48.0kg、透析後ドライウェイト |
| IBW | 値、算出方式 | 53.0kg、女性Lorentz式 |
| 体重比 | 補正前、代入値、上限処理 | 48.0÷53.0=0.906、上限処理なし |
| 結果 | GNRI、方式、分類 | GNRI-LF 84.0、中等度リスク |
| 次の対応 | 追加評価、共有先、再評価条件 | 摂取量・筋力を確認し、管理栄養士へ共有 |
記録例
「GNRI-LF 84.0(中等度リスク)。Alb 3.1g/dL、使用体重48.0kg、IBW 53.0kg、体重比0.906。女性Lorentz式を使用。下腿浮腫とCRP上昇を認めるため、Alb低値を栄養状態のみでは説明できない。体重減少、摂取量、筋量・筋力を追加評価し、多職種で共有する」
GNRIの再評価|短期的な介入効果とは分けて考える
GNRIの再評価時期は一律ではなく、採血、体重、病態、栄養介入の変化に合わせて設定します。
アルブミンは炎症や病態の影響を受けるため、GNRIが短期間で改善しないことだけを理由に栄養介入が無効と判断しません。短期的な介入効果は、実際の摂取量、症状、忍容性、体重・体液、筋力、身体機能、創傷などから評価します。[2]
| 場面 | 再評価の契機 | 同時に確認する情報 |
|---|---|---|
| 初回評価 | 入院・入所・介入開始時 | Alb、体重、IBW方式、炎症、体液、摂取量 |
| 病態変化 | 感染、急性増悪、手術、利尿、透析条件変更 | CRP、体液、測定条件、摂取量 |
| 栄養介入後 | 食事調整、補助食品、経腸・静脈栄養の変更 | 摂取実績、症状、忍容性、体重、身体機能 |
| 定期確認 | 施設の採血・体重測定計画 | 前回との条件差、介入内容、IBW方式 |
再評価時にIBW方式、身長、体重測定条件、採血時の病態が異なる場合は、GNRIの単純な増減だけで判断しません。
GNRI計算・解釈・再評価記録シートPDF
GNRI-LFとGNRI-BMI22を区別し、Alb、CRP、身長、使用体重、IBW方式、体液条件、追加評価、共有先、再評価条件をまとめて記録できるA4補助シートです。
女性Lorentz式は「身長−100−(身長−150)÷2.5」と明記しています。補正前の使用体重÷IBWと、1.00の上限処理後に式へ代入した値を分けて記録できます。
A4縦・1ページ
GNRI計算・解釈・再評価 記録シートv4
採血条件、実測・推定身長、実測体重・ドライウェイト、GNRI-LF・GNRI-BMI22、体重比の上限処理、原著分類、追加評価、共有先、介入内容、再評価条件を記録できます。
PDFのプレビューを表示する
本シートは非公式な記録補助資料です
施設の正式様式と評価手順を優先してください。GNRIは低栄養を診断する尺度ではありません。経時比較では、IBW方式、採血条件、使用体重、体液条件を可能な範囲で統一してください。
GNRIで起こりやすい間違い
GNRIでは、計算式よりもアルブミンの解釈、IBW方式、体重条件、上限処理の誤りが問題になります。
| よくある間違い | 問題点 | 対策 |
|---|---|---|
| Albを低栄養そのものの指標とする | 炎症・疾病活動性・体液変動の影響を見落とす | CRP、病態、浮腫、脱水、体重減少、摂取量を確認する |
| 女性Lorentz式を÷2で計算する | IBWとGNRIが誤った値になる | 女性は「身長−100−(身長−150)÷2.5」を使用する |
| 体重÷IBWをそのまま代入する | 1を超える場合にGNRIが過大になる | 補正前の比を記録し、式への代入値は1.00を上限とする |
| GNRI-LFとGNRI-BMI22を混在させる | 同じ患者でも数値が変わり、経時比較できない | GNRIの数値と一緒にIBW方式を記録する |
| 浮腫を含む体重を無条件に使う | 体重比が栄養状態以外の影響を受ける | 体液状態、透析前後、利尿、測定条件を記録する |
| 疾患別カットオフを全患者へ使う | 対象集団・アウトカム・計算方法が異なる | カットオフの出典、対象、IBW方式を確認する |
| GNRIだけで低栄養を診断する | 摂取量、筋量、体重減少、疾病負荷が不足する | GNRIを入口として包括的な栄養評価へ進む |
GNRIに関するよくある質問
各質問をタップまたはクリックすると回答が開きます。
GNRIは栄養スクリーニングですか?
GNRIは、アルブミンと体重・理想体重から栄養関連リスクを数値化する指標です。施設や研究でリスク抽出に使用されることはありますが、GNRIだけで低栄養を診断することはできません。
女性のLorentz式はどのように計算しますか?
女性は「身長−100−(身長−150)÷2.5」で計算します。男性は「身長−100−(身長−150)÷4」です。身長はcmで入力します。
理想体重はLorentz式とBMI 22法のどちらを使いますか?
原著GNRIはLorentz式を使用しています。日本の実務や研究ではBMI 22法も使用されますが、両者は結果が異なる可能性があります。施設の手順と目的に合わせて選び、経時比較では方式を統一してください。
現体重が理想体重を上回る場合はどう計算しますか?
使用体重÷理想体重が1.00を超える場合は、GNRIの式へ1.00を代入します。補正前の比と、上限処理を行ったことを記録してください。
アルブミンが低ければ低栄養と判断できますか?
判断できません。アルブミンは炎症、感染、肝機能、浮腫、脱水などの影響を受けます。体重減少、摂取量、筋量・筋力、疾病負荷などを含めて評価します。
透析患者ではGNRI 92未満を低栄養と判断しますか?
維持血液透析患者では、GNRI 91.2未満を栄養関連リスクの目安とした研究がありますが、絶対的な低栄養診断基準ではありません。ドライウェイト、炎症、摂取量、筋量・身体機能を追加評価します。
GNRIはどのくらいの頻度で再評価しますか?
一律の頻度ではなく、採血予定、体重変動、病態変化、栄養介入、透析・利尿条件などに応じて設定します。経時比較ではIBW方式と測定条件をそろえます。
自動計算ツールやPDFの結果をカルテへ記録できますか?
自動計算ツールの記録用文章やPDFを補助的に使用できます。ただし、施設の正式様式を優先し、Alb、使用体重、IBW、IBW方式、体重比、炎症・体液条件、追加評価を確認してから記録してください。
まとめ|GNRIは計算条件と追加評価を一緒に記録する
GNRIは、血清アルブミンと使用体重・理想体重から、高齢者の栄養関連リスクを数値化する指標です。低栄養を診断する尺度ではなく、低値の場合に包括的な栄養評価へ進むきっかけとして使用します。
原著GNRIではLorentz式を使用します。男性は「身長−100−(身長−150)÷4」、女性は「身長−100−(身長−150)÷2.5」です。BMI 22相当体重を使用する場合は、GNRI-BMI22として原著GNRI-LFと区別します。
使用体重÷IBWが1.00を超える場合は、式へ1.00を代入します。補正前の体重比と上限処理の有無も記録してください。
アルブミンは炎症や疾病活動性、体液量などの影響を受けます。GNRIの変化を栄養介入の効果だけで説明せず、摂取量、体重・体液、筋量・筋力、身体機能、病態の変化を確認します。
再評価では、採血条件、身長取得方法、使用体重、IBW方式を可能な範囲で統一し、GNRIの点数と追加評価・対応を一緒に記録してください。
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参考文献
- Bouillanne O, Morineau G, Dupont C, et al. Geriatric Nutritional Risk Index: a new index for evaluating at-risk elderly medical patients. Am J Clin Nutr. 2005;82(4):777-783. DOI: 10.1093/ajcn/82.4.777. PubMed: PMID 16210706.
- Evans DC, Corkins MR, Malone A, et al. The use of visceral proteins as nutrition markers: an ASPEN position paper. Nutr Clin Pract. 2021;36(1):22-28. DOI: 10.1002/ncp.10588.
- Kitabayashi K, Yamamoto S, Narita I. Appropriate anthropometric indices for Geriatric Nutritional Risk Index in predicting mortality in older Japanese patients: a comparison of the Lorentz formula and body mass index. Tohoku J Exp Med. 2024;262(4):221-228. DOI: 10.1620/tjem.2024.J001. PubMed: PMID 38220167.
- Yamada K, Furuya R, Takita T, et al. Simplified nutritional screening tools for patients on maintenance hemodialysis. Am J Clin Nutr. 2008;87(1):106-113. DOI: 10.1093/ajcn/87.1.106. PubMed: PMID 18175743.
- Jensen GL, Cederholm T, Correia MITD, et al. GLIM consensus approach to diagnosis of malnutrition: a 5-year update. JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2025;49(4):414-427. DOI: 10.1002/jpen.2756. PubMed: PMID 40223699.
- Yamamoto K, Tsuchihashi-Makaya M, Kinugasa Y, et al. Japanese Heart Failure Society 2018 Scientific Statement on Nutritional Assessment and Management in Heart Failure Patients. Circ J. 2020;84(8):1408-1444. DOI: 10.1253/circj.CJ-20-0322.
- Cereda E, Pedrolli C, Zagami A, et al. Geriatric Nutritional Risk Index and overall-cause mortality prediction in institutionalised elderly: a 3-year survival analysis. Clin Nutr. 2008;27(5):717-723. DOI: 10.1016/j.clnu.2008.07.005. PubMed: PMID 18774622.
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、評価方法、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、リハビリテーション栄養、シーティング、摂食・嚥下

