地域一般入院基本料とは
地域一般入院基本料は、A100「一般病棟入院基本料」に含まれる入院料です。地域一般入院料1〜3があり、看護配置、看護師比率、平均在院日数、看護必要度の測定・評価などで区分されます。「地域包括医療病棟入院料」「地域包括ケア病棟入院料」とは別の制度です。
療法士が確認する際は、まず自院の届出区分と施設基準を押さえ、そのうえで患者ごとのリハビリテーション料の算定条件を確認します。この記事では、2026年度の点数と1〜3の違い、平均在院日数の読み方、データ提出加算、リハ算定との関係を整理します。
制度確認日:2026年9月28日。点数・施設基準は厚生労働省の現行告示、届出の扱いは地方厚生局の公開案内を参照しています。
入院料全体の位置づけは、入院基本料とは?療法士向けに病棟機能を整理で確認できます。
地域一般入院料1・2・3の違い
入院料1と2は看護配置・看護師比率・平均在院日数が共通で、入院料1には看護必要度の継続的な測定・評価が求められます。入院料3は、配置と平均在院日数の基準が異なります。
| 項目 | 入院料1 | 入院料2 | 入院料3 |
|---|---|---|---|
| 基本点数/日 | 1,290点 | 1,282点 | 1,097点 |
| 看護配置 | 13対1以上 | 13対1以上 | 15対1以上 |
| 看護職員の最小必要数に占める看護師の割合 | 70%以上 | 70%以上 | 40%以上 |
| 平均在院日数 | 24日以内 | 24日以内 | 60日以内 |
| 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度ⅠまたはⅡ | 継続的に測定し、結果に基づいて評価 | 入院料1と同じ追加要件は規定されていません | 入院料1と同じ追加要件は規定されていません |
| データ提出加算の届出 | 原則必要。例外・経過措置への該当は別途確認 | ||
出典:参考資料1・2。主な相違点の比較であり、施設基準の全項目ではありません。夜勤体制、入院基本料等に共通する基準、加算・減算などは別途確認が必要です。
看護配置の「13対1」「15対1」は届出上の配置基準です。ある時間帯の患者数を、その場にいる看護職員数だけで割って適否を判断するものではありません。勤務実績などを所定の方法で集計し、看護部・施設基準担当者と確認します。
入院料1の看護必要度は、急性期一般入院料のような基準該当患者割合と混同しないことが大切です。ここで示されている追加要件は、測定を継続し、その結果に基づいて評価することです。

平均在院日数24日・60日は患者個人の入院上限ではありません
平均在院日数は病棟の施設基準であり、患者一人ひとりの入院可能日数を示すものではありません。「入院料1なので24日目に必ず退院」「入院料3なので全員60日まで入院可能」とは判断できません。
実務では、病棟の平均在院日数の管理と、患者ごとの治療継続の必要性・退院先・リハビリテーションの見通しを分けて確認します。療法士は入院前の生活、現在の介助量、退院先で必要な動作、家族やサービスの支援状況を早期に共有すると、退院支援につなげやすくなります。
また、90日を超える入院には別の算定上の取扱いがあります。A100の注11では、届出を行った病棟の対象患者について療養病棟入院料1の例により算定する規定があるため、長期入院時は自院の届出と患者の算定区分を医事担当者へ確認してください。平均在院日数の基準だけで長期入院の請求方法は決まりません。
地域一般病棟でのリハは、入院料と個別の算定条件を確認します
地域一般入院基本料の届出だけで、疾患別リハビリテーション料を算定できるわけではありません。リハ部門では、算定するリハ料の施設基準・届出、患者の対象条件、起算日、実施内容・記録を別に確認します。
「地域一般」という名称から、地域包括ケア病棟の包括範囲やリハ提供要件をそのまま当てはめないことが重要です。転棟・転院時には、前の病棟での請求方法を引き継ぐのではなく、移動先の入院料と患者に適用される算定ルールを確認します。
| 確認すること | 照合する情報 | 実務上の注意 |
|---|---|---|
| 現在の入院料 | 病棟の届出区分、患者の算定区分 | 病棟名だけで算定方法を判断しません |
| リハ料の届出 | 対象となる疾患別リハ料の種類・区分、実施体制 | 入院基本料の届出とは分けて確認します |
| 患者の対象条件 | 対象疾患・状態、発症日・手術日等、医師の指示 | 転院日を自動的に新しい起算日としません |
| 実施内容と記録 | 計画、実施時間・内容、患者の反応、再評価 | 必要性と実施内容が対応する記録を残します |
| 退院支援 | 病棟生活での介助量、退院先の環境・支援 | 訓練室の能力と病棟での実行状況を照合します |
なお、A233「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」は、A100の注10で急性期病院一般入院基本料・急性期一般入院基本料に対象が限定されています。地域一般入院基本料を算定する病棟へ、そのまま適用することはできません。多職種で連携する臨床上の必要性と、加算の対象範囲は分けて考えます。
データ提出加算は原則必要ですが、例外・経過措置があります
地域一般入院基本料には、データ提出加算の届出要件があります。一方、新規開設で地域一般入院料3を届け出る場合などの例外や、既存施設に対する経過措置も定められています。
既存施設の経過措置は、2026年3月31日時点の届出、併設する病棟・病室の種類、対象病床数の合計、データ提出が困難である正当な理由などを組み合わせて判断します。「200床未満ならすべて不要」とは言えません。
届出の手順や試行データの扱いは、A245データ提出加算とは|経過措置と届出確認で整理しています。自院の適用条件は、現行の施設基準と管轄厚生局の案内を照合してください。
2026年度は点数・賃上げの届出・再届出の対象を確認します
点数表の基本点数と、自院で実際に算定する点数は分けて確認します。比較表の1,290点・1,282点・1,097点は基本点数であり、加算・減算を含む請求総額ではありません。
継続的な賃上げに関する基準・届出
入院料等の通則では、継続的に賃上げに係る取組を実施する保険医療機関として所定の施設基準に適合し、届出を行った医療機関以外について、地域一般入院基本料から1日65点を減算する規定があります。給与を引き上げた事実だけで判断せず、該当する施設基準と届出状況を事務部門で確認します。
10月1日以降の再届出を一律に当てはめない
東海北陸厚生局の2026年度届出一覧では、一般病棟入院基本料の「10月1日以降に引き続き算定する場合」の再届出について、地域一般入院基本料は対象から除外されています。療養病棟入院料2などの経過措置終了と混同しないようにしてください。
これは、地域一般に関係する届出がすべて不要という意味ではありません。新規届出、区分変更、個別の加算・減算や施設基準の変更への対応は、管轄厚生局の最新案内で確認します。
地域包括医療・地域包括ケアとの違い
地域一般はA100の入院基本料、地域包括医療・地域包括ケアは別の特定入院料です。名称が似ていても、施設基準、算定期間、包括範囲、リハに関する要件を共通化して扱うことはできません。
確認する際は、院内で使う「地域病棟」「包括病棟」といった呼び方ではなく、受理された正式な入院料名を起点にします。同じ病院に複数の病棟がある場合も、各病棟・病室の届出と患者の算定区分を照合してください。
よくある質問
地域一般入院料1と2の主な違いは何ですか?
看護配置13対1以上、看護師比率70%以上、平均在院日数24日以内は共通です。入院料1では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度ⅠまたはⅡを継続的に測定し、結果に基づいて評価することが追加で求められます。
地域一般入院料3は60日までしか入院できませんか?
60日は病棟の平均在院日数の基準であり、患者個人の入院上限ではありません。患者ごとの治療・退院の判断と、長期入院時の算定上の取扱いは別に確認します。
地域一般病棟でもリハビリテーションを実施できますか?
実施できます。ただし、入院基本料を届け出ているだけで疾患別リハ料の算定が認められるわけではありません。リハ料の施設基準・届出、患者の対象条件、算定日数や実施内容などを個別に確認します。
小規模病院ならデータ提出加算の届出は不要ですか?
病床数だけでは決まりません。既存届出、病棟構成、対象病床数の合計、提出が困難な正当な理由など、例外・経過措置の条件に該当するかを確認します。
次に確認すること
まず自院の受理通知で地域一般入院料1〜3のどれを届け出ているか確認し、看護配置・平均在院日数・必要度評価・データ提出の担当部署と管理状況を照合してください。療法士は、それに患者ごとのリハ算定条件と退院支援の情報を重ねると整理しやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法.現行条文:入院料等の通則、A100一般病棟入院基本料.
- 厚生労働省.基本診療料の施設基準等.第五・二・(1)・ハ:地域一般入院基本料の施設基準.
- 厚生労働省.基本診療料の施設基準等・経過措置.データ提出加算の届出に関する経過措置.
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.関係法令・通知・疑義解釈.
- 東海北陸厚生局.基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定).一般病棟入院基本料の届出様式・再届出の対象.
実際の算定・届出では、厚生労働省と管轄する地方厚生(支)局の最新資料を確認してください。
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。医療機関・介護福祉施設・訪問リハの現場経験をもとに、評価・臨床手順・医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、呼吸リハなどの臨床・教育活動に取り組んでいます。
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
