- 精神病棟入院基本料とは?2026年度の変更点
- 精神病棟入院基本料の点数一覧【2026年】
- 急性期病院A・B精神病棟入院料とは?新設区分の施設基準
- 通常の精神病棟入院料の施設基準|10対1〜20対1
- 入院1年未満・1年以上で点数が変わるのは18対1・20対1
- 精神病棟看護・多職種協働加算とは?OTなどの配置要件
- 精神科急性期治療病棟入院料・精神療養病棟入院料との違い
- 届出・経過措置|2026年と2028年の期限を区別する
- 自院の算定区分を確認する5つの手順
- OT・PT・STが押さえたい病棟実務のポイント
- よくある質問
- まとめ|精神病棟入院基本料は病院区分・配置・入院期間で判断する
- 参考文献・公的資料
- 著者情報
- 次の一手|入院基本料の全体像とデータ提出を確認する
精神病棟入院基本料とは?2026年度の変更点
精神病棟入院基本料(A103)は、精神病棟の看護配置や患者構成などの施設基準に応じて算定する入院基本料です。2026年度(令和8年度)診療報酬改定では、急性期病院A・B精神病棟入院料が新設され、18対1・20対1の入院基本料は入院1年未満と1年以上で点数が分かれました。
さらに、13対1・15対1の病棟では、看護職員と作業療法士(OT)・精神保健福祉士・公認心理師などの協働を評価する「精神病棟看護・多職種協働加算」が新設されています。
この記事では、10対1・13対1・15対1・18対1・20対1の基本点数、急性期病院A・Bとの違い、平均在院日数・GAF尺度の施設基準、入院期間別の評価、届出・経過措置を整理します。OT・PT・STが確認したい病棟での多職種連携も解説します。
制度確認日:2026年10月13日。厚生労働省の令和8年度診療報酬改定に係る点数表・施設基準・疑義解釈と、地方厚生局の届出案内に基づいています。
精神病棟入院基本料の点数一覧【2026年】

精神病棟入院基本料の点数は、病院の急性期機能、看護配置、入院期間によって異なります。まずは2026年度の基本点数を比較します。
表は横にスクロールして確認できます。
| 看護配置 | 急性期病院A | 急性期病院B | 通常の精神病棟入院料 |
|---|---|---|---|
| 10対1 | 1,519点 | 1,502点 | 1,471点 |
| 13対1 | 1,162点 | 1,145点 | 1,114点 |
| 15対1 | 966点 | 949点 | 918点 |
| 18対1 | 設定なし | 設定なし | 816点(1年未満)/703点(1年以上) |
| 20対1 | 設定なし | 設定なし | 754点(1年未満)/649点(1年以上) |
出典:厚生労働省「診療報酬の算定方法」A103 精神病棟入院基本料。上表は入院期間に応じた加算やその他の加算・減算を含まない基本点数です。
急性期病院A・Bには10対1・13対1・15対1が設定されています。一方、通常の精神病棟入院料では18対1・20対1まで設定されており、長期入院患者の評価に違いがあります。
なお、表の「通常の精神病棟入院料」は、急性期病院A・B精神病棟入院料と区別するための説明上の表記です。診療報酬上は同じA103の中に設定された区分です。
精神病棟特別入院基本料もある
A103には、通常の施設基準を満たさない精神病棟について、所定の条件と届出により算定する「特別入院基本料(618点)」も設けられています。
ただし、看護配置が不足しているから自動的に618点を算定できるわけではありません。特別入院基本料の施設基準や夜勤時間に関する減算の取扱いを確認する必要があります。
急性期病院A・B精神病棟入院料とは?新設区分の施設基準
2026年度改定で新設された急性期病院A・B精神病棟入院料は、病棟の看護配置だけでなく、病院全体が担う救急・手術などの急性期機能を評価する区分です。
精神科の患者を受け入れていることだけで、急性期病院A・B精神病棟入院料に該当するわけではありません。
A・Bに共通する主な要件
- データ提出加算に係る届出を行っている。
- DPC対象病院である。
- 地域包括医療病棟入院料の届出を行っていない。
- 該当する精神病棟の看護配置などの施設基準を満たしている。
急性期病院A精神病棟入院料については、さらに地域包括ケア病棟入院料・地域包括ケア入院医療管理料の届出に関する制限があります。
地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟は異なる入院料です。両者の併設制限を同じ要件として扱わないようにします。
急性期病院A精神病棟入院料
Aは、急性期医療を提供する体制が整備され、救急搬送受入や全身麻酔手術などの実績が相当程度ある病院を評価する区分です。
病院機能に関する主要な基準として、年間救急搬送件数2,000件以上、年間全身麻酔手術件数1,200件以上、夜間救急搬送割合1割以上などが設けられています。
ただし、これらの件数だけで届出可否は決まりません。救急医療体制、24時間の画像診断・検査体制、病棟の施設基準なども確認します。
急性期病院B精神病棟入院料
Bでは、所定の急性期医療体制に加えて、救急搬送件数や手術件数、地域条件などの実績要件を確認します。
主な実績経路には、年間救急搬送1,500件以上、年間救急搬送500件以上かつ全身麻酔手術500件以上という組合せがあります。また、人口規模や離島などの地域条件に応じた経路も設けられています。
そのため、年間救急搬送件数が1,500件に満たない病院でも、別の実績経路に該当する可能性があります。
なお、A・Bの実績経路に該当していても、病棟の看護配置と患者構成に関する条件を満たさなければ算定できません。病院単位の要件と病棟単位の要件を分けて確認することが重要です。
通常の精神病棟入院料の施設基準|10対1〜20対1
通常の精神病棟入院料では、看護職員配置に加えて、看護師比率、平均在院日数、GAF尺度に関する患者割合、データ提出加算の届出などが区分ごとに定められています。
| 区分 | 看護師比率 | 平均在院日数 | 患者構成・その他の主な要件 |
|---|---|---|---|
| 10対1 | 70%以上 | 40日以内 | 新規入院患者のうちGAF尺度30以下が50%以上。データ提出加算の届出 |
| 13対1 | 70%以上 | 80日以内 | 新規入院患者のうちGAF尺度30以下、または身体合併症を有する患者が40%以上。身体疾患への治療体制、データ提出加算の届出 |
| 15対1 | 40%以上 | 一律の数値基準なし | データ提出加算の届出。所定の例外・経過措置あり |
| 18対1 | 40%以上 | 一律の数値基準なし | データ提出加算の届出。所定の例外・経過措置あり |
| 20対1 | 40%以上 | 一律の数値基準なし | データ提出加算の届出。所定の例外・経過措置あり |
上表は主要施設基準の要約です。看護職員の勤務体制、夜勤体制、病棟の届出条件などの全要件を示すものではありません。
10対1は平均在院日数40日以内とGAF30以下が50%以上
10対1入院基本料では、看護職員配置10対1以上、看護師比率70%以上、平均在院日数40日以内が基本となります。
さらに、新規入院患者のうち、GAF尺度による判定が30以下の患者が50%以上であることが求められます。
この患者割合は病棟全体のすべての入院患者を単純に数えるものではありません。新規入院患者を対象として、施設基準で定められた方法により確認します。
13対1は平均在院日数80日以内と身体合併症への対応が重要
13対1入院基本料では、看護師比率70%以上、平均在院日数80日以内に加えて、新規入院患者のうちGAF尺度30以下または身体合併症を有する患者が40%以上であることが求められます。
また、身体疾患への治療体制を確保していることも必要です。
10対1と13対1では、単に看護配置の人数が違うだけでなく、平均在院日数と評価対象となる患者構成に違いがあります。
15対1・18対1・20対1はデータ提出の対応も確認
15対1・18対1・20対1では、看護師比率40%以上などの配置条件に加えて、データ提出加算に係る届出が施設基準に含まれます。
ただし、2026年3月31日時点の既存届出病棟には、データ提出に関する経過措置が設けられています。新規開設などの例外もあるため、すべての病棟について同じ時期に届出を求めるものではありません。
入院1年未満・1年以上で点数が変わるのは18対1・20対1
2026年度改定で特に注意したいのが、通常の精神病棟入院料の18対1・20対1について、入院1年未満と1年以上で基本点数が分かれたことです。
| 区分 | 入院1年未満 | 入院1年以上 | 点数差 |
|---|---|---|---|
| 18対1 | 816点 | 703点 | 113点 |
| 20対1 | 754点 | 649点 | 105点 |
18対1では113点、20対1では105点の差があります。
これは精神病棟における長期入院患者の地域移行をさらに促進する観点から行われた評価の見直しです。
一方、10対1・13対1・15対1については、このような入院1年未満・1年以上で分けた基本点数は設けられていません。
入院期間は患者ごとに確認する
18対1・20対1の入院期間別基本点数は、病棟の平均在院日数ではなく、算定対象となる患者の入院期間に応じたものです。
患者個人の入院期間と、病棟の施設基準として用いる平均在院日数は異なります。転院・再入院などに関する起算日の取扱いは、医科点数表の通則・関連通知に沿って確認してください。
入院期間に応じた加算は別に確認する
A103では、基本点数とは別に、入院期間に応じた加算が設定されています。
| 入院期間 | 1日当たりの加算 |
|---|---|
| 14日以内 | 465点 |
| 15日以上30日以内 | 250点 |
| 31日以上90日以内 | 125点 |
| 91日以上180日以内 | 10点 |
| 181日以上1年以内 | 3点 |
特別入院基本料等では、上表の初期の期間に別の加算点数が適用されます。
ここでは、18対1・20対1の入院期間別「基本点数」と、A103の入院期間に応じた「加算」を混同しないことが重要です。実際の算定では、それぞれの適用条件を確認してください。
精神病棟看護・多職種協働加算とは?OTなどの配置要件
2026年度改定では、精神病棟における看護職員と多職種の協働を評価する「精神病棟看護・多職種協働加算」が新設されました。
A103では、急性期病院A・B精神病棟入院料と通常の精神病棟入院料の13対1・15対1が対象です。10対1・18対1・20対1は、A103のこの加算の対象区分には含まれません。
| 対象区分 | 加算点数 | 多職種を含む配置基準 | 平均在院日数 |
|---|---|---|---|
| 13対1 | 357点/日 | 10対1以上 | 60日以内 |
| 15対1 | 196点/日 | 13対1以上 | 100日以内 |
ここでいう多職種を含む配置基準では、看護職員、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師の人数を所定の方法で確認します。
さらに、作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師のいずれかが1人以上配置されている必要があります。所定の職種に該当すればよく、3職種すべてを必ず1人ずつ配置するという意味ではありません。
「対象職種1人以上」は常勤換算1人以上ですか?
2026年5月29日の厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」問4で、この点が明確化されています。
対象職種の1人以上という条件は、必ずしも常勤換算で1人以上を求めるものではありません。様式9の勤務実績表に記載され、当該月に精神病棟看護・多職種協働加算に係る勤務実績がある作業療法士・精神保健福祉士・公認心理師が1人以上いればよいという取扱いです。
ただし、この回答は「対象職種1人以上」の解釈に関するものです。病棟全体の多職種配置基準や平均在院日数など、その他の施設基準まで免除されるわけではありません。
作業療法士が病棟で関わる場面
作業療法士は、精神症状や生活機能に応じて、病棟内の日常生活、活動参加、退院後の生活を見据えた評価・支援を行います。
例えば、整容・更衣・服薬管理に関係する生活行動、日中活動への参加状況、対人交流、生活リズム、環境調整などを評価し、看護師や精神保健福祉士などと共有する場面があります。
精神科作業療法として算定する専門療法と、多職種協働の体制に係る業務は、診療報酬上の位置づけを区別して確認する必要があります。実施した時間や業務内容を重複して算定しないよう、院内の運用と最新の通知を照合してください。
精神科急性期治療病棟入院料・精神療養病棟入院料との違い
精神病棟入院基本料(A103)は、精神科の入院医療に関するすべての入院料をまとめた名称ではありません。
精神科急性期治療病棟入院料や精神療養病棟入院料は、A103とは異なる特定入院料です。
| 入院料 | 診療報酬上の位置づけ | 主に確認すること |
|---|---|---|
| 精神病棟入院基本料(A103) | 入院基本料 | 急性期病院A・B、看護配置、平均在院日数、GAF、入院期間 |
| 精神科急性期治療病棟入院料 | 特定入院料 | 集中的な精神科急性期治療、対象患者、施設基準、算定期間 |
| 精神科救急急性期医療入院料 | 特定入院料 | 精神科救急の受入実績、対象患者、救急医療体制 |
| 精神療養病棟入院料 | 特定入院料 | 継続的な精神科療養、病棟配置、包括評価の範囲 |
| 特定機能病院入院基本料(A104・精神病棟) | 入院基本料 | 特定機能病院の承認区分、精神病棟の看護配置・施設基準 |
名称に「急性期」や「精神病棟」が含まれていても、同じ診療報酬項目とは限りません。A103の急性期病院精神病棟入院基本料と、精神科急性期治療病棟入院料も別の制度です。
また、A103は原則として特定機能病院を除く病院の精神病棟に係る入院基本料です。特定機能病院の精神病棟については、A104の該当区分を確認します。
届出・経過措置|2026年と2028年の期限を区別する
精神病棟入院基本料の届出では、2026年度改定で新設された区分と、将来の経過措置終了に伴う再届出を分けて確認する必要があります。
新規届出となる区分
地方厚生局の届出一覧では、2026年度の新規届出に関係する項目として、急性期病院精神病棟入院基本料と、A103注7に規定する精神病棟看護・多職種協働加算が示されています。
新設区分は、従来の精神病棟入院基本料を算定していたことだけで自動的に切り替わるわけではありません。施設基準を確認したうえで、必要な届出を行います。
15対1・18対1・20対1の2028年に向けた経過措置
2026年3月31日時点で精神病棟入院基本料15対1・18対1・20対1を届け出ている所定の医療機関には、データ提出加算に係る要件について、2028年5月31日までの経過措置が設けられています。
また、地方厚生局の届出案内では、15対1・18対1・20対1について、2028年6月1日以降も継続して算定する場合に再届出が必要となる旨が示されています。
| 対象 | 確認時期・期限 | 確認すること |
|---|---|---|
| 急性期病院精神病棟入院基本料 | 2026年度の新設区分 | 新規届出・施設基準への適合 |
| 精神病棟看護・多職種協働加算 | 2026年度の新設加算 | 追加の配置条件・平均在院日数・届出 |
| 既存の15対1・18対1・20対1 | 2028年5月31日まで | 所定のデータ提出要件に関する経過措置 |
| 15対1・18対1・20対1の継続算定 | 2028年6月1日以降 | 経過措置終了に伴う再届出の要否・受理状況 |
したがって、2026年度改定で新しい区分が設けられたことと、2028年6月1日以降に向けて再届出が必要になることを混同してはいけません。
なお、経過措置が適用されるのは所定の既存届出医療機関です。2026年4月以降の新規届出や、新規開設に係る例外などについては別途確認が必要です。
届出で使用する書類
2026年度の関東信越厚生局の届出一覧では、精神病棟入院基本料に関する書類として、別添7(精神入院)、様式5、様式5の3、様式6、様式6の3、様式7、様式9、様式10の7、様式10の9などが掲載されています。
ただし、すべての新規届出でこれらの書類が一律に必要という意味ではありません。届出する区分や加算、既存の受理状況に応じて、所管の地方厚生局の最新案内を確認してください。
公式確認先:関東信越厚生局「令和8年度診療報酬改定・基本診療料の届出一覧」
自院の算定区分を確認する5つの手順
精神病棟入院基本料の施設基準を確認するときは、点数表だけでなく、病院区分、病棟配置、患者構成、入院期間、届出状況を順番に確認します。
| 順番 | 確認事項 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 1.病院区分 | 急性期病院A・Bの要件、または通常の精神病棟入院料 | 病院全体の急性期機能を確認したか |
| 2.看護配置 | 10対1・13対1・15対1・18対1・20対1 | 看護師比率・夜勤体制も確認したか |
| 3.患者構成 | 平均在院日数、GAF尺度、身体合併症、データ提出 | 該当する区分の施設基準を満たしているか |
| 4.入院期間 | 18対1・20対1の1年未満・1年以上、入院期間加算 | 基本点数と加算を分けているか |
| 5.届出・加算 | 受理通知、協働加算、経過措置 | 新設区分と継続算定の届出を分けているか |
この5段階は、制度の確認漏れを減らすために整理した実務上の手順です。厚生労働省の公式判定フローではありません。
特に、病棟の配置条件を満たすことと、個々の患者に所定点数を算定できることは別の確認事項です。院内では看護部門、医事課、施設基準担当者が共通の届出情報を参照すると整理しやすくなります。
OT・PT・STが押さえたい病棟実務のポイント
精神病棟入院基本料A103は、病棟の医療提供体制を評価する制度です。療法士が個別に算定する精神科専門療法や疾患別リハビリテーション料とは区別して考える必要があります。
作業療法士は生活機能と地域移行をつなぐ
精神病棟では、症状の安定だけでなく、入院生活で必要となる活動、対人交流、生活リズム、退院後の生活を見据えた支援が重要です。
作業療法士は、日常生活での活動参加や生活行動の評価を通して、看護師、精神保健福祉士、公認心理師などと役割を分担します。
長期入院患者では、退院先、家族・支援者との連携、地域サービスの利用、生活環境の調整などを踏まえて、多職種で段階的に支援を進めます。
理学療法士・言語聴覚士の関わり
精神疾患を有する患者にも、身体合併症、転倒リスク、廃用、摂食嚥下障害、認知機能やコミュニケーションの問題などが併存する場合があります。
理学療法士は必要に応じて移動能力、筋力、バランス、活動耐容能などを、言語聴覚士は嚥下機能やコミュニケーション機能などを評価します。
ただし、精神病棟看護・多職種協働加算で明示される対象職種の配置要件と、PT・STが個別の臨床で担う役割は同じではありません。加算の対象職種を拡大して解釈しないことが重要です。
記録・情報共有で確認したいこと
臨床記録では、実施した訓練内容だけでなく、患者の生活場面での変化を具体的に示すと、多職種で共有しやすくなります。
例えば、日中活動への参加状況、起床・就寝リズム、移動時の介助量、食事場面での課題、退院先で必要な支援などを、患者の状態に応じて記録します。
また、急激な精神症状の悪化、自傷・他害の切迫した危険、意識状態の変化、転倒・身体合併症の悪化が疑われる場合などは、通常の活動支援を優先せず、医師・看護師への速やかな報告と安全確保を行います。
これらは臨床上の安全管理・情報共有の例であり、すべてがA103の独立した必須施設基準という意味ではありません。
よくある質問
精神病棟18対1・20対1は入院1年を超えると一律に同じ点数ですか?
同じではありません。18対1の1年以上は703点、20対1の1年以上は649点です。また、患者ごとの入院期間の取扱い、その他の加算・減算などを確認する必要があります。
精神病棟看護・多職種協働加算はOTを常勤で1人配置すれば算定できますか?
OTなどの対象職種について、常勤換算1人以上を必須とする解釈ではありません。しかし、対象職種の当該月の勤務実績に加えて、多職種を含む配置基準、平均在院日数、所定の届出などが必要です。OTが1人いるだけで加算が算定できるわけではありません。
精神病棟入院基本料の15対1・18対1・20対1は2026年10月に再届出が必要ですか?
今回取り上げたデータ提出要件に係る経過措置は、所定の既存届出病棟について2028年5月31日まで設けられています。地方厚生局が案内する再届出は、2028年6月1日以降の継続算定に関係するものです。2026年10月に一律の再届出が必要という意味ではありません。
まとめ|精神病棟入院基本料は病院区分・配置・入院期間で判断する
2026年度の精神病棟入院基本料A103では、急性期病院A・B精神病棟入院料の新設、18対1・20対1の長期入院評価の見直し、精神病棟看護・多職種協働加算の新設が重要な変更点です。
- 急性期病院A・Bは10対1・13対1・15対1、通常の精神病棟入院料は10対1から20対1まで設定されています。
- 10対1・13対1では、平均在院日数やGAF尺度などの患者構成要件を確認します。
- 18対1・20対1は入院1年未満・1年以上で基本点数が異なります。
- 13対1・15対1では、所定の条件で精神病棟看護・多職種協働加算を算定できます。
- 2028年6月以降の継続算定に関する再届出と、2026年度の新設区分の届出は分けて確認します。
実務では、病院区分 → 看護配置 → 患者構成 → 入院期間 → 届出の順に整理することで、算定区分の読み違いを防ぎやすくなります。
参考文献・公的資料
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法:A103 精神病棟入院基本料.令和8年度診療報酬改定.医科診療報酬点数表.
- 厚生労働省.基本診療料の施設基準等:精神病棟入院基本料の施設基準等.令和8年度改定.公式施設基準.
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定の概要:精神医療に係る入院料の見直し、精神病床における多職種協働の推進.2026.改定概要(PDF).
- 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:経過措置について.2026.経過措置を含む説明資料(PDF).
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その7).2026年5月29日.問4:精神病棟看護・多職種協働加算.公式改定資料一覧.
- 関東信越厚生局.基本診療料の届出一覧(令和8年度診療報酬改定).精神病棟入院基本料の届出様式・再届出の取扱い.公式届出一覧.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
2022年にrehabilikunblogを開設。急性期・回復期・療養病院のほか、介護施設や訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、PT・OT・STなどの医療従事者に向けて、評価・臨床判断・記録・医療制度に関する情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションなどを中心に活動しています。制度解説では、一次資料に基づく施設基準と、現場で役立つ実務上の確認事項を区別することを重視しています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
運営者プロフィール / 編集・引用ポリシー / お問い合わせ
次の一手|入院基本料の全体像とデータ提出を確認する
精神病棟入院基本料の点数・施設基準を確認したら、病棟機能の全体像と、施設基準に関係するデータ提出加算の届出も確認すると、制度上の位置づけを整理しやすくなります。
データ提出加算の届出方法や確認事項については、A245データ提出加算の解説も参考にしてください。精神病棟15対1・18対1・20対1では、2028年5月31日までの経過措置の対象となるかを分けて確認することが重要です。

