医療安全対策地域連携加算1・2とは?2026年度の施設基準・相互評価・届出を解説

制度・実務
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  1. 医療安全対策地域連携加算1・2とは?2026年度の施設基準を解説
  2. 点数の違い|医療安全対策加算と地域連携加算を区別する
    1. 2026年度改定で変わったこと
  3. 地域連携加算1・2の施設基準を比較
  4. 地域連携加算1の施設基準|専任医師・訪問評価・助言体制
    1. 医療安全管理部門に所定の専任医師を配置する
    2. 医療安全対策加算1・2の届出医療機関と連携する
    3. 年1回程度、連携先に直接赴いて評価する
    4. 2026年度追加:連携先へ必要時に助言する体制
  5. 地域連携加算2の施設基準|評価を受ける体制・相談体制
    1. 医療安全対策加算1の届出医療機関から評価を受ける
    2. 2026年度追加:地域連携加算1の医療機関へ相談する体制
  6. 相互評価では何を確認する?評価項目と記録例
    1. 相互評価の記録例
  7. 相互評価・助言は誰が行う?2026年5月22日付疑義解釈
  8. 特定機能病院の取扱い|加算1は算定可能、加算2は対象外
    1. 特定機能病院同士の相互評価はどう扱う?
  9. 感染対策向上加算の評価と同日に実施できる?
  10. 届出方法|様式35の4と確認事項
    1. 連携先が施設基準を満たさなくなった場合
  11. 病院運営での管理方法|年間スケジュールの例
  12. PT・OT・STが関わる場面|リハビリ部門の医療安全対策
  13. 算定・届出で間違えやすいポイント
  14. よくある質問
    1. Q1.医療安全対策地域連携加算1・2は何点ですか?
    2. Q2.地域連携加算1を算定するには、医療安全対策加算1の届出が必要ですか?
    3. Q3.相互評価は年1回必要ですか?
    4. Q4.連携先は近隣の病院でなければなりませんか?
    5. Q5.地域連携加算2の相談先は、どの医療機関ですか?
    6. Q6.感染対策向上加算の訪問評価と同日に実施できますか?
    7. Q7.理学療法士が他院の評価に同行できますか?
    8. Q8.特定機能病院でも算定できますか?
    9. Q9.届出様式は何ですか?
    10. Q10.届出時に過去の相互評価実績が必要ですか?
  15. 次の一手|連携先・訪問評価・相談体制を確認する
  16. 参考文献
  17. 著者情報

医療安全対策地域連携加算1・2とは?2026年度の施設基準を解説

医療安全対策地域連携加算は、医療機関同士が連携し、医療安全対策を評価・改善する体制を評価する診療報酬です。A234「医療安全対策加算」の注2に位置付けられ、地域連携加算1は50点、地域連携加算2は20点を入院初日に算定します。

2026年度診療報酬改定では、地域連携加算1が特定機能病院でも算定可能となり、連携先への助言・相談体制に関する施設基準が追加されました。一方、地域連携加算1・2の点数自体は変更されていません。

この記事では、加算1・2の違い、連携先の条件、年1回程度の相互評価、専任医師の配置、届出様式35の4、疑義解釈を整理します。医療安全管理者、医事課、施設基準担当者、看護管理者、リハビリテーション部門の管理職が、届出と継続管理の判断に使える内容を目指します。

結論:地域連携加算1は「医療安全対策加算1の届出+加算1・2の医療機関との連携+訪問評価・被評価+助言体制」、地域連携加算2は「医療安全対策加算2の届出+加算1の医療機関からの評価+地域連携加算1の医療機関への相談体制」が基本です。

病院の医療安全管理に関わる方へ

相互評価では、医療安全管理部門だけでなく、病棟・薬剤部門・リハビリテーション部門などの安全管理状況も確認対象になります。転倒・転落、移乗、医療機器の取扱いなど、日常業務の安全対策を整理しておくことが重要です。

リハビリテーションに関する評価の整理には、評価ライブラリも活用できます。

点数の違い|医療安全対策加算と地域連携加算を区別する

まず、医療安全対策加算1・2と、医療安全対策地域連携加算1・2は別の評価です。名称が似ていますが、前者は院内の医療安全管理体制、後者は医療機関間の連携体制を評価します。

医療安全対策加算と地域連携加算の違い(2026年度)
区分 点数 主な評価対象
医療安全対策加算1 160点 院内の医療安全管理体制
医療安全対策加算2 70点 院内の医療安全管理体制
医療安全対策地域連携加算1 50点 他院との連携、評価・被評価、助言体制
医療安全対策地域連携加算2 20点 他院からの評価、相談体制

いずれも所定の要件を満たす場合に入院初日に算定します。医療安全対策加算1と地域連携加算1を組み合わせる場合は合計210点、医療安全対策加算2と地域連携加算2を組み合わせる場合は合計90点です。

ただし、点数の合計は算定可能な場合の計算例です。対象となる入院基本料・特定入院料等、施設基準への適合、届出状況を別途確認してください。

2026年度改定で変わったこと

2026年度改定では、基礎となる医療安全対策加算1・2の点数が引き上げられました。一方、地域連携加算1・2の点数は維持され、主に算定対象と施設基準が見直されています。

2026年度改定の主な変更点
項目 改定内容
医療安全対策加算1 85点から160点へ変更
医療安全対策加算2 30点から70点へ変更
地域連携加算1 50点を維持。特定機能病院も算定対象に追加
地域連携加算2 20点を維持。特定機能病院は引き続き対象外
加算1の追加要件 連携する医療安全対策加算1・2の届出医療機関へ、必要時に助言を行う体制
加算2の追加要件 連携する医療安全対策地域連携加算1の届出医療機関へ、必要に応じて相談を行う体制

地域連携加算1・2の施設基準を比較

地域連携加算1と2は、前提となる医療安全対策加算の区分に加え、他院を評価する役割と、評価を受ける役割が異なります。特に2026年度は、助言先・相談先の届出区分を正確に確認する必要があります。

医療安全対策地域連携加算1・2の施設基準比較
確認項目 地域連携加算1 地域連携加算2
点数 50点 20点
前提となる届出 医療安全対策加算1 医療安全対策加算2
専任医師 医療安全管理部門への所定の専任医師の配置が必要 地域連携加算1と同じ独立した専任医師要件はない
連携先 医療安全対策加算1・2の届出医療機関 医療安全対策加算1の届出医療機関
他院への評価 加算1・2の届出医療機関について、それぞれ年1回程度の訪問評価 独立した必須要件ではない
自院が評価を受ける 加算1の届出医療機関から年1回程度 加算1の届出医療機関から年1回程度
2026年度追加要件 連携する医療安全対策加算1・2の届出医療機関への助言体制 連携する地域連携加算1の届出医療機関への相談体制
特定機能病院 算定可能 算定不可
届出様式 様式35の4 様式35の4
医療安全対策地域連携加算1・2の仕組み。加算1は50点で他院への訪問評価・助言と自院の被評価を行い、加算2は20点で加算1の医療機関から評価を受け、必要時に相談する。2026年度の変更点も示した図。
図:医療安全対策地域連携加算1・2の連携・相互評価の仕組み。訪問評価は年1回程度。2026年度は加算1の助言体制、加算2の相談体制が追加された。

図の見方:左側の地域連携加算1は、他の医療機関を訪問評価し、自院も評価を受ける区分です。右側の地域連携加算2は、医療安全対策加算1の届出医療機関から評価を受ける区分です。両者の役割は対称ではありません。

また、2026年度に追加された要件は、加算1では「必要時に助言を行う体制」、加算2では「必要に応じて相談を行う体制」です。加算2の相談先は、単なる医療安全対策加算1の届出医療機関ではなく、医療安全対策地域連携加算1の届出医療機関である点に注意してください。

地域連携加算1の施設基準|専任医師・訪問評価・助言体制

地域連携加算1は、医療安全対策加算1の届出を前提として、所定の専任医師を配置し、医療安全対策加算1・2の届出医療機関と連携する区分です。他院を評価するだけでなく、自院も評価を受ける体制が必要です。

医療安全管理部門に所定の専任医師を配置する

地域連携加算1では、医療安全対策に3年以上の経験を有する専任の医師、または医療安全対策に係る適切な研修を修了した専任の医師を、医療安全管理部門に配置する必要があります。

この要件は、基礎となる医療安全対策加算1で求められる専従の医療安全管理者の配置と区別して確認します。

なお、所定の専任医師を医療安全管理者として配置し、従来の専従の看護師・薬剤師その他の医療有資格者を医療安全管理部門に配置する取扱いも示されています。人員配置を変更する場合は、施設基準通知の具体的な条件を確認してください。

医療安全対策加算1・2の届出医療機関と連携する

地域連携加算1では、医療安全対策加算1の届出医療機関を1以上、医療安全対策加算2の届出医療機関を1以上確保して連携する必要があります。

連携先は必ずしも近隣の医療機関である必要はありません。ただし、連携先に直接赴いて評価を実施できる体制が求められます。

連携先を選定する際は、医療安全対策加算の届出区分だけでなく、訪問評価の日程調整、担当者の確保、評価結果の報告方法、助言を行う連絡体制も確認します。

年1回程度、連携先に直接赴いて評価する

地域連携加算1では、医療安全対策加算1・2の届出医療機関と連携し、それぞれ少なくとも年1回程度、連携先のいずれかの医療機関に直接赴いて医療安全対策を評価し、その内容を報告する必要があります。

また、自院についても、連携する医療安全対策加算1の届出医療機関から少なくとも年1回程度の評価を受ける必要があります。

判断の境界:連携協定の締結、書類の送付、オンライン会議だけで、訪問評価の要件を満たしたことにはなりません。少なくとも年1回程度、連携先に直接赴いて実施する評価が必要です。

なお、複数の医療機関が合同で連携先を評価する取扱いも認められています。実施方法を検討する際は、評価対象・評価者・報告内容を明確にしておきます。

2026年度追加:連携先へ必要時に助言する体制

2026年度改定では、連携する医療安全対策加算1・2の届出医療機関に対し、必要時に医療安全対策に関する助言を行う体制が追加されました。

院内運用では、相談を受ける窓口、担当者、連絡方法、対応内容の共有方法を整理しておくと管理しやすくなります。

例えば、連携先から転倒事故の再発防止策やインシデント分析の方法について相談があった場合に、医療安全管理部門が対応できるよう、担当者と連絡経路を共有しておくことが考えられます。

ただし、相談受付票や連絡簿などの特定の書式が、全国一律の提出必須書類として指定されているという意味ではありません。施設基準上の要件と院内で採用する運用方法を区別してください。

地域連携加算2の施設基準|評価を受ける体制・相談体制

地域連携加算2は、医療安全対策加算2の届出を前提とし、医療安全対策加算1の届出医療機関と連携して評価を受ける区分です。2026年度には、地域連携加算1の届出医療機関へ必要時に相談する体制が追加されました。

医療安全対策加算1の届出医療機関から評価を受ける

地域連携加算2では、医療安全対策加算1の届出医療機関と連携し、少なくとも年1回程度、連携先のいずれかの医療機関から医療安全対策に関する評価を受ける必要があります。

評価には、医療安全管理者、医療安全管理部門、医療安全管理対策委員会の活動状況と、各部門における医療安全対策の実施状況に関する確認が含まれます。

地域連携加算2では、地域連携加算1のように、医療安全対策加算1・2の届出医療機関をそれぞれ訪問評価することは、独立した必須要件として設けられていません。

2026年度追加:地域連携加算1の医療機関へ相談する体制

2026年度改定では、連携する医療安全対策地域連携加算1の届出医療機関に対し、必要に応じて医療安全対策に関する相談を行う体制が追加されました。

例えば、院内だけでは対応が難しい医療安全上の課題が生じた場合に、連携先のどの窓口へ相談するかを明確にしておくことが考えられます。

注意:医療安全対策加算1の届出医療機関と連携して評価を受ける要件と、地域連携加算1の届出医療機関へ相談できる体制を持つ要件は、分けて確認してください。

相談体制の整備は、一定件数以上の相談実績があることと同じではありません。実際の届出では、施設基準に定められた体制を整備できているかを確認します。

相互評価では何を確認する?評価項目と記録例

相互評価では、医療安全管理部門の活動だけでなく、病棟や各診療部門における医療安全対策の実施状況も確認します。実際の評価内容を説明できるように、組織体制・活動記録・改善状況を整理しておくことが重要です。

医療安全対策地域連携加算の相互評価で確認する項目の例
評価領域 確認内容の例 資料の例
医療安全管理体制 医療安全管理者の配置、管理部門の活動 組織図、業務分担表、活動記録
医療安全管理対策委員会 開催状況、課題の検討、改善策の共有 委員会議事録
インシデント対応 報告体制、分析、改善策の実施状況 報告集計、改善活動記録
病棟の安全対策 転倒・転落、誤薬、患者誤認などへの対応 手順書、研修記録
リハビリテーション部門 移乗・歩行練習中の事故防止、ライン類の確認 部門手順書、事例検討記録
改善活動 前回評価で指摘された事項への対応 改善計画、再評価記録

上記は評価準備のための実務例です。表中の資料がすべて診療報酬上の提出必須書類という意味ではありません。

相互評価の記録例

評価を実施した事実と内容を後から確認できるように、訪問日、評価者、評価対象、確認項目、結果、改善事項を整理しておくことが考えられます。

医療安全対策地域連携評価記録(架空の記載例)

評価日:20XX年X月X日

評価実施医療機関:○○病院

評価対象医療機関:△△病院

評価者:医療安全管理部門の担当者、同行した部門担当者

確認内容:医療安全管理体制、委員会活動、インシデント分析、病棟・各部門の安全対策

評価結果:院内の報告体制と委員会活動を確認した。転倒事例の再発防止策について、部門間での共有方法に改善の余地が認められた。

助言内容:転倒事例の分析結果を病棟とリハビリテーション部門で共有し、改善後の状況を確認する方法を検討する。

今後の対応:対象医療機関で改善方法を検討し、次回の連携時に実施状況を共有する。

この記載例は説明用の架空の内容です。実際の記録は、訪問時に確認した事実に基づいて作成してください。

相互評価・助言は誰が行う?2026年5月22日付疑義解釈

2026年5月22日付の「疑義解釈資料の送付について(その6)」別添1の問9では、地域連携加算1における評価・助言の担当者について示されています。

評価・助言は、医療安全管理者等の医療安全管理部門に配置されている職員が実施することとされています。また、各部門の安全管理担当者等が同行して実施することは差し支えないとされています。

なお、5月22日付の疑義解釈(その6)は、5月21日付の同名事務連絡を廃止して発出された資料です。確認する際は、5月22日付の正式版を参照してください。

相互評価・助言の担当者に関する判断
実施体制 取扱い
医療安全管理者が評価・助言を実施 認められる
医療安全管理部門に配置された職員が実施 認められる
医療安全管理部門の職員に各部門の安全管理担当者が同行 認められる
医療安全管理部門の職員が関与せず、各部門の担当者だけで実施 疑義解釈で示された実施体制に適合しない

例えば、リハビリテーション部門の安全管理担当者が医療安全管理部門の職員と同行し、移乗・歩行練習時の安全管理について説明することは可能です。

一方、リハビリテーション部門の職員だけで他院の評価を行い、それを地域連携加算1の評価実績として扱うことは避けてください。

特定機能病院の取扱い|加算1は算定可能、加算2は対象外

2026年度改定では、医療安全対策地域連携加算1について、特定機能病院でも算定できるようになりました。一方、地域連携加算2については、特定機能病院は引き続き算定対象外です。

この見直しは、多様な規模・機能の医療機関が連携し、医療安全対策を互いに評価して改善につなげる体制を推進することを目的としています。

特定機能病院同士の相互評価はどう扱う?

地域連携加算1の施設基準では、特定機能病院間相互のピアレビューで行う技術的助言を、当該地域連携に含めないことが示されています。

さらに、2026年7月30日付の疑義解釈(その11)問4では、特定機能病院同士で医療安全に関する連携体制を構築し、相互に評価等を行う取組についても、所定の地域連携には含まれないことが示されました。

判断の境界:特定機能病院が地域連携加算1を算定できるようになったことと、特定機能病院同士の既存の相互評価を、そのまま加算の連携実績として扱えることは別です。

特定機能病院が届出を検討する場合は、連携先の区分と評価内容を確認し、地域連携加算1の施設基準に適合する体制を整理してください。

感染対策向上加算の評価と同日に実施できる?

医療安全対策地域連携加算の評価は、所定の条件の下で、感染対策向上加算1に係る評価と併せて実施しても差し支えない取扱いがあります。

ただし、同じ日に訪問しただけで医療安全対策地域連携加算の評価要件を満たすわけではありません。

医療安全管理者、医療安全管理部門、医療安全管理対策委員会の活動状況や、各部門の医療安全対策の実施状況など、必要な評価項目を確認することが重要です。

訪問日を合わせる場合でも、感染対策と医療安全の評価項目・評価者・評価結果を区別して記録しておくと、院内管理がしやすくなります。

届出方法|様式35の4と確認事項

医療安全対策地域連携加算1・2の施設基準に係る届出には、別添7の様式35の4を使用します。基礎となる医療安全対策加算1・2の届出には、別途、様式35を使用します。

施設基準通知では、地域連携加算の届出について、届出時の実績を要しないとされています。ただし、届出後は所定の評価体制を維持し、年1回程度の評価を継続する必要があります。

届出様式や提出方法は、関東信越厚生局の令和8年度基本診療料届出一覧など、管轄する地方厚生局の最新情報を確認してください。

医療安全対策地域連携加算の届出前チェック
確認項目 確認内容
基礎となる加算 医療安全対策加算1または2の届出状況
医療安全管理部門 医療安全管理者・担当職員の配置状況
専任医師 地域連携加算1で必要な医師の経験・研修・配置状況
連携先 医療安全対策加算1・2の届出区分
訪問評価 加算1では連携先に直接赴く評価を年1回程度実施できる体制
被評価 加算1・2とも医療安全対策加算1の届出医療機関から評価を受ける体制
助言体制 加算1では連携する医療安全対策加算1・2の医療機関への助言体制
相談体制 加算2では連携する地域連携加算1の医療機関への相談体制
特定機能病院 加算区分とピアレビューの取扱い
届出様式 様式35の4の記載内容

この表は院内確認用の整理例です。各項目について独立した添付書類の提出が全国一律に必要という意味ではありません。

連携先が施設基準を満たさなくなった場合

過去の疑義解釈では、地域連携加算2の連携先が医療安全対策加算1の要件を満たさなくなったことが判明した場合、遅滞なく変更の届出を行う取扱いが示されています。

地域連携加算1についても同様の取扱いが示されているため、連携先の届出状況を定期的に確認することが重要です。

連携協定が継続していても、連携先の届出区分や施設基準への適合状況が変われば、自院の地域連携加算の要件に影響する可能性があります。

病院運営での管理方法|年間スケジュールの例

医療安全対策地域連携加算は、届出時だけでなく、年1回程度の相互評価を継続するための管理が重要です。医療安全管理部門と医事課・施設基準担当者が、評価予定と連携先の届出状況を共有しておくと、評価漏れや変更への対応につながります。

医療安全対策地域連携加算の年間運用例
時期 実施内容の例 確認資料の例
年度初め 連携先の届出区分、担当者、連絡方法を確認 連携先一覧、連絡先一覧
評価前 訪問日、評価者、評価項目を調整 年間予定表、評価項目一覧
評価当日 医療安全管理体制と各部門の取組を確認 評価記録、確認資料
評価後 評価結果を報告し、改善事項を共有 評価報告書、改善計画
年度末 評価・被評価の実施状況と翌年度の予定を確認 実施一覧、次年度計画

このスケジュールは院内運用例です。診療報酬上、評価を特定の月に実施することが義務付けられているわけではありません。

PT・OT・STが関わる場面|リハビリ部門の医療安全対策

医療安全対策地域連携加算は、リハビリテーション部門の人員配置や訓練単位数を直接評価する加算ではありません。

一方、相互評価では各部門の医療安全対策も確認対象となるため、リハビリテーション部門の取組を説明できる体制が重要です。

リハビリテーション部門で整理したい安全管理の例
領域 確認事項の例
転倒・転落 移乗・歩行練習時の見守り、介助方法、リスク共有
急変対応 中止判断、応援要請、緊急時の連絡手順
医療機器・ライン類 酸素療法、点滴、ドレーン等の管理状況の確認
患者確認 患者誤認を防ぐための確認手順
インシデント報告 報告基準、報告後の分析、改善策の共有
職員教育 新入職員への安全教育、事例検討、手順の見直し

これらは部門の安全管理を整理するための実務例です。表中のすべてが本加算の独立した施設基準として義務付けられているわけではありません。

他院への訪問評価にリハビリテーション部門の職員が同行する場合は、医療安全管理部門の職員と連携し、部門の安全管理状況を説明する役割が考えられます。

算定・届出で間違えやすいポイント

地域連携加算では、基礎となる医療安全対策加算の届出と、地域連携加算独自の施設基準を混同しないことが重要です。特に2026年度は、助言先と相談先の区分、特定機能病院の取扱いを確認してください。

医療安全対策地域連携加算のよくある誤解
誤解 正しい確認方法
医療安全対策加算1を届け出ていれば地域連携加算1も算定できる 専任医師、連携先、訪問評価・被評価、助言体制などを別途確認する
地域連携加算1は加算1の医療機関との連携だけでよい 医療安全対策加算1・2の届出医療機関の双方との連携が必要
連携協定があれば訪問評価は不要 年1回程度、連携先に直接赴いて評価する要件がある
地域連携加算2の相談先は、医療安全対策加算1の届出医療機関ならどこでもよい 2026年度追加要件では、連携する地域連携加算1の届出医療機関への相談体制が必要
評価は各部門の担当者だけで実施できる 加算1の評価・助言は医療安全管理部門に配置された職員が実施する
2026年度から地域連携加算の点数が上がった 地域連携加算は50点・20点を維持。基礎となる医療安全対策加算の点数が変更された
特定機能病院は地域連携加算を算定できない 2026年度から地域連携加算1は算定可能
特定機能病院同士の相互評価をそのまま算入できる 2026年度の施設基準・疑義解釈で除外される連携を確認する
届出時に過去の評価実績が必須 届出時の実績は不要。ただし、届出後の継続的な評価が必要

よくある質問

Q1.医療安全対策地域連携加算1・2は何点ですか?

地域連携加算1は50点、地域連携加算2は20点です。A234「医療安全対策加算」の注2に位置付けられ、入院初日に算定します。

Q2.地域連携加算1を算定するには、医療安全対策加算1の届出が必要ですか?

はい。地域連携加算1は医療安全対策加算1、地域連携加算2は医療安全対策加算2の届出が前提です。

Q3.相互評価は年1回必要ですか?

少なくとも年1回程度の評価が必要です。地域連携加算1では、連携先に直接赴いて評価し、自院も評価を受けます。地域連携加算2では、医療安全対策加算1の届出医療機関から評価を受けます。

Q4.連携先は近隣の病院でなければなりませんか?

必ずしも近隣の医療機関である必要はありません。ただし、所定の訪問評価を実施できる体制が必要です。

Q5.地域連携加算2の相談先は、どの医療機関ですか?

2026年度追加要件では、連携する医療安全対策地域連携加算1の届出医療機関に対し、必要に応じて相談する体制が求められます。

Q6.感染対策向上加算の訪問評価と同日に実施できますか?

所定の条件の下で、感染対策向上加算1に係る評価と併せて実施しても差し支えありません。ただし、医療安全対策地域連携加算として必要な評価項目を確認する必要があります。

Q7.理学療法士が他院の評価に同行できますか?

はい。医療安全管理部門に配置された職員が評価・助言を実施し、各部門の安全管理担当者等が同行することは差し支えないとされています。

Q8.特定機能病院でも算定できますか?

2026年度から地域連携加算1は算定可能です。地域連携加算2は対象外です。特定機能病院同士の相互評価の取扱いには注意が必要です。

Q9.届出様式は何ですか?

地域連携加算1・2の届出には別添7の様式35の4を使用します。基礎となる医療安全対策加算の届出には様式35を使用します。

Q10.届出時に過去の相互評価実績が必要ですか?

施設基準通知では、地域連携加算の届出について実績を要しないとされています。ただし、届出後は所定の評価体制を維持し、評価を継続する必要があります。

次の一手|連携先・訪問評価・相談体制を確認する

医療安全対策地域連携加算を検討する場合は、まず基礎となる医療安全対策加算1・2の届出状況を確認してください。

次に、地域連携加算1・2のどちらに該当するかを判断し、連携先の届出区分、年1回程度の訪問評価・被評価、医療安全管理部門の担当者、助言・相談体制を整理します。

2026年度改定では、地域連携加算1の特定機能病院への対象拡大、加算1の助言体制、加算2の相談体制が重要な変更点です。

届出前には、管轄する地方厚生局の最新の様式35の4と施設基準通知を確認し、医療安全管理部門・医事課・施設基準担当者で情報を共有してください。

参考文献

  1. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定:医療安全対策の推進―医療安全対策加算・医療安全対策地域連携加算の見直し.2026年.
  2. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第7号、訂正後資料を含む).
  3. 厚生労働省.基本診療料の施設基準等.医療安全対策加算の施設基準.
  4. 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その6).2026年5月22日.別添1・問9.令和8年度診療報酬改定の通知・疑義解釈一覧.
  5. 厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その11).2026年7月30日.問4.令和8年度診療報酬改定の通知・疑義解釈一覧.
  6. 関東信越厚生局.令和8年度診療報酬改定に係る基本診療料の届出一覧.様式35・様式35の4.

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを運営。理学療法評価、臨床手順、記録方法、診療報酬・施設基準など、PT・OT・STの実務に役立つ情報を発信しています。

制度解説では、告示・通知・疑義解釈などの一次資料を優先し、診療報酬上の要件と臨床上の推奨事項を区別することを重視しています。

保有資格:脳卒中認定理学療法士、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーター2級。

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハビリテーション、リハビリテーション栄養、シーティング、摂食・嚥下。

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