誤嚥性肺炎 PT 実務ハブ:予兆・スクリーニング・予防【 2026 】

栄養・嚥下
記事内に広告が含まれています。

誤嚥性肺炎 PT 実務ハブ|予兆・評価・予防を “毎日回る型” に固定

誤嚥性肺炎は「検査を増やす」より先に、予兆の拾い上げ → 最小スクリーニング → 初期対応 → 予防バンドルを “毎日回る型” にすると、抜け漏れと迷いが一気に減ります。ポイントは、嚥下だけを単発で見ず、体位・口腔・呼吸・活動・水分栄養をセット(バンドル)で回すことです。

このページは、病棟・老健・在宅で誤嚥性肺炎に直面する PT が、いま何をすべきか(次の 1 手)を最短で決められるように、実務の順番とリンクを 1 ページにまとめた “索引(ハブ)” です。詳しい手順は各プロトコル記事に接続します。

臨床の組み立て(評価 → 介入 → 共有)を迷わない “全体フロー” を先に確認すると、判断が速くなります。

臨床フローを 3 分で確認する( PT キャリアガイド )

はじめに:最短の使い方( 3 ステップ )

迷いが強いときは、まずこの 3 ステップだけで OK です。

誤嚥性肺炎:予兆 → 判定 → 初期対応を最短で回す 3 ステップ
ステップ やること(最小) 次のリンク(詳細)
1)予兆を拾う 「普段との違い」を 10 秒で言語化し、時間変化を追う 予兆サインと初期対応(観察テンプレ)
2)最小スクリーニング 単独判定を避け、安全に進む / 止めるを決める 嚥下評価の実務フロー不顕性誤嚥スクリーニング( 10 分 )
3)初期対応+予防へ 体位・口腔・活動・呼吸・水分栄養を “小さく” 同時に整える 誤嚥性肺炎 予防バンドル(実装テンプレ)

予兆 → 初期対応の流れ( 3 ステップ )を “施設の標準順番” にする

誤嚥性肺炎は、評価が点在すると “やりっぱなし” になりやすいです。おすすめは、観察 → 判定 → 次アクションの順番を固定し、結果を 1 行で共有できるようにすることです。

  • 観察:声(湿性嗄声)、咳(弱い・遅い・出ない)、痰(量・粘稠)、呼吸(努力感・ RR )、食後の変化、発熱・傾眠など
  • 判定:最小スクリーニングを組み合わせ、偽陰性・偽陽性を減らす(単独判定を避ける)
  • 次アクション:体位・口腔・活動・呼吸・水分栄養を “同時に小さく” 整え、再評価の予約をセットにする

この順番の実装を “そのまま採用” できる形にまとめた親記事はこちらです。

予兆チェック(観察テンプレ):拾い漏れを減らす “ 24 時間の見方”

予兆は「その瞬間」より、時間変化(食前・食後・夜間・翌朝)で拾えることが多いです。数値だけでなく、声・咳・痰・覚醒のセットで追うと見逃しが減ります。

予兆の拾い上げ:まず見る 5 項目(病棟・在宅の最小セット)
観察 見方(コツ) 次の一手
湿性嗄声( “ゴロゴロ” )/食後に悪化/口腔ケア前後で比較 体位・口腔ケア・吸引のタイミングを再設計
弱い・遅い・出ない/咳で疲れる/痰が絡む 咳テスト+気道クリアランス手技へ
量・粘稠度・色・ “切れにくさ” /食後に増える 水分・呼吸再調整・排痰手技をセットで
呼吸 RR ↑、努力呼吸、食後に SpO₂ 低下、呼吸が浅い 安全確認 → 呼吸評価・呼吸訓練へ
覚醒・活動 日中傾眠、午後に崩れる、離床が減った 早期離床・活動量の “微増” を毎日回す

スクリーニング 5 点セット(最短ルート):単独判定を避ける

スクリーニングは “誤嚥を確定する検査” ではなく、危険信号を拾って次の評価( CSE / VE / VF )へつなぐ入口です。水飲みだけ・ RSST だけで決めると、偽陰性や過剰制限につながりやすいので、組み合わせで確度を上げます。

誤嚥性肺炎:スクリーニング最小 5 点セット(目的別の使い分け)
ツール 拾いやすいもの 詰まりどころ 詳細
観察(声・咳・呼吸) 湿声・咳反射低下・食前後の変化 条件(体位・口腔・覚醒)が揃っていない 嚥下評価の実務フロー
RSST 唾液嚥下の反復困難(疲労・覚醒の影響も含む) 回数だけで “安全” を決めてしまう RSST の評価方法
水飲み( 3 oz など ) むせ・湿声・呼吸変化の拾い上げ 量・速度を固定しないと解釈が崩れる 3 oz 水飲みテスト(使い分け)
咳テスト 不顕性誤嚥リスク(咳反射低下) 単独で結論を出す(所見とセットで判断) 咳テスト(手順・中止基準・記録)
10 分プロトコル(組合せ) “進む / 止める” の判定とトリアージ 陽性後の初期対応が曖昧で止まる 不顕性誤嚥スクリーニング( 10 分 )

予防は “バンドル” : 7 要素を毎日チェックで回す

誤嚥性肺炎の予防は、単発介入だと抜けやすいので、 7 要素をセットで毎日確認します。大切なのは “完璧に全部” ではなく、できるところから小さく回し、所見 → 介入 → 再評価を 1 行で残すことです。

気道クリアランス(痰を “動かす → 上げる → 回収する” )

痰が切れない・咳が弱いケースでは、咳だけで頑張ると疲労と低換気で悪化しやすいです。まずは、呼吸再調整 → 体位 → PEP / 排痰手技 → 出口(ハフィング / 最小の咳)の順で “やりすぎない設計” にします。

記録と申し送り( “ 1 行で伝わる形” に固定 )

誤嚥性肺炎は、情報共有が崩れると介入が点在します。最低限は、①何が変わったか(予兆)②何で判定したか(組合せ)③何を変えたか(体位・口腔・呼吸・活動・水分栄養)④いつ再評価するかの 4 点を揃えます。

現場の詰まりどころ(よくある失敗 → 修正)

誤嚥性肺炎:よくある失敗と修正(迷いを減らす実務早見)
よくある失敗 なぜ起きる? 修正(最短)
水飲みだけで結論を出す 単独判定で偽陰性・過剰制限が増える 観察+ RSST +咳テスト+ 10 分プロトコルで “組合せ” にする
嚥下だけを見て終わる 体位・口腔・活動・呼吸・水分栄養が抜ける 予防バンドルを “毎日チェック” で回し、できるところから小さく同時に整える
排痰が “頑張り” になる 咳だけで疲労し、低換気・苦痛が増える 呼吸再調整 → 体位 → PEP → 出口(ハフィング)で “やりすぎない設計”
申し送りが曖昧で介入が点在 予兆・判定・対応・再評価の予約が揃っていない 4 点(変化 / 判定 / 介入 / 再評価)を 1 行で残す

よくある質問( FAQ )

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 「むせがない」のに誤嚥性肺炎が疑われます。どう考えますか?

A. むせが目立たないケースでは、不顕性誤嚥(サイレント)の可能性があります。声(湿性嗄声)、咳の弱さ、食後の呼吸変化、痰の増加など “所見の組合せ” で拾い、10 分スクリーニングで安全にトリアージします。

Q2. RSST や水飲みが陰性でも、臨床的に怪しいときは?

A. 陰性=安全ではありません。観察所見(声・咳・呼吸・痰・時間変化)を優先し、検査は “組合せ” で確度を上げます。順番は 嚥下評価の実務フローに沿って進めると迷いにくいです。

Q3. 予防は何から始めるのが現実的ですか?

A. いきなり全部は難しいので、まずは体位(摂食・安静・睡眠)と口腔ケアを “毎日回す” 形に固定し、次に活動と呼吸、水分栄養を小さく追加します。具体は 予防バンドルをそのまま採用すると早いです。

Q4. 排痰が苦しそうで、やればやるほど疲れます

A. 咳だけで頑張ると疲労が増えやすいので、まず呼吸再調整と体位で “痰が動く条件” を作り、短時間の PEP や体位ドレナージで移送 → 出口(ハフィング)へつなげます。関連:PEP体位ドレナージ

次の一手(いまの状況から 1 つだけ選ぶ)

運用を整える → 共有の型を作る → 環境の詰まりも点検(無料チェックシート)

マイナビコメディカル|面談準備チェック&職場評価シートを開く

参考資料

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・じょくそうなどで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • じょくそう・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、じょくそう・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

運営者について編集・引用ポリシーお問い合わせ

タイトルとURLをコピーしました