ベースアップ評価料の対象職種は「職種名」だけで判断しないことが重要です
この記事の読み方:対象になりやすい職種 → 判断が迷うケース → 対象外と言われた時の確認ポイント → FAQ の順に確認できます。
ベースアップ評価料の対象職種は、「PTだから対象」「事務だから対象外」と職種名だけで単純に決まるものではありません。令和8年度改定では対象範囲の拡大も示されており、職種・雇用形態・院内配分ルールを合わせて確認する必要があります。この記事では、医療職・事務職・非常勤・パート・派遣など、現場で迷いやすい対象職種の見方を整理します。
まず結論|対象職種は「職種」「雇用形態」「院内配分」で確認します
ベースアップ評価料は、対象職種に該当するかだけでなく、施設の届出内容や賃金改善の配分方針によって実際の扱いが変わることがあります。
特に令和8年度改定では、医療機関等に勤務する幅広い職員の人材確保と賃上げを目的に、対象職員の拡大が示されています。そのため、以前の説明だけで判断せず、最新の院内通知・給与明細・雇用契約を確認することが重要です。
対象になりやすい職種
対象になりやすいのは、医療機関等で医療提供体制を支える職員です。ただし、最終的な支給額や配分方法は施設の運用で異なります。
| 職種 | 扱いの目安 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| PT・OT・ST | 対象になりやすい | リハ職が院内配分対象に含まれるか |
| 看護職 | 対象になりやすい | 看護職員処遇改善評価料との関係 |
| 看護補助者 | 対象になりやすい | 職種区分と常勤換算 |
| 薬剤師・検査技師・放射線技師 | 対象になるケースあり | 施設の届出様式上の扱い |
| 医療事務・事務職員 | 令和8年度改定で重要 | 対象職員として計上されているか |
| 40歳未満の勤務医師・歯科医師 | 対象拡大の確認が必要 | 経営者・役員等に該当しないか |
非常勤・パート・派遣・委託は個別確認が必要です
非常勤やパートは、一律に対象外とは言い切れません。常勤換算、勤務時間、直接雇用かどうか、院内配分ルールによって扱いが変わります。

| ケース | よくある状況 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 非常勤 | 勤務時間で配分差が出る | 常勤換算・支給条件 |
| パート | 対象外と説明されることがある | 院内配分ルール |
| 派遣 | 直接雇用ではないため迷いやすい | 派遣元との契約 |
| 委託 | 医療機関の職員として扱われない場合がある | 契約形態 |
| 管理職 | 施設差が大きい | 役員・経営者扱いでないか |
| リハ助手 | 職務内容で判断が分かれる | 職種区分と対象範囲 |
「対象外」と言われた時は5つを確認します
対象外と言われた場合は、職種名だけで納得する前に、院内通知・給与明細・雇用契約・勤務時間・配分ルールを確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 院内通知 | 対象職種や配分方針が書かれているか |
| 給与明細 | ベースアップ手当、処遇改善手当などの名目 |
| 雇用契約 | 直接雇用か、派遣・委託か |
| 勤務時間 | 常勤換算や勤務時間による差 |
| 説明窓口 | 総務・人事・管理部門の説明内容 |
現場で多い詰まりどころ
臨床現場では、「同じリハ職なのに金額が違う」「非常勤だけ説明が曖昧」「給与明細のどこを見ればよいか分からない」という相談が起こりやすいです。
療養病棟や中小規模病院では、制度説明が部署単位まで十分に届かないこともあります。その場合は、口頭説明だけで判断せず、院内通知・明細・雇用契約を並べて確認すると整理しやすくなります。
制度説明が曖昧な職場では、働き方の見直しも選択肢です
賃上げや配分ルールの説明が不十分で、相談しにくい状態が続く場合は、制度理解だけでなく職場環境そのものを見直す視点も大切です。
よくある質問
各項目名をタップすると回答が開きます。最初の1問だけ開いた状態にしています。
PT・OT・STはベースアップ評価料の対象ですか?
対象になりやすい職種です。ただし、実際の支給額や配分方法は施設の届出内容・院内配分ルール・雇用形態によって異なります。
非常勤でも対象になることはありますか?
あります。常勤換算や勤務時間、施設の配分ルールによって扱いが変わるため、雇用契約と院内通知を確認してください。
パートは対象外ですか?
一律に対象外とは限りません。勤務時間や施設方針によって扱いが異なるため、給与明細と院内説明を確認する必要があります。
派遣スタッフは対象になりますか?
派遣は直接雇用ではないため、対象外になるケースがあります。派遣元との契約や施設側の説明を確認してください。
医療事務は対象になりますか?
令和8年度改定では、事務職員も対象拡大の文脈で重要です。ただし、施設の届出内容や職務内容によって確認が必要です。
次の一手
対象職種だけでなく、届出・区分・給与明細まで確認すると、ベースアップ評価料の理解が整理しやすくなります。
参考文献
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
- 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定 1. 賃上げ対応. https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001701063.pdf
- 地方厚生局. ベースアップ評価料等の届出について. https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・制度情報・実務整理を発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下、医療制度の実務整理

