DESIGN-R 2020|DDTIとDUの見分け方

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DTI / DU の見分け方|深さ( D )は 2 軸で判断する

結論:DESIGN-R® 2020 の深さ( D )で迷ったら、まず ①創底(最深部)が見えるか、次に ②深部損傷を疑う急性サインが強いか の 2 軸で整理します。壊死で創底が見えないなら DU、創底は見えなくても深部損傷を疑う所見が強いなら DDTI を検討します。

この記事で答えるのは、DDTI と DU をどう切り分けるか、そして その日の記録に何を残し、いつ更新するか です。DESIGN-R® 2020 全体の採点や 7 項目の総論は親記事にゆずり、このページでは「深さ D の迷い」を最短で整理します。

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DESIGN-R® 2020 採点の全体像へ

なぜ DTI / DU で迷うのか(現場の詰まりどころ)

DTI / DU の迷いは、見た目が紛らわしいからだけではありません。実際には、その日の根拠が具体語で残らないこと、そして 翌日〜 48 時間の再評価が先に決まっていないこと で判定が揺れやすくなります。

迷いを減らすコツは、当日の暫定ラベルを付ける → 比較する所見を固定する → 再評価期限を先に予約する、この 3 点をセットで運用することです。

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方や手順だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。評価・記録・報告の「型」をまとめて整理したい方は、PT キャリアガイドも参考になります。

PT キャリアガイドを見る

DESIGN-R® 2020 で押さえる “ D(深さ)” の要点

改定で重要なのは、深さ( D )に DDTI が加わったことと、DU が「壊死組織で覆われ深さの判定が不能な状態」と整理されたことです。DU は「深い」の意味ではなく、深さをまだ決められない状態を示します。

深さの基本は、従来どおり 創内で一番深い部分 で判断します。DDTI も DU も、あとで深さの判定が可能になった時点で更新する前提で扱うとブレが減ります。

迷ったら 30 秒:DTI / DU の最短判断フロー

“見た目で決め打ちしない” ために、以下の順で確認します。最初に見るのは 創底(最深部)が見えるか です。

※スマホでは表が横スクロールできます。

DTI / DU の迷いを減らす 30 秒フロー( DESIGN-R® 2020 の D 判定 )
最初に見る YES のとき NO のとき 記録の考え方
創底(最深部)が見える D3〜 D5 を判定する 次の行へ 深さは「見える組織」で決める
壊死で創底が見えない DU を検討する 次の行へ DU は深さそのものではなく「深さ判定不能」
深部損傷を疑う急性サインが強い DDTI を検討する 経過観察で再評価する 色調、硬さ、疼痛、温度差、水疱などを具体語で残す

フローで当日の暫定ラベルを決めたら、次に重要なのは 翌日〜 48 時間で何を比較するか です。DDTI / DU は、ラベルを付けた時点よりも、その後の更新で差が出ます。

DDTI と DU の違いを比較した図版
DDTI と DU は「深部損傷サイン」と「創底の見え方」で整理すると迷いが減ります。

DDTI を疑う所見|“深い” ではなく “深部損傷疑い” と考える

DDTI は「深い褥瘡」そのものではなく、深部損傷を疑う暫定ラベル です。発生状況(圧迫・ずれ・時間)と、視診・触診で拾える変化をセットで見ると判断が揃いやすくなります。

色だけで決めず、硬さ・温度差・疼痛・水疱などの変化 を具体語で残し、再評価で D を更新する前提で記録すると実務で使いやすいです。

DDTI を疑うチェック(ベッドサイド)

  • 暗赤〜紫色調が局在している
  • 硬い( firm )または浮腫状( boggy )
  • 疼痛がある、または違和感の訴えがある
  • 周囲と比べて温かい / 冷たい
  • 水疱、表皮剥離など “遅れて出る” 変化がある

DDTI と書いたら、再評価の約束までセットにする

DDTI は “疑い” です。いつ・何を見るか が記録されていないと、翌日の判定が揺れやすくなります。

目安は 翌日〜 48 時間。色調の拡大、硬さ、温度差、疼痛、水疱・表皮剥離、滲出液の変化を比較し、深さ判定が可能になれば D を更新します。

DU の判断|「壊死がある」ではなく「最深部が見えない」で決める

DU は、壊死などで 創底(最深部)が見えず、深さの判定が推測になる状態です。ここを曖昧にすると、「壊死が少しあるだけで DU」といったズレが起きやすくなります。

壊死が一部にあっても、最深部が見えて深さを判定できるなら、原則は D3〜 D5 を判断します。DU は、見えないから保留するラベル と考えると整理しやすいです。

DU と判断しやすい状態

  • 厚い壊死( slough / eschar )で創底が見えない
  • 最深部が隠れており、深さが推測にしかならない
  • 創底が見えた時点で D を更新する前提で運用する

DU の失敗パターン

  • 壊死があるだけで DU にしてしまう
  • DU を “深い” ラベルとして固定してしまう
  • 「創底が見えない」という根拠を書かない

記録はこの 2 パターンで残す|根拠+再評価予定を 1 セットにする

DTI / DU の記録で最も重要なのは、判定そのもの よりも 根拠と更新予定 をセットにすることです。ここが揃うと、担当者が変わっても同じ目線で追いやすくなります。

以下の 2 形式なら、SOAP でも経過記録でも使いやすく、翌日の判定更新にもつなげやすいです。

テンプレ 1:SOAP(例)

S:疼痛や違和感の訴え(取れる場合)。

O:色調、壊死の付着、硬さ( firm / boggy )、温度差、表皮変化、水疱、滲出液、創底が見えるか( YES / NO )。

A:D:DDTI(疑い)/DU(深さ判定不能)/D3〜 D5。判断根拠を 1 行で固定する。

P:翌日〜 48 時間以内に色調・硬さ・温度差・表皮変化・創底確認を行い、D を更新。除圧・ずれ対策を強化する。

テンプレ 2:経過記録(観察ログ型)

【本日】創底:見える / 見えない。色調:○○。硬さ:○○。温度差:○○。疼痛:○○。表皮変化:○○。

【判定】D:DDTI(疑い)/DU(判定不能)/D3〜 D5。根拠:○○。

【次回確認】○月○日( 24〜 48 時間以内 )に色調・硬さ・温度差・創底確認を比較して D を更新。

配布物ダウンロード|DDTI / DU 判定・再評価シート

ベッドサイドで使いやすいように、判定フロー・所見チェック・再評価欄 を 1 枚にまとめた A4 PDF を用意しました。記事の内容を現場で再現したいときは、記録テンプレとあわせて使うと整理しやすくなります。

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よくある間違い( Do / Don’t )

DTI / DU は、ラベルだけ付けて更新を止めると運用が崩れやすい領域です。ここは OK / NG で揃えると、チーム内のズレを減らしやすくなります。

※スマホでは表が横スクロールできます。

DTI / DU のよくある間違い:OK / NG と回避策
場面 NG OK 記録の一言例
DDTI 色だけで DDTI を固定し、再評価期限がない 色・硬さ・疼痛・温度差+再評価期限をセットにする DDTI 疑い(暗赤+ firm )。24〜 48 時間で再評価し D 更新。
DU 壊死が少しあるだけで DU にする 最深部が見えるかで判断する 厚い壊死で創底不可。DU とし、創底確認で D を更新。
混在して見える場面 “混在” の一語で済ませる 創底の可視性を優先し、周囲所見は具体語で残す 創底不可 → DU 軸。周囲に暗赤+硬さあり、翌日再評価。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1.DDTI と判断したら、いつ再評価すべきですか?

目安は翌日〜 48 時間です。色調、硬さ、温度差、疼痛、水疱・表皮剥離、滲出液などを比較し、深さ判定が可能になった時点で D を更新します。

Q2.壊死が少しあるだけでも DU にしてよいですか?

目安は「最深部が見えるかどうか」です。壊死が一部でも、創底の最深部が見えて深さを判定できるなら、原則は D3〜 D5 を判断します。DU は最深部が隠れて推測になるときに使います。

Q3.DDTI と DU が混在するように見えるときは?

まずは深さが判定できるかを優先します。創底が見えないなら DU を軸に考え、そのうえで周囲に暗赤色、硬さ、温度差、疼痛など深部損傷らしい所見があれば具体語で残し、再評価で D を更新します。

Q4.D は合計点に入れますか?

入れません。DESIGN-R® 2020 の合計点は E・S・I・G・N・P の 6 項目で算出し、D は別枠で表記します。D の扱いをチームで揃えると記録のブレが減ります。

次の一手:全体像を揃える → 実務へつなげる


参考文献

  1. 日本褥瘡学会.改定 DESIGN-R® 2020 コンセンサス・ドキュメント.2020.公式 PDF
  2. 日本褥瘡学会.改定 DESIGN-R® 2020 練習問題.公式 PDF
  3. National Pressure Injury Advisory Panel. Pressure Injury Stages. PDF
  4. Edsberg LE, Black J, Goldberg M, McNichol L, Moore L, Sieggreen M. Revised National Pressure Ulcer Advisory Panel Pressure Injury Staging System. J Wound Ostomy Continence Nurs. 2016;43(6):585-597. doi:10.1097/WON.0000000000000281. PubMed

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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