- 令和 8 年 改定(確定)|リンパ浮腫複合的治療料は重症 60 分/ 40 分で 2 区分( 500/ 350 点 )
- 結論:変化は「治療の中身」より「時間区分」と「必須実施の証跡」に出ます
- 確定点数・時間要件( 1 枚 )| 500/ 350/ 150 点と、最低実施分
- 対象と “重症” の考え方(確定)| ISL 病期 II 期以降が重症です
- 必須実施(留意事項)|スキンケア+セルフケア指導は “毎回の一連の治療” で必須
- 現場の詰まりどころ:よくある失敗と回避(時間区分がある前提)
- 記録テンプレ(そのまま使える)|時間証跡+必須実施+次回 1 点
- 今からできる準備:チェックリスト( 15 分で整える)
- よくある質問(FAQ)
- 次の一手(この順でやる)
- 参考資料(一次情報)
- 著者情報
令和 8 年 改定(確定)|リンパ浮腫複合的治療料は重症 60 分/ 40 分で 2 区分( 500/ 350 点 )
改定対応は「点数」より先に、時間証跡と必須実施(圧迫・スキンケア等)を “型” にすると迷いません
PT の臨床フローを 5 分で復習するリンパ浮腫複合的治療料( H007-4 )は、令和 8 年 改定で点数が見直され、重症は実施時間で 2 区分( 60 分以上/ 40 分以上 60 分未満 )になりました。さらに「必須実施」と「時間要件」が留意事項で明確化され、現場では時間の測り方と圧迫・スキンケア・セルフケア指導の “実施証跡”が実務の中心になります。
本記事は、確定点(点数・時間要件・必須実施・対象)を先に 1 枚で整理し、院内で今日から揃えられる記録テンプレと中断時の扱いまで落とし込みます。
最終更新:2026-03-05(告示・留意事項 反映)
結論:変化は「治療の中身」より「時間区分」と「必須実施の証跡」に出ます
確定した点数は、重症:60 分以上 500 点/ 40 分以上 60 分未満 350 点、その他:150 点です。重症は “時間” だけでなく、留意事項で圧迫・スキンケア・セルフケア指導などの必須実施が明記され、記録が弱いと説明が止まりやすくなります。
いま最優先で揃えるのは、①開始・終了と中断理由、②重症( ISL 病期 II 期以降)根拠、③必須実施のチェック欄、④次回までのセルフケア課題の 4 点です。長文より “チェック+ 1 行” の型が効きます。
確定点数・時間要件( 1 枚 )| 500/ 350/ 150 点と、最低実施分
| 区分 | 点数(改定後) | 最低実施時間 | 算定頻度(点数表) | 現場で先に揃えること |
|---|---|---|---|---|
| 重症:イ | 500 点 | 60 分以上 | 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) | 60 分の証跡(開始・終了・中断)+圧迫の実施チェック |
| 重症:ロ | 350 点 | 40 分以上 60 分未満 | 月 1 回(開始月から起算 2 月以内は計 11 回) | 40 分境界の証跡+中断理由の 1 行化 |
| 1 以外 | 150 点 | 20 分以上 | 6 月に 1 回 | 20 分の証跡+セルフケア課題の 1 個固定 |
対象と “重症” の考え方(確定)| ISL 病期 II 期以降が重症です
留意事項では、対象はリンパ節郭清を伴う悪性腫瘍手術後または原発性リンパ浮腫で、国際リンパ学会( ISL )病期分類 I 期以降と整理されています。さらに、病期分類 II 期以降が「重症」の対象です。
現場では、診断名だけでなく、ISL 病期(根拠)を「評価名/病期/日付/確認者」で 1 行に固定すると、担当者が変わっても判断が揺れにくくなります。
| 欄 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 病期 | ISL 病期( I / II / III ) | ISL II(確認:〇〇医師/ 2026-03-__) |
| 重症区分 | 重症:イ( 60 分)/重症:ロ( 40 分)/ 1 以外 | 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満) |
| 算定頻度 | 月 1 回(重症)/ 6 月に 1 回( 1 以外) | 重症:月 1(開始月から 2 月以内は計 11 回) |
必須実施(留意事項)|スキンケア+セルフケア指導は “毎回の一連の治療” で必須
留意事項では、複合的治療は圧迫(弾性着衣または弾性包帯)、圧迫下の運動、用手的リンパドレナージ、患肢のスキンケア、体重管理等のセルフケア指導を適切に組み合わせる形として整理され、さらにスキンケアとセルフケア指導は必須と明記されています。
また重症では、毎回の治療で圧迫を行うことが原則で、圧迫を行わない医学的理由がある場合は、その理由を短く残す運用が安全です。
| 要素 | チェック | 記録の最小セット( 1 行 ) |
|---|---|---|
| 圧迫(着衣/包帯) | □ 実施 / □ 実施不可 | 不可の場合:医学的理由( 1 行 ) |
| 圧迫下の運動 | □ 実施 | 運動種目( 1 つ )+反応( 1 つ ) |
| 用手的リンパドレナージ | □ 実施 | 部位( 1 つ )+反応( 1 つ ) |
| スキンケア | □ 実施(必須) | 皮膚所見( 1 つ )+対応( 1 つ ) |
| セルフケア指導(体重管理等) | □ 実施(必須) | 課題( 1 つ )+次回確認( 1 つ ) |
現場の詰まりどころ:よくある失敗と回避(時間区分がある前提)
詰まりやすいのは、点数ではなく 40/ 60 の境界と、必須実施(特にスキンケア+セルフケア指導)の “証跡” が弱いケースです。まずは下の表で失敗を潰し、次に 準備チェック( 15 分 )へ進むと定着しやすくなります。
| 失敗 | 何が起きる | 回避策 | 記録の最小セット |
|---|---|---|---|
| 40 分/ 60 分の根拠が曖昧 | 算定区分の説明が弱くなる | 開始・終了・中断理由を 1 行で固定(タイマー運用) | 開始/終了/中断有無/総実施分 |
| スキンケア・指導が “書き忘れ” になる | 必須実施の証跡が残らない | 必須 2 項目(スキンケア・指導)をチェック式で固定 | 皮膚所見 1 つ+課題 1 つ |
| 重症で圧迫が抜ける | 重症要件の説明が止まる | 圧迫は毎回チェック。不可なら医学的理由を 1 行化 | 圧迫:実施/不可(理由) |
| 重症判断が担当でズレる | 区分と頻度が属人化する | ISL 病期と確認者を 1 行テンプレで統一 | ISL 病期/日付/確認者 |
記録テンプレ(そのまま使える)|時間証跡+必須実施+次回 1 点
増やすのは項目数ではなく “型” です。おすすめは、①時間証跡、②必須実施のチェック、③次回の確認点を 1 つの 3 つだけを固定することです。長文にしない方が継続します。
院内で共有するときは「このテンプレで書けば十分」という基準に寄せると、担当者が増えても品質が落ちにくくなります。
| ブロック | 書く内容 | 例(短く) |
|---|---|---|
| 時間証跡 | 開始・終了・中断理由(あれば) | 10:00–10:52(中断なし) |
| 区分 | 重症:イ/ロ、または 1 以外 | 重症:ロ( 40 分以上 60 分未満) |
| 必須実施 | 圧迫/運動/ MLD /スキンケア/指導(チェック) | スキン:乾燥 → 保湿。指導:包帯の自己調整を 1 つ |
| 反応 | 腫脹・疼痛・皮膚・機能から 1 つ | 疼痛 NRS 3 → 2 |
| 次回 | 確認点を 1 つに絞る | 包帯ずれの原因(皮膚・固定)を確認 |
今からできる準備:チェックリスト( 15 分で整える)
- 時間管理:開始・終了・中断理由の記録担当を固定する
- 区分:ISL 病期( I / II / III )と確認者を 1 行テンプレ化する
- 必須実施:スキンケア+セルフケア指導をチェック式で必須欄にする
- 重症の圧迫:毎回実施を原則にし、不可なら医学的理由の 1 行欄を作る
- 共有:カンファは “変更点のみ” 共有、詳細はテンプレ参照で追える状態にする
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 点数はどう変わりましたか?
A. 重症は 60 分以上 500 点、 40 分以上 60 分未満 350 点に区分され、 1 以外は 150 点です。重症は月 1 回(開始月から 2 月以内は計 11 回)、 1 以外は 6 月に 1 回の頻度です。
Q2. 重症の “根拠” は何を残せばいいですか?
A. ISL 病期 II 期以降が重症の対象です。ISL 病期(根拠)と確認者、日付を 1 行で固定すると、担当が変わっても判断が揺れにくくなります。
Q3. 必須でやるべき要素は何ですか?
A. 圧迫、圧迫下の運動、用手的リンパドレナージ、スキンケア、セルフケア指導等を組み合わせます。スキンケアとセルフケア指導は “必ず” 行う扱いです。重症は毎回の圧迫が原則です。
Q4. 記録が増えそうで不安です
A. 項目を増やすより “型” を固定するのが安全です。時間証跡(開始・終了・中断)+必須実施(チェック)+次回 1 点、の 3 つだけに絞ると短くても説明が止まりにくくなります。
次の一手(この順でやる)
- A:改定全体像(親ハブ)を確認する
- B:院内で時間証跡のルール(開始・終了・中断)を決める
- C:テンプレ運用を 1 週間回し、詰まりだけ直す
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定について(関係法令・通知等).
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和 8 年 厚生労働省告示 第 69 号)医科点数表( H007-4 点数).
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項(令和 8 年 3 月 5 日 保医発 0305 第 6 号)別添 1( H007-4 留意事項).
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


