令和 8 年 改定(確定)|離床なし 20 分(特定の患者)は 100 分の 90+1 日 2 単位まで
制度の変化は “ 点数 ” より「対象・除外・摘要」を先にそろえるほど、返戻が減らせます
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実務手順:離床あり/なし判定フロー(チェック+記載)
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令和 8 年度 診療報酬改定では、疾患別リハビリテーション料のうち、「離床を伴わずに行う個別療法( 20 分以上 )」の取扱いが通知で明文化されました。ポイントは、①「特定の患者」定義(該当/除外)、②算定(所定点数の 100 分の 90 )、③上限(患者 1 人につき 1 日 2 単位まで)、④例外時の記載(診療録+摘要)です。
最終更新:2026-03-05(通知反映)
1 分で要点:先に見るのは「除外」→「 20 分以上」→「 2 単位上限」→「摘要」
現場でいちばん詰まりやすいのは、点数の暗記ではなく「対象に当てはめてよいか」と「説明できる記録」です。運用は、( 1 )除外チェック(早期加算/小児/ 3 単位以上の医学的必要)、( 2 ) 20 分以上の個別療法、( 3 ) 1 日 2 単位上限の順に固定すると、返戻が減りやすくなります。
| 観点 | 確定した要点 | 先にそろえる運用 |
|---|---|---|
| 対象 | 「特定の患者」に該当する入院患者に限定(該当/除外が提示) | 該当条件+除外条件を 1 枚化(オーダー前チェック) |
| 実施要件 | 離床を伴わずに 20 分以上、個別療法として実施 | 時間(開始・終了 or 合計)+ 1 対 1 の証跡を必須欄にする |
| 算定 | 所定点数の 100 分の 90 で算定 | 入力ルール(算定区分の選び方)を部署で統一 |
| 上限 | 患者 1 人につき 1 日 2 単位まで | 入力時チェック+レセ前チェックで “ 2 単位 ” をブレーキ化 |
| 記載(例外) | 3 単位以上の例外では、医学的理由・必要性・訓練内容を診療録+摘要へ | 摘要テンプレ(理由/必要性/内容)を院内で共通化 |
「特定の患者」定義:該当像と “ 除外(例外) ” を先に固定します
通知の定義は、ざっくり言うと「その日の個別療法がベッド上から移動せず、ポジショニングや拘縮予防などを主目的に、他動中心の内容のみで完結する入院患者」を想定しています。一方で、“ この枠に入れない ” 除外(例外)が明示されているため、実務では先に除外を確認する方が安全です。
| 除外(例外) | 実務での読み替え | 先に作るブレーキ |
|---|---|---|
| 早期/初期/急性期リハ加算を算定中 | 救急・集中治療などの管理料や、疾患別リハの早期/初期/急性期リハ加算を算定している日は、特定の患者に当てはめない | 当日の加算算定の有無を、オーダー時点でチェック |
| 15 歳未満の小児で、病態により移動困難 | 年齢+病態で除外(例外)に該当し得る | 年齢で一次判定(該当なら本区分に載せない) |
| 3 単位以上が医学的に必要(医師が特に認める) | 3 単位以上が必要な場合は例外扱いになり、根拠の記載が必須になる | 医師根拠の置き場所を固定し、摘要テンプレを必須化 |
コツ:「離床なし」かどうかで悩む前に、除外(早期加算/小児/ 3 単位例外)を先に確認すると、後から戻る手戻りが減ります。迷う所は 判定フロー に寄せると安定します。
何が “ 返戻リスク ” になりやすいか:点数より「摘要」と「上限」です
離床なし 20 分は、単なる減算ではなく、対象の線引きと上限と例外時の摘要まで含めて「第三者が追える形」を前提にした整理です。現場で起きやすいのは、実施したことは分かるのに「なぜこの扱いなのか」が短く説明できないケースです。
| 制度の要点 | 現場の詰まり | 先にそろえる対策 |
|---|---|---|
| 対象(特定の患者) | 該当/除外の判断が担当者でズレる | 除外チェックを 3 つに固定(早期加算/小児/ 3 単位例外) |
| 20 分以上(個別療法) | 時間や 1 対 1 の個別性が読み取れない | 時間(開始・終了 or 合計)+ 担当者を必須欄にする |
| 1 日 2 単位上限 | 上限逸脱がレセ前に発覚して手戻り | 入力時とレセ前の二重チェックでブレーキを作る |
| 摘要( 3 単位例外) | 診療録はあるが摘要が弱点になる | 摘要テンプレ(理由/必要性/内容)を院内共通化 |
現場の詰まりどころ/よくある失敗(ここだけ直すと強い)
返戻・監査でつまずきやすいのは「実施したのに証明できない」パターンです。今回の要点は、対象(該当/除外)と 20 分以上と 2 単位上限と例外時の摘要がセットなので、どれか 1 つ欠けると弱くなります。
| よくある失敗 | 何が問題か | 最小の直し方 |
|---|---|---|
| 「ベッド上で実施」だけで離床なし扱い | 除外(例外)チェックが抜け、対象判定が弱くなる | 除外チェック(早期加算/小児/ 3 単位例外)を最初に固定 |
| 20 分以上が記録から追えない | 要件の入口が不明確で説明が弱い | 開始・終了(または合計時間)を必須欄にする |
| 1 日 2 単位を超える | 上限逸脱のリスクが高い | 入力時チェック+レセ前チェックに “ 2 単位 ” を追加 |
| 3 単位例外で摘要が弱い | 医師の特認と根拠が追えず、説明が止まる | 摘要テンプレ(医学的理由/必要性/訓練内容)を固定 |
今から整える「記録の型」:除外チェック → 目的 → 内容 → 量 → 結果
準備として効くのは、制度の暗記より「誰が書いても同じ粒度になる型」です。おすすめは、除外チェック → 目的 → 内容 → 量 → 結果を固定欄で運用することです。摘要が必要な例外は “ 別枠 ” にして、抜けを減らします。
| 欄 | 書く内容 | 例(短く) |
|---|---|---|
| 除外チェック | 早期加算/小児/ 3 単位例外の該当有無 | 早期加算なし/小児該当なし/ 3 単位例外なし |
| 目的 | 活動へつながる目的を 1 行 | 拘縮予防 → 体位変換介助の安定化 |
| 内容 | タスク(何をしたか) | ポジション調整、 ROM、他動運動、呼吸介助 など |
| 量(必須) | 時間(開始・終了 or 合計)+ 条件(介助量など) | 合計 20 分/介助量/環境条件 |
| 結果 | 変化(最低 1 点) | 痛み、 ROM、呼吸苦、介助量の変化 |
| 摘要( 3 単位例外) | 医学的理由/長時間必要性/訓練内容 | 移動困難の根拠、長時間が必要な理由、実施内容 |
よくある質問(FAQ)
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Q1. 「離床なし 20 分」は、もう確定していますか?
A. はい。通知により「特定の患者」定義、除外(例外)、離床なし 20 分以上の個別療法は 100 分の 90、かつ 1 日 2 単位まで、が示されています。
Q2. ベッド上でやる訓練なら何でも “ 特定の患者 ” に当てはめてよいですか?
A. いいえ。該当像は “ ベッド上から移動せず、ポジショニングや拘縮予防などを主目的に、他動中心の内容のみ ” ですが、通知では除外(早期加算算定中、小児、 3 単位例外など)も示されています。まず除外を先に確認してください。
Q3. 摘要はいつ必要になりますか?
A. 3 単位以上が医学的に必要で医師が特に認める例外では、医学的理由・必要性・訓練内容を診療録と摘要に残す取扱いになっています。例外時に書く “ 定型文 ” を院内で共通化すると止まりにくいです。
Q4. まず現場で一番やるべきことは何ですか?
A. 「除外チェック → 20 分以上 → 2 単位上限 → 例外時は摘要」の順を、誰が見ても同じ判断になる形に固定することです。迷う所は 判定フロー に寄せると安定します。
次の一手
参考資料(一次情報)
- 厚生労働省.令和 8 年度 診療報酬改定について(関係法令・通知等).
- 厚生労働省.別添 1 医科診療報酬点数表に関する事項(保医発 0305 第 6 号).2026.
- 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発 0305 第 6 号).2026.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


