要支援認定後も外来リハは算定できる?13単位の扱い

臨床手技・プロトコル
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「外来で疾患別リハビリテーションを続けている患者が要支援認定を受けたら、医療保険のリハは算定できなくなるのでしょうか」。実際に、このような質問をいただきました。結論からいうと、要支援・要介護認定を受けただけで外来の疾患別リハが一律に算定できなくなるわけではありません。ただし、廃用症候群リハビリテーション料で標準的算定日数120日を超え、いわゆる「月13単位」で算定している外来患者では扱いが変わります。本記事では、2026年度の診療報酬をもとに、どこで判断が分かれるのかを整理します。

要支援認定後も外来リハは一律に算定不可になるわけではない

最初に結論を整理します。要支援・要介護認定を受けたこと自体を理由に、外来の疾患別リハビリテーションがすべて算定不可になるわけではありません。

判断するときは、まず「要支援かどうか」だけを見るのではなく、次の順で確認します。

  1. どの疾患別リハビリテーション料を算定しているか
  2. 標準的算定日数内か、超えているか
  3. 超えている場合、通常の月13単位枠なのか
  4. 要支援・要介護認定を受けているか
  5. 入院患者か、外来患者か
  6. 標準的算定日数を超えても通常どおり算定できる所定の例外に該当するか

今回のように、廃用症候群リハビリテーション料・外来・120日超・通常の月13単位枠・要支援認定ありという条件がそろう場合は、通常の13単位枠による算定はできないと考えます。

要支援・要介護認定と外来疾患別リハの基本整理
患者の状況 考え方
標準的算定日数内 要支援・要介護認定者でも外来疾患別リハを算定できる
算定日数超過+通常13単位枠+要介護被保険者等ではない 月13単位まで算定可能
算定日数超過+通常13単位枠+要支援・要介護+外来 通常の13単位枠の対象外
算定日数超過+要支援・要介護+入院 月13単位を算定する規定あり
算定日数超過+所定の例外要件に該当 通常の13単位上限とは別に判断する

※上表は疾患別リハビリテーションの標準的算定日数と13単位規定を理解するための整理です。実際の算定では、疾患別リハの種類、患者の状態、施設基準、別表第九の八・第九の九への該当などを個別に確認してください。

要支援・要介護認定後の外来リハにおける13単位の確認フロー
要支援・要介護認定後の外来リハにおける13単位の確認フロー

廃用症候群リハの120日超・13単位では扱いが変わる

廃用症候群リハビリテーション料では、廃用症候群の診断または急性増悪から120日が標準的算定日数です。

2026年度の医科診療報酬点数表「H001-2 廃用症候群リハビリテーション料」の注6では、要介護被保険者等以外の患者について、必要があって120日を超えてリハビリテーションを行った場合は、1月13単位に限り算定できるとされています。

一方、注7では、要介護被保険者等について120日を超えて月13単位まで算定できる対象を、「入院中の要介護被保険者等」としています。

つまり、通常の13単位枠は次のように分かれます。

廃用症候群リハ120日超の通常13単位枠
区分 外来 入院
要介護被保険者等ではない 月13単位の規定あり 月13単位の規定あり
要介護被保険者等 通常13単位枠の対象外 月13単位の規定あり

したがって、外来で廃用症候群リハを月13単位で実施していた患者が要支援認定を受けた場合、単に「これまでどおり13単位で続ければよい」とはできません。

ここが今回の質問で最も重要なポイントです。

「要介護被保険者等」には要支援認定者も含まれる

診療報酬上の「要介護被保険者等」という表現を見ると、「要介護1〜5だけが対象で、要支援1・2は含まれないのでは」と迷いやすいところです。

しかし、介護保険法第62条では、「要介護被保険者又は居宅要支援被保険者」を「要介護被保険者等」というと定義されています。

そのため、疾患別リハビリテーション料の13単位規定でいう「要介護被保険者等」には、要支援認定者も含めて考える必要があります。

「要介護ではなく要支援だから13単位を継続できる」という整理にはなりません。

介護保険サービスを利用していなくても13単位の判断は変わらない

今回の質問では、「要支援認定は受けたものの、介護保険サービスは利用していない」という点も重要でした。

ただし、120日超の通常13単位枠について確認するとき、制度上の条件になっているのは介護サービスを実際に利用しているかどうかではなく、「要介護被保険者等」に該当するかどうかです。

したがって、外来患者が要支援認定を受けている場合、介護予防通所リハ、訪問リハ、デイサービスなどをまだ利用していないことだけを理由に、非認定者と同じ13単位枠を使用することはできません。

ここでは、次の2つを分けて考えることが大切です。

  • 要支援・要介護認定を受けているか:120日超の通常13単位枠を判断するときに重要
  • 介護保険サービスを実際に利用しているか:医療保険と介護保険の給付調整や移行時の取扱いなどで別途確認が必要

「介護保険を使っていないから医療保険の13単位をそのまま続けられる」と単純化しないよう注意が必要です。

標準的算定日数内なら要支援・要介護でも外来リハは可能

一方で、「要支援認定を受けたら医療保険の外来リハそのものが終了する」という理解も正確ではありません。

厚生労働省の疑義解釈では、要介護被保険者であっても、患者が標準的算定日数の期間内であれば、医療保険による通院の疾患別リハビリテーションを実施してよいかという問いに対し、「そのとおり」と回答されています。

つまり、外来疾患別リハの可否を判断するときは、最初に標準的算定日数内なのか、それとも超えているのかを確認する必要があります。

廃用症候群リハの場合であれば、原則として診断または急性増悪から120日がこの境界になります。

120日を超えても通常の13単位上限とは別に算定できる場合がある

もう1つ見落としやすいのが、標準的算定日数を超えた患者がすべて「月13単位」に移るわけではないことです。

特掲診療料の施設基準等の別表第九の八・別表第九の九では、リハビリテーションを継続して行う必要が医学的に認められる患者について、治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合など、標準的算定日数を超えても算定できる場合が定められています。

厚生労働省の疑義解釈でも、要介護被保険者が標準的算定日数を超えた場合であっても、所定の対象に該当すれば、標準的算定日数内と同様に疾患別リハビリテーションを算定できることが示されています。

したがって、120日を超えた時点では、単純に13単位へ移行するのではなく、まず次の2つを分けます。

  1. 所定の例外に該当し、標準的算定日数超過後も通常どおり算定するケース
  2. 例外には該当せず、通常の月13単位枠で算定するケース

今回問題になるのは、後者の「通常の13単位枠」で外来患者が要支援・要介護認定を受けた場合です。

要支援認定の「認定通知日」だけを見ない

要支援認定を受けた直後には、「いつから要支援認定者として扱うのか」という別の問題も生じます。

介護保険法第32条第7項では、要支援認定は、その申請のあった日にさかのぼって効力を生ずると定められています。

そのため、制度上の認定効力だけを見れば、認定結果の通知を受け取った日から始まるわけではありません。

ただし、ここから直ちに「認定通知前に算定した13単位分はすべて請求不可」「必ず返戻・返還になる」とまで断定するのは避けたほうがよいでしょう。

過去の厚生労働省の疑義解釈では、リハビリテーションに関連する別の取扱いについて、患者が要介護被保険者等である旨の通知を受け取るなどして、医療機関がその事実を知り得た日を基準とする考え方も示されています。これは今回の13単位規定そのものに対する疑義解釈ではないため、同じ扱いになるとは限りません。

したがって、介護保険申請後から認定結果が出るまでに、すでに120日超の13単位を算定しているケースでは、請求済み・未請求を含め、管轄の地方厚生(支)局や審査支払機関へ個別確認するのが安全です。

2026年度改定では介護保険サービスとの連携も確認する

2026年度診療報酬改定では、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料について、介護保険サービスとの連携に関する取扱いも見直されています。

今後、介護保険によるリハビリテーション等のサービス利用が必要と思われる患者については、必要に応じて介護支援専門員と協力し、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション等を提供する事業所の紹介、見学・体験の提案などにつなげることが示されています。

これは「要支援認定を受けた瞬間に医療保険リハを終了する」という意味ではありません。

医療保険で算定できる期間・条件を確認することと、今後必要となる介護保険サービスへの連携を進めることは別の論点として整理すると分かりやすくなります。

2026年度のリハビリテーション関連改定全体については、2026年度診療報酬改定のリハビリ関連まとめもあわせて確認してください。

外来で要支援認定を確認したら5項目で整理する

外来疾患別リハを実施している患者が要支援・要介護認定を受けた場合、私は次の順で確認すると整理しやすいと考えています。

外来疾患別リハで確認する5項目
順番 確認すること 判断のポイント
1 疾患別リハの種類 廃用症候群、脳血管疾患等、運動器などを確認する
2 標準的算定日数 算定日数内か、すでに超えているかを確認する
3 超過後の算定根拠 通常13単位枠か、所定の例外に該当しているかを分ける
4 介護保険認定 要支援・要介護認定の有無、申請日・認定状況を確認する
5 入院・外来 要介護被保険者等の13単位規定では入院か外来かが重要

特に避けたいのは、「介護認定あり=医療リハ終了」「介護サービス未利用=13単位継続可能」という2つの短絡です。

「算定日数」「13単位の根拠」「認定」「入院・外来」「例外要件」を分けて確認すると、今回のようなケースでも判断しやすくなります。

今回のケースを当てはめるとどうなるか

たとえば、次のようなケースを考えます。

  • 外来リハビリテーションを利用中
  • 廃用症候群リハビリテーション料を算定
  • 診断・急性増悪から120日を超えている
  • 通常の月13単位枠で対応中
  • 新たに要支援認定を受けた
  • 介護保険サービスはまだ利用していない

この場合、患者は要支援認定によって「要介護被保険者等」に含まれます。

廃用症候群リハの120日超について、要介護被保険者等に月13単位を認める規定は入院中の患者が対象です。

そのため、この患者が外来であり、別表第九の八・第九の九などによる別の算定根拠がないのであれば、介護保険サービスを利用していない場合でも、これまでの通常13単位枠をそのまま継続することはできないと整理できます。

ただし、認定申請から結果通知までの間にすでに算定した分の具体的な請求処理については、認定効力の遡及と医療機関が認定事実を知った時点の問題があるため、個別確認をおすすめします。

よくある疑問

要支援1でも「要介護被保険者等」に入りますか?

はい。介護保険法第62条では、要介護被保険者だけでなく居宅要支援被保険者も「要介護被保険者等」に含めています。そのため、要支援1・2も今回の13単位規定を確認するときの対象です。

要支援認定を受けたら、その日から外来リハはできませんか?

いいえ。要支援・要介護認定を受けただけで、外来の疾患別リハが一律に算定不可になるわけではありません。標準的算定日数内であれば、要介護被保険者等でも医療保険による通院の疾患別リハを実施できます。

介護保険サービスを1つも使っていなければ13単位を続けられますか?

通常の13単位枠については、介護サービスを実際に利用しているかではなく、「要介護被保険者等」に該当するかと、入院・外来の別がポイントです。外来の要支援・要介護認定者は、通常の13単位枠の対象にはなりません。

120日を超えた要支援患者は必ず疾患別リハを終了しますか?

必ず終了するとは限りません。標準的算定日数を超えても、別表第九の八・第九の九に定める所定の患者・場合に該当すれば、通常の13単位上限とは別に疾患別リハを算定できる場合があります。個々の患者について算定根拠を確認する必要があります。

まとめ

要支援・要介護認定後の外来疾患別リハは、介護認定の有無だけで「できる・できない」を決めるものではありません。

今回のポイントを整理すると、次のようになります。

  • 要支援・要介護認定を受けても、標準的算定日数内の外来疾患別リハは算定できる
  • 廃用症候群リハの標準的算定日数は120日
  • 120日超の通常13単位枠は、要介護被保険者等以外が対象
  • 要介護被保険者等の13単位規定は入院中の患者が対象
  • 「要介護被保険者等」には要支援認定者も含まれる
  • 介護保険サービスを実際に利用していなくても、要支援認定者であることは変わらない
  • 120日超でも所定の例外要件に該当すれば、13単位上限とは別の算定が可能な場合がある
  • 認定申請中から結果通知までの請求処理は、必要に応じて厚生局や審査支払機関へ個別確認する

外来患者が介護認定を受けたときは、「介護保険を使っているか」だけを見るのではなく、標準的算定日数→超過後の算定根拠→要支援・要介護認定→入院・外来→例外要件の順で整理すると判断しやすくなります。

参考にした公式資料

※本記事は2026年9月時点の法令・診療報酬点数表・厚生労働省資料をもとに整理しています。診療報酬の実際の算定可否は、患者の状態、算定経過、施設基準、審査上の取扱い等によって個別確認が必要になる場合があります。