リハビリ 1 単位はどこから?移動時間・19 分問題を整理【PDF付】

制度・実務
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リハビリ 1 単位はどこから?移動時間・19 分問題を整理

リハビリは「 20 分= 1 単位」と理解していても、実際の現場では「どこから開始するのか」「移動時間は含まれるのか」で迷いやすいです。特に、車椅子搬送、歩行しながらの移動、バイタル確認、途中中断などは、施設ごとの運用差が出やすいポイントです。

この記事では、疾患別リハの時間管理を「患者への直接的なリハビリテーション提供時間」という軸で整理します。制度上の最終判断は施設基準・通知・疑義解釈等の確認が必要ですが、現場で迷ったときの考え方を先にそろえると、単位管理と記録のブレを減らしやすくなります。

単位時間の外側も一緒に整理したい方へ

記録・説明・移動など、訓練時間に含めない時間を先にそろえると、この記事の内容も理解しやすくなります。

含めない時間を確認する

1 単位は「患者への直接的リハ提供時間」で考える

リハビリの 1 単位でまず分けたいのは、「スタッフがリハ業務をしていた時間」と「患者へ直接リハを提供していた時間」です。搬送、準備、記録、スタッフ単独の移動は必要な業務ですが、それだけで訓練時間と同じ扱いにはしにくい場面があります。

そのため、迷ったときは「この時間に、患者へ評価・訓練・ADL 練習などの直接介入をしていたか」を起点に考えます。単なる場所移動なのか、移動そのものが歩行訓練や移乗練習になっているのかを分けると、判断がかなり整理しやすくなります。

リハビリ時間に含む?含めない?を先に整理する

移動時間や待機時間は、「移動していたか」ではなく「リハビリ目的の直接介入だったか」で考えると整理しやすくなります。まずは、含める・含めない・状況によって判断するものを図で確認します。

リハビリ時間に含む・含めない・状況によって判断する時間を整理した図版
歩行訓練や移乗練習などの直接介入は含みやすく、単純搬送や機器準備は切り分けて整理します。

リハビリ 1 単位カウント早見表を使う

移動時間・中断・ 19 分問題は、文章だけで読むよりも「含める/含めない/状況依存」で並べると現場で確認しやすくなります。A4 1 枚の早見表として、判断の軸と記録に残したいポイントをまとめました。

カンファレンス、部門内の申し合わせ、新人指導、監査前の自己点検などで使いやすいように、チェック欄とメモ欄を残しています。

PDF:リハビリ 1 単位カウント早見表

移動・待機・中断・19 分問題を、A4 1 枚で確認できるチェックシートです。

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リハビリ時間はどこから始まりどこで終わる?

開始時点は、「患者に会った時点」や「病室へ迎えに行った時点」ではなく、実際に患者への直接的な評価・訓練・練習が始まった時点として整理すると安全です。終了時点も同じで、訓練が終わり、記録や単純搬送に移った時間は切り分けて考えます。

たとえば、病室で起居動作や移乗動作を評価しながら介入を開始した場合は、その時点から訓練として説明しやすくなります。一方、単にリハ室へ連れて行くための車椅子搬送だけであれば、訓練時間とは分ける方が現場の記録もそろいやすくなります。

移動時間は含まれる?車椅子搬送・スタッフ移動・機器準備で分ける

移動時間で最も大切なのは、「移動しているかどうか」ではなく「その移動が訓練として成立しているか」です。患者が車椅子に乗ってリハ室へ向かうだけなら、単純搬送として切り分ける整理が基本です。

一方で、歩行練習として廊下を移動する、方向転換や耐久性を評価する、移乗練習を含めて病室から出るなど、移動そのものが直接介入になっている場合は訓練時間として説明しやすくなります。

スマホでは表を横スクロールできます。

移動時間を 1 単位に含めるか迷いやすいケース
ケース 扱いの目安 考え方 記録のポイント
患者を車椅子でリハ室へ搬送 含めない寄り 単純搬送であり、直接訓練とは分ける 訓練開始時刻と搬送時間を混ぜない
歩行訓練として病棟内を移動 含み得る 移動そのものが歩行練習・耐久性評価になる 歩行距離、介助量、観察所見を残す
スタッフが 1 人でリハ室へ移動 含めない 患者不在で直接介入ではない 単位時間に入れない
スタッフが機器を取りに行く 含めない 準備行為であり、患者への直接訓練ではない 準備時間と実施時間を分ける
病室内で移乗練習を行ってから移動 含み得る 移乗・立位・方向転換が ADL 練習になる 実施内容と介助量を具体化する

19 分しか介入できなかった場合はどう考える?

現場で最も悩みやすいのが、直接的な訓練提供時間が 19 分程度で終わった場合です。搬送、準備、記録、待機を含めると 20 分を超えていても、患者への直接介入が 20 分に満たない場合は、1 単位として扱えるか慎重に確認する必要があります。

ここで重要なのは、「スタッフがその患者に関わっていた時間」ではなく「患者に直接リハを提供していた時間」で見ることです。結果的に 19 分で終了した場合は、理由、患者状態、中止判断、実施内容を記録に残し、施設内ルールに沿って算定可否を確認するのが安全です。

21 分以上介入した場合はどうする?

21 分以上介入した場合でも、「何をしていた 21 分なのか」が重要です。直接的な訓練が 21 分以上続いていれば 1 単位として整理しやすくなりますが、途中に単純搬送、スタッフ単独の移動、記録、長い待機が混ざると、実際の訓練時間が不明確になります。

そのため、21 分以上という数字だけで安心せず、直接介入の開始・終了、途中中断の有無、除外した時間を分けて考えます。2 単位目を考える場合も、単に 21 分を超えたかではなく、2 単位分の直接訓練時間として成立しているかを確認する必要があります。

途中中断・待機時間はどう扱う?

途中中断や待機時間は、実務上かなり判断が分かれやすい部分です。血圧低下、疼痛、トイレ対応、検査待ち、医師・看護師対応などが入ると、見かけ上の経過時間と実際の訓練時間がずれます。

中断が入った場合は、「中断中も患者への直接的な評価・訓練を継続していたのか」「安全確認や待機のみだったのか」を分けて記録します。特に、体調変化で中止した場合は、無理に 20 分へ寄せるより、患者状態と中止理由を明確に残す方が臨床的にも制度運用上も説明しやすくなります。

現場の詰まりどころ|よくある誤解を先に潰す

現場で起こりやすい誤解は、「患者と一緒にいたから 20 分」「リハ業務だから 20 分」「移動も必要だから 20 分」という考え方です。どれも現場感覚としては理解できますが、単位時間としては直接訓練と周辺業務を分ける必要があります。

もう 1 つの詰まりどころは、記録が後追いになり、開始・終了・中断理由が曖昧になることです。単位管理で迷いやすい職場では、まず「訓練開始」「訓練終了」「除外した時間」「中断理由」の 4 点だけでも統一しておくと、担当者間の差を減らしやすくなります。

続けて確認したい方は、親記事の 移動時間の除外整理 もあわせて見ると、今回の記事との違いが整理しやすくなります。

記録・単位管理で悩みが多い職場なら

教育体制や記録文化まで含めて、働き方を見直す入口として整理しています。

PT キャリアガイドを見る

次の一手

まずは、1 単位を「患者への直接的リハ提供時間」としてそろえ、移動・記録・準備・待機を混ぜない運用に整えることが大切です。次に、除外時間の総論や監査対策の記事へ進むと、部門内の申し合わせを作りやすくなります。


参考資料

  • 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について.
  • 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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