足根骨7個の覚え方|配列・位置関係と臨床の見方

評価
記事内に広告が含まれています。

足根骨は7個を「近位2・中間1・遠位4」で覚える

足根骨は、足部の後方から中央部を構成する7個の骨です。最初から7個の名前を一列で丸暗記するより、近位2個・中間1個・遠位4個に分けると、名前と位置関係を整理しやすくなります。

この記事では、新人PT・OTや学生に向けて、足根骨7個の一覧、配列の覚え方、内側・外側の位置関係、評価や記録につなげるポイントをまとめます。まず「2・1・4」を覚え、その後に距骨・踵骨・舟状骨を臨床場面と結びつけるのが近道です。

解剖記事を部位別に確認したい方へ

足根骨だけでなく、骨・筋・神経・触診部位を身体部位から探せます。

解剖ライブラリを見る

この記事でわかること

  • 足根骨7個の名前
  • 近位・中間・遠位での分け方
  • 足根骨の前後・内外側の位置関係
  • 「2・1・4」で覚える方法
  • 臨床で意識しやすい足根骨
  • 評価内容を記録するときの書き方

足根骨7個の一覧

足根骨は、距骨・踵骨・舟状骨・立方骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨の7個です。

足根骨7個の分類と名前
分類 個数 骨の名前 覚え方
近位 2個 距骨・踵骨 足関節と踵を作る後方の骨
中間 1個 舟状骨 距骨と楔状骨の間にある骨
遠位 4個 立方骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨 中足骨に近い前方の骨

暗記の起点は、次の3ブロックです。

  • 近位2個:距骨・踵骨
  • 中間1個:舟状骨
  • 遠位4個:立方骨・楔状骨3個

「距骨・踵骨」「舟状骨」「立方骨+楔状骨3個」と区切り、2・1・4の数字とセットで覚えると混乱を減らせます。

足根骨の配列は前後と内外側で確認する

足根骨の配列は、「近位・中間・遠位」だけでなく、「内側・外側」も合わせて見ると正確に理解できます。

足根骨7個を近位2個・中間1個・遠位4個に分けた配列図
足根骨は、近位2個・中間1個・遠位4個に分けると名前を整理しやすくなります。

「2・1・4」の分類を覚えたら、次は内側面と外側面から見た位置関係を確認します。

足根骨7個の内側面と外側面から見た位置関係を示した図
距骨・踵骨・舟状骨・立方骨・楔状骨を、内側面と外側面から見た位置関係で整理した図です。
足根骨の位置関係
位置 位置関係のポイント
後方・上方寄り 距骨 脛骨・腓骨の下にあり、踵骨の上に位置する
後方・下方寄り 踵骨 距骨の下にあり、踵の骨格を作る
中央・内側寄り 舟状骨 距骨の前方、3つの楔状骨の後方に位置する
中央・外側寄り 立方骨 踵骨の前方、第4・第5中足骨の後方に位置する
前方・内側寄り 3つの楔状骨 舟状骨と第1〜第3中足骨の間に並ぶ

配列を正しく覚えるポイント

  • 舟状骨は足部中央の内側寄りにある
  • 立方骨は足部中央から外側寄りにある
  • 楔状骨3個は舟状骨の前方に並ぶ
  • 立方骨と楔状骨3個は中足骨に近い

「中間は舟状骨1個」という分け方は暗記に便利ですが、足部全体が一直線に3列で並んでいるわけではありません。図では、舟状骨と立方骨の内外側の違いも確認してください。

近位の足根骨は距骨と踵骨

近位に位置する足根骨は、距骨と踵骨の2個です。

距骨は足関節の中心となる

距骨は脛骨・腓骨と距腿関節を作り、下方では踵骨、前方では舟状骨と関節します。

足関節背屈・底屈や後足部の動きを考えるときの中心になる骨です。距骨には筋が直接付着しないため、周囲の関節面や靱帯との関係を含めて理解する必要があります。

踵骨は踵を構成する最大の足根骨

踵骨は距骨の下に位置し、踵の骨格を作る大きな骨です。

立位や歩行では後足部で荷重を受け、アキレス腱の付着部にもなります。療養病棟では、解剖学的な位置だけでなく、仰臥位での踵部接触や発赤の有無も確認する機会が多い部位です。

近位2個の覚え方

  • 距骨:足関節を構成し、踵骨の上にある
  • 踵骨:踵を構成し、距骨の下にある
  • 上下関係は「距骨が上、踵骨が下」

舟状骨は距骨と楔状骨の間にある

舟状骨は、距骨の前方と3つの楔状骨の後方に位置する、足部内側寄りの骨です。

内側には舟状骨粗面があり、足部内側の骨性ランドマークとして確認されます。内側縦アーチや荷重時の足部アライメントを観察するときにも、位置を把握しておきたい骨です。

舟状骨の位置関係

  • 後方:距骨
  • 前方:内側・中間・外側楔状骨
  • 位置:足部中央の内側寄り
  • 確認点:舟状骨粗面

新人PTでは、舟状骨を「中央の骨」とだけ覚えると、足部の真ん中に単独で存在するように誤解しやすくなります。実際には、内側寄りで距骨と楔状骨をつなぐ骨として整理すると臨床につながります。

遠位は立方骨と3つの楔状骨

遠位側は、立方骨1個と楔状骨3個の合計4個として覚えます。

  • 立方骨
  • 内側楔状骨
  • 中間楔状骨
  • 外側楔状骨

3つの楔状骨は足部の内側から順に、内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と並びます。立方骨はそれらより外側に位置します。

遠位側の足根骨と対応する中足骨
足根骨 主に前方で接する中足骨 位置
内側楔状骨 第1中足骨 最も内側
中間楔状骨 第2中足骨 内側楔状骨と外側楔状骨の間
外側楔状骨 第3中足骨 3つの楔状骨のうち最も外側
立方骨 第4・第5中足骨 足部外側

遠位4個は、内側から楔状骨3個、外側に立方骨という並びで確認すると、中足骨との位置関係を整理しやすくなります。

足根骨を覚える3ステップ

足根骨は、名前、前後、内外側の順に分けて確認すると短時間で復習できます。

  1. 個数を確認する:足根骨は7個
  2. 前後に分ける:近位2・中間1・遠位4
  3. 内外側を加える:舟状骨と楔状骨は内側寄り、立方骨は外側寄り

30秒で確認する暗記フロー

距骨・踵骨

舟状骨

内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨
+外側に立方骨

口頭で7個を言えるだけで終わらず、白紙に大まかな配置を書けるか確認すると、単純暗記から位置関係の理解へ進めます。

臨床では距骨・踵骨・舟状骨から押さえる

臨床で足根骨を見るときは、まず距骨・踵骨・舟状骨の3つを、足関節運動、荷重、足部アライメントと結びつけて確認します。

臨床で意識しやすい足根骨
主な位置 臨床で関連づける視点
距骨 足関節中央・踵骨の上 距腿関節、足関節背屈・底屈、後足部の動き
踵骨 踵部 後足部荷重、踵接地、踵部の皮膚状態
舟状骨 足部中央の内側 内側縦アーチ、荷重時の足部アライメント
立方骨 足部中央の外側 外側縦アーチ、外側列の荷重や圧痛
楔状骨 舟状骨と第1〜第3中足骨の間 前足部との連続、横アーチや内側列の位置関係

臨床では、骨の名前だけから原因を決めるのではなく、疼痛部位、腫脹、圧痛、荷重条件、関節運動、歩行時の症状を組み合わせて判断します。

現場の詰まりどころは立方骨と舟状骨の位置関係

足根骨で詰まりやすいのは、7個の名前そのものより、舟状骨・立方骨・楔状骨の位置関係です。

足根骨で迷いやすい点と整理方法
迷いやすい点 整理方法
足根骨を8個と覚える 手根骨は8個、足根骨は7個と対比する
距骨と踵骨の上下が曖昧 距骨が上、踵骨が下と固定する
舟状骨の位置が曖昧 距骨の前、楔状骨の後、足部内側寄りと覚える
立方骨を楔状骨の一部と混同する 楔状骨3個とは別に、外側へ立方骨1個と整理する
楔状骨3個の順番が混ざる 内側・中間・外側を足部の内側から順に並べる

図を見た直後は分かっていても、翌日に位置を再現できなければ定着していません。翌日、1週間後、臨床で足部を評価する前に、7個と位置関係を短時間で再確認すると定着しやすくなります。

新人が間違えやすいポイント

足根骨の学習では、分類を覚えただけで実際の位置関係まで理解したと思い込まないことが重要です。

  • 手根骨と混同し、足根骨を8個と答える
  • 距骨と踵骨を前後だけで覚え、上下関係を説明できない
  • 舟状骨を足部の中央に単独で並ぶ骨として捉える
  • 立方骨を楔状骨3個と同じ内側列に並べる
  • 内側・中間・外側楔状骨の順番が逆になる
  • 骨名だけで疼痛原因を断定する

間違いを減らすには、名称を唱えるだけでなく、距骨の下に踵骨、距骨の前に舟状骨、舟状骨の前に楔状骨3個、外側に立方骨と位置を説明できる状態を目指します。

評価・記録では部位と条件をセットで残す

足根骨周囲の所見は、骨名だけでなく、左右、圧痛部位、動作、荷重条件、症状変化をセットで記録します。

足根骨周囲を確認したときの記録例
確認場面 記録例
踵部の確認 右踵骨隆起周囲に圧痛あり。立位荷重時に疼痛が増強する。
足関節運動 右足関節背屈時に前方部の詰まり感を訴える。自動運動と他動運動で症状を確認した。
内側縦アーチ 右舟状骨粗面の位置を非荷重位と立位で確認。立位で内側縦アーチの低下が目立つ。
足部外側痛 左足部外側、立方骨周囲に限局した圧痛あり。歩行立脚中期に疼痛を訴える。

骨名は所見を具体化するために使用します。疼痛の原因や病態は、受傷機転、腫脹、荷重可否、関節可動域、画像所見などを含めて判断する必要があります。

足根骨を覚えた後は、周囲の骨と関節をつなげると、足関節・足部の全体像を理解しやすくなります。

  • 脛骨・腓骨:距骨と距腿関節を構成する
  • 中足骨:遠位側の足根骨と関節する
  • 距腿関節:主に足関節背屈・底屈に関わる
  • 距骨下関節:距骨と踵骨の間にある
  • 横足根関節:距舟関節と踵立方関節で構成される
  • 足部アーチ:足根骨・中足骨・靱帯・筋腱が関係する

足部を触れて確認するときは、細かな骨を無作為に探すより、内果・外果、踵骨、舟状骨粗面、第5中足骨粗面など、分かりやすい骨性ランドマークから広げると位置を見失いにくくなります。

FAQ

各質問をタップすると回答が開きます。

足根骨は何個ありますか?

足根骨は7個です。距骨・踵骨・舟状骨・立方骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨で構成されます。

足根骨7個はどう覚えるとよいですか?

近位2個、中間1個、遠位4個に分けます。近位は距骨・踵骨、中間は舟状骨、遠位は立方骨と3つの楔状骨です。「2・1・4」と数字で覚えると整理しやすくなります。

距骨と踵骨はどちらが上にありますか?

距骨が上、踵骨が下です。距骨は脛骨・腓骨の下で足関節を構成し、踵骨は距骨の下で踵の骨格を作ります。

舟状骨はどこにありますか?

舟状骨は足部中央の内側寄りにあり、距骨の前方、3つの楔状骨の後方に位置します。内側にある舟状骨粗面は骨性ランドマークとして確認されます。

楔状骨は何個ありますか?

楔状骨は3個です。足部の内側から、内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨の順に並びます。

足根骨と手根骨の個数は同じですか?

同じではありません。足根骨は7個、手根骨は8個です。個数を対比して覚えると混同を防ぎやすくなります。

次の一手

足根骨の名前と配列を確認できたら、解剖全体の中で位置づけた後、実際の骨性ランドマークの確認へ進みましょう。


参考文献

  1. Moore KL, Dalley AF, Agur AMR. Clinically Oriented Anatomy. 9th ed. Philadelphia: Wolters Kluwer; 2023.
  2. Standring S, editor. Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. 42nd ed. London: Elsevier; 2020.
  3. Drake RL, Vogl AW, Mitchell AWM. Gray’s Anatomy for Students. 5th ed. Philadelphia: Elsevier; 2023.
  4. Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System: Foundations for Rehabilitation. 3rd ed. St Louis: Elsevier; 2017.
  5. Levangie PK, Norkin CC. Joint Structure and Function: A Comprehensive Analysis. 6th ed. Philadelphia: F.A. Davis; 2019.
  6. StatPearls Publishing. Anatomy, Bony Pelvis and Lower Limb: Foot Bones. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island: StatPearls Publishing. NCBI Bookshelf

著者情報

執筆者は、脳卒中認定理学療法士、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、登録理学療法士、3学会合同呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーター2級の資格を有し、療養病院で理学療法と新人教育に携わっています。

本記事は、足根骨の名称を暗記するだけでなく、評価や記録へつなげられるよう、臨床で確認しやすい位置関係を中心に整理しました。疼痛、腫脹、外傷、荷重困難がある場合は、骨名だけで病態を判断せず、受傷機転や画像所見を含めて医師など多職種と情報共有してください。