訪問リハの「指示書」と「計画書」は役割が違います
訪問リハでは、「指示書」と「計画書」を混同しやすい場面があります。しかし、実際には作成者・役割・法的位置づけが異なります。
特に、訪問リハを始めたばかりの時期は「どちらを先に確認する?」「何を書けばいい?」と迷いやすいため、まずは“根拠”と“実施内容”を分けて理解することが重要です。
指示書と計画書の違い

まずは、両者の役割を整理します。
| 項目 | 指示書 | 計画書 |
|---|---|---|
| 作成者 | 医師 | PT・OT・ST |
| 役割 | 訪問リハ実施の根拠 | 目標・内容の整理 |
| 内容 | 医学的指示 | 具体的な介入内容 |
| 利用者説明 | 直接の説明書類ではない | 説明・同意を行う |
| 実務上の位置づけ | 開始・継続の前提 | 運用・共有の中心 |
つまり、指示書は「訪問リハを行う根拠」、計画書は「どのように実施するかを整理する書類」です。
指示書は「訪問リハを行う根拠」です
訪問リハは、医師の指示のもとで実施されます。そのため、指示書は訪問リハ開始・継続の前提となる重要書類です。
実務では、以下の確認が特に重要です。
- 診断名
- リスク・禁忌
- 負荷量の指示
- 医師の診察状況
- 更新タイミング
特に、医師診察と訪問リハ継続の関係は監査でも確認されやすいため、運用を曖昧にしないことが重要です。
計画書は「目標と内容を整理する書類」です
計画書は、PT・OT・ST が中心となって作成する書類です。利用者・家族へ説明し、同意を得ながら運用します。
実務では、以下を整理します。
- 生活目標
- 短期・長期目標
- 具体的な介入内容
- 頻度・期間
- 再評価の視点
単なる書類作成ではなく、「3 か月運用」で見直していく視点が重要です。
関連:訪問リハ計画書は「書類作成」より「3か月運用」で考えます
現場で混同しやすいポイント
実務では、指示書と計画書の役割が混ざってしまうことがあります。
| 混同しやすい点 | 実際の整理 |
|---|---|
| 目標を指示書で確認する | 目標設定は計画書中心 |
| 計画書だけ更新する | 医師指示との整合も必要 |
| 説明・同意が曖昧 | 計画書で説明・共有する |
| 診察との連動不足 | 指示書と診察状況を確認 |
実務では「流れ」で考えると整理しやすいです
訪問リハでは、書類単体ではなく「医師指示 → 計画 → 実施 → 再評価」の流れで考えることが重要です。
| 流れ | 役割 |
|---|---|
| 医師指示 | 訪問リハ実施の根拠 |
| 計画書作成 | 目標・内容を整理 |
| 訪問リハ実施 | 介入・モニタリング |
| 再評価 | 目標・内容を見直す |
特に、再評価と計画更新をセットで考えると、書類運用が整理しやすくなります。
実務では「運用」で考えることが重要です
訪問リハでは、書類を作ること自体が目的ではありません。
重要なのは、医師・リハ職・利用者家族で情報共有しながら、継続的に運用することです。
- 診察時期を把握する
- 目標更新を定期化する
- 説明・同意を記録に残す
- 再評価視点を共有する
特に、監査対策としても「運用できているか」が重要になります。
次の一手
参考文献
- 厚生労働省. 介護保険最新情報.
- 全国訪問リハビリテーション協会. 訪問リハビリテーション実務資料.
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を運営。脳卒中・褥瘡・呼吸リハ・訪問リハ領域を中心に、臨床実務で使いやすい情報を発信しています。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士


