外来リハビリテーション診療料1・2の違い【令和8年度】点数・算定要件・記録

制度・実務
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外来リハビリテーション診療料1・2の違い【令和8年度】

外来リハビリテーション診療料は、状態が比較的安定した外来患者に対し、医師がリハビリテーションに関する包括的な診察を行うことを評価する診療料です。令和8年度の点数は、診療料1が74点、診療料2が111点です。両者は点数だけでなく、実施計画書上のリハ提供頻度と算定間隔が異なります。

本記事では、外来リハビリテーション診療料1・2の違い、対象患者、施設基準、初診料・再診料との関係を整理します。さらに、PT・OT・STがリハ実施前に確認する項目、療養指導記録、医師への報告方法まで、外来リハの実務に沿って解説します。

外来リハビリテーション診療料1・2の比較(令和8年度)
比較項目 診療料1 診療料2
点数 74点 111点
実施計画書上の提供頻度 1週間に2日以上 2週間に2日以上
算定間隔 7日間に1回 14日間に1回
対象患者 状態が比較的安定した外来患者 状態が比較的安定した外来患者
療法士による状態観察 必要 必要
医師への報告 必要 必要

結論:診療料1・2は、点数の高低だけで選ぶものではありません。患者の状態、実施計画書上の提供頻度、算定間隔、施設基準、診察・記録体制を確認して判断します。

令和8年度の外来リハビリテーション診療料1・2を比較。診療料1は74点・7日間に1回、診療料2は111点・14日間に1回。共通する算定上の注意点と療法士・医師の確認事項を示した図版
図:外来リハビリテーション診療料1・2の違いと算定時の確認事項(令和8年度)。詳細な算定条件は本文と最新の告示・通知を確認してください。

対象患者と算定要件・施設基準

外来リハビリテーション診療料は、対象となる疾患別リハビリテーションを必要とする、入院中ではない患者に対して算定する診療料です。

対象となるのは、状態が比較的安定し、実施計画書に所定のリハ提供頻度が設定されている患者です。毎回の医師診察を省略できるかどうかだけでなく、患者の状態変化に対応できる診療体制が求められます。

対象となる疾患別リハビリテーション料

外来リハビリテーション診療料の対象となる疾患別リハビリテーション料
区分 診療報酬上の番号
心大血管疾患リハビリテーション料 H000
脳血管疾患等リハビリテーション料 H001
廃用症候群リハビリテーション料 H001-2
運動器リハビリテーション料 H002
呼吸器リハビリテーション料 H003

疾患別リハビリテーション料の分類や算定の全体像は、疾患別リハビリテーション料の5区分で確認できます。

施設基準と届出の考え方

外来リハビリテーション診療料を算定する施設では、対象となる疾患別リハビリテーション料の届出に加え、患者の急変時に対応できる体制が必要です。

外来リハビリテーション診療料の施設基準と確認事項
確認項目 要件・確認内容
疾患別リハ料の届出 所定の疾患別リハビリテーション料について必要な届出を行っていること
急変時の連絡体制 患者がリハを実施している間、急変時などに医師が連絡を受けられる体制があること
医師の診察体制 リハビリテーションを担当する医師が直ちに診察できる体制があること
外来リハ診療料の個別届出 所定の疾患別リハ料の届出を行っている場合、外来リハビリテーション診療料としての個別届出は不要

なお、算定対象となる疾患別リハビリテーション料の範囲と、施設基準で求められる届出区分は、告示・通知の記載に沿って確認する必要があります。

実際の算定では、自施設の届出状況と急変時の診療体制を医事担当者と確認してください。

初診料・再診料・外来診療料との関係

外来リハビリテーション診療料1を算定する日から起算して7日以内、診療料2を算定する日から起算して14日以内は、当該リハビリテーションの実施に係る初診料・再診料・外来診療料について算定制限があります。

一方、所定の条件を満たす疾患別リハビリテーション料は算定できます。外来リハビリテーション診療料と疾患別リハビリテーション料を混同しないことが重要です。

外来リハビリテーション診療料と他の診療報酬項目の関係
項目 診療料1 診療料2
算定間隔 7日間に1回 14日間に1回
初診料 対象期間中は原則算定しない 対象期間中は原則算定しない
再診料 対象期間中は原則算定しない 対象期間中は原則算定しない
外来診療料 対象期間中は原則算定しない 対象期間中は原則算定しない
疾患別リハ料 所定の条件で算定可能 所定の条件で算定可能
他方の外来リハ診療料 対象期間中は診療料2を算定しない 対象期間中は診療料1を算定しない

令和8年度の加算に関する例外

令和8年度の医科点数表では、初診料・再診料・外来診療料の算定制限について、次の加算が除外されています。

令和8年度の算定制限における例外規定
項目 算定制限から除外される加算
A000 初診料 注15および注16に規定する加算
A001 再診料 注19に規定する加算
A002 外来診療料 注10に規定する加算

注意:算定制限から除外されていることは、該当する加算を無条件で算定できることを意味しません。それぞれの加算に定められた要件を満たす必要があります。

また、算定制限は当該リハビリテーションの実施に係る診療についての規定です。別の傷病に対する診療など、個別の算定判断が必要な場合は、点数表と留意事項通知に基づいて医事担当者と確認してください。

毎回の医師診察を省略できる条件と注意点

外来リハビリテーション診療料は、医師によるリハビリテーションに関する包括的な診察を評価するものです。毎回のリハ実施日に医師が診察することを前提とした運用ではありません。

ただし、外来リハビリテーション診療料を算定しているからといって、医師の診察が不要になるわけではありません。

リハビリテーションスタッフが患者の状態を観察した際、前回と比べて状態の変化が認められた場合や、患者から診察の求めがあった場合などには、必要に応じて医師が診察を行います。

外来リハ実施前の状態確認と対応例
患者の状態 対応の考え方
前回と比較して状態が安定 所定の観察・記録・医師報告を行い、計画に沿ってリハを実施する
疼痛や神経症状が増悪 症状を確認し、必要に応じて実施を保留して医師へ報告する
息切れ、胸痛、意識状態の変化など 安全確保を優先し、緊急性に応じて直ちに医師へ連絡する
転倒や新たな外傷がある 受傷状況と症状を確認し、診察の必要性を判断する
患者が医師診察を希望 希望内容を確認し、必要に応じて診察につなぐ

上表は実務上の対応例であり、診療報酬上の独立した中止基準ではありません。緊急性が高い症状では、算定上の取り扱いより患者の安全確保を優先します。

療法士が行う状態観察と療養指導記録

外来リハビリテーション診療料1・2を算定している場合、疾患別リハビリテーションを提供する日に、リハビリテーションスタッフが提供前の患者状態を十分に観察し、療養指導記録に記載する必要があります。

重要なのは、単に「著変なし」と記載することではなく、患者の状態を確認した内容が分かるようにすることです。

リハ実施前に確認したい項目

外来リハ実施前の観察項目と記録例
項目 確認内容 記録例
症状 疼痛、しびれ、息切れ、めまいなど 右膝痛は前回同程度。新たなしびれなし。
全身状態 倦怠感、発熱、体調変化 発熱や強い倦怠感の訴えなし。
バイタル 病態や必要性に応じた血圧、脈拍、SpO2など 血圧128/76mmHg、脈拍72回/分。
生活状況 転倒、ADL、活動量、服薬変更 前回以降の転倒なし。屋外歩行を継続。
患者の希望 診察希望、不安、相談事項 医師診察の希望なし。運動量について相談あり。

上記は記録を整理するための実務例です。すべての患者に毎回同じ検査やバイタル測定を義務付けるものではありません。疾患、症状、治療内容、施設の運用に応じて必要な観察項目を選択します。

記録は前回からの変化が分かる形にする

外来リハでは、前回からの症状変化や生活状況の変化を把握することが重要です。

例えば、疼痛が前回と同程度であっても、歩行距離の低下や転倒が生じていれば、治療方針の再検討が必要になる場合があります。

そのため、症状、生活状況、患者の希望を確認し、必要に応じて医師へ共有できる形で記録します。

医師への報告と診療録記載

外来リハビリテーション診療料1・2を算定している場合、医師は疾患別リハビリテーション料の算定ごとに、リハビリテーションスタッフから報告を受け、効果や進捗状況などを確認して診療録等に記載します。

スタッフからの報告は、カンファレンスの実施によって代えることも認められています。

療法士が療養指導記録を残すことと、医師が報告を受けて確認・記載することは、それぞれ区別して運用する必要があります。

療法士と医師の役割分担
担当 必要な対応
療法士 リハ提供前の状態観察と療養指導記録
療法士 リハの効果、進捗状況、状態変化などを医師へ報告
医師 スタッフからの報告を受け、効果や進捗状況を確認
医師 確認した内容を診療録等に記載
医師 必要に応じて診察し、治療方針を判断

医師へ報告しやすい記録の型

報告内容は、状態変化、実施内容、効果・進捗、今後の方針の4項目に整理すると、情報共有しやすくなります。

外来リハにおける医師への報告例
項目 記載例
状態変化 右膝痛は前回同程度。転倒なし。
実施内容 関節可動域練習、筋力練習、歩行練習を実施。
効果・進捗 TUGは18秒から15秒へ改善。
今後の方針 疼痛増悪なく、歩行耐久性向上を目的に継続予定。

この記録形式は独自の運用例であり、診療報酬上の指定様式ではありません。既存の電子カルテや報告様式を活用し、必要な情報が医師へ伝わる体制を整えることが重要です。

外来リハビリテーション診療料の確認フロー

外来リハビリテーション診療料を算定する際は、対象患者、実施計画書、施設基準、算定間隔、観察・報告体制の順に確認すると整理しやすくなります。

外来リハビリテーション診療料の実務確認フロー
順番 確認事項 判断のポイント
1 対象患者 入院中ではなく、状態が比較的安定しているか
2 対象リハ料 所定の疾患別リハビリテーションに該当するか
3 実施計画書 診療料1・2に対応する提供頻度が設定されているか
4 施設基準 必要な届出と急変時の医師診察体制があるか
5 算定間隔 前回算定日と7日・14日の期間を確認したか
6 観察・記録 リハ提供前の状態観察と療養指導記録が行われているか
7 医師報告 効果・進捗の報告と医師による確認・記載が行われているか

算定判断は療法士だけで完結するものではありません。医師、リハビリテーション部門、医事担当者が共通の運用を確認することが重要です。

予定したリハ提供回数を実施できなかった場合

外来リハでは、体調不良や急な事情によって、実施計画書に記載した回数どおりにリハビリテーションを提供できない場合があります。

過去の疑義解釈では、予測できなかったやむを得ない事情により予定回数を実施できなかった場合について、一定の条件下で算定を認める取り扱いが示されています。

ただし、予定回数を下回っても常に算定できるという意味ではありません。個別の事情、記録内容、現行の疑義解釈との整合性を確認する必要があります。

実務上は、欠席理由、予定していた提供日、実際の実施日、医師への報告内容などを確認し、算定可否を医事担当者と判断してください。

記録例:TKA術後に外来運動器リハを週2回実施する場合

ここでは、人工膝関節全置換術(TKA)後に外来運動器リハビリテーションを週2回継続する架空症例を示します。

患者の状態が比較的安定し、実施計画書に週2日の提供頻度が設定されている場合、施設基準などの条件を確認したうえで、外来リハビリテーション診療料1の対象となるかを検討します。

TKA術後患者の外来リハ記録例(架空症例)
場面 記録例
医師による診察・計画 右TKA術後。疼痛は安定しており、歩行耐久性と階段昇降能力の改善を目的に外来運動器リハを週2回継続する。
リハ実施前の観察 前回後の疼痛増悪なし。転倒なし。創部トラブルの訴えなし。血圧128/76mmHg、脈拍72回/分。状態を確認し、予定したリハを実施。
実施内容 膝関節可動域練習、下肢筋力練習、歩行練習、階段昇降練習を実施。
医師への報告 膝屈曲可動域は105度から115度へ改善。屋外歩行は杖使用で安定。疼痛増悪なく、歩行耐久性向上を目的に継続予定。
医師による確認 スタッフからの報告を受け、リハの効果と進捗状況を確認し、診療録等に記載する。

上記は記録方法を説明するための架空症例です。実際の記録では、患者ごとの状態、医師の判断、施設の記録様式に合わせて記載してください。

よくある質問

外来リハビリテーション診療料1と2は、点数の高い方を選べますか?

点数だけで選択するものではありません。診療料1は実施計画書で1週間に2日以上、診療料2は2週間に2日以上の疾患別リハビリテーションを提供することとしている患者が対象です。患者状態や算定間隔なども含めて確認します。

外来リハビリテーション診療料を算定すれば、毎回の医師診察は不要ですか?

毎回の医師診察を前提とする診療料ではありませんが、医師の診察が不要になるわけではありません。患者の状態変化や診察希望がある場合などには、必要に応じて医師が診察します。

外来リハビリテーション診療料の個別届出は必要ですか?

所定の疾患別リハビリテーション料の届出を行っていれば、外来リハビリテーション診療料としての個別届出は不要とされています。ただし、急変時に担当医師が直ちに診察できる体制など、施設基準を満たす必要があります。

療法士の記録だけで医師への報告を省略できますか?

できません。療法士によるリハ提供前の観察・療養指導記録に加え、医師がスタッフから報告を受け、リハの効果や進捗状況を確認して診療録等に記載する必要があります。スタッフからの報告は、カンファレンスによって代えることもできます。

予定した回数の外来リハを実施できなかった場合はどうなりますか?

過去の疑義解釈では、予測できなかったやむを得ない事情による未実施について、一定の条件下で算定を認める取り扱いが示されています。ただし、欠席理由や記録内容などを確認する必要があり、すべての欠席に適用されるわけではありません。現行の通知・疑義解釈と照合して判断してください。

次の一手

外来リハビリテーション診療料の算定要件を確認したら、疾患別リハビリテーション料そのものの算定条件も整理しておきましょう。

① 全体像を確認する:疾患別リハビリテーション料の5区分では、対象疾患や区分の違いを確認できます。

② 継続算定の条件を確認する:疾患別リハビリテーション料の標準的算定日数では、算定期間や継続時の注意点を整理しています。

運動器リハビリテーションを中心に実施する施設では、運動器リハビリテーション料の施設基準も併せて確認すると、施設の届出と外来リハの算定条件を整理しやすくなります。

参考文献

  1. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について. 2026.
  2. 厚生労働省. 令和8年度 医科診療報酬点数表. B001-2-7 外来リハビリテーション診療料. 2026.
  3. 厚生労働省保険局医療課. 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号、令和8年10月7日訂正後). 2026. 厚生労働省の通知掲載ページ.
  4. 厚生労働省保険局医療課. 特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号、令和8年10月7日訂正後). 2026. 厚生労働省の通知掲載ページ.

制度情報の確認日:2026年10月28日。実際の算定時には、厚生労働省の最新の告示・通知・疑義解釈を確認してください。

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

2022年4月にrehabilikun blogを開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの経験を経て、現在は療養病院に勤務しています。

脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションなどを中心に、臨床で役立つ評価・判断・実践方法を発信しています。医療従事者が日々の臨床で迷いやすいポイントを、根拠と実務の両面から整理することを大切にしています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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