SOAPのPの書き方|「継続」で終わらせない1〜2文テンプレ

制度・実務
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SOAPのPには「次にどうするか」を書きます

SOAPのP(Plan)は、Aで整理した問題や優先度を受けて、次に何をするかを示すパートです。「歩行練習を継続」「経過観察」だけでは次回の判断材料が残りにくいため、必要に応じて実施条件や再評価まで具体化します。

この記事では、PT・OT・STなどリハビリ職が日々の記録で迷いやすい「Pには何を書くのか」「AとPをどこで分けるのか」「1〜2文でどう具体化するのか」を、テンプレとNG→OK例で整理します。

SOAP全体の書き分けから確認したい方へ

S・O・A・Pそれぞれの役割は、SOAPによるカルテの書き方で全体像を確認できます。

SOAPのPを1〜2文で書くテンプレ

迷ったときは、「次にすること → 必要な条件 → 再評価」の順で考えるとPを短くまとめやすくなります。量・頻度や安全条件は、毎回すべてを書く必須項目ではなく、その症例の次回計画を具体化するために必要なものを選びます。

Pの1〜2文テンプレ

(目的)のため、次回は(評価・介入・指導・連携)を(必要な条件)で行う。(何を)再確認し、継続・変更を判断する。

たとえば「歩行練習を継続」だけでは、何を見ながら続けるのかが分かりません。「次回も歩行練習を実施し、介助量と歩行の安定性を再確認する」とすれば、次回に見るポイントまで共有できます。

AとPの違い|判断まではA、次の行動はP

AとPを分けるポイントは、「今の状態をどう判断したか」と「その判断を受けて次にどうするか」です。Aで原因や優先度を考え、Pで具体的な次回行動へ変換します。

SOAPのAとPの役割の違い
A(Assessment) P(Plan)
何が問題か 次に何をするか
何を根拠にそう考えるか 必要なら、どの条件で行うか
どう解釈し、何を優先するか 何を再評価して見直すか

たとえば、Aで「立ち上がり時の前方重心移動が乏しく、動作不安定性の一因と考える」と判断したなら、Pでは「次回は立ち上がり練習を実施し、介助量と動作の安定性を再確認する」のように次の行動へつなげます。

SOAPのAの結論を、Pの次にすること・必要な条件・再評価へ変換する流れ
Aで整理した主問題・根拠・優先度を、Pでは「次にすること」「必要な条件」「再評価」へ変換します。

Aそのものの組み立て方で迷う場合は、SOAPのAの書き方で「主問題・根拠・解釈・優先度」の境界を確認してください。

Pを具体化するときに確認する5つの観点

Pには全症例共通の固定文型があるわけではありません。ここでは、抽象的な「継続」「経過観察」で終わらせないための実務上の確認観点として、次の5つに分けて考えます。

SOAPのPを具体化するときの5つの確認観点
観点 確認すること 書く場面
目的 Aのどの課題に対応するか 計画とのつながりを明確にしたいとき
次にすること 評価・介入・指導・連携など、次回の行動は何か 原則としてPの中心になる
量・頻度 回数・時間・距離・頻度などを決める必要があるか 負荷や進行条件を具体化したいとき
安全・実施条件 実施方法、補助具、介助、安全上の条件などが必要か 安全性や再現性に関わるとき
再評価 何を、いつ見直すか 継続・変更を判断する基準を残したいとき

5項目を毎回すべて書く必要はありません。その日のAを受けて、次の担当者や次回の自分が「何をすればよいか」「何を見直せばよいか」が分かる情報を選びます。

Pの例文|4つの判断パターンで考える

疾患名ごとの定型文を覚えるより、次回に何を変えるのかでPを分類すると応用しやすくなります。代表的なのは「継続」「条件変更」「追加評価」「連携・相談」の4パターンです。

1. 介入を継続する場合

例:次回も立ち上がり練習を継続し、同じ補助具条件で介助量と動作の安定性を再確認する。

単に「継続」とせず、何を継続し、何を見るのかまで残します。

2. 条件を変更する場合

例:次回は歩行を休憩を挟んで実施し、疲労が出現する時点と歩行の安定性を確認する。

Aで現在の条件では負荷が合わないと判断した場合は、Pに次回変更する条件を書きます。

3. 追加評価する場合

例:移乗時の介助量増加について、次回は疼痛と下肢機能を追加確認し、介助量増加に関わる要因を再評価する。

Pは介入だけを書く欄ではありません。Aだけでは判断材料が不足している場合は、次に確認する評価を書くこともできます。

4. 連携・相談する場合

例:活動時の状態変化を看護師と共有し、次回介入時の反応を確認したうえで実施条件を再検討する。

他職種との情報共有や相談が次の判断に必要なら、それもPに含められます。誰と何を共有し、その後何を確認するのかまで書くと意図が伝わりやすくなります。

よくあるNG→OK|「継続」「注意」「様子を見る」を具体化する

Pが弱くなりやすいのは、次の行動や判断材料が読み取れない表現です。文章を長くする必要はなく、曖昧な部分を1つ具体化するだけでも次回につながります。

SOAPのPでよくあるNGと書き換え例
NG 不足していること OKの例
歩行練習を継続 何を確認しながら続けるか不明 次回も歩行練習を実施し、介助量と歩行の安定性を再確認する。
疼痛に注意して実施 何を見て調整するか不明 次回は疼痛の変化を確認しながら実施し、負荷量の継続・変更を判断する。
経過観察 何を、いつ確認するか不明 次回、移乗時の介助量とふらつきを再確認し、介助方法を見直す。
必要時に他職種と連携 何を共有するか不明 活動時の状態変化を看護師と共有し、次回の実施条件を再検討する。
現行プログラムを継続 Aの判断が次回計画へ反映されていない 現在の介入を継続し、次回は立位保持時間と介助量の変化を確認する。

Pを書いた後の短い確認

書き終えたら、項目数を数えるのではなく、次回の行動が読み取れるかを確認します。

  • Aで優先した課題とPがつながっているか
  • 「継続」「注意」「経過観察」だけで終わっていないか
  • 次にする評価・介入・指導・連携が分かるか
  • 必要な場合は、量・頻度や安全・実施条件が具体化されているか
  • 再評価が必要な場合は、何を見直すか分かるか

すべてにチェックを付けることが目的ではありません。次回の担当者が読んで、そのまま次の判断へ進めるかを基準にすると、Pを必要以上に長くせずに済みます。

よくある質問

Q1. Pは毎回どこまで詳しく書けばよいですか?

A. 毎回同じ項目をすべて書く必要はありません。その日のAを受けて、次回に必要な評価・介入・指導・連携などを具体化します。量・頻度、安全条件、再評価時期などは、次の判断に必要な場合に追加します。

Q2. 「継続」とだけ書くのはダメですか?

A. 継続する判断自体が問題なのではありません。ただし「継続」だけでは、何を継続し、次に何を確認するのかが伝わりにくくなります。「歩行練習を継続し、次回は介助量と歩行の安定性を確認する」のように、次の確認事項を添えると具体的です。

Q3. 中止基準は毎回Pに書く必要がありますか?

A. 全例で同じように書く必須項目とは考えません。症状、バイタル、荷重条件、補助具、介助方法など、安全性や実施可否に関わる条件を次回も共有する必要がある場合に具体化します。

Q4. 再評価はPに書いてよいですか?

A. はい。次回の計画として、何を再確認し、その結果から継続・変更を判断するかを書くとAからPへのつながりが明確になります。ただし、すべての記録で固定的な期限や尺度を入れる必要はなく、患者の状態や目的に応じて選びます。

まとめ|PはAを「次の一手」へ変える

SOAPのPで大切なのは、項目を多く書くことではなく、Aで整理した判断を次回の行動へつなげることです。

  • A:何が問題か、なぜそう考えるか、何を優先するか
  • P:次に何をするか、必要ならどの条件で行うか、何を再評価するか

「継続」「経過観察」で止まりそうなときは、次にすること → 必要な条件 → 再評価の順に1〜2文へ落としてください。次回の判断につながる情報が残れば、Pは短くても十分に機能します。


参考文献

  1. Weed LL. Medical records that guide and teach. N Engl J Med. 1968;278(11):593-600. doi: 10.1056/NEJM196803142781105
  2. Podder V, Lew V, Ghassemzadeh S. SOAP Notes. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023. Updated 2023 Aug 28. Available from: NCBI Bookshelf
  3. American Physical Therapy Association. Documentation: Documentation of a Visit. APTA. Available from: APTA. Accessed 2026 Aug 31.

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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