【SOAPのP】書き方を図解|1行テンプレと記録シート

制度・実務
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SOAP の P は「次の一手」を短く具体化するパートです

SOAP の P( plan )は、単なる予定メモではありません。何のために、何を、どのくらい、どの条件で行い、いつ・何で見直すか を残すパートです。ここが具体化すると、申し送り、多職種共有、次回の再評価が一気にラクになります。

この記事で答えるのは、P を 1 行〜 2 行で具体化する書き方です。SOAP 全体の定義や S / O / A の基礎は親記事へ譲り、このページでは 5 ブロック、図解、例文、NG → OK、記録シート に絞って整理します。

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迷ったら、まずは「入口 → 総論 → 各論」の順で読むと、書類の迷いが減ります。

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P を 1 行で書くテンプレ(まずは最低ライン 3 つ)

忙しい日は、まず 1 行で骨格だけ固定します。P が止まりやすい人ほど、文章を頑張るより 量・頻度/中止基準/再評価 の 3 つを先に入れた方が安定します。

必要なら 2 行目以降で補足すれば十分です。最初から全部書こうとせず、短くても運用できる形 を先に作ると、差し戻しが減ります。

P( plan ) 1 行テンプレ

(目的)のため、(介入)を(量・頻度)で実施。中止基準は(症状/バイタル)とし、(指標)で(期間)を目安に再評価する。

※まず入れるのは 量・頻度/中止基準/再評価 です。この 3 つが入るだけで、P は “ 次の判断に使える記録 ” に変わります。

SOAP の P 記録シート(PDF)

記事内容に合わせて、SOAP の P をそのまま書き込みやすい A4 1 枚の記録シート を用意しました。目的・介入・量・頻度・中止基準・再評価を 1 枚で整理したいときに使いやすい形です。

下書き用、院内共有用、新人教育のたたき台として使いたい場合に向いています。まずはボタンから PDF を開き、必要なら下の折りたたみプレビューでレイアウトを確認してください。

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P を崩さない 5 ブロック(目的/介入/量・頻度/安全/再評価)

P は文章力より 分解 が大事です。下の 5 ブロックを順番に埋めると、誰が読んでも再現しやすくなります。

特に新人教育やチーム共有では、「何を書くか」より先に「何の順で書くか」を固定した方がブレません。

(スマホでは横にスクロールできます)

SOAP の P( plan ):成人リハで崩れない 5 ブロック(目的→再評価)
ブロック 書く観点 書き方の目安
目的 何を優先して変えたいか ( ADL/安全性/耐容能 )改善のため
介入 何を実施するか ( 具体的介入 )を実施
量・頻度 どのくらい・どの頻度で行うか ( 回数/セット/時間 )を( 頻度 )で行う
安全(中止基準) どの条件で止めるか 中止基準は( 症状/バイタル )とする
再評価 いつ・何で見直すか ( 指標 )で( 期間 )を目安に再評価する

A(結論)を P(実装)に落とすコツ

A が「何が問題か/なぜか」まで書けても、P が「やります」だけだと次が決まりません。P では、A の結論を “ 実装条件 ” に変換します。

A の結論を P の 5 ブロックに落とす流れを整理した図版
A の結論を、目的 → 介入 → 量・頻度 → 中止基準 → 再評価の順で実装に変えると、P が短く具体化しやすくなります。
  • 目的:A の結論(最優先で変えたい 1 点)をそのまま目的にする
  • 介入:目的に直結する介入を 1〜 2 個に絞る
  • 量・頻度:比較できる数字(回数/時間/距離)を 1 つ入れる
  • 安全:中止の条件を 1 行で固定する(症状 or バイタル)
  • 再評価:いつ・何で見直すかを先に決める

P で長く原因考察を書く必要はありません。なぜそう判断したかは A、何をどう実施するかは P と切り分けると、記録がかなり短くなります。

P は 5 ブロックで固定(最低ラインは 3 つ)

書く順番は、目的 → 介入 → 量・頻度 → 安全 → 再評価 です。全部は無理でも、最低ラインは 量・頻度/中止基準/再評価 の 3 つです。

ここを固定しておくと、忙しい日でも “ 抽象語だけの P ” になりにくくなります。

(スマホでは横にスクロールできます)

P( plan )の 5 ブロック:書く順番(最低ライン付き)
1. 目的 2. 介入 3. 量・頻度(最低ライン) 4. 安全(中止基準)(最低ライン) 5. 再評価(最低ライン)
何のために 何をする どれくらい/どのくらいの頻度 どの条件で止める いつ/何で見直す

症例別ミニ例(各 1 行)

“ 全部書く ” より、1 行で骨格 を作るのが先です。スケール名は 1 個、数字は 1〜 2 個までに絞ると増えません。

  • 整形(膝 OA ):疼痛軽減と歩行耐容能改善のため、立ち上がり反復 8 回× 2 セットと屋内歩行 10 分を週 5 日実施。NRS 7/10 以上で中止し、TUG と NRS で 1 週後に再評価する。
  • 脳卒中(片麻痺):移乗の介助量軽減のため、端座位リーチ 10 回× 2 セットと立位荷重練習 5 分を週 5 日実施。めまい・悪心出現で中止し、移乗の介助量と立位保持時間で 1 週後に再評価する。
  • 呼吸( COPD ):息切れ自己管理と歩行耐容能改善のため、屋内歩行 6 分× 1 回を週 5 日実施( Borg 4 まで)。SpO2 88% 未満または強い息切れで中止し、6MWD と Borg で 2 週後に再評価する。

現場の詰まりどころ:P が弱いと「次の判断」が止まります

詰まりやすいのは、P が 抽象 で「量・期限・条件」がないケースです。まずは “ 直す場所 ” を決めると改善が早いです。

ここまで整えても毎回同じところで詰まる場合は、書き方だけでなく、教育体制・共通フォーマット・相談相手の有無など、職場環境の影響を受けている可能性もあります。

評価・記録・報告の “ 型 ” をまとめて整理したい方は、固定ページも参考になります。

学び方・環境の整え方も整理したい方へ

記録の型を覚えても、院内で相談しにくい、見本が少ない、フォーマットが揃わないと詰まりやすさは残ります。

PT キャリアガイドを見る

よくある失敗:NG を OK に直す早見表

“ それっぽい文章 ” より、数値+期限+条件 が強いです。下の表の OK 側に寄せるだけで、P はかなり通りやすくなります。

(スマホでは横にスクロールできます)

P( plan )の NG → OK 早見(抽象→運用へ)
よくある NG なぜ困るか OK の書き換え例
歩行練習を継続 量・頻度がなく比較できない 歩行練習を 10 m × 3 往復、 1 日 1 回で実施( RPE 13 以上で休憩 )。
疼痛に注意して実施 中止条件が曖昧 疼痛 NRS 7/10 以上、または疼痛増悪が 30 分以上持続で中止し報告。
主問題は歩行不安定であるため練習継続 A の写しで、実施条件が決まらない 転倒リスク軽減のため、平行棒内歩行 5 分と立位荷重練習 10 回× 2 セットを週 5 日実施。TUG で 1 週後に再評価する。
様子を見て再評価 いつ判断するか決まらない TUG と介助量で 1 週後に再評価し、目標と介入量を見直す。
必要時に他職種と連携 担当と期限がない 疼痛増悪が続く場合、主治医へ負荷量を報告し、鎮痛調整を相談(今週中)。

差し戻しを減らす 5 秒チェック(最低ライン)

最後に 5 秒だけ確認します。下の 4 つが入っていれば、P は “ 次の判断 ” につながりやすいです。

  • 量・頻度が 1 つでも入っている(回数/分/距離)
  • 中止基準が 1 行で書かれている(症状 or バイタル)
  • 再評価の「指標」と「期限」がある
  • 目的が 1 つに絞られている(広すぎる目標にしない)

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. P は毎回どこまで詳しく書くべきですか?

A. 毎回フルで書く必要はありません。最低限は 量・頻度/中止基準/再評価 の 3 点です。忙しい日は 1 行テンプレで骨格だけ固定し、変化があった日だけ介入内容や連携を足すと回りやすいです。

Q2. 中止基準は何を書けば「安全」になりますか?

A. 迷ったら、①症状(胸痛、強い息切れ、めまい、冷汗など)と、②バイタルのどちらかを 1 行で固定します。大事なのは “ 具体的に止める条件 ” が残っていることです。

Q3. 再評価は「いつ」「何で」書けばいいですか?

A. 「いつ」は 1 週/ 2 週など現場で回る単位にし、「何で」は 1 つで十分です(例:TUG、歩行距離、介助量、NRS など)。“ 続ける/変える ” が判断できる指標を選ぶと P が締まります。

Q4. 短期目標と長期目標は P にどう書けばいいですか?

A. 迷ったら、短期目標は「 1 週〜 2 週で達成できる “ 介助量・回数・時間 ” 」、長期目標は「退院・復職などの “ 生活場面 ” 」に寄せます。P には短期目標を中心に置き、再評価期限と指標を 1 つに絞るとブレません。

Q5. P が長くなりすぎます。削る順番は?

A. ①背景説明 → ②介入の羅列 → ③曖昧な注意点、の順に削り、代わりに 量・頻度/中止基準/再評価 を残します。文章量より “ 比較できる情報 ” が優先です。

次の一手(行動)


参考文献

  1. Weed LL. Medical records that guide and teach. N Engl J Med. 1968;278(11):593-600. doi: 10.1056/NEJM196803142781105
  2. Aronson MD. The Purpose of the Medical Record: Why Lawrence Weed Still Matters. Am J Med. 2019;132(11):1256-1257. doi: 10.1016/j.amjmed.2019.03.051

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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