2026 年改定まとめ(診療報酬・介護報酬)|リハ職の変更点と準備

制度・実務
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2026 年の診療報酬・介護報酬改定:リハビリ職が押さえる全体像(ハブ)

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2026 年は「診療報酬(医療)」と「介護報酬(介護保険)」が同時に動く年です。臨床のやり方は急に変わりませんが、“何を、どこまで、どう記録して評価するか”が変わると、現場の優先順位が一気に入れ替わります。

このハブでは、PT/OT/ST が最短で全体像を掴み、各論(個別記事)へ迷わず移動できるように整理します。まずは下の「まず読む 4 本」から入ると、理解が早いです。

まず読む 4 本(医療 2 本+介護 2 本)

2026 年の流れを 1 枚で:ざっくり時系列

2026 年改定の時系列(PT/OT/ST 向け:押さえるポイント)
時点 医療(診療報酬) 介護(介護報酬) 現場の次アクション
2025 年 12 月 基本方針が公表(「質の高いリハビリ」「アウトカム」「医療 DX」などが明記) 審議報告が公表。処遇改善は「報酬改定の時期を待たず」緊急対応の考え方も記載 一次情報(方針)を押さえ、院内・事業所で「影響が大きい領域」を棚卸し
2026 年 前半 具体策の詰め(点数・要件の形が見えてくる) 処遇改善加算の拡充や要件整理が具体化 加算の取得可否を分解(人員・運用・記録・会議体)し、準備を前倒し
2026 年 6 月 (記事内では月の断定はせず、確定情報に合わせて更新) 令和 8 年 6 月施行が適当と明記。訪問リハ等を処遇改善加算の対象へ拡大する方針も記載 訪問系・居宅支援まで含めた「配分・要件・記録」の整備を完了させる

診療報酬:リハビリ職が “刺さる” 論点

診療報酬の基本方針では、アウトカムにも着目した評価医療 DX/ICT 連携、そして質の高いリハビリテーションの推進が具体的方向性として示されています。現場感としては「やったかどうか」だけでなく、「変化が説明できるか」「チームで回せるか」が問われやすくなります。

とくにリハ部門は、入院中だけでなく入退院の円滑化在宅・施設を見据えた支える医療とセットで語られやすいので、急性期 → 回復期 → 在宅の連携視点(地域連携、情報共有、継続支援)を持っておくとブレません。

医療側:現場で先に整えると効く 3 点

  • アウトカムの言語化:疾患別だけでなく「生活上の目標」「退院後の見通し」まで結びつけて記録する
  • 多職種の役割分担:タスクシフト/シェアが前提になりやすい(評価・介入・説明・指導・連携の分担)
  • ICT/情報共有の運用:紙のままでも “運用” は作れる。まずは院内ルール(誰が、いつ、どこに、何を書く)を固定

介護報酬:訪問リハも “処遇改善” の当事者に

介護報酬の審議報告では、処遇改善について「報酬改定の時期を待たず」という緊急的対応の考え方が記載されています。さらに、改定の施行時期として令和 8 年 6 月施行が適当と明記されています。

PT/OT/ST にとって特に大きいのは、訪問リハビリテーション/介護予防訪問リハビリテーション、そして居宅介護支援/介護予防支援を、介護職員等処遇改善加算の対象に新たに含める方針が示されている点です。訪問系は “加算は介護職のもの” という認識が残りやすいので、ここが現場の詰まりどころになります。

介護側:先回りで詰まりを減らす 3 点

  • 対象サービスの確認:訪問リハ/介護予防訪問リハ、居宅介護支援/介護予防支援の扱いを早めに整理
  • 配分ルールの見える化:誰に、何を根拠に配分するか(透明性)を先に決める
  • 要件整備の段取り:キャリアパス要件や職場環境等要件は “整えたつもり” が起きやすいので、チェックリスト化

今やるべきこと:5 分でできる “準備フロー”

  1. 自分の勤務先が “医療寄り/介護寄り/両方”のどこに当てはまるかを決める
  2. 上の「まず読む 4 本」から、該当する記事を 1 本だけ読む(全部読まない)
  3. 自施設の “変わると困る” を 3 つ書き出す(例:記録、会議、連携、加算、配置、業務量)
  4. 困りごとを「人(配置)/運用(手順)/記録(様式)」に分解する
  5. 分解したうち “すぐ着手できる 1 つ” を決める(例:記録の定義合わせ、申し送りの統一)

現場の詰まりどころ:ここで止まりやすい

2026 年改定で止まりやすいポイント(PT/OT/ST 現場あるある)
詰まりどころ なぜ起きる 回避のコツ 記録ポイント
要件の読み違い “加算の名前” だけで判断し、対象サービスや算定要件を飛ばす 対象サービス → 要件 → 例外 の順で読む 根拠ページ(一次情報)をメモして共有
配分が不透明 処遇改善の配分基準が曖昧で、現場に不信感が出る 配分ルールを文章化し、説明の場を作る 説明資料/質疑のログを残す
“記録はしている” が通らない アウトカムや連携の情報が散在し、再現性がない テンプレ化(誰が、いつ、どこに)を固定 評価 → 介入 → 変化 → 次の一手の流れで統一
訪問系の準備が遅れる 加算や制度の変更が “医療側の話” に見える 訪問リハの対象拡大を前提に “今から整える” 要件整備の進捗表(担当と期限)

よくある失敗:OK / NG 早見

2026 年改定対応の OK / NG(リハ部門の動き方)
場面 NG OK 理由
情報収集 二次情報だけで判断 一次情報(厚労省資料)→解説記事の順 要件や対象の誤読が減る
会議・共有 “リハの話” だけで閉じる 看護・栄養・MSW と “退院後” をセットで共有 支える医療は多職種で成立する
記録 書き方が人によってバラバラ テンプレ(評価→介入→変化→次)で統一 アウトカムの説明力が上がる
処遇改善 “介護職だけ” の話として放置 対象サービス拡大を前提に、早めに要件整備 訪問リハ等も対象に含める方針が示されている

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 2026 年は、PT/OT/ST の仕事が急に変わりますか?

急に “手技” が変わるより、評価の組み立て方(アウトカム)と、連携・記録の運用が変わる影響が大きいです。結果として、同じ介入でも「どこまで説明し、どう残すか」で評価されやすくなります。

Q2. 介護の処遇改善は、訪問リハにも関係ありますか?

関係します。審議報告では、訪問リハビリテーション/介護予防訪問リハビリテーションを、処遇改善加算の対象に新たに含める方針が記載されています。さらに、施行時期として令和 8 年 6 月施行が適当とされています。

Q3. “アウトカム” と言われても、何を残せばいいですか?

まずは「評価 → 介入 → 変化 → 次の一手」を 1 セットで残すことです。点数や検査名よりも、生活上のゴール(退院後の暮らし)に接続した文章があると、チームで共有しやすくなります。

Q4. 情報が多すぎて追えません。最短ルートは?

このページの「まず読む 4 本」から、自分の領域(医療か介護)を 1 本だけ読み、次に “詰まりどころ” の表で自施設に当てはめるのが最短です。読む量より、分解(人/運用/記録)が先です。

一次情報(公式資料)

参考文献

  1. Werner RM, Kolstad JT, Stuart EA, Polsky D. The effect of pay-for-performance in hospitals: lessons for quality improvement. Health Affairs. 2011;30(4). PMID: 21471490.
  2. Mathes T, Pieper D, Eikermann M. Pay for performance for hospitals. Cochrane Database Syst Rev. 2019. PMID: 31276606.
  3. Sharma M, et al. Wages and turnover among long-term care staff: evidence and implications. Health Econ. 2022. PMID: 35770065.
  4. Nakagawa Y, Goda A, Maki Y, Yoshino D, Sakurai M. Impact of introduction timing on home-visit rehabilitation outcomes for older adults supported by the Japanese nursing care insurance system. Cureus. 2025;17(10):e94092. doi: 10.7759/cureus.94092. PMID: 41209969.
  5. Prusynski RA, et al. Therapy staffing and outcomes under payment reform in post-acute care. J Am Med Dir Assoc. 2023. PMID: 36571515.

おわりに

2026 年は、一次情報の確認 → 要点整理 → 自施設の影響試算 → 要件整備 → 運用して再確認の順で回すと、制度の波に飲まれずに済みます。もし “環境そのもの” を変える選択肢も持っておきたいなら、面談前に確認しておくとラクになるチェックリストを こちら(無料)に置いてあります。

著者情報

rehabilikun

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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