令和8年改定「みなし単位」20分1単位を実務整理

制度・実務
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令和 8 年改定「みなし単位」とは?20 分= 1 単位の実務を現場向けに整理

制度の暗記より、運用の型づくりが先です。評価・記録・共有の流れを先に決めると、改定対応がぶれにくくなります。 改定対応の進め方を 5 分で確認する

令和 8 年度 診療報酬改定の答申では、疾患別リハビリテーション料等に関して、療法士がリハビリ以外の業務に従事した時間を「 20 分につき 1 単位 」とみなして標準実施単位数に加える方向性が示されました。本記事は、現場で詰まりやすい「時間の切り出し」「重複計上の回避」「記録の残し方」を中心に整理します。

関連する改定全体の位置づけは 令和 8 年改定ハブ で一覧化しています。まずは本ページで、みなし単位の運用で必要な最小セットを押さえましょう。

みなし単位の要点(結論)

今回の論点は、「訓練時間そのもの」だけでなく、カンファレンス・計画書作成・病棟での連携業務など、患者アウトカムに直結する間接業務を評価対象として扱う設計に近づいた点です。つまり、療法士の実務を“見える化”して評価に結びつける方向です。

一方で、実際にどの業務がどの条件で算入可能かは、告示・通知・疑義解釈の文言確認が必須です。現時点では、答申ベースの理解として「 20 分= 1 単位 」の枠組みを前提に、院内ルールを先に整えるのが実務的です。

なぜ導入されるのか(背景)

背景には、療法士の業務実態と報酬上の評価単位のズレがあります。現場では、訓練前後の情報統合、病棟多職種との調整、計画書・指導関連業務が日常的に発生しますが、従来は「見えにくい時間」になりやすい課題がありました。

みなし単位の導入は、この“見えにくい時間”を一定のルールで評価し、提供体制の維持と質改善を両立するための整理と捉えられます。重要なのは、単位だけを見るのではなく、運用品質(記録・再現性・説明可能性)を上げることです。

対象候補・要確認・対象外(想定)の整理

以下は、答申ベースでの実務整理用の早見表です。最終運用は必ず最新の告示・通知で照合してください。

みなし単位の業務区分(実務整理用)
区分 業務例 算入の考え方 必要記録 注意点
対象候補 患者別カンファレンス、計画書作成、病棟連携業務 20 分単位でみなし算入を検討 対象患者、実施者、開始/終了、目的、成果 患者紐づけのない会議は扱いに注意
要確認 部署横断会議、教育・研修、定例ミーティング 通知文言で可否を個別確認 議題と患者関連性の明確化 包括的業務の一括算入は避ける
対象外(想定) 休憩、事務一般、患者非関連の庶務 算入対象にしない 勤務記録としては残す 算定時間への混在を防ぐ

現場の詰まりどころとよくある失敗

みなし単位運用で最も詰まるのは「同じ時間を別業務として重ねてしまう」点です。訓練時間と間接業務時間、複数患者にまたがる会議時間の扱いを曖昧にすると、あとで整合が取れなくなります。先に“時間の切り方”を固定することが重要です。

加えて、記録が「やったことの列挙」だけだと説明力が不足します。誰が、どの患者に対して、何を目的に、何分かけて、何が決まったかまで残すと、運用が安定します。

みなし単位運用でのNG/OK比較
NG例 問題点 OK修正 記録ポイント
同一時間を訓練と会議で二重計上 重複計上で監査リスク 時間帯を排他的に区切る 開始・終了時刻を必ず記載
患者紐づけなしで会議時間を一括算入 算定根拠が弱い 患者別に対象性を記録 議題・対象患者・決定事項
担当者名なし・成果記載なし 説明可能性が低い 実施者とアウトカムを明記 誰が何を変えたかを残す

病棟で回す最小運用フロー

おすすめは、朝・昼・夕の 3 区分で記録責任を明確にする方法です。朝は対象患者の確認、昼は実施ログ入力、夕は重複チェックと翌日調整の 3 ステップに分けると、記録漏れと二重計上を減らせます。

週 1 回の短時間レビューで「記録文の粒度」を揃えると、担当者差も抑えられます。運用は個人技より、チームで再現できる型を作ることがポイントです。

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

みなし単位は、すべての会議時間を算入できますか?

いいえ。患者関連性と要件適合が前提です。会議であっても、患者に紐づく目的・内容・成果を説明できない場合は、算入対象として扱わない運用が安全です。

訓練時間と同じ時間帯の業務を同時に算入してよいですか?

同時算入は避けてください。時間は排他的に区切り、重複計上を防ぐ必要があります。開始・終了時刻を残すだけで、監査対応の難易度が大きく下がります。

まず院内で決めるべきことは何ですか?

①対象業務の定義、②記録テンプレ、③重複チェック担当の 3 点です。細則が更新されても、この 3 点が整っていれば修正コストを最小化できます。

関連して確認すべき改定項目はありますか?

あります。院外リハの上限運用や発症早期リハ評価の見直しは、日次の業務配分に影響します。合わせて読むと、院内の配分設計を一本化しやすくなります。

次の一手


参考文献

  1. 厚生労働省. 中央社会保険医療協議会 総会(第647回)資料(総−1 個別改定項目、総−2 答申書、別紙). 2026年2月13日. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70414.html
  2. 厚生労働省. 令和8年度診療報酬改定について(答申書). 2026年2月13日. https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655177.pdf
  3. 公益社団法人日本理学療法士協会. 令和8年度診療報酬改定 答申 理学療法士に関連する項目. 2026年2月13日. https://www.japanpt.or.jp/pt/function/asset/pdf/20260213_relational_pt_c.pdf

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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