スコープとスコープライトの違い|体圧可視化の見方・使い方

臨床手技・プロトコル
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スコープとスコープライトの違いは「体圧可視化」

結論:モルテンのスコープとスコープライトは、どちらも全自動運転を基本とするエアマットレスですが、臀部周辺の体圧を画面で確認できる「体圧可視化」はスコープだけの機能です。スコープを選ぶ意味は、単に上位モデルだからではなく、体圧分布モニターを使ってポジショニング前後の変化や、衣類・シーツ・異物による局所的な当たりを確認できる点にあります。

この記事では、スコープライトとの違いを整理したうえで、スコープの体圧分布モニターについて、45×45cmの測定範囲、色表示、感度−3〜+4の調整、ポジショニング前後の見方、記録方法まで解説します。

先に結論

全自動運転を中心に使うならスコープライトも候補になります。一方、臀部周辺の圧を画面で確認し、ポジショニング前後の変化まで共有したい場合は、スコープの体圧可視化が大きな違いになります。

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スコープとスコープライトの主な違い
確認項目 スコープ スコープライト
全自動運転 あり あり
体圧調整・圧切替 あり あり
低角度体位変換 あり あり
背上げ時の圧対策 あり あり
むれ対策 あり あり
臀部周辺の体圧可視化 あり なし
体圧分布モニター あり なし
スコープとスコープライトの違いと体圧可視化の使い方。共通機能、45×45cmの測定範囲、感度調整、ポジショニング前後の比較手順を整理した図版
スコープは、スコープライトと共通する全自動運転に加えて体圧可視化に対応します。体圧分布モニターは1回の画面だけで判断せず、ポジショニング前後を比較して活用します。

つまり、全自動運転そのものの使い方を確認したい場合と、体圧を見ながらポジショニングしたい場合では、確認すべき内容が異なります。

スコープライトの設置・全自動運転・体位変換などを確認したい方は、スコープライトの使い方を参照してください。支持面そのものの選び方から確認する場合は、体圧分散マットレスの選び方へ進んでください。

体圧分布モニターは臀部周辺45×45cmを可視化する

スコープの体圧センサーは、臀部周辺45×45cmの範囲を測定します。取扱説明書では、仙骨・尾骨・大転子・腸骨周辺の体圧データを測定し、リモコンの体圧分布モニターへ色で表示するとされています。

センサー位置は固定されており、自由に移動させるものではありません。そのため、利用者がマットレス中央から大きく外れている場合は、画面だけを見るのではなく、まず寝位置や姿勢を確認することが重要です。

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体圧分布モニターで確認できること
項目 公式仕様 確認するときのポイント
測定範囲 45×45cm 臀部周辺を対象として確認する
主な対象部位 仙骨・尾骨・大転子・腸骨周辺 骨突出部と姿勢の関係を合わせて見る
表示 体圧データを色で表示 色だけでなく分布と前後変化を見る
最高部位 赤色で表示 赤色だけで対応の要否を決めない
センサー位置 固定 寝位置が測定範囲から外れていないか確認する

赤色は「固定された危険値」として読まない

取扱説明書では、体圧が最も高い部位を赤色で表示し、赤→オレンジ→黄→緑→青→白の順で表示します。ただし、後述するように表示感度そのものを変更できます。

したがって、「赤だから即危険」「青だから問題なし」という色だけの判断は避けます。どこに高い表示があるか、その原因として姿勢・衣類・寝具・異物などがないかを確認し、修正した前後で分布がどう変化したかを見ることが基本です。

体圧可視化は「ポジショニング前後の比較」で使う

体圧分布モニターは、1回の画面だけで良否を判定するより、ポジショニング前後を比較して使うことが重要です。メーカーのFAQでも、体圧分布モニターはポジショニング前後の比較で確認するものとされています。

実際の確認は、次の順番で行うと整理しやすくなります。

  1. 画面を見る:臀部周辺で高く表示されている場所や左右差を確認する
  2. 原因を探す:姿勢、身体とマットレスの隙間、衣類やシーツのしわ、臀部下の異物などを確認する
  3. ポジショニングを修正する:必要に応じてクッション位置や身体の支持を調整する
  4. もう一度画面を見る:修正前と比べ、体圧分布がどのように変化したか確認する

この順番にすると、「画面を見て終わり」ではなく、見つける→原因を確認する→修正する→再確認するまでを一続きで実施できます。

衣類のしわや異物など「見えにくい原因」の確認にも使う

モルテンは、体圧可視化の用途として、パジャマのずれ、厚手防水シーツのしわ、臀部下の異物など、外から見ただけでは気づきにくい要因の把握を挙げています。

モニター上で予想外の場所に高い表示がある場合は、すぐにマットレス設定を変更するのではなく、まず身体と支持面の間を確認します。

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体圧分布に偏りがあるときの確認順
確認 見ること 対応例
寝位置 臀部がセンサー範囲から大きく外れていないか 可能な範囲でマットレス中央へ整える
衣類・寝具 しわ、折れ、厚手の重なりがないか しわや重なりを整える
異物 臀部下にチューブや物品などが入り込んでいないか 安全を確認して原因を取り除く
身体の隙間 身体とマットレスの間に支持されていない部分がないか 必要に応じてポジショニングクッションを調整する
修正後 分布や左右差がどう変化したか 同じ姿勢条件で再確認する

感度は−3〜+4の7段階|標準設定は0

体圧分布モニターの感度は−3〜+4の7段階で変更でき、標準設定は0です。感度を上げると小さな体圧変化が色の変化として現れやすくなり、感度を下げると高い体圧域の変化を確認しやすくなります。

ここで注意したいのは、感度調整がマットレスそのものを柔らかくしたり、体圧を直接変更したりする設定ではないことです。変更されるのは体圧分布モニターの表示感度です。

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体圧分布モニターの感度調整
設定 表示の特徴 取扱説明書で示される使用例
標準 感度0 まず基準として使用する
感度を上げる 小さな体圧変化を確認しやすくする 体重が軽い方など、低い体圧域の変化を確認したい場合
感度を下げる 高い体圧域の変化を確認しやすくする 体重が重い方や背上げ時など、体圧が高く表示される場合

感度を変更したまま比較すると、色の変化が姿勢によるものなのか、表示設定によるものなのか分かりにくくなります。ポジショニング前後を比較するときは、同じ感度で確認し、変更した場合は感度レベルも記録すると再現しやすくなります。

スコープを選ぶ場面・スコープライトで足りる場面

スコープとスコープライトの選択は、「体圧可視化を使うか」で整理すると分かりやすくなります。両者には全自動運転など共通する機能が多いため、スコープを単純に「高機能だから選ぶ」と考える必要はありません。

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スコープとスコープライトを選ぶときの考え方
確認したいこと 候補 理由
全自動運転を中心に使用したい スコープ/スコープライト 両モデルとも全自動運転に対応する
臀部周辺の圧を画面で確認したい スコープ 体圧可視化はスコープのみ
ポジショニング前後を画面で比較したい スコープ 体圧分布モニターを比較に使用できる
衣類・寝具・異物による局所的な当たりを確認したい スコープ 体圧可視化を見守りに利用できる
体圧可視化を必要としない スコープライトも候補 基本的な全自動運転はスコープライトにも備わる

最終的な機種選定は、褥瘡リスクだけでなく、利用者の身体状況、体動、姿勢、介助方法、施設内で体圧モニターを実際に活用できるかも含めて判断します。

記録は「姿勢・分布・原因・修正・再確認」を残す

体圧可視化を記録するときは、色だけを書くのではなく、何を見て何を修正したかを残します。特に感度を変更している場合は、同じ条件で比較できるよう感度レベルも記録すると分かりやすくなります。

例えば、次のように記載できます。

記録例:
仰臥位、体圧分布モニター感度0。右臀部に左側より高い表示あり。衣類のしわを認めたため除去し、骨盤位置を修正。修正後は左右差が軽減。皮膚状態と姿勢を継続して確認する。

この記録なら、次に確認するスタッフが「高い表示があった」という結果だけでなく、原因として何を確認し、どの対応後に変化したかまで追えます。

体圧分布モニターが表示されない・表示がおかしいとき

表示異常時は、まず画面設定と感度を確認します。取扱説明書では、極端な感度設定やセンサーの状態によって表示が分かりにくくなる場合が示されています。

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体圧分布モニターで迷ったときの確認
状態 まず確認すること
画面が表示されない モニターの画面表示設定を確認する
データがほとんど表示されない 感度が−3など低すぎる設定になっていないか確認し、必要に応じて基準の0へ戻す
異常に高く表示される 感度が+4など高すぎる設定になっていないか確認し、必要に応じて基準の0へ戻す
一部だけ表示されない 体圧センサーの折れや状態を確認する
Wi-Fiエラー・黒画面が続く 取扱説明書に沿って確認し、解消しなければ販売店またはメーカーへ相談する

メーカーFAQでは、体圧分布モニターに不具合があっても、マットレス本体の各機能には影響しないとされています。ただし、体圧可視化を前提とした評価はできなくなるため、表示異常が続く場合は取扱説明書に沿って点検・相談してください。

よくある質問

スコープの赤色は危険な体圧という意味ですか?

赤色は、体圧分布モニター上で体圧が最も高い部位を示します。ただし表示感度は−3〜+4で変更できるため、赤色だけを固定された危険値として判断しません。姿勢や皮膚所見を確認し、ポジショニング前後の変化として評価します。

体圧が低く表示されていればポジショニングは不要ですか?

不要とは判断しません。メーカーは、体圧が低く表示されていても身体とマットレスの間に隙間がある場合には、ポジショニングクッションなどで隙間を埋めるよう案内しています。画面だけでなく、身体の支持状態を直接確認します。

感度を上げるとマットレスの除圧性能も変わりますか?

感度調整は、体圧分布モニターの表示感度を変更する操作です。マットレスそのものの硬さや体圧を直接変更する操作ではありません。前後比較では同じ感度で確認すると、変化を判断しやすくなります。

スコープライトとの一番大きな違いは何ですか?

スコープには臀部周辺の体圧を表示する体圧分布モニターがあります。スコープライトには体圧可視化機能がないため、ポジショニング前後の体圧分布を画面で比較したい場合はスコープが候補になります。

体圧分布モニターが故障するとマットレスも使えなくなりますか?

メーカーFAQでは、体圧分布モニターに不具合が発生してもマットレス本体の各機能には影響しないとされています。ただし、体圧データを利用した確認はできないため、表示異常が続く場合は点検・修理を依頼します。

参考文献

  1. 株式会社モルテン. エアマットレス スコープ 製品情報. 製品ページ.
  2. 株式会社モルテン. ロボティックマットレス スコープ パンフレット. PDF.
  3. 株式会社モルテン. ロボティックマットレス スコープ 取扱説明書. PDF.
  4. 公益財団法人テクノエイド協会. スコープ 91cm幅(TAIS 00054-000648). 福祉用具情報システム.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度などの実務情報を発信しています。

現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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