トライセルEの使い方は7手順で確認する
エアマスター トライセルEは、設置後すぐに使用するのではなく、正しく固定・接続したうえで体重を設定し、約20分待ってエアセルへの送気を確認してから使用します。また、ベッドを背上げして使用する際は、背上げモードへの切り替えが必要です。
この記事では、病院・施設でトライセルEを扱う医療・介護職向けに、設置、体重設定、背上げモード、赤ランプ・エラーコード、停電時の対応、日常点検をメーカー公式取扱説明書に沿って整理します。体圧分散マットレス全体の選び方ではなく、「目の前のトライセルEをどう操作するか」を確認するための記事です。

| 手順 | 行うこと | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 専用マットレスを固定する | ロゴ面を上、送風チューブを足側にする |
| 2 | 専用ポンプを設置する | フットボード中央または水平で安定した場所に置く |
| 3 | 送風チューブを接続する | ポンプの接続口へ確実に差し込み、折れ・巻き込みがないか確認する |
| 4 | 電源プラグを接続する | 接続すると自動で電源が入る |
| 5 | 体重を設定する | 20〜90kgを5kg刻みで設定する |
| 6 | 約20分待つ | 専用カバーを開き、エアセルに空気が入っていることを確認する |
| 7 | 使用を開始する | 背上げして使用する場合は背上げモードに設定する |
重要:電源を入れてから約20分間は使用せず、マットレス内に十分な空気が入ったことを確認してから使用します。表面の一部が極端にへこんでいる、飛び出しているなどの異常がある場合は使用を中止し、販売店またはメーカーへ確認してください。
体重設定は「実体重より軽い側の最も近い値」に合わせる
トライセルEの体重設定は20〜90kg、5kg刻みです。設定値は、療養者の実体重より軽い側で最も近い数値に合わせます。
| 実体重 | 設定値 | 考え方 |
|---|---|---|
| 44kg | 40kg | 軽い側の最も近い5kg刻み |
| 48kg | 45kg | 軽い側の最も近い5kg刻み |
| 42.5kg | 40kg | 中間値の場合も低い側へ設定 |
体重設定ボタンは1回押すごとに5kgずつ変化します。設定後は約20分で使用可能な状態になります。初めて設置したときは、時間だけで判断せず、専用カバーを開けてエアセルへ空気が入っていることを確認します。
背上げして使用するときは背上げモードに設定する
ベッドを背上げして使用する際は、トライセルEを背上げモードに設定します。背上げモードでは通常のエアセルの膨張・収縮による圧切替を停止し、背上げ時に適した内圧へ調整することで臀部の底づきを防ぎます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 操作 | 操作パネルの「背上げ」ボタンを押す |
| 動作 | 圧切替を停止し、背上げ状態に適した内圧へ調整する |
| 内圧調整 | 約1分30秒 |
| 自動解除 | 約2時間後に通常の圧切替と設定圧へ戻る |
長時間の背上げを行う場合は、約2時間で背上げモードが自動解除されることを把握しておきます。背上げした状態で使用を続ける場合は、モードの状態を再確認してください。
なお、背上げモードは姿勢調整そのものを代替する機能ではありません。骨盤のずれ、シーツや衣類のよれ、ベッド上での姿勢もあわせて観察します。
設置時は頭側フードと送風チューブの向きを確認する
トライセルEは単独で使用するマットレスではなく、ベースマットレスの上へ設置する上敷きタイプです。ベースマットレスの厚さは3〜10cmに対応し、頭側フードのファスナーを厚さに応じて調整します。
| ベースマットレスの厚さ | ファスナー |
|---|---|
| 3〜5.9cm | 閉じる |
| 6〜10cm | 開く |
頭側フードをベースマットレスへ被せ、足側の巻き込み部をベースマットレスの下へ巻き込んで固定します。ロゴが印刷されている面を上にし、送風チューブが必ず足側になるように設置します。
送風チューブが頭側になると首へ絡む危険があります。また、チューブを束ねる、折り曲げる、マットレスの下へ巻き込むと十分に送気できなくなるため注意が必要です。
赤ランプが点灯したらエラーコードを確認する
正常作動中の光サインは青色です。異常が生じると赤色に点灯し、操作パネルの体重設定表示部にエラーコードが表示されます。トライセルEには警告音がないため、光サインと表示部を確認します。
| コード | 内容 | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| E01 | 圧力センサの異常 | 送風チューブの折れ曲がりを確認する |
| E02 | 電磁弁の異常 | 送風チューブの折れ曲がりを確認する |
| E03 | エアセルの内圧低下 | 送風チューブの接続・折れ曲がり、エアセルとの接続を確認する |
E01・E02では、送風チューブに問題がなければ電源プラグの抜き差しが取扱説明書の対処方法として示されています。改善しない場合は販売店または株式会社ケープへ問い合わせます。
E03では、送風チューブがポンプへ確実に接続されているか、折れ曲がっていないか、エアセルのTコネクターが外れていないかなどを確認します。原因が解消できない場合やポンプから送気されない場合は、販売店またはメーカーへ確認してください。
停電時は特別な操作は不要だが、送風チューブを外さない
トライセルEは停電対策機能を備えており、停電時に特別な操作を行う必要はありません。停電すると特殊バルブが自動的にエア抜けを防止し、マットレス全体の内圧を約14日間保持します。
ただし、停電中に送風チューブを外すとエアが抜けるため、接続したままにします。
電源が復旧するとメモリ機能によって直前の体重設定へ自動復帰します。一方、背上げモードは自動復帰しません。再通電後に背上げした状態で使用する場合は、背上げモードの状態を確認します。
使用中はできるだけ1日1回、7項目を点検する
メーカーは、使用中はできるだけ1日1回エアマットレスの状態を確認することを推奨しています。ベッドの設置場所を変更した場合や、停電などで一時的に作動が停止した場合は、その都度確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 体重設定・表示 | 療養者に合った設定値か、エラーコードが表示されていないか |
| 送風チューブ | ねじれや折れ曲がりがないか |
| ポンプとの接続 | 送風チューブが確実に差し込まれているか |
| 電源コード・プラグ | 破損していないか |
| エアセル | 破損していないか、適切に空気が入っているか |
| Tコネクター | すべてのエアセルが送風チューブへ接続されているか |
| 送風チューブキャップ | 頭側のキャップが確実に差し込まれているか |
「昨日まで問題なかったから大丈夫」と判断せず、体重設定、送気、チューブ、表示を同じ順番で見ると確認漏れを減らせます。
製品設定と患者の状態は分けて確認する
取扱説明書どおりに作動していることと、患者に適した支持面・姿勢になっていることは別に確認します。トライセルEは床ずれ防止を補助する用具であり、適切に使用しても褥瘡を完全に防げるものではありません。
使用中は、機器の設定だけでなく、皮膚所見、疼痛、ずれ、姿勢、離床時の安定性なども患者ごとに評価します。身体に異常が生じた場合や使用に不安がある場合は、使用を中止して専門職・メーカー等へ相談します。
また、トライセルE上で端座位や移乗を行う場合、メーカーは補助者の立ち会いを求めています。エアマットレスでは支持面が動くため、通常のマットレスと同じ感覚で離床しないことが重要です。
トライセルEの仕様
トライセルEは厚さ10cmの上敷きタイプで、幅84cmと90cmがあります。導入前にはベッド幅だけでなく、下に使用するベースマットレスが3〜10cmの範囲に入っているかも確認します。
| 項目 | 上敷840タイプ | 上敷900タイプ |
|---|---|---|
| 品番 | CR-330 | CR-333 |
| サイズ | 幅84×長192×厚10cm | 幅90×長192×厚10cm |
| TAISコード | 00206-000129 | 00206-000130 |
| 設置方法 | 上敷きタイプ | 上敷きタイプ |
| 体重設定 | 20〜90kg、5kg刻み | |
トライセルEの使い方でよくある質問
体重が42.5kgの場合、40kgと45kgのどちらに設定しますか?
40kgに設定します。トライセルEは実体重より軽い側の最も近い値に設定し、中間値の場合も低い側へ合わせます。
背上げモードは背上げするときだけ使いますか?
はい。メーカーは、ベッドを背上げして使用する際に背上げモードへ設定するよう案内しています。背上げモードは約2時間で自動解除され、通常の圧切替と設定圧へ戻ります。
赤いランプが点灯したら故障ですか?
赤色の光サインは異常を知らせる表示です。まず操作パネルに表示されるE01〜E03などのエラーコードを確認し、送風チューブの折れ・接続状態など取扱説明書に示された項目を確認します。解消しない場合は販売店またはメーカーへ問い合わせます。
停電後に体重を設定し直す必要がありますか?
通常は必要ありません。再通電時はメモリ機能によって直前の体重設定へ自動復帰します。ただし、背上げモードは自動復帰しないため、背上げして使用する場合は状態を確認してください。
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参考文献
- 株式会社ケープ. エアマスター トライセルE[Internet]. Available from: https://www.cape.co.jp/products/pdt036
- 株式会社ケープ. エアマスター トライセルE 取扱説明書[Internet]. Available from: https://www.cape.co.jp/wpMgr/wp-content/uploads/pdt036_torisetu_Tricell-E.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blogを2022年4月に開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの臨床経験をもとに、理学療法評価、臨床手順、記録用紙、医療制度など、医療従事者の実務に役立つ情報を発信しています。
現在は療養病院に勤務し、脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に臨床・教育活動を行っています。
保有資格
- 脳卒中認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級

