回復期リハ疑義解釈2026|FIM研修・実績指数・強化体制加算の要点

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回復期リハ疑義解釈2026|FIM研修・実績指数・強化体制加算の確認ポイント

最終更新:2026年10月13日|令和8年度診療報酬改定の疑義解釈その1・その2を中心に、後続資料と訂正通知の掲載状況を確認

2026年度の回復期リハビリテーション病棟に関する疑義解釈では、FIM研修の対象職員、重症患者割合の経過措置、高次脳機能障害の退院支援、実績指数の加点・除外、強化体制加算の届出、退院前訪問指導割合を分けて確認することが重要です。

特に間違えやすいのは、2026年5月31日以前の入棟患者に認められる旧基準の取扱い、7月以降の実績指数算出におけるFIM加点、強化体制加算の届出時に必要な改定後基準による計算の違いです。

この記事では、厚生労働省の疑義解釈の問番号を示しながら、PT・OT・ST、看護職員、病棟管理者、医事担当者が確認したい判断条件と実務対応を整理します。施設基準全体や実績指数の計算式の詳細は関連記事に分け、本ページでは疑義解釈によって明確になった取扱いを中心に解説します。

結論|回復期リハ疑義解釈2026の重要6論点

最初に確認したいのは、誰がFIMを測定するか、患者がいつ入棟したか、退院後にどこでリハを利用するか、実績指数をどう算出するか、どの期間で届出するか、退院前訪問指導を何人に実施したかの6点です。それぞれ適用条件が異なるため、同じルールで一律に処理しないことが重要です。

回復期リハ疑義解釈2026の6論点と判断の境界。FIM研修、重症患者割合、高次脳機能障害の情報提供、実績指数、強化体制加算、退院前訪問指導割合を整理した図
図:回復期リハ疑義解釈2026の6論点と判断の境界。各論点の適用条件・経過措置・例外は本文と公式資料で確認してください。

以下の表はスマートフォンでは横スクロールできます。

回復期リハ疑義解釈2026の重要6論点と実務対応
論点 疑義解釈の要点 現場で確認すること 根拠
FIM研修 FIM測定を担当する看護職員も研修対象 測定担当者、研修修了状況 その1・問27
重症患者割合 5月31日以前の入棟・入室患者は改定前基準を使用可能 入棟日、判定基準、算出期間 その1・問28
高次脳機能障害 地域サービスの情報提供体制と退院後のリハ利用先を確認 情報提供体制、退院後サービス、文書提供先 その1・問29、その2・問44〜45
実績指数 FIMの指定2項目を個別に判定し、除外条件と経過措置を確認 入退棟時FIM、除外対象、算出時期 その2・問46〜48
強化体制加算 届出単位と届出前6か月間の実績指数を確認 対象病棟、計算方法、届出要件 その1・問30、その2・問49
退院前訪問指導 算定回数ではなく実施患者数で割合を計算 退院先区分、分子・分母、実施患者数 その2・問50〜52

疑義解釈その2は2026年4月1日版を参照します。3月31日版からの差し替えと4月9日の一部訂正があるため、古いPDFだけを保存している場合は公式掲載ページで最新版を確認してください。

FIM研修|看護職員も測定担当なら研修対象です

FIMの測定を担当する看護職員は、FIM測定に係る研修の対象です。疑義解釈その1・問27では、従来の回復期リハビリテーション病棟入院料1・3などに加え、2026年度改定で研修要件が追加された入院料2・4についても同様であると示されています。

したがって、研修対象をPT・OT・STだけに限定するのではなく、実際にFIM測定を担当する職員を確認する必要があります。一方、病棟に所属する看護職員全員を機械的に研修対象とするという意味ではありません。

FIM研修の対象者を整理する際の確認事項
確認項目 実務上の対応例
測定担当者 病棟ごとにFIM測定を担当する職員を確認する
研修修了状況 研修名、受講日、修了状況を照合する
担当者の変更 新たに測定を担当する職員の研修状況を確認する
評価方法 測定手順や評価者間の確認方法を共有する

担当者一覧や研修履歴の管理方法は院内運用の一例です。研修内容や修了要件については、適用される施設基準通知に従って確認してください。

重症患者割合|5月31日以前の入棟患者は旧基準を使用できます

2026年5月31日までに入棟・入室した患者については、改定前の重症患者の範囲および重症患者割合の基準を用いて差し支えありません。疑義解釈その1・問28で示された取扱いです。

また、算出対象期間が2026年5月と6月をまたぐ場合、新規入院患者に占める重症患者割合の基準については、改定後基準を用いて差し支えないとされています。

重症患者割合の移行期における判断
対象・条件 取扱い 確認事項
2026年5月31日以前に入棟・入室 改定前の重症患者範囲・割合基準を使用可能 入棟日、旧基準による判定根拠
2026年6月1日以降の新規入棟 改定後基準を確認 新基準への該当性
算出期間が5月と6月をまたぐ 新規入院患者の重症患者割合に改定後基準を使用可能 算出期間、使用した基準

重症患者の範囲では、高次脳機能障害を伴う対象患者の扱いにも注意が必要です。疑義解釈その2・問47では、重症脳血管障害だけでなく、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、急性脳症などに伴う高次脳機能障害の取扱いも示されています。

ここで重要なのは、患者ごとの経過措置と病棟全体の施設基準を混同しないことです。入院料別の重症患者割合や実績指数の基準値は、回復期リハ病棟の施設基準と公式通知で確認してください。

高次脳機能障害|情報提供体制と文書提供先を分けます

高次脳機能障害の退院支援では、地域の適切なサービス情報を把握・提供する体制と、退院後にリハビリテーションを利用する施設等への文書提供を分けて確認します。両者は関連していますが、同じ要件ではありません。

地域サービスの情報提供体制|12月31日までの経過措置

疑義解釈その1・問29では、地域の事業所のうち高次脳機能障害の患者に適したサービスを把握し、退院時に患者・家族等へ情報提供できる体制が求められています。

地域にあるすべての事業所の情報を網羅する必要はありません。ただし、対象患者に適したサービスを把握し、情報を提供できる状態を整えることが重要です。また、実際の情報提供に関する算定上の要件にも注意が必要です。

2026年12月31日までは、速やかな情報提供に向けて情報の把握・整理を現に実施している場合も含む経過措置が示されています。これは情報提供を不要とするものではなく、可能な限り早期に体制を整えるための取扱いです。

文書提供先|単なる受診先やケアプラン作成先は含みません

疑義解釈その2・問44〜45では、退院後にリハビリテーションを利用する医療機関・事業所・施設等の範囲が示されています。

高次脳機能障害の退院時情報提供先の確認
退院後の予定 取扱い
医療保険によるリハビリテーション 対象となる利用先
訪問リハ・通所リハ・介護予防リハ 対象となる利用先
介護保険施設での所定のリハビリテーション 対象となる利用先
障害福祉サービスによるリハビリテーション 対象となる利用先
リハ利用を伴わない単なる受診 この要件の文書提供先には含まない
ケアプラン作成のみ この要件の文書提供先には含まない

退院支援では、サービス名だけで判断せず、実際にリハビリテーションを利用する予定があるかを確認します。文書提供の具体的な考え方は、高次脳機能障害の退院時情報提供で詳しく整理しています。

実績指数|FIM加点と除外患者の経過措置を区別します

実績指数では、FIM運動項目の「歩行・車椅子」と「トイレ動作」をそれぞれ独立して判定し、条件を満たす項目ごとに1点を加えます。両方が条件を満たせば2点、片方だけなら1点です。

FIM加点|入棟時5点以下から退棟時6点以上

疑義解釈その2・問46では、対象項目が入棟・入室時に5点以下で、退棟・退室時に6点以上となった場合の取扱いが示されています。

実績指数におけるFIM加点の判定例
歩行・車椅子 トイレ動作 加点
5点→6点 5点→6点 2点
4点→6点 5点→5点 1点
6点→7点 4点→6点 1点
5点→5点 6点→7点 0点

この加点は、実績指数の算出に用いるFIM運動項目の改善点数に対する取扱いです。患者の実際のFIM評価点を変更するものではありません。

除外対象|5月31日以前の入棟患者の扱い

疑義解釈その2・問48では、2026年5月31日までに入棟・入室した患者の入棟・入室月について、除外対象および除外割合に改定前基準を用いてよいとされています。

また、入棟時FIM運動項目が20点以下で、退棟までの疾患別リハビリテーション料の1日平均実施単位数が6単位を超える場合の改定後の除外条件についても、5月31日以前の入棟・入室患者には適用しなくてよいとされています。

一方、2026年7月以降に実績指数を算出する場合、FIM2項目の加点方法は算出対象期間の全患者に適用して差し支えありません。

強化体制加算の届出時は計算条件を再確認する

通常の実績指数算出に認められる経過措置を、強化体制加算の届出時にもそのまま適用できるとは限りません。

疑義解釈その2・問49では、強化体制加算の届出に際して、対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算することが示されています。除外患者割合についても、各月20%を超えないようにする取扱いを確認する必要があります。

そのため、通常の実績指数管理と強化体制加算の届出用計算を区別することが実務上の重要な判断境界になります。

強化体制加算|届出単位と6か月実績を確認します

回復期リハビリテーション強化体制加算は、回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出る病棟全体で届出を行います。また、実績指数の通常の算出月以外でも、届出前月までの6か月間を算出期間として実績指数を計算し、届け出ることができます。

これは疑義解釈その1・問30、その2・問49による取扱いです。

回復期リハビリテーション強化体制加算の届出時に確認する項目
項目 確認すること
対象病棟 入院料1を届け出る病棟全体
実績指数 48以上など、施設基準への適合
算出期間 届出前月までの6か月間
計算方法 対象期間の全患者について改定後基準を使用
除外患者 改定後の除外条件と各月20%の上限
その他の施設基準 排尿自立支援加算の届出、退院前訪問指導割合など

強化体制加算は1日80点の加算ですが、実績指数だけで届出できるものではありません。排尿自立支援加算の届出や退院前訪問指導の実施割合など、施設基準全体への適合が必要です。

届出時に使用した計算方法と通常の実績指数管理で使用する方法が異なる場合は、算出期間、対象患者、除外条件、計算日を区別して保存すると、後から判断根拠を確認しやすくなります。これは院内管理の一例であり、公式の届出様式を置き換えるものではありません。

退院前訪問指導割合|算定回数ではなく実施患者数で計算します

強化体制加算の退院前訪問指導割合は、直近6か月間の対象となる自宅退院患者のうち、退院前訪問指導を実施した患者の割合で判断します。同じ患者に2回実施しても、分子は1人です。

疑義解釈その2・問50〜52では、実施患者数の数え方、自宅の範囲、同一医療機関の他病棟で実施した場合の扱いが示されています。

退院前訪問指導割合の判断例
ケース 取扱い
同一患者に2回訪問指導を実施 分子は1人
サービス付き高齢者向け住宅へ退院 自宅退院の対象に含む
通知で対象外とされる施設等へ退院 分子・分母のいずれにも含めない
同一医療機関の他病棟で訪問指導後、回復期病棟へ転棟して自宅退院 所定の条件を満たす場合、実施患者として分子に含められる

自宅にはサービス付き高齢者向け住宅が含まれますが、施設入居時等医学総合管理料に関する所定の施設や、障害福祉サービスを行う施設・事業所、福祉ホームなど、疑義解釈で除外される退院先があります。

退院先の名称だけで一律に判定せず、該当する施設区分を確認してください。

実務上は、退院患者一覧に退院先区分と退院前訪問指導の実施有無を記録し、患者単位で重複なく集計する方法が考えられます。これは院内管理の例であり、公式の記録様式を示すものではありません。

実務対応|台帳・届出・退院支援で確認する順番

疑義解釈を院内で運用するときは、すべての内容を1つの台帳にまとめるよりも、職員管理、患者判定、実績指数、施設基準届出、退院支援の担当ごとに確認する方が整理しやすくなります。

  1. FIM研修:測定担当者と研修修了状況を照合する。
  2. 重症患者割合:入棟日と適用する判定基準を確認する。
  3. 高次脳機能障害:地域サービスの情報提供体制と退院後のリハ利用先を確認する。
  4. 実績指数:FIM加点条件、除外患者、算出時期を区別する。
  5. 強化体制加算:届出対象病棟、算出期間、改定後基準への適合を確認する。
  6. 退院前訪問指導:退院先区分と実施患者数を確認する。
疑義解釈を実務に反映するための管理例
管理領域 確認・保存する情報 担当の例
職員管理 FIM測定担当者、研修修了状況 リハ部門・看護部門
患者管理 入棟日、重症患者判定、適用基準 病棟管理者・医事担当
実績指数 入退棟時FIM、加点項目、除外条件 実績指数管理担当
施設基準届出 対象病棟、算出期間、届出要件 医事担当・施設基準管理担当
退院支援 退院先、リハ利用先、文書提供、訪問指導実施 退院支援部門・病棟スタッフ

これらは疑義解釈を踏まえた実務上の管理例です。施設基準の届出書類や算定要件を置き換えるものではありません。実際の届出では、最新の通知・様式と地方厚生(支)局の案内を確認してください。

間違えやすい判断|旧基準・新基準・経過措置を混同しない

2026年度改定では、同じ回復期リハ病棟の制度であっても、患者の入棟日、実績指数の算出時期、加算の届出時期によって取扱いが異なります。

判断を間違えやすい場面と確認方法
誤りやすい判断 確認すべきこと
FIM研修はリハ職だけでよい 測定を担当する看護職員も対象として確認する
6月から全患者に旧基準は使えない 5月31日以前の入棟・入室患者に関する経過措置を確認する
退院後の受診先はすべて文書提供先になる 退院後にリハビリテーションを利用するか確認する
FIM加点には2項目とも改善が必要 各項目を独立して判定する
通常算出と強化体制加算の届出は同じ計算方法 届出時の改定後基準による再計算を確認する
退院前訪問指導を2回行えば2人分 算定回数ではなく実施患者数で数える

また、2026年9月30日で終了した施設基準の経過措置と、同年12月31日までの高次脳機能障害に係る情報提供体制の経過措置は別のものです。終了日と対象要件を混同しないようにしてください。

次の一手|施設基準と実績指数の詳細を確認する

疑義解釈で判断条件を確認したら、施設基準の全体像や実績指数の計算方法を確認すると、届出や月次管理につなげやすくなります。

参考資料

  1. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その1).令和8年3月23日.公式PDF.
  2. 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その2).令和8年4月1日.公式PDF.
  3. 厚生労働省.「疑義解釈資料の送付について(その2)」の一部訂正について.令和8年4月9日.公式PDF.
  4. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定について.疑義解釈その3〜13および関連通知の訂正を含む公式資料一覧.公式資料一覧.
  5. 厚生労働省.令和8年度診療報酬改定説明資料.回復期リハビリテーション病棟入院料の評価の見直し.公式PDF.

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

2022年4月にrehabilikun blogを開設。急性期・回復期・療養病棟、介護福祉施設、訪問リハビリテーションでの経験があり、現在は療養病院に勤務しています。

脳卒中、褥瘡・創傷ケア、リハビリテーション栄養、呼吸リハビリテーションを中心に、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの医療従事者に向けて、評価・実践・制度に関する情報を発信しています。

保有資格

  • 脳卒中認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター2級

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