回復期リハ疑義解釈 2026 は、FIM研修・実績指数・強化体制加算から確認します
最終更新:2026年6月13日(疑義解釈その1・その2を中心に整理)
回復期リハ病棟まわりの疑義解釈は、通知を順番に読むよりも、現場運用に影響する論点から確認した方が迷いません。特に重要なのは、FIM研修の対象、重症患者割合の移行期ルール、高次脳機能障害の情報提供先、実績指数の加点、強化体制加算の届出、退院前訪問指導割合です。
この記事では、令和8年度診療報酬改定の回復期リハ病棟に関する疑義解釈のうち、6月対応と7月以降の実績指数対応で何をそろえるかに絞って整理します。改定全体の背景や計算式の細部は親記事・兄弟記事へ分け、本ページでは「現場で止まりやすい分岐」を短時間で確認できる形にします。
結論|先に固定する論点は6つです
回復期リハ疑義解釈2026で先に確認したいのは、FIM研修、重症患者割合、情報提供先、実績指数、強化体制加算、退院前訪問指導割合の6論点です。ここを先に分けると、通知の読み違いを減らせます。

スマホでは表を横スクロールできます。
| 論点 | 疑義解釈で確認すること | 現場で先に決めること |
|---|---|---|
| FIM研修 | FIM測定を担当する看護職員も研修対象になる | 測定担当者、受講履歴、台帳管理 |
| 重症患者割合 | 2026年5月31日までの入棟・入室患者は旧基準で扱える | 入棟日、判定基準、集計方法 |
| 高次脳機能障害の情報提供 | 提供先は退院後にリハを利用する医療機関・事業所等 | 単なる受診先やケアプラン作成先を含めない確認 |
| 実績指数 | 歩行・車椅子、トイレ動作は各項目ごとに1点加点できる | 加点項目、7月以降の台帳更新 |
| 強化体制加算 | 届出前月までの6か月実績でも届出できる | 届出単位、対象期間、改定後基準での計算 |
| 退院前訪問指導割合 | 算定回数ではなく実施患者数で考える | 分子・分母、対象退院先、記録方法 |
FIM研修|職種名ではなく測定担当で対象を決めます
FIM研修で最初に決めることは、PT・OT・STだけでなく、実際にFIM測定を担当する看護職員を含めて対象者を整理することです。職種名だけで線引きすると、要件確認時に説明しにくくなります。
現場では、測定担当者一覧、研修受講履歴、測定手順の共有範囲を先にそろえます。研修を受けたかどうかだけでなく、誰がどの場面でFIMを測るのかを台帳化しておくと、病棟内の判断差を減らせます。
| 項目 | 目的 | 記録例 |
|---|---|---|
| 測定担当者 | 研修対象者を担当実態で判断する | 病棟別FIM測定担当者一覧 |
| 受講履歴 | 研修要件の証跡を残す | 受講日、研修名、受講者名 |
| 測定手順 | 評価者間のばらつきを減らす | 院内手順書、申し送りルール |
重症患者割合|5月末までの入棟患者は旧基準で整理します
重症患者割合は、「6月から全患者を新基準にする」と読むと誤りやすい論点です。2026年5月31日までに入棟または入室した患者は、改定前の重症患者の範囲と重症患者割合の基準を用いてよいと整理します。
また、高次脳機能障害を伴う対象患者の範囲も確認が必要です。重症脳血管障害だけでなく、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎、急性脳症などの扱いも含めて、患者区分と集計ルールを分けて管理します。
| 患者区分 | 使う基準 | 残す記録 |
|---|---|---|
| 2026年5月31日までに入棟・入室 | 改定前の重症患者範囲・割合基準 | 入棟日、判定根拠、旧基準で扱う旨 |
| 2026年6月以降の新規入棟 | 改定後基準 | 集計対象月、判定方法、月次台帳 |
| 5月と6月をまたぐ集計 | 患者単位と集計単位を分けて確認 | 計算手順、確認者、更新日 |
高次脳機能障害の退院時情報提供|提供先はリハ利用先です
高次脳機能障害の退院時情報提供で重要なのは、文書提供先を「退院後にリハビリテーションを利用する先」に絞って確認することです。単なる受診予定やケアプラン作成予定だけでは、提供先として扱わない点に注意します。
提供先には、医療保険・介護保険・障害福祉サービスによるリハを行う医療機関、事業所、施設などが入ります。退院前カンファレンスでは、退院後サービス名だけでなく、リハ利用の有無、提供先、本人・家族同意、文書提供日を確認欄にすると運用しやすくなります。
| 確認項目 | 含むもの | 含まないもの |
|---|---|---|
| 介護保険リハ | 訪問リハ、通所リハ、介護予防訪問リハ、介護予防通所リハ、介護保険施設でのリハ | 単なる介護サービス利用予定 |
| 利用予定の意味 | 医療保険・介護保険・障害福祉サービスによるリハ利用 | 単なる受診予定、ケアプラン作成予定 |
| 文書提供先 | 退院後にリハを利用する医療機関・事業所・施設 | 受診先のみ、居宅介護支援事業所のみ |
実績指数|FIM加点と経過措置を分けて確認します
実績指数では、「歩行・車椅子」と「トイレ動作」をセットで考えすぎないことが重要です。それぞれ別項目として判定し、条件を満たす項目ごとに1点加点できます。
一方で、経過措置は患者の入棟日と算出時期で整理します。2026年5月31日までに入棟・入室した患者の入棟月については、除外対象と除外割合に改定前基準を用いてよい一方、2026年7月以降に実績指数を算出する場合のFIM加点は、算出対象期間の全患者に適用して差し支えないと整理します。
| 論点 | 確認すること | 現場で残すこと |
|---|---|---|
| FIM加点 | 歩行・車椅子、トイレ動作は各項目ごとに1点加点 | どの項目で加点したか |
| 除外対象・除外割合 | 5月31日までの入棟患者の入棟月は改定前基準で可 | 入棟日、旧基準適用の根拠 |
| 2026年7月以降の算出 | FIM加点は算出対象期間の全患者に適用可 | 台帳の計算ルール更新日 |
強化体制加算|届出単位と訪問指導割合を分けて考えます
強化体制加算で迷いやすいのは、届出時期と退院前訪問指導割合です。届出は、実績指数の算出月以外でも、届出前月までの6か月間を算出期間とした実績指数を算出して行えます。
この場合、対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算します。退院前訪問指導割合は、算定回数ではなく実施した患者数で数えます。1人に2回実施しても分子は1人です。
| 確認項目 | ずれやすい点 | 実務上の整え方 |
|---|---|---|
| 届出時期 | 実績指数の算出月しか届出できないと考えやすい | 届出前月までの6か月実績でも確認する |
| 実績指数の対象期間 | 旧基準と改定後基準を混ぜやすい | 届出時は対象期間の全患者を改定後基準で計算する |
| 退院前訪問指導の分子 | 算定回数で数えたくなる | 実施患者数で数える。2回実施でも1人 |
| 他病棟実施後の転棟 | 分子から外してしまいやすい | 同一医療機関内で実施後に回復期へ転棟し自宅退院なら分子に含める |
5分確認フロー|台帳に落とす前に入口をそろえます
疑義解釈を現場に落とすときは、通知本文をそのまま共有するよりも、5分で確認できる入口フローにした方が運用しやすくなります。先に見る順番は、職員、患者、退院先、計算、届出の順です。
- FIM測定担当者を確認する:看護職員を含め、実際の測定担当者を一覧化する。
- 患者の入棟日を確認する:2026年5月31日以前か、6月以降かを分ける。
- 退院後のリハ利用先を確認する:単なる受診予定やケアプラン作成予定を混ぜない。
- FIM加点項目を個別に確認する:歩行・車椅子、トイレ動作を別々に判定する。
- 強化体制加算の届出期間を確認する:届出前月までの6か月実績で算出できるかを見る。
- 退院前訪問指導は実施患者数で数える:算定回数ではなく、患者単位で分子を作る。
記録の型|最低限この5項目を残します
監査説明や病棟内共有を考えると、疑義解釈の本文を読んだかどうかよりも、判断根拠が台帳に残っているかが重要です。最低限、次の5項目を残すと後から確認しやすくなります。
| 記録項目 | 記載例 | 目的 |
|---|---|---|
| FIM測定担当 | 測定担当:看護職員A、PT B。研修受講日:2026年○月○日。 | 研修対象と測定実態を説明する |
| 重症患者割合 | 2026年5月20日入棟のため、入棟月は改定前基準で判定。 | 旧基準適用の根拠を残す |
| 情報提供先 | 退院後、通所リハ利用予定。本人・家族同意あり。提供先へ文書送付。 | リハ利用先への提供であることを示す |
| 実績指数加点 | 歩行・車椅子:対象、トイレ動作:対象外。加点1点。 | 項目別判定を明確にする |
| 退院前訪問指導 | 退院前訪問指導実施あり。患者単位で分子1として計上。 | 算定回数ではなく実施患者数で管理する |
現場の詰まりどころ|失敗は6月一律切替と算定回数カウントです
今回の疑義解釈で起きやすい失敗は、6月から一律で新基準に切り替えること、FIM研修をリハ職だけで考えること、退院前訪問指導を算定回数で数えることです。制度の読み込みよりも、入口の分け方を共有することが重要です。
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よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
FIM研修は看護師全員が対象ですか?
全員と機械的に考えるより、FIMの測定を担当する看護職員かどうかで整理するのが実務的です。まずは実際の測定担当者を確認し、受講履歴とあわせて管理します。
5月に入棟した患者が6月も入院中なら旧基準でよいですか?
2026年5月31日までに入棟または入室した患者については、改定前基準を用いてよいと整理します。患者ごとの入棟日を台帳で確認できるようにしておくことが大切です。
高次脳機能障害の文書提供先に、単なる受診予定の病院は含みますか?
含めません。医療保険、介護保険、障害福祉サービスによるリハビリテーションを利用する予定がある場合を対象にします。単なる受診予定やケアプラン作成予定とは分けて確認します。
歩行・車椅子とトイレ動作は両方そろわないと加点できませんか?
いいえ。各項目ごとに判定します。どちらか1項目だけが条件を満たす場合でも、その項目分として1点を加えます。
強化体制加算は実績指数の算出月以外では届出できませんか?
届出できます。届出前月までの6か月間を算出期間とした実績指数を算出して届出可能です。この場合は、対象期間の全患者について改定後基準で実績指数を計算します。
退院前訪問指導を1人に2回実施したら2人分ですか?
違います。入院後早期と退院前の2回実施しても、分子は1人として数えます。算定回数ではなく、実施患者数で整理します。
次の一手
このページで疑義解釈の運用ポイントを確認したら、次は全体像と個別論点に戻ると整理しやすくなります。
参考資料
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その1).令和8年3月23日.https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001678310.pdf
- 厚生労働省.疑義解釈資料の送付について(その2).令和8年3月31日.https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001684646.pdf
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を2022年4月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター2級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養、シーティング、摂食・嚥下


