リハ栄養口腔連携体制加算 1・2 の違い
2026 年度診療報酬改定で新設された「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」は、急性期入院医療でリハ・栄養・口腔を一体的に進めることを評価する加算です。ただし、現場では「加算 1 と 2 は何が違う?」「どこまで体制が必要?」「カンファレンスは必須?」と迷いやすい場面が少なくありません。
この記事では、リハ栄養口腔連携体制加算 1・2 の違いを比較表で整理しながら、PT・OT・ST が実務で押さえたい体制、記録、よくある勘違いを解説します。特に、「制度上の違い」と「現場で実際に何を求められるか」を分けて理解することが重要です。
結論:違いは「連携体制の強さ」と「点数」
リハ栄養口腔連携体制加算 1・2 の最大の違いは、多職種連携体制の強さと評価点数です。加算 1 はより強い連携体制を求める代わりに高い点数設定となっており、加算 2 は比較的導入しやすい体制で算定できる構造になっています。
ただし、「加算 2 は簡単」という意味ではありません。リハビリテーション、栄養管理、口腔管理を別々に行うのではなく、患者の機能回復や ADL 改善を共通目標として連携できているかが重要です。特に急性期では、早期離床、低栄養、嚥下、口腔機能低下が同時進行しやすいため、記録上も“連携していること”を示す必要があります。

| 比較項目 | 加算 1 | 加算 2 |
|---|---|---|
| 点数 | 150 点 | 90 点 |
| 特徴 | より強い多職種連携体制 | 基本的な連携体制 |
| 主な職種 | 医師、看護師、PT・OT・ST、管理栄養士、歯科職種など | 必要職種で連携 |
| 目的 | リハ・栄養・口腔を一体的に実施 | 基本的な連携実施 |
| 算定期間 | 計画作成日から 14 日限度 | 計画作成日から 14 日限度 |
現場で実際に求められること
制度上は「連携体制」と書かれていても、現場で実際に重要なのは、“誰が何を評価し、どう共有したか”を説明できることです。たとえば PT が離床を進めていても、低栄養や嚥下リスクが整理されていなければ、実質的な連携とは言いにくくなります。
また、ST が嚥下評価を実施していても、栄養量調整や食形態変更、口腔管理との共有が不十分だと、“別々に関わっているだけ”になりやすいです。そのため、カンファレンスそのものより、「共通目標」と「役割分担」が記録上で見えることが重要になります。
| 職種 | 主な役割 | 共有したい内容 |
|---|---|---|
| PT・OT | 離床、ADL、運動負荷調整 | 疲労、摂取量、活動耐久性 |
| ST | 嚥下、食事動作、コミュニケーション | 誤嚥リスク、食形態 |
| 管理栄養士 | 栄養評価、栄養量調整 | 摂取量、体重変化 |
| 歯科職種 | 口腔管理、口腔機能評価 | 口腔衛生、義歯、咀嚼 |
よくある勘違い
現場で多い勘違いの一つが、「多職種が関わっていれば算定できる」という考え方です。実際には、単に複数職種が介入しているだけでは不十分で、リハ・栄養・口腔を統合的に進めている必要があります。
また、「加算 2 は簡易版だから細かい記録はいらない」と考えるのも危険です。実際には、どちらの加算でも、患者の状態を共有し、機能回復に向けて連携したことを示せる記録が重要になります。
| 勘違い | 実際 |
|---|---|
| 多職種が介入すればよい | 連携内容と共通目標が必要 |
| 加算 2 は簡単 | 基本的な連携記録は必要 |
| カンファだけでよい | 実際の介入共有が重要 |
| PT だけで進められる | 栄養・口腔との整理が必要 |
算定前の 5 分チェック
算定可否を確認する際は、「誰が関わったか」だけでなく、「何を共有し、どの目標で動いたか」を整理すると分かりやすくなります。特に急性期では、離床だけが先行し、栄養・口腔評価が後回しになるケースも少なくありません。
まずは以下の 5 項目を確認すると、実務上の抜け漏れを減らしやすくなります。
| 確認項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 対象患者 | 低栄養・口腔・ADL低下リスクを整理しているか |
| 連携職種 | PT・OT・ST、栄養、口腔職種が共有できているか |
| 共通目標 | ADL・摂取・離床などの方向性が一致しているか |
| 記録 | 共有内容や役割分担が残っているか |
| 算定期間 | 14 日限度を超えていないか |
よくある質問
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
加算 1 と加算 2 の一番大きな違いは何ですか?
最も大きな違いは、多職種連携体制の強さと点数です。加算 1 はより強い体制を求める代わりに高い点数設定となっています。
カンファレンスは毎回必要ですか?
形式的なカンファレンス実施だけでなく、実際にリハ・栄養・口腔で情報共有されていることが重要です。
PT だけで進めることはできますか?
困難です。加算の趣旨は多職種連携であり、栄養・口腔管理との共有が必要になります。
算定期間はいつまでですか?
計画作成日から 14 日を限度として算定できます。
記録で特に重要なのは何ですか?
共通目標、共有内容、役割分担が記録上で説明できることが重要です。
次の一手
リハ栄養口腔連携体制加算は、「多職種が関わること」より、「共通目標で動いていること」が重要です。まずは、離床・栄養・嚥下・口腔を別々に記録していないかを見直してみましょう。
参考文献
- 厚生労働省. 令和 8 年度診療報酬改定について. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省保険局医療課. 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて. https://www.mhlw.go.jp/
著者情報

rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

