疾患別リハビリテーション料とは? 5 区分・日数・単位

制度・実務
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疾患別リハビリテーション料は「どの区分で、いつまで、何単位か」を先に固定すると迷いにくくなります

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疾患別リハビリテーション料は、対象疾患や状態に応じて区分された、医科診療報酬上の基本となるリハ料です。現場でまず押さえたいのは、どの区分を選ぶか標準的算定日数は何日か 1 日に何単位まで算定できるかの 3 点です。ここが曖昧だと、記録や台帳、人員運用までぶれやすくなります。

本記事では、総論として日常的に迷いやすい H000 心大血管 H001 脳血管疾患等 H001-2 廃用症候群 H002 運動器 H003 呼吸器 の 5 区分を整理します。改定全体の位置づけは、令和 8 年 改定リハ領域ハブから先に見るとつながりやすいです。

疾患別リハビリテーション料とは

診療報酬上の「疾患別リハビリテーション料」は、 H000 心大血管疾患リハビリテーション料 H001 脳血管疾患等リハビリテーション料 H001-2 廃用症候群リハビリテーション料 H002 運動器リハビリテーション料 H003 呼吸器リハビリテーション料 の 5 区分が土台です。

現場では「疾患別リハ」と広く呼ばれますが、制度上はこの 5 区分をまず区別して理解することが大切です。 H007 障害児(者)リハビリテーション料 H007-2 がん患者リハビリテーション料 も重要ですが、本記事ではまず一般病院で迷いやすい総論部分に絞って整理します。

5 区分の全体像

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疾患別リハビリテーション料 5 区分の早見表( 2026 年 6 月 1 日適用 )
区分 主な対象の考え方 代表点数 標準的算定日数
H000 心大血管 心機能回復、再発予防、心肺機能評価に基づく運動療法 Ⅰ 205 点 / Ⅱ 125 点 治療開始日から 150 日
H001 脳血管疾患等 脳卒中、高次脳機能障害など、中枢神経疾患の回復を主軸にしたリハ Ⅰ 245 点 / Ⅱ 200 点 / Ⅲ 100 点 発症・手術・急性増悪・最初に診断された日から 180 日
H001-2 廃用症候群 急性疾患等に伴う安静で基本動作や ADL が低下した状態 Ⅰ 180 点 / Ⅱ 146 点 / Ⅲ 77 点 診断または急性増悪から 120 日
H002 運動器 骨折、関節疾患、術後、疼痛や可動域制限など運動器中心のリハ Ⅰ 185 点 / Ⅱ 170 点 / Ⅲ 85 点 発症・手術・急性増悪・最初に診断された日から 150 日
H003 呼吸器 呼吸機能低下、術前後の呼吸訓練、 COPD など呼吸器中心のリハ Ⅰ 175 点 / Ⅱ 85 点 治療開始日から 90 日

まず大事なのは、脳血管か、廃用か、運動器かで迷ったときに、疾患名だけで決め打ちしないことです。制度上は、患者の疾患や状態を総合的に勘案し、最も適当な区分 1 つに限り算定する整理です。

つまり、複数の病名があっても「いま主に何をリハで扱うのか」を先に決める必要があります。区分選択と単位管理は別の話なので、まずはどの区分が主軸かを決め、その後に日数と単位を確認する順番が安全です。

どの区分を選ぶか

区分選択で詰まりやすいのは、脳血管疾患等リハ 廃用症候群リハ 運動器リハ の切り分けです。現場では「入院中に動けなくなったから廃用」「骨折だから運動器」と短絡しやすいですが、実際には主病態と、今どの機能障害を主にリハで扱うかで見た方がぶれにくくなります。

たとえば、脳卒中後で片麻痺や高次脳機能障害が主軸なら脳血管疾患等リハが基本です。一方、肺炎や敗血症後の安静で ADL が落ちたなら廃用症候群リハの発想が合いやすく、骨折術後で疼痛や可動域、荷重、歩行再建が主なら運動器リハが自然です。迷うときは、記録に残す主課題が何かまで言葉にしてから決めると整理しやすいです。

単位数と標準的算定日数

疾患別リハビリテーション料は、患者 1 人につき 1 日 6 単位 、別に定める患者では 1 日 9 単位 に限り算定できます。ここは区分ごとに別枠で増えるわけではないため、心大血管、脳血管、廃用、運動器、呼吸器のいずれを選んでも、まずはこの日単位上限の中で運用を考える必要があります。

また、標準的算定日数は区分ごとに異なります。脳血管疾患等リハは 180 日 、廃用症候群リハは 120 日 、運動器リハと心大血管リハは 150 日 、呼吸器リハは 90 日 が基本です。運用で混乱しやすいのは、起算日が違うことと、区分が違えば標準日数も違うことです。

計画書・説明・記録の基本

疾患別リハを実施する場合、医師は定期的な機能検査等をもとに効果判定を行い、別紙様式 21 又はこれに準じたリハビリテーション実施計画書を、開始後原則 7 日以内 、遅くとも 14 日以内 に作成する必要があります。

さらに、計画書の作成時と、その後は原則として 3 か月に 1 回以上 、患者または家族等へ内容を説明し、その写しを診療録に添付します。計画書作成前に疾患別リハを実施できるのは、医師が自ら実施する場合、または医師の具体的指示がある場合に限られるため、初回数日の運用は特にぶれやすいポイントです。

標準的算定日数を超えたら

標準的算定日数を超えた後も、すべて一律に終了ではありません。治療を継続することで状態改善が期待できると医学的に判断される場合など、通知で定められた条件を満たせば継続算定できる整理があります。

その際は、継続することとなった日を診療録に記載し、その後も必要性を判断しながら計画書を作成・説明していく流れです。総論記事では「超えたら終わり」でも「何となく続ける」でもなく、根拠を持って継続の可否を判断する領域と押さえるのが安全です。

現場の詰まりどころ

制度を知っていても詰まりやすいのは、区分選択 起算日管理 単位上限 標準日数超え後の記録 の 4 点です。特に、同じ患者に複数疾患があるときは「何となく主治医の印象で区分が決まる」「発症日と手術日と転院日が混ざる」といったズレが起きやすくなります。

もうひとつ多いのが、点数表だけ見て運用を決めてしまうことです。実際には、計画書のタイミング、説明者、継続理由、人員運用までセットで整えておかないと、担当者が変わったときにぶれます。制度理解だけでなく、台帳と記録の型まで先に決めておくのが実務では重要です。

よくある質問

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疾患別リハビリテーション料は何種類ありますか?

制度上の土台は、 H000 心大血管、 H001 脳血管疾患等、 H001-2 廃用症候群、 H002 運動器、 H003 呼吸器の 5 区分です。まずはこの 5 つの違いを押さえると整理しやすくなります。

同じ患者に複数の疾患別リハを算定できますか?

疾患別リハビリテーション料は、患者の疾患等を勘案し、最も適当な区分 1 つに限り算定する整理です。まずは主病態と主課題を決め、その区分で運用する考え方が基本です。

標準的算定日数を超えたら必ず終了ですか?

一律終了ではありません。治療継続により状態改善が期待できるなど、通知で定められた条件を満たす場合は継続算定できる整理があります。継続理由や必要性の記録が重要です。

計画書はいつまでに作ればよいですか?

リハビリテーション実施計画書は、開始後原則 7 日以内、遅くとも 14 日以内の作成が必要です。作成時とその後は原則 3 か月に 1 回以上、患者または家族等へ説明し、その写しを診療録に添付します。

次の一手

改定全体の位置づけを先に確認したい方へ:
令和 8 年 改定リハ領域ハブ|全体像と読む順番

人員運用と算定上限を続けて整理したい方へ:
疾患別リハ専従要件と算定上限を実務で解説【 2026 】

計画書の算定と説明ルールまでつなげたい方へ:
リハ総合計画評価料 1・ 2 の違い【 2026 】転院・再発も整理


参考文献

  1. 厚生労働省.医科診療報酬点数表(令和 8 年 6 月 1 日適用).第 7 部 リハビリテーション/通則、 H000 〜 H003.PDF
  2. 厚生労働省.診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和 8 年 6 月 1 日適用).第 7 部 リハビリテーション.PDF
  3. 厚生労働省.令和 8 年度診療報酬改定について.改定通知・疑義解釈・施設基準等の総合ページ.公式ページ

著者情報

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rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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